コニカミノルタが取り組むDX推進とは?
コニカミノルタへの転職をお考えの方にとって、働く環境でDXがどのように進んでいるかは、気になるポイントではないでしょうか。
コニカミノルタは2024年4月、社内にDX推進室を設置しました。トップダウンとボトムアップの2つのアプローチで社内DXを確実に進めることをミッションとする部署です。
こちらの記事では、なぜ今コニカミノルタがDX推進に力を入れるのかや、具体的な取り組みや狙いなどをご紹介していきます。
なぜ今、社内DX推進に力を入れるのか?
コニカミノルタがいまDXを推し進める背景には、源泉となる3つのトレンドがIT分野で生まれていることが理由です。
①データ統合基盤
異なるIT基盤やデータベース上のデータを、単一のIT基盤上に手軽に統合できるようになったため
②AI
マシンラーニングやその発展形であるディープラーニングによって、過去の情報から将来を類推するモデルを比較的容易に構築できるようになった上に、昨今は生成AIの急速な発展により文字や画像等の情報をコンピュータが学び、人間に提供できるようになったため。
③ローコード開発ツール
直感的なユーザーインタフェースやAIの支援によって、コーディングの高度な知識がなくても業務用ツールを開発できるようになったため。現場主導のDXを推進しやすい環境が整ったと言えます。
これらの技術を有効活用して生産性向上に結び付けるのが狙いです。
コニカミノルタがDX推進で大事にしているポイント
コニカミノルタがDX推進において大事にしているポイントをご紹介します。
アプローチ方法
①トップダウン
規模の大きなバリューチェーンについて会社主導で進めていくアプローチです。大規模で一人ひとりの生産性向上が大きなインパクトを産む場合や、展開している各国が似たようなオペレーションで業務の共通性が高い場合、トップダウンで推進していきます。
②ボトムアップ
各部門で掘り起こした課題を起点とするDXです。各組織で業務プロセスを見直して、DXで生産性を上げていきます。小さいながらも現場が成果を感じられれば、DX文化の醸成にもつながります。また成果をアピールできる場を設ければ、ほかの部門にもDXが広がり、文化醸成に弾みがつくことも狙いです。
生産性の向上と投資対効果
DX推進のポイントは、生産性の向上を実現することと投資対効果にこだわることの2つです。そのため、定量的な目標を定め、モニタリングを繰り返すことが重要です。対象業務を会社や顧客に対して経済価値を生み出す付加価値業務だけに絞り込み、デジタル化を進めた上で、評価していきます。
コニカミノルタの社内DX事例
上記のポイントを踏まえ、これまでに取り組んできたDX事例についてご紹介していきます。
共通プラットフォームの構築
グローバル規模でのビジネスを加速させるため、共通プラットフォームを通じて全社のサービス展開を推進しています。各部門間のデータ連携を容易にすることで、意思決定のスピードを高め、顧客ニーズに迅速に対応できるようにしています。これにより、業務効率化と企業の競争力強化を図っています。
RPA導入による業務効率化
コニカミノルタは、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用して、業務フローの自動化を実施しました。これにより、人手による単純作業が減少し、社員がより創造的な業務に集中できる環境を整えています。具体的には、請求書処理やデータ入力など、従来は手作業で行われていた業務を自動化することで、業務効率の向上とコスト削減を実現しました。2018年に導入を始めたこのRPAでは、グループ全体で年間約10万時間の業務効率化を実現しています。
需要予測モデルの開発
オフィス関連製品の販売において、トナーの需要予測モデルを開発し、適切な在庫管理と供給計画を可能にしました。このモデルは、過去の販売データや市場の動向を基に予測を行い、製品の欠品リスクを減少させるとともに、在庫コストの削減に貢献しています。AIやデータ解析技術を活用することで、効率的なサプライチェーンを実現しています。
ネットワークカメラMOBOTIXを活用したオフィス管理
ビルメンテナンス関連のDX事例として、ネットワークカメラMOBOTIXを使用したオフィス管理を実施しています。このシステムは、オフィスの稼働状況をリアルタイムで把握するために活用され、効率的なスペース利用やエネルギー消費の最適化を可能にします。また、セキュリティ管理の強化にも寄与し、社員の安全な職場環境を提供しています
Generative AI Dayの開催
社内イベント「Generative AI Day」を開催し、生成AIの活用に関する取り組みを紹介しました。社員が最新技術に触れる機会を提供することで、AI活用の意識を高め、社内DXの推進に弾みをつけました。これにより、社内でのAI技術の導入が進み、業務効率化や新たな価値の創出が期待されています。
コニカミノルタのDX人材育成
コニカミノルタでは、DX専門技術人財を強化し、適材適所への配置を加速することを目指しています。
コニカミノルタがDXカンパニーとなるうえで不可欠となる、「お客様に近いところでデジタルの専門家をオーケストレーションする人財」の育成に向けた“育成の型”を創り、プロセスを回しています。
具体的には、候補者となる人財をグローバルレベルで選抜し、欧州のトップレベルの教育機関とコラボレーションして、目指すべきビジネスの方向性、現状の課題を踏まえた教育プログラムを設計、選抜者に提供するとともに、教育プログラムを通して明らかになった本人の資質に基づく個別育成計画の策定と実行を行っています。
この取り組みは人的資本経営の重要施策に位置付けられており、以下のようなKPIも設定されています。
実績 | 目標 | ||||||
2020年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | ||
DX専門技術人財※ | 数(人) | 500 | 814 | 1085 | 1000 | ― | ― |
割合(%) | ― | ― | 全技術者の35% | ― | 各事業の技術者の40%以上 | 各事業の技術者の50%以上 |
※製品・サービスおよび業務プロセスで得られるデータとデジタル技術/AI技術を活用し、社内外の課題を解決するソリューションを形にできる専門人財
コニカミノルタのDXの今後
コニカミノルタはDX推進をしていった先にどのような未来を描いているのでしょうか?
コニカミノルタのブログによると、社内のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、その延長として顧客に向けた「攻めのDX」を展開していくことを目指しています。両者はシームレスに連携し、社内DXの成果が顧客価値の向上に直結する体制を構築します。
将来的には、販売、サービス、商品企画の各担当者がチームを組み、新たに発見された価値を迅速にサービス化し、顧客に提供できるシナリオが描かれています。コニカミノルタは、社内DXの経験を通じて、どのようなサービスが顧客の価値向上につながるのかを早期に察知し、スピーディに提供できる能力を磨いています。これにより、企業活動の機動性(アジリティ)が大幅に向上することが期待されています。
また、DX推進とともに、生成AIの活用が進む中で、会社組織や仕事のあり方にも大きな変革が訪れると予測されます。効率性を追求する中で業務の見直しが進み、従業員数の削減が進む可能性もあります。こうした変化を見据えつつ、コニカミノルタは社内DXと生成AIを積極的に活用し、持続的な成長を図っていきます。
コニカミノルタへ転職するために押さえておきたい基本ポイント
会社概要
会社名 | コニカミノルタ株式会社
(英文名称は KONICA MINOLTA, INC. ) |
本社所在地 | 〒100-7015
東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー |
代表者 | 代表執行役社長 兼 CEO 大幸 利充 |
設立 | 1936年(昭和11年)12月22日 [創業:1873年(明治6年)4月] |
資本金 | 37,519百万円 |
決算期 | 3月31日 |
従業員数 | 単体 4,269名(2024年3月31日現在)
連結 40,015名(2024年3月31日現在) |
連結子会社数 | 170社(2024年3月31日現在) |
事業内容
◾️デジタルワークプレイス事業
様々な業種の業務プロセスの課題を視える化、DXの推進で課題解決を支援
・事業内容
カラー複合機、およびドキュメントワークフローの入出力ソリューションの提供
中堅・中小企業などのITサービスやデジタル化支援、オフィス向け動画・画像解析サービス
・主なお客様
民間企業、官公庁、教育機関、など
・ジャンルトッププロダクト
A3カラー複合機 世界約40カ国でトップクラスのシェア(No.1 or 2)
◾️プロフェッショナルプリント事業
印刷現場のデジタル化で生産性向上を支援、生産・保管・輸送でのCO2排出削減にも貢献
・事業内容
プロダクションプリント:電子写真方式によるデジタルカラー印刷機、および印刷現場のワークフローソリューションの提供
産業印刷:B2インクジェット印刷機、ラベル印刷機、加飾印刷機、テキスタイル印刷機の提供
・主なお客様
印刷会社、ラベル・パッケージ印刷会社、アパレルメーカー、など
・ジャンルトッププロダクト
カラーデジタル印刷機 世界約40カ国でトップクラスのシェア(No.1 or 2)
◾️インダストリー事業
モノづくりの自動化、省力化を支援、ロス低減により資源の有効活用に貢献
・事業内容
センシング:光源色・物体色計測、外観計測など各種計測機器の提供
機能材料:ディスプレイ用の機能性フィルムの提供
IJ( インクジェット)コンポーネント:インクジェットヘッド・インクの提供
光学コンポーネント:各種レンズの提供
・主なお客様
ディスプレイ業界、印刷業界、自動車業界、半導体、電子部品、部材業界、など
・ジャンルトッププロダクト
光源色計測装置:世界のディスプレイ計測機器でシェア5割以上
液晶テレビ用VA-TACフィルム:世界市場でトップクラスのシェア
◾️画像ソリューション事業
画像 x ハードウェア x AI技術の融合で、お客様の“みたい”という想いに応え、事業の成長を実現
・事業内容
ヘルスケア:デジタルX線画像診断システム、超音波画像診断システム、およびPACSなどの医療ITサービスの提供
画像IoTソリューション:ネットワークカメラの開発・製造・販売、関連ソリューション・サービスの提供
映像ソリューション:プラネタリウムの開発・生産・運営
FORXAI:共通基盤技術「FORXAI(フォーサイ)」を活用したソリューションの開発・製造・販売、サービスの提供
QOLソリューション:介護業務に係る製品、情報システム及びサービスの開発、販売、コンサルティング
・主なお客様
病院/クリニック、社会インフラ(プラントなど)、介護・福祉施設、など
・ジャンルトッププロダクト
カセッテ型DR(デジタルX線画像診断システム):国内クリニック市場でトップクラスのシェア
超音波診断装置:国内整形外科市場でトップクラスのシェア
フィロソフィー
コニカミノルタフィロソフィーは、コニカミノルタにとっての軸となる考え方を表したものです。
◾️経営理念
新しい価値の創造
「新しい価値の創造」は、2003年のコニカミノルタ発足から不変の、
そしてこれからもずっと変わることのない経営理念です。
お客さまのために、そして、その先にいるあらゆる人々のために、
私たちはさまざまなカタチで「新しい価値」を創り出し、届けていくことで、
人と社会をいつまでも支えていきます。
◾️経営ビジョン
Imaging to the People
お客さまの「みたい」を実現することで、グローバル社会から支持され、必要とされる企業
人と社会の持続的な成長に貢献する、足腰のしっかりした、進化し続けるイノベーション企業
「Imaging to the People」は、2030年を見据えて、コニカミノルタのあるべき姿と社会的存在意義を、その原点かつ強みであるイメージング技術を通じて成し遂げていくことを表した長期の経営ビジョンです。
社会の個別化・多様化に対応しながら、人間中心の生きがいを追求。同時に、まだ見えていない社会課題を解決しながら、持続的な社会を実現するために、私たちは、5つのマテリアリティを通じて、イメージングの力を、これからの人と社会の力に変えていきます。
◾️6つのバリュー
Open and honest
私たちは、正しいと信じることにこだわり、すべての人・社会とオープンで誠実なコミュニケーションをすることこそ、相互信頼と偽りのない真実に裏付けされた長きにわたるパートナーシップを築くと信じています。
Customer-centric
私たちは、真にお客さまのために存在します。私たちは、常にお客さまの一歩先を考え、お客さまと一緒に問題解決にあたり、お客さまが本当に必要とされていることを提供する存在として、期待を超える感動を、現在そして将来に届け続けます。
Innovative
革新こそ私たちの原動力です。私たちの行うあらゆる活動において常に革新的なアイデアを生み出すことこそ、私たちが進化するための源泉だと考えています。
Passionate
私たちは、情熱、強い意志、そしてあきらめない心を持つことが、お客さまや社会に真に意義ある貢献をするために不可欠だと考えています。
Inclusive and collaborative
多様性に満ちた人とその発想、そしてお客さま・パートナー・私たちを取り巻く社会とのチームワークは大きなパワーを生み出します。私たちは、そのパワーが今までにない発想や最大の価値(ベネフィット)を生み出すためになくてはならないものであると考えています。
Accountable
私たちは、すべての企業活動において、グループ社員としてまた企業として、主体的に実行し、やり切り、かつその結果に責任を持ちます。また、それらの行動を通して持続的社会の実現、コニカミノルタグループの進化に貢献していきます。
コニカミノルタへのご転職をお考えの方へ
コニカミノルタへの転職は難易度は非常に高く、十分な面接対策なしでは内定獲得は難しいと言えます。
弊社sincereedだからこそわかる選考対策、さらには入社後の早期活躍方法についても多くのアドバイス、サポートが可能となっております。
コニカミノルタへの転職にご興味のある方は、まずは一度ご相談いただければ幸いです。
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