博報堂の働き方は?ワークライフバランスは保てる?
日本を代表する広告代理店の博報堂。電通と並んで国内広告代理店の二大巨頭として知られています。高いクリエイティブ力を誇り、名だたる人材を輩出している博報堂。転職市場でも非常に人気が高い企業です。
しかし、広告代理店といえば「働く時間が長い」「激務」というイメージを持たれる方も少なくないでしょう。今回は博報堂の働き方について具体的に紹介します。
また、博報堂への転職支援に強いエージェントとして数多くの支援実績を誇る弊社が持つ博報堂の面接情報や、博報堂へ転職するための重要なポイントも合わせてご紹介していきます。
博報堂の働き方は?心身の健康と知恵を充電する、新しい働き方を推進中
博報堂は「生活者発想」と「パートナー主義」をフィロソフィーに、新しい広告会社の姿へと常に自己革新を続けています。そして、「新しい働き方」を実現するために、2019年4月の労働関連法の遵守に加え、まず以下の2つのルールと2つのマナーに全社を挙げて取り組んでいます。
●プラ休(月イチ週休3日制)
月に少なくとも1日、平日に年次有給休暇を取得し、生活者としての時間を確保するルール。プライベートの時間をプラニングし、自分や仕事にプラスを生み出す休暇「プラ休」を新設。
心身の健康と知恵の充電のために、毎月、土日祝日と別に社員は1日以上の年次有給休暇を取得。
●インターバル11
休養を取ることで、翌日の業務にて十分なクリエイティビティの発揮が出来るように心身ともに体調を整えるためのルール。
業務終了から業務開始までの時間を11時間以上空ける「インターバル」を、1ヶ月に11日以上確保するために本項目をOW基準に追加。
この他に、粒揃いよりも粒違いの人材が「自由」で「主体的に」クリエイティビティを発揮し、価値を生み出すために、個人の時間を尊重する2つのマナーを啓発します。
●スラッシュ7
効率的な打ち合わせの進行を心掛けると同時に、個人でアイデアを考えたり、充電するための時間確保を目指すマナー。社内における会議、打ち合わせのコアタイムは午後7時までとしています。
会議室も午後7時以降は、個人の時間に充てる等、チームと個人の業務のメリハリをつけています。
●サイレント10
平日の深夜及び土日における連絡回避と、それに伴う心身的な負荷の抑制を目指すマナー。
緊急時やイベント実施、時差のある業務等については柔軟に判断しながらも、基本的には平日午後10時以降および土日については不要不急の連絡や返信の要請を控える風土作り。
上記以外にも、2019年4月に施行された働き方改革関連法の施行に伴う社会的な働き方改革に対応しながらも、新しいルールやマナーを通じて、クリエイティビティ溢れる人材の維持とその向上、および社内外の協働者とのクリエイティビティを確保する働き方を進めるために、全社を挙げて取り組んでいます。
●新しい働き方による広告ビジネスガイドラインも公開
博報堂は、2018年3月26日に広告関係4団体より発表された「広告制作取引受発注ガイドライン」にて約束された「新しい働き方に向けた、広告業務受発注時の新ルール(平成30年ルール)」の精神を尊重し遵守するとともに、これに準じ、広告制作のみならず全ての広告業務について、以下のガイドラインを策定しています。
【1】法令を順守するとともに長時間労働を削減し、健康でクリエイティビティあふれる労働環境の整備に努める。当社社員のみならず、発注先、媒体社や協力機関など協働して業務に携わる人にも配慮する。
【2】深夜・土日祝日勤務を前提としたスケジュール※1の受発注を回避するとともに、発注内容の煩雑な変更を抑制することに留意する。
※1 深夜・土日祝日が実施日となる業務はこの限りではないが、その場合も準備等については深夜・土日祝日勤務にならないよう留意する。
【3】平成30年ルール」に基づく広告制作業務については、オリエン時においてクライアントおよび協力機関と「制作スケジュール確認書」※2を取り交わし、事前に業務内容・スケジュールを確認する。企画内容決定時(=制作開始時)にもあらためて、業務内容やスケジュールについてお互いに確認しあう。
【4】やむをえない事情により、上記業務内容・スケジュールが変更になった場合は、協力機関とともにスケジュール・見積もりを再提出し「制作スケジュール修正確認書」※3を取り交わす。
※2「確認書」、※3「修正確認書」は、別途配布される指定の書式にて行う。なお、得意先からの指定があった場合はこれに順ずる。
本ガイドラインは2018年5月より運用を開始しています。
ユニークな制度が、博報堂の「クリエイティブ力」を支えている
月イチ週休3日制になるプラ休など、ユニークな制度があります。有給休暇は付与されていれば労働者は誰でも取得できる仕組みではありますが、顧客や同僚に遠慮して、なかなか言い出せないという人も多いでしょう。
しかし、このように会社が制度として設け「心身の健康と知恵の充電のために」「十分なクリエイティビティの発揮が出来るように」と銘打っているため、気負いせず休暇を取れるようになっています。
博報堂は自他ともに認める強みが「クリエイティブ力」。これは心身のゆとりを持ちメリハリをつけれる働き方を行うからこそ実現できているのかもしれません。
実際はどう?社員の口コミ
制度だけではなく、実態はどうなのでしょうか。
社員の口コミを紹介します。
「時間の不規則性は否めませんが、上司や周りの人との風通しが(本人次第で)とてもいいため、チームで話し合ってフォローし合いながら、1〜2週間の長い休暇を営業職でも取得できます。プライベートな時間も事前に申告し合って、公開スケジュールに私用予定も堂々と載せています(「子どもの運動会」「結婚記念日ディナー」とか)
また月に一度のプラ休もあり、堂々と平日に月1度の有給が自由に取得できます。さらに、プラ休取得を後押しする施策として、有給取得奨励日というのが一年間毎月設定されており、そこで休む人も多く、とにかく休みは取りやすいです。 普段の日も基本はフレックスのため、ちゃんとスケジュールに予定ありなどの記載があれば、私用でも調整可能です。なので朝に病院に行った後に出社や在宅勤務を開始したり、夜にジムに行ったり、習い事している人も多いですね」 (営業/新卒入社20年/女性) |
「部門・部署によるが、エンジニアリング・研究開発の部署では、ワークライフバランスは極めて良好。稀にワーカホリックなメンバーもいて、ほぼ1日中、深夜早朝仕事をしている人もいるがそれを他社に強制するような雰囲気はなく、好きだから勝手にやっているという状況。
ただ明示的に同じような過剰な働き方を強制することはなくても、過剰労働組も進捗は当然速いため、結果としてまわりが焦る状況にはなりやすい。このことは当人たちに理解してもらう必要がある」 (エンジニア/中途入社5年/男性) |
「過去に比べると近年はかなりワークライフバランスの改善が進んできており、深夜残業や休日出勤は総じて減ってきている。ただし、仕事の性質上、突発的な業務や繁忙期は存在するので、時期によってはかなり忙しくなってしまう。
また、担当するクライアントやチームによって文化や仕事の仕方が違うため、同じ年次や職種でもチームによってかなり働き方が変わる。社内外の会食が多いチームは夜の時間がとられてしまうので、体力がかなり必要」 (営業/新卒入社3年/男性) |
ワークライフバランスの改善は進んでいるとの声が多く上がりました。また、フレックスタイム制やリモートワークの活用により、私生活と柔軟にバランスをとっている人もいるようです。
チームメンバーとコミュニケーションをとって調整しあえる風土なのも、「ひとがいい人が多い」という口コミも見られる博報堂ならではです。
しかし、仕事の性質上、時期によっては忙しさを覚悟する必要があるようです。企画のプレゼンテーション前や広告の締め切りなどの期日前や、顧客からの要望により、業務が増えたり緊急性が高まる場合があります。
広告という無形商材を扱うため、人が働いてこそ価値を生み出すという点では、最終的にマンパワーで成果を出す・品質を上げる、というのは念頭に置いておいたほうが良いでしょう。
- 職種にもよるが、広告業界のため一定忙しいことへの覚悟は必要
- 会社としても各種制度を整備しており、ワークライフバランス向上の意識がある
- 短い時間でも生産性高く業務する意識があれば、ワークライフバランスは保てる
- ワークライフバランスへの優先度が非常に高い方は注意
博報堂の働き方をまとめるとこのような形です。ご自身の価値観の優先度と比較して決定してみましょう。
働き方はポジションや部門にもよるので、転職の際には面接の終盤で聞いてみるのをおすすめします。また、聞きにくい質問ではあるので、転職エージェント経由で応募し、エージェントに相談するのもおすすめです。
企業概要
転職活動においては企業概要・事業内容のチェックも欠かせません。
ここからが企業・事業について紹介します。
株式会社博報堂
創業 | 1895年(明治28年)10月6日(設立:1924年2月11日) |
資本金 | 358億48百万円 |
売上高 | 9,069億99百万円(2020年4月~2021年3月期、連結ベース) |
代表者 | 代表取締役社長 水島 正幸 |
社員数 | 3,812名(2021年4月1日現在・契約社員含む) |
博報堂は、長い歴史の中で広告ビジネスを通じてクリエイティビティを鍛え上げてきました。新しい市場、新しい社会において、生活者発想を活かしたクリエイティビティを国内でも海外においても幅広く発揮しています。
大変革の時代においても、広告領域を超えて、経営・事業領域から社会イシューまでのあらゆる領域でクライアントの課題を解決し、社会に新しい価値を提供しています。
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
創業 | 2003年12月1日 |
資本金 | 95億円 |
代表者 | 代表取締役社長 矢嶋 弘毅 |
社員数 | 824人(2021年4月1日現在、契約社員含む) |
博報堂DYメディアパートナーズは、メディア効果をデザインする会社、メディア価値を創造しコミュニケーション効果を最大限に生み出すために2003年に設立されました。
生活者発想を活かし、媒体社やコンテンツホルダーのパートナーとしてコミュニケーションの価値向上に取り組み、また、グループの広告会社と連携して広告主の課題に対応することで、コミュニケーションの市場を創り続けています。
事業領域
マーケティング
デジタル化が加速し、あらゆるものがデータ化される現在、“マーケティング”の範疇や方法論も劇的に変化しています。博報堂はクライアントのマーケティングパートナーとして、最新テクノロジーや膨大なデータを扱うノウハウと、長年培ってきた生活者洞察力とクリエイティビティを発揮して、クライアント企業のマーケティングの変革から実行まで支援します。
クリエイティブ
価値観が多様化し情報があふれる現代において、生活者の心を動かすためには、現代の生活者に対する深い洞察力と新たなビジネスへの対応力が必要です。博報堂は世界をリードする圧倒的なクリエイティブ力によるメディア表現、デザイン、映像などの多彩なアウトプットに加え、クライアントの経営課題をともに解決する今までにないクリエイティブも生み出していきます。
アクティベーション
5GやIoTといったテクノロジーの進化によって、生活者との接点は、店頭、イベントなどの場からWebやSNSに広がり、さらには生活のあらゆる場面までもが新たなインターフェースになろうとしています。生活者行動データとテクノロジーを活用し、生活者のリアルとデジタルの体験を統合したUI/UXの設計・開発を支援します。
PR
組織のすべての活動が世の中へのメッセージとなり、SNSの普及で生活者の情報発信力が高まる現在、PRの重要性は一層高まっています。博報堂は、メディア・有識者・インフルエンサー・生活者など、多様な立場に対する深い理解をもとに、レピュテーションを維持・向上させる「マーケティング視点でのPR」を提供します。
コンサルティング
幅広い業種業界とのビジネスで培った市場への知見とクリエイティビティによってクライアントの経営課題・マーケティング課題の最適解を導き出し、戦略策定から最終的な実施までワンストップのコンサルティングを提供します。
事業開発/イノベーション
博報堂のクリエイティビティとプロジェクトデザイン力で、クライアントのイノベーションを発想から実装までサポートいたします。また、博報堂がリーダーシップをとってさまざまなパートナーとチームを組み、未来のサービスや事業を創造する取り組みも行っています。
メディア&コンテンツ
生活者のメディア接触行動は年々多様化し、時間や場所にとらわれずコンテンツを楽しむ生活者も増えています。博報堂DYグループの総合メディア事業会社「博報堂DYメディアパートナーズ」と連携し、生活者と最新のメディア環境を見据えて、クライアントのコミュニケーション効果を最大化するメディア・コンテンツサービスを提供しています。
テクノロジー・R&D
ビッグデータの時代、蓄積された膨大なデータを読み解き、新たな取り組みへと活かす発想力が重要です。博報堂はデータアナリティクスの専門組織・専門家を擁して、最先端のデータドリブンマーケティングをクライアントに提供しています。また生活者発想の原点ともなる、生活者の声や行動を捉えた定性・定量調査やエスノグラフィ調査などの手法も多数保有し、課題に応じて提供しいます。
デジタル
デジタル化の進展により、生活者のリアルタイムの行動から購買の前提となる意識や価値観に至るまで把握が可能となり、従来のマーケティング文脈では捉えきれない新たな課題が生まれています。
生活者とのコミュニケーションもリアル空間だけではなくメタバース空間にまで広がり、革新を続けています。生活者の気持ちを動かし、行動を触発するクリエイティブやプロモーション等、統合的なデジタルソリューションを提供します。
グローバル
博報堂グループは海外においても、責任あるパートナーとしてクライアントをサポートします。我々のソリューションは、海外18の国と地域・100を超えるオフィスを通じ、グローバル事業展開をしているクライアントへと提供され、高い評価を受けています。現在、現地採用スタッフを含み、5,000人を超えるスペシャリストが、世界各地でその力を発揮しています。
博報堂へのご転職をお考えの方へ
博報堂への転職は難易度は非常に高く、十分な面接対策なしでは内定獲得は難しいと言えます。
弊社sincereedだからこそわかる選考対策、さらには入社後の早期活躍方法についても多くのアドバイス、サポートが可能となっております。
博報堂への転職にご興味のある方は、まずは一度ご相談いただければ幸いです。