
中外製薬の中途採用・転職難易度、採用倍率は?
そんな中外製薬は転職市場でも非常に人気が高く、「憧れの企業」として多くの求職者が応募するため転職難易度は高めです。特に、募集枠が少ないうえに、即戦力として活躍できる専門スキルを求められるため、しっかりとした対策が必要になります。
※本記事は2025年4月に掲載されました。
※記事中の情報は掲載時点でのWeb情報の公開情報を元に弊社が編集・掲載したものであり、企業の公式見解ではありません。
※組織の詳細や制度等は大きく変更になる可能性があります。ご転職を検討の際は、公式HP等で最新の情報をご確認ください。
そもそもなぜ中外製薬の中途採用倍率は高いのか?
倍率が高い理由としては、
(1)応募数が多い
(2)高い「専門性」が求められる
(3)面接の通過率が低い
の3点が挙げられます。
(1)応募数が多い
中外製薬は、革新的な医薬品の研究開発に強みを持つリーディングカンパニーです。製薬業界での認知度が高く、圧倒的なブランド力と人気の高さから多くの人が「中外製薬で働きたい!」と憧れを持っています。
また中外製薬は長年にわたって安定した経営を続けており、抗体医薬品では国内No.1のシェアを誇ります。そのため「安定した企業で働きたい」と考える転職希望者や、研究開発職、MR(医薬情報担当者)として働きたい人にとっても魅力的な選択肢になり、結果的に応募数も多くなる傾向です。
(2)高い「専門性」が求められる
中外製薬は、単なる「医薬品メーカーの企業」ではなく、革新的な研究開発力を活かしたビジネスを展開する企業です。そのため、研究開発や臨床開発、マーケティングにおいて「高度な専門知識や経験」が求められます。
また、事業の大部分は「医療用医薬品」です。中外製薬が自社で商品を製造・販売するだけでなく、他企業と提携し、最先端のバイオテクノロジーを活用した商品・サービスを展開しています、そのため、ポジションによってはライセンス関連の業務経験者を即戦力として求めており、未経験者が入り込むのは難しいでしょう。
一方で職種としては研究・製造だけでなく、施設管理、ITなどのポジションもあるため、製薬業界経験はなくとも、職種としての経験者はチャンスが多いです。業界チェンジで転職したい方にとっては、逆にその専門性を活かした転職が可能でしょう。
(3)面接の通過率が低い
上記2点の通り、人気企業であり、採用ポジションでの求めるスキルから、おのずと面接通過率も低くなっています。中外製薬で実現したいことはもちろん、挑戦を恐れずに新たな成長領域に取り組む姿勢や、積極的に新しい知識を吸収し自らの力で行動できる主体性についても書類選考、面接でも評価されるため、同社の具体的なニーズと自分の経験をマッチさせることが重要です。また面接でのこれらのアピールはもちろん論理的思考能力やコミュニケーション能力もポイントとなってきます。
さらになぜ中外製薬なのか、ポジションによっては同業他社の可能性もあるため、なぜ中外製薬でなければいけないのかを論理的に述べることがポイントとなっており、その通過率は低くなっています。
どのような対策が必要か?
中外製薬への転職では面接対策が重要なポイントとなります。書類においても実際に不採用になっているケースもあるため、ここでは書類、面接と合わせて、どのような対策が必要なのかご紹介していきます。
書類対策
一般的な書き方で問題ありませんが、応募ポジションと親和性のある経験、スキルをアピールしましょう。専門職であればどんな業務内容を経験してきたのか、企画系であれば実績を記載するようにしましょう。転職エージェントに相談し、客観的な意見も交えてブラッシュアップしながら進めると良いかと思います。応募書類の重要なポイントは人事担当者に「会ってみたい」と思ってもらうことです。どんなに人物面がよくてもこの書類選考で落ちてしまっては面接で何も伝えられません。
例えば、担当したプロジェクトの概要、目的、規模、期間、チーム構成などや、自分の役割や責任、具体的な成果や達成した目標、プロジェクトで使用した技術やスキル、ツールなども記載すると良いでしょう。また自分の強みや特長を具体的にアピールすることも必要です。
面接対策
中外製薬の面接では、技術力や専門知識はもちろんのこと、「自ら考え行動できる自律した人材か」 「フロンティア精神を持ち、規定にとらわれない自由な発想を持っているか」といったポイントも重視されます。
書類選考の倍率が高いため、面接に進めた時点である程度のスキルは認められていますが、最終的に「即戦力になれるかどうか」「新たなチャレンジにも臆さない人材であるか」が合否を分ける決め手になります。
企業研究を徹底し、事業哲学・企業理念を理解する
中外製薬は 「すべての革新は患者さんのために」 という事業哲学を掲げており、単なる製薬会社ではなく「革新的な医薬品の創製を通じて、世界中の人々の健康に貢献する」という企業理念の達成を目指しています。そのため、面接では 「なぜ中外製薬で働きたいのか?」 を深く聞かれることが多いです。
「給与が高いから」「安定しているから」ではなく、なぜ数ある企業の中で中外製薬を選んだのか、しっかりと企業理念や中外製薬の歴史・事業内容と紐づけて話す必要があります。
これまでの経験が中外製薬でどう活かせるかを明確にする
採用では「即戦力」が重視されるため、「あなたのスキルが中外製薬でどう活かせるのか?」 を説明できるように準備しましょう。
・職種ごとに求められるスキルを把握する(研究開発・製造・SEなど)
・過去の実績を具体的な数字や成果を交えて説明する
・中外製薬の事業にどのように貢献できるかを明確にする
といった内容を話せるように予め用意しておきましょう。
患者さんの視点を尊重すること
中外製薬は、革新を通じて人々の健康に貢献することを使命とする、研究開発志向の強い企業です。そのため、たとえビジネス視点があっても倫理観に欠ける人や、患者さんの視点を持てない人は採用されにくいです。
特に、中外製薬のターゲット層やブランドストーリーへの理解や、自分の考える「中外製薬らしさ」を言語化できるようにすることが大切です。「革新性」だけでなく、中外製薬のブランド価値や哲学に言及できると好印象かと思います。
さらに、面接の最後に必ず「何か質問がありますか?」と聞かれることが多いので、企業のビジョンや具体的なプロジェクトに関する質問をいくつか準備しておきましょう。これにより、企業に対する関心と理解度をアピールできます。
ただあまりにも応募ポジションとかけ離れた質問は逆効果になります。例えば経営メンバーでない方へ、「今の企業の経営課題と、これからの戦略について伺いたいです」といってもちょっと違いますよね?いわゆるネットから取ってきた質問ではなく、自分自身が面接準備などで疑問に思ったことなど「自分目線」での質問を用意するようにしましょう。
求める人材像
中外製薬の中途採用では、即戦力の人材が求められるのはもちろんのこと、同社の価値観や事業戦略に合った人物であることも重視されます。
採用ページからですが求める人材像を引用します。
中外製薬が求める人物像
・自ら考え行動できる自律した人材
・フロンティア精神を持ち、規定にとらわれない自由な発想を持っている
・新たなことへのチャレンジを臆さない人材
【トップメッセージ】
世の中には、いまだ有効な治療法のない疾患が数多くあります。治療を待ち望む患者さんが、世界に大勢存在します。「患者さんが待ち望む治療薬をいち早くお届けしたい」、「患者さんの幸せに貢献したい」という強い想いを原動力に、こうしたアンメットメディカルニーズに挑戦し続けることこそ、中外製薬グループの使命であると考えています。
わたしたちは事業活動を通して社会課題を解決することで新しい価値を生み出し、さまざまなステークホルダーとともに発展していきたいと考えています。この考えのもと、経営の基本方針として社会との「共有価値の創造」を掲げており、これを実現していくための最大の鍵はイノベーションへの集中です。中外にしか生み出せないイノベーションにより「患者さん中心の高度で持続可能な医療」の実現を目指します。
中外製薬は、ロシュ社との協働のもと、革新的新薬の創出に徹底的に拘わり、「世界のヘルスケア産業のトップイノベーター」となることを目指しています。2030年に到達を目指すトップイノベーター像と、それを実現するための成長戦略「TOP I 2030」を策定し、全社一丸となり取り組んでいます。
こうした戦略推進の実行力を左右するのは人財にほかなりません。イノベーションの源泉は「やっぱり、ひと」だと私は信じています。革新的な医薬品を創製・開発するのも、社内のあらゆるビジネスプロセスを変革するのも「ひと」です。イノベーションを育む組織風土をさらに磨き上げ、さまざまな属性やバックグラウンドを持つ社員が成長し、生き生きと活躍できる会社、社員一人ひとりが自分でキャリアをデザインし、やりたいことに挑戦できる会社にしていきます。
世界のヘルスケア産業のトップイノベーターになるために、全力でイノベーションを追求してまいります。
引用:CEOメッセージ | 中外製薬について | 中外製薬株式会社
中途求人から紐解く中外製薬の求める人材像
中外製薬の採用情報や求人傾向を分析すると、「こんな人が求められる」という共通点が見えてきます。
製薬 × ビジネス視点の両立ができる人
「製薬業界の知見があること」は前提。ただし、それだけでは足りず、「どうすれば医薬品の価値を高めながらビジネスとして成功させるか?」を考えられる人が求められます。
変化を楽しみながら、新しいことに挑戦できる人
中外製薬は近年、デジタル・IT・DXなど新しい領域に挑戦しています。そのため、「今までのやり方」に固執せず、新しいことに前向きに取り組める人が歓迎されます。
社内外とのコミュニケーションが得意な人
中外製薬の会社内には、製薬技術本部をはじめ、生産技術本部・プロジェクトライフサイクルマネジメントユニット・信頼性保証ユニットなど、多様な部署が存在します。そのため、仕事を進めていく上で関わる人が多く、「コニュニケーション力が高い」「調整力がある」人が活躍しやすい環境です。
中外製薬 会社概要
社名 | 中外製薬株式会社(CHUGAI PHARMACEUTICAL CO., LTD.) |
代表者 | 奥田 修 |
創業 | 1925(大正14)年3月10日 |
設立 | 1943(昭和18)年3月8日 |
資本金 | 73,202百万円(2024年12月31日現在) |
売上収益 | 1,170,611百万円(連結、2024年12月期) |
従業員数 | 7,778名(連結、2024年12月31日現在) |
事業内容 | 医薬品の研究、開発、製造、販売および輸出入 |
本社 | 〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1 日本橋三井タワー |
企業理念/行動基準
中外製薬グループは、ステークホルダーの多様な期待に応える企業像を実現し、企業の社会責任を果たすべく、自らの存在意義(Mission)、価値観(Core Values)、目指す姿(Envisioned Future)をミッションステートメント(=企業理念)として掲げ、これを基点とした事業経営を展開しています。
また、ミッションステートメントの実現を目指す中外製薬が、誠意ある企業行動によって社会から信頼・選択され、永続的に社会に貢献する企業となるために、ミッションステートメントの価値観(Core Values)に基づき、企業行動ならびに社員行動の規準を行動規準(=中外製薬グループ コード・オブ・コンダクト(CCC))として定め、日々実践しています。
ミッションステートメント(Mission Statement)
存在意義(Mission)
革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献します
価値観(Core Values)
- 患者中心
患者さん一人ひとりの健康と幸せを最優先に考えます
- フロンティア精神
自らを磨き、新たな発想で、イノベーションを追求します
- 誠実
常に誠実な行動で、社会の期待に応えます
目指す姿(Envisioned Future)
ロシュとの協働のもと、独自のサイエンス力と技術力を核として、患者中心の高度で持続可能な医療を実現する、ヘルスケア産業のトップイノベーターとなります