中途採用で経理へ転職!転職するのは難しい?転職難易度は?
2025/07/03

中途採用で経理へ転職!転職するのは難しい?転職難易度は?

企業の経営を支える重要な役割を担う経理職。近年、その需要は高まっており、特に2025年上半期の転職市場では、経理職の求人が増加傾向にあります。これは、労働力不足や働き方改革、新規事業の拡大など、さまざまな要因が影響しています。

経理職の役割と求められるスキル

経理職は、日常的な仕訳業務から月次・年次決算、税務申告、財務分析、予算管理など、多岐にわたる業務を担当します。これらの業務を通じて、企業の財務状況を正確に把握し、経営判断に必要な情報を提供することが求められます。

近年では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、経理業務の効率化が進んでいます。そのため、Excelや会計ソフトのスキルに加え、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAIを活用した業務改善の知識も重要視されています。

転職市場の動向と経理職の位置づけ

2025年上半期の転職市場では、経理職を含む11の職種で求人が増加または好調を維持すると予測されています。特に、企業の成長や事業拡大に伴い、経理部門の強化が進んでおり、経験者だけでなく、未経験者や他職種からの転職希望者にもチャンスが広がっています。

本記事でわかること

本記事では、経理職への転職を検討している方に向けて、以下のポイントを詳しく解説します。

  • 経理職の主な仕事内容とキャリアパス
  • 未経験から経理職への転職の可能性と必要なスキル
  • 経理職の年収相場と企業規模別の違い
  • 転職活動におけるポイントと成功事例

 

大手人気企業へのご転職をお考えの方へ

sincereedの転職支援サービス

大手企業の転職支援に完全特化

専門のコンサルタントが両面型で厚く寄り添うサポート

企業との深いコネクションにより質の高い非公開情報を提供

キャリア相談会

無料転職登録

sincerredをFacebookでシェア sincerredをTwitterでシェア sincerredをLINEでシェア

目次

経理の仕事内容とは?

経理職は企業の財務活動を支える重要な役割を担っており、その仕事内容は多岐にわたります。ここでは、日常業務から決算業務、さらには企業規模による違いについて解説します。

日常業務(伝票処理、入出金管理など)

経理の日常業務には、取引の記録となる伝票処理や入出金の管理、請求書の発行や支払い管理などが含まれます。これらは企業の財務活動の基礎となる作業であり、正確性とスピードが求められます。
例えば、伝票の仕訳や経費精算の処理を適切に行うことで、後の決算業務がスムーズに進みます。

月次・年次決算業務

月次決算では毎月の収支状況をまとめ、会社の財務状態を把握します。年次決算は年度末に行い、会社全体の年間の財務状況を確定させ、税務申告や外部報告に必要な資料を作成します。 これらの決算業務は、企業の経営判断や対外的な信用獲得に欠かせません。

財務・税務・管理会計との関わり

経理は単なる帳簿付けにとどまらず、財務分析や税務申告のサポート、そして管理会計にも関わります。管理会計では、社内向けにコスト分析や予算管理を行い、経営戦略に役立つ情報提供をします。
また、税務申告に必要なデータを正確に揃える役割も担っており、税理士や財務担当者と連携して業務を進めます。

企業規模による仕事内容の違い

企業の規模によって経理の業務範囲は大きく異なります。

中小企業:経理担当者が日常業務から決算、税務申告まで幅広く担当することが多く、総合的なスキルが求められます。

・大企業:業務が細分化されており、仕訳担当、決算担当、財務担当など役割ごとに分かれるケースが一般的です。また、ERPシステムを活用して効率的な業務運営を行うことも多いです。

経理の仕事は企業の規模や組織体制によって変わりますが、いずれの場合も正確な数字管理と経営判断に資する情報提供が求められます。幅広い知識とスキルを磨くことで、キャリアアップも期待できる職種です。

経理への転職は難しい?実際の転職難易度

経理職は企業において欠かせないポジションであり、求人自体は安定して多く出されています。しかし一方で、転職市場では人気の職種でもあるため、競争は決して少なくありません。ここでは、経理への転職難易度について、経験者・未経験者別の違いや年齢、スキル、資格の影響について解説します。

求人は多いが競争もある職種

経理職は企業の規模や業種を問わず求人が多い一方、応募者も多いため競争率は高い傾向にあります。特に未経験者の場合、経験者に比べて採用のハードルが高く、応募先企業によっては即戦力を重視するケースも少なくありません。
そのため、求人が多くても自分のスキルや経験に合った求人を選び、戦略的に転職活動を進めることが重要です。

経験者と未経験者で求められる条件の違い

経験者の場合
 経理実務の経験があることが最も重要視されます。特に月次決算や年次決算、税務申告の経験があれば有利です。また、会計ソフトやERPの使用経験、財務分析のスキルも評価されます。
 

未経験者の場合

未経験者が経理職に転職する際には、経理業務の知識や簿記資格の有無だけでなく、コミュニケーション能力やパソコンスキル、経理に間接的に関わった実務経験が重要視されます。

・コミュニケーション能力があること
 経理は社内のさまざまな部署や経営層と連携を取る機会が多いため、高いコミュニケーション能力が求められます。
 単に強気で意見を押し通すのではなく、相手を立てながらも的確に意見を伝える柔軟性が重要です。
 また、部署内のスケジュール共有や調整を円滑に行うためのコミュニケーション力も不可欠です。
 物流管理や工程管理など、業務全体のスケジュールを把握していた経験があれば、こうしたコミュニケーション面でアドバンテージとなります。

・パソコンスキルがあること
 現代の経理業務はExcelやWord、会計ソフトを中心に、社内チャットやメールなどのITツールも頻繁に使います。
 業務遂行に不可欠なため、パソコン操作のスキルは必ずアピールポイントとして応募書類に記載しましょう。

・経理に間接的に関わった実務経験があること
 経理と連携する他部署での経験は強みになります。例えば、営業担当者に領収書の提出を依頼した経験や、労務部門と給与データの確認を行った経験などです。
 未経験でもこうした実務上のやり取りを通じて、経理業務の流れを理解していることは、志望動機や自己PRに活かせます。

年齢・スキル・資格が難易度に与える影響

・年齢
 経理未経験者の転職に関しては、年齢が転職の可否を決める絶対的な基準ではありません。ただし、一般的には20代半ばまでが現実的な転職ラインと考えられています。これは、企業が未経験者を採用する際に「若さ=柔軟性や学習意欲」と捉え、将来的に育成しやすいと判断するためです。したがって、キャリアの初期段階であればあるほど、経理職への転職市場での受け入れが比較的スムーズになる傾向があります。

・スキル
 簿記資格や会計ソフトの操作スキル、Excelの関数・マクロ活用能力があると評価が高まります。加えて、最近ではRPAやAIツールの活用経験も注目されています。

・資格
 日商簿記検定2級以上が最低ラインとされることが多く、3級では応募可能な求人が限られます。さらに、税理士や公認会計士など専門資格を持っていると、より高いポジションや高収入を狙いやすくなります。

経理への転職は、決して簡単とは言えませんが、適切な準備と自分に合った求人を選ぶことで十分に成功可能な職種です。特に資格取得や実務経験の積み重ね、ITスキルの習得が転職難易度を下げる大きなポイントとなります。

未経験から経理に転職することは可能?

経理職は専門的な知識やスキルが求められる職種ですが、未経験者でもチャレンジできる求人は一定数存在します。ここでは、未経験歓迎の求人の実情や、未経験者が転職でアピールすべきポイント、役立つ経験について解説します。

未経験歓迎の求人の実情

経理の仕事は専門性が高く、未経験では採用されにくいのではないかと感じる方も多いですが、実際には未経験者でも採用される可能性は十分にあります。

転職市場では即戦力としての経験者が有利な傾向にありますが、多くの企業では経理部門を複数人のチームで構成しており、経験者が上流工程の高度な業務を担当し、未経験者は仕訳や伝票処理などの下流工程の比較的簡単な業務を任されるケースが多いです。

特に経理事務のポジションは事務作業が中心となるため、未経験歓迎の求人が多く、未経験者でも採用されやすい分野と言えます。

未経験者がアピールすべきポイント

未経験者が経理職に転職を成功させるためには、以下のポイントをアピールすると良いでしょう。

・数字への強さと正確性
 経理業務は数字を扱う仕事のため、数字に強いことや細かい作業を正確にこなせることを伝えることが大切です。

・学習意欲と柔軟性
 未経験である分、積極的に学ぼうとする姿勢や、新しい環境に柔軟に適応できることを強調しましょう。

・コミュニケーション能力
 経理は部署内外との連携が欠かせないため、円滑なコミュニケーション能力も重要な評価ポイントです。

役立つ経験

未経験者でも以下のような経験があれば、経理職への転職で有利に働きます。

・事務職や営業事務の経験
 書類管理やデータ入力、取引先とのやり取りなど、経理業務に近いスキルや業務経験が役立ちます。

・簿記の勉強中や資格取得
 簿記検定の学習を進めていること、あるいは取得していることは、意欲の高さや基礎知識の証明になります。

・他部署との連携経験
 経理とやり取りすることが多い部署での経験は、経理業務の理解やコミュニケーション能力のアピールにつながります。

経理に必要なスキル・資格とは?

経理職は企業の経営活動を支える重要なポジションであり、業務を正確かつ効率的に進めるためには、さまざまなスキルや知識が求められます。ここでは、経理に求められる基本スキルや資格、そして意外と見落とされがちな「コミュニケーション・調整能力」についても紹介します。

求められる基本スキル(Excel、仕訳知識など)

経理として働くうえで必要なスキルは、会計知識だけにとどまりません。日常業務を円滑にこなすためには、パソコン操作から仕事への姿勢まで、さまざまな力が求められます。

 

パソコンスキル(Excel・会計ソフト操作)

経理業務では、日々の仕訳処理やデータ集計をパソコン上で行うのが一般的です。会計ソフトやクラウド型の業務ツールを使いこなせなければ、実務をスムーズに進めることはできません。

特にExcelのスキルは必須で、関数(SUM、IF、VLOOKUPなど)や簡単な数式の理解は、財務諸表の作成や分析業務に欠かせないスキルです。「パソコン操作に抵抗がないかどうか」は、企業側が未経験者に求める基本要件のひとつでもあります。

 

真面目で細やかな仕事ぶり

経理の仕事は、毎日・毎月・毎年と繰り返されるルーティン業務が中心です。簿記や社内規程に則って、同じような処理を正確に、再現性をもってこなす姿勢が求められます。

たとえ小さな金額のミスでも、経営判断に影響を及ぼす可能性があるため、数字に対する慎重さや細やかな作業ができることは大きな評価ポイントになります。「独自のやり方」よりも、ルールを守って丁寧に業務を遂行できる人が、経理職に適していると言えるでしょう。

 

勉強が好きであること

経理はルーティンワークが多い一方で、税制や会計基準などのルールは年々変化します。たとえば、消費税率の変更や「収益認識に関する会計基準」など、法制度の改正によって業務のやり方そのものが変わることもあります。

そのため、知識を常にアップデートし、実務に反映できるよう勉強し続ける姿勢が求められます。自己学習に前向きで、新しい情報を積極的に取り入れられる方は、経理として長く活躍できる資質を備えていると言えるでしょう。

簿記資格の重要性(2級以上が目安)

経理職への転職活動において、「簿記資格がなければ採用されないのでは?」と不安を感じる方も多いかもしれません。しかし、実際の採用現場では「資格は必須ではないが、あると有利」というのが実情です。

 

簿記資格は必須ではないが、基礎知識として有効

経理業務を遂行するうえで、簿記の知識は必要不可欠です。仕訳の基本や会計処理のルールを理解していなければ、業務を正確に進めることはできません。

ただし、資格を保有していない未経験者が採用されるケースも珍しくありません。 特に日次業務を担当するポジションや、経理事務としての採用であれば、実務を通して知識を身につけられると判断されることもあります。実際、近年では会計ソフトやクラウド会計の普及により、簿記の手計算スキルよりも実務スキルやシステム操作が重視される傾向も強まっています。

 

実務経験が重視される現場のリアル

企業の採用方針によって異なりますが、経理の現場では「資格よりも経験」を重視する風土が根強くあります。 特に中途採用では、即戦力としてのスキルが期待されるため、実務経験の内容や役割の幅が評価のポイントになります。

一方で、新卒や未経験者に対しては、ポテンシャルや学習姿勢が重視されるため、簿記資格を取得していることが「学ぶ意欲の証明」として評価されやすくなります。

 

日商簿記2級は登竜門的資格

未経験から経理職を目指すうえで、日商簿記2級は「登竜門」とも言える存在です。
実際の求人票でも「簿記2級以上歓迎」や「簿記2級保有者優遇」と記載されていることが多く、一定の評価基準として活用されていることがわかります。

未経験者がこれから資格取得を目指す場合は、まず3級から着実に学び、2級取得を目指すのが一般的です。働きながら学習を継続し、転職活動において「努力の姿勢」を示すことが、採用担当者の信頼を得るうえで効果的です。

コミュニケーション・調整能力も重要

経理というと「黙々と一人で仕事をする職種」と思われがちですが、実際には社内外との連携が多く発生します。

・各部門から経費精算の書類を受け取る

・営業担当者に請求書発行を依頼する

・経営層に決算資料を提出する

このように、経理はさまざまな部門との調整役となることが多く、報連相(報告・連絡・相談)を適切に行えるコミュニケーション力が欠かせません。特にスケジュール感を持って業務を推進し、他部署との信頼関係を築く力は、実務に直結する重要なスキルといえるでしょう。

経理職の求人の探し方と選び方

経理職への転職を成功させるためには、「求人の見つけ方」だけでなく「選び方」も非常に重要です。同じ“経理”という職種でも、企業の規模や組織体制、業務範囲によって、実際の仕事内容や働き方には大きな違いがあります。ここでは、求人を探すうえで注目すべきポイントや、大企業・中小企業の違い、さらに転職エージェントの活用方法について解説します。

求人の見極めポイント(業務範囲、体制、残業時間など)

経理職への転職を考える際、「どの企業の求人を選ぶか」は、今後のキャリア形成に直結する大きな分岐点になります。経理職は企業によって業務内容や体制が大きく異なり、選ぶ企業次第で「スペシャリスト型」か「ゼネラリスト型」かの将来像も変わってきます。以下に、業務範囲や体制、残業時間といった観点から、求人を見極める際の重要ポイントをご紹介します。

キャリアプランに影響を与える業務範囲の違い

経理職は専門性と汎用性を兼ね備えている職種であり、その特性ゆえに企業規模や業態によって業務範囲が大きく変わります。

・大企業の場合
大手企業では取引量や売上規模が大きいため、経理業務は細分化され、配属された部署で専門性を深めていくスタイルが一般的です。たとえば、原価計算や固定資産管理、連結決算対応など、特定分野に特化することで、専門家として市場価値を高めることができます。特に上場企業の決算業務や税務申告書作成経験は、将来的にIPO準備企業への転職にも活かせるスキルとなります。

・中小企業の場合
中小企業では少人数の体制で経理業務を回しているケースが多く、経理担当者が労務や総務も兼務することが一般的です。業務範囲が広いため、一人で複数の業務をこなす「ゼネラリスト型」としての経験が積みやすい環境といえるでしょう。また、税務に関しては税理士事務所との連携が多く、経営者と税理士のパイプ役としての経験も積めるため、実務と専門性の両方を鍛えることが可能です。

・ベンチャー企業の場合
ベンチャー企業では、人員体制が整っていないことから、経理担当者が会計から税務、経営管理資料の作成まで一手に引き受けることも少なくありません。裁量権が大きく、自ら業務フローを構築するチャンスもあるため、組織づくりに興味のある人には魅力的な環境です。将来的にIPOを視野に入れている企業では、決算短信や有価証券報告書の作成経験が積める可能性もあります。

組織体制と残業時間のチェックポイント

・業務量と体制のバランス
求人票や面接時に「経理部の人員構成」や「担当業務の詳細」を確認しましょう。人数が少ない場合は業務過多になりやすく、残業が多くなる可能性もあります。一方で、細かく分業されている場合は自分の担当範囲が狭くなるため、どのようなスキルを身につけたいかに応じて選択する必要があります。

・残業時間と繁忙期の見通し
経理業務には月末・月初、決算期(3月・9月など)、年末調整や税務申告といった繁忙期があります。求人情報や口コミサイトで「平均残業時間」や「繁忙期の対応体制」が記載されているかを確認し、ワークライフバランスに直結する部分を見極めましょう。

 

自分に合った職場を選ぶために

経理職は、業務内容や体制が多様であるがゆえに、「何を身につけたいのか」「どんな働き方をしたいのか」を事前に明確にしておくことが重要です。そのうえで、求人票に記載されている業務範囲や体制だけでなく、面接やエージェントとの面談を通じて、実態をしっかり確認するようにしましょう。

たとえば、「決算対応に関わりたい」「マネジメント経験を積みたい」「幅広いバックオフィス業務を経験したい」といった志向に応じて、企業の規模やステージを意識した求人選びがキャリアの成長に直結します。

 

転職サイト・エージェントの活用方法

経理職の求人を探す際には、転職サイトと人材紹介エージェントの両方を活用するのがおすすめです。

・転職サイト:幅広い求人から自分で比較検討できる。職種・業種・勤務地・年収などの条件を自由に絞り込みでき、情報収集にも最適です。

・転職エージェント:経理職に精通したキャリアアドバイザーが、希望条件やキャリアに合った非公開求人を紹介してくれます。また、職務経歴書の添削や面接対策など、手厚いサポートも魅力です。

特に未経験や第二新卒の場合は、アピールポイントの整理やキャリアの方向性を一緒に考えてくれるエージェントの存在が心強い味方になります。

経理職の年収・給与事情

経理職は企業経営の根幹を担う重要なポジションでありながら、その年収・給与水準は企業規模や経験年数、保有資格によって大きく異なります。ここでは、経理職の平均年収や昇給の可能性、手当や残業代の影響について詳しく解説します。

平均年収の相場と年代別比較

経理職の平均年収は、約400〜500万円前後が全体の相場とされています。ただし、この金額は年齢や経験、所属企業の規模によって大きく上下します。

 

・20代前半(未経験〜若手):年収300〜380万円
実務未経験者やアシスタント業務を中心とする若手経理担当者はこの水準が一般的です。

・30代(中堅層):年収450〜600万円
決算対応などのコア業務を一人称で担えるようになると年収が上昇し、マネジメント業務を経験することでさらに年収アップが見込まれます。

・40代以降(マネージャー層〜管理職):年収600〜800万円
経理部門の責任者や管理職、経営管理にも関わるようになると、高年収層に入っていきます。特に上場企業では年収800万円超も珍しくありません。

 

また、ベンチャー企業や中小企業では「業務範囲が広い=昇給のチャンスが多い」という特徴がある一方、大企業では「役割が明確=昇格基準も明確」という構造があり、年収水準や上がり方も企業文化に左右されます。

経験・スキルによる昇給の可能性

経理職では「どの業務を担当していたか」「どのレベルまで業務を遂行できるか」が、年収の差を大きく左右します。

例えば、以下のようなスキルがあると評価されやすく、昇給にも直結します。

 

・年次決算の主担当として一人称で対応できる

・税務申告書のドラフト作成や税理士とのやり取りができる

・管理会計や予算策定、経営資料作成に携わった経験がある

・会計ソフトやERPの導入・改善を主導した実績がある

 

さらに、マネジメント経験やプロジェクトリーダーの経験を積んでいると、経理部門の管理職・経営層への登用にもつながり、高年収帯に移行していく傾向があります。

経験・スキルによる昇給の可能性

経理職で年収アップを目指すには、「どの分野のスキルを伸ばすか」が大きなカギになります。企業が求める専門性や実務経験を身につけることで、転職市場でも高い評価を受けやすくなります。以下では、特に昇給につながりやすい分野を解説します。

 

税務の知識を深める

経理職において税務は避けて通れない領域です。法人税・消費税の申告、源泉所得税や住民税などの処理、さらには年末調整や税務調査対応まで、多岐にわたる知識が求められます。
特に、決算に直接関わる法人税の処理や税務申告書のドラフトが作成できるスキルは、企業から高く評価され、年収アップにも直結しやすいポイントです。

 

 管理会計に精通する

企業の経営判断を支える「管理会計」も、年収アップに有効なスキルの一つです。
例えば、部門別の収支を月次で分析し、コスト削減や利益率向上につなげる提案ができる経理担当者は、経営陣の意思決定を支える存在として重宝されます。
単なる数値管理にとどまらず、会社全体のパフォーマンス改善に貢献できる人材は、報酬面でも厚遇される傾向があります。

 

決算書の作成スキルを高める

年次・四半期決算を主導できるスキルは、経理職としての市場価値を大きく引き上げます。
決算書は、単なる社内資料ではなく、株主や銀行、投資家など外部関係者への説明責任を果たすための重要書類です。
財務三表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書)の作成経験があり、正確かつ信頼性の高い資料を作成できる人材は、企業から厚い信頼を得られ、昇進や昇給のチャンスが増えます。

 

上場(IPO)準備の実務経験を得る

上場準備業務(IPO業務)は、専門性が高く、限られた人材しか携われない貴重な経験です。
IPOを目指す企業では、経理が主導して開示資料の作成や監査法人対応、内部統制整備などを行う必要があります。
そのため、上場企業や上場準備企業での実務経験を持つ人材は、年収800万円以上のポジションでスカウトされるケースもあります。将来的にCFOを目指す場合にも、IPO経験は大きな武器となるでしょう。

資格手当・残業代などの影響

経理職の年収は、基本給だけでなく「資格手当」や「残業代」といった付加的な要素によっても大きく変動します。日々の働き方やスキルの証明が、収入にどのような影響を与えるのかを把握しておくことで、転職時の年収交渉や求人選びにも役立つでしょう。

 

資格手当の有無で差が出る

経理職において、代表的な資格である「日商簿記2級」は一部の企業で手当対象となっています。金額としては月額1,000〜5,000円程度が一般的で、年間にすると最大6万円程度の加算が見込まれます。

ただし、注意が必要なのは、資格手当が一律で支給されるわけではないという点です。企業によっては、実務に直結しない資格については支給対象外となることもあります。たとえば、経理業務の一部をアウトソーシングしている企業では、資格保持の有無が実務にほとんど影響しないため、手当が支給されないケースもあります。

そのため、資格手当の有無については、求人票や社内規定を事前に確認することが重要です。また、転職時の交渉材料として活用することも可能なため、経理職としてキャリアアップを目指すなら、資格の取得は引き続き価値の高い投資といえるでしょう。

 

繁閑差が大きい経理の残業代

経理職の残業時間は平均して月20時間前後とされていますが、実際には業務の繁閑によって大きく変動します。月次・年次の締め作業が重なるタイミングでは、通常の倍以上の残業が発生することも珍しくありません。

【繁忙期の例】

・毎月の月末・月初:売上・経費の締め、試算表作成、入出金の確認など。

・3月・4月、12月(※3月決算の企業):決算書類の作成、税務申告、年末調整、株主総会準備など。

【閑散期の例】

・各月の中旬:月次業務が落ち着き、有給休暇を取りやすい時期。

・8〜10月:年度後半で比較的業務が少ない企業が多い。ただし、上半期決算がある場合は繁忙期になることも。

このように「月末月初」と「決算時期」に集中する業務の特性上、残業時間には波があるため、給与明細上の残業代も月によってばらつきが出ます。

経理職への転職成功のためのポイント

経理職への転職は、専門性が求められる分野であるがゆえに、書類選考や面接でのアピール方法が重要です。未経験者であっても、適切な準備と戦略で内定に近づくことが可能です。ここでは、転職活動における3つの重要な観点である「書類作成」「面接対策」「キャリアアップ」について解説します。

履歴書・職務経歴書に書くべきこと

経理職を目指すうえでの履歴書・職務経歴書には、「数字に強いこと」「正確性の高さ」「責任感」を示す内容を盛り込むことが鍵です。特に未経験者の場合、以下のようなアピールポイントが有効です。

・事務処理や書類作成の正確性・丁寧さ
 例:受発注や請求処理、データ入力業務などでのミスの少なさ

・ExcelスキルやITリテラシー
 VLOOKUP関数やピボットテーブルの使用経験、業務の効率化に貢献した実績など

・簿記の学習履歴や資格取得への意欲
 日商簿記3級・2級の取得、あるいは勉強中であることも記載する

さらに、経理職への志望動機として「企業経営を支える仕事に関心がある」「数値から業務改善を提案していきたい」といった前向きな姿勢を具体的に述べると、未経験でもポテンシャル採用を狙いやすくなります。

面接でよく聞かれる質問と答え方例

経理職の面接では、専門性の高さや責任感が求められるため、質問内容も多岐にわたります。ここでは、よくある質問と、その意図を踏まえた答え方のポイントをまとめました。

1. なぜ経理職を志望するのですか?(未経験者向け)

質問の背景:
経理は「お金」と常に向き合う専門性の高い業務で、未経験者の場合は業務内容が合わず早期離職するリスクもあります。面接官は意欲や覚悟を確認したいと考えています。

答え方のポイント:

・なぜ経理を選んだか具体的なきっかけやエピソードを述べる

・経理職に対する熱意や長期的なキャリア意識を伝える

・曖昧な回答は避け、明確に答えることが重要

2. 応募企業の志望動機は何ですか?

質問の背景:
応募企業を選んだ理由が曖昧だと「経理ならどこでも良いのでは?」と見なされやすく、定着性に不安を持たれます。

答え方のポイント:

・企業の特徴や経理部門の役割に対する理解を示す

・自分のスキルや目標と企業のニーズの合致を具体的に述べる

・事前に企業研究をしっかり行い、即答できるよう準備する

3. 経理としての経験年数を教えてください。(経験者向け)

質問の背景:
経験年数でスキルレベルや即戦力度を把握し、またミドル層でも実際の経験が浅いケースがあるため事実確認が行われます。

答え方のポイント:

・正確に経験年数を伝える

・期間だけでなく、どのような業務に携わってきたか具体的に説明できると良い

4. 前職での担当業務内容は?

質問の背景:
履歴書・職務経歴書の内容を掘り下げる質問で、応募者の実務レベルを把握しようとしています。

答え方のポイント:

・書類に記載した内容をそのまま話すのではなく、具体例や成果を添えて説明する

・特に経理で使用したシステムや会計処理の詳細を伝える

5. 使用経験のある会計ソフトやPCスキルは?

質問の背景:
業務で使う会計ソフトやExcelのスキルが即戦力の判断材料になります。

答え方のポイント:

・使用経験があるソフト名を具体的に挙げる

・Excelの関数(VLOOKUP、SUMIFS、ピボットテーブルなど)を使った経験を述べる

・未経験なら学習中である旨を伝え、習得意欲を示す

6. 決算業務の経験はありますか?

質問の背景:
決算業務は経理の中核であり、経験の有無や深さで即戦力性が評価されます。

答え方のポイント:

・経験回数だけでなく、具体的に担当した内容(法人税計算、財務報告書作成、監査対応など)を説明する

・企業ごとの違いはあるが、基礎的な理解と対応力があることをアピールする

7. 今後のキャリアプランを教えてください。

質問の背景:
長期的に経理職で活躍する意欲や計画性、企業への貢献意識を測っています。

答え方のポイント:

・管理職やスペシャリスト、ITや語学など付加価値のある方向など、具体的で現実的な目標を述べる

・その実現に向けて今どんな努力をしているかを伝える

・応募先企業でどのように貢献できるかも含めると良い

8. 前職の退職理由は何ですか?

質問の背景:
早期離職のリスクを判断するための質問で、マイナス要因をどのように説明するかがポイントです。

答え方のポイント:

・ネガティブな理由は控え、前向きな未来志向で話す

・「上司が悪かった」「環境が悪かった」と他者の責任にしない

・自分の成長や経理職での将来ビジョンに焦点をあてて説明する

 

経理職でキャリアアップする方法

経理職は専門的なスキルを活かしつつ、さまざまなキャリアパスを描ける職種です。ここでは代表的なキャリアアップの方向性を紹介します。

1. 経営に携わる上位職を目指す

経理は企業の財務データを扱い、経営判断に直結する重要な役割を担います。そのため「経営状態を分析し、戦略を立てる力」を身につけることで、経営企画や役員クラスへのキャリアアップが可能です。経理の専門知識と経営視点を融合させ、経営層の意思決定を直接サポートする存在を目指しましょう。

 

2. 中小企業から大企業の経理へ転職する

中小企業で幅広い経理業務を経験し、実務スキルを磨いた後に、大企業へ転職するキャリアパスもあります。大企業の経理は業務が細分化されているため、特定分野の専門性を深めるチャンスがあり、経理のスペシャリストとして市場価値を高められます。多様な経験を積みながら、さらなる成長を目指せる道です。

 

3. 資格を取得し独立開業する

税理士や公認会計士などの国家資格を取得し、独立開業を目指す選択肢もあります。資格取得は難関ですが、専門性の高いスキルを武器に自分のペースで働ける自由な働き方が実現できます。営業力や人脈づくりも成功の鍵となるため、幅広いスキルアップも必要です。

 

4. 外資系企業に転職する

国際的なキャリアを志す場合は、外資系企業への転職がおすすめです。米国公認会計士(USCPA)などの国際資格を取得すると、外資系企業のFP&A(財務計画・分析)部門などでの活躍の幅が広がります。こうした経験は、CFO(最高財務責任者)など経営層への道を開くステップとなります。

以上のように、経理職は多様なキャリアパスを歩むことが可能です。自分の志向やスキルに合った道を見極め、計画的にスキルアップや経験を積んでいきましょう。

まとめ|経理への転職は準備と戦略がカギ

経理は専門性が高く、安定性のある職種

経理職は企業の財務状況を数字で管理し、経営判断に欠かせない重要な役割を担います。大企業では業務が細分化され専門分野に特化して成長できる一方、中小企業やベンチャー企業では幅広い業務を担当しながら総合的なスキルを磨くことが可能です。このように企業規模によって経理の役割や業務内容が異なり、自身のキャリアプランに合わせて選択できることが経理職の大きな魅力となっています。

未経験でも挑戦可能だが、資格や姿勢が重要

経理は未経験者でも挑戦できる職種ですが、簿記2級以上の資格取得が転職時のアピールポイントになります。資格は必須ではないものの、会計知識の証明として評価されやすく、実務経験と合わせてキャリア形成に有利です。面接では「なぜ経理を志望するのか」「具体的な志望動機」「Excelや会計ソフトのスキル」「これまでの経験や学ぶ姿勢」が重視されます。また、業務は繁忙期と閑散期があり、残業時間が変動するため働き方や環境も事前に確認すると良いでしょう。

転職活動の進め方次第でチャンスを広げられる

求人選びのポイントとして、業務範囲の広さや部署の体制、残業時間の実態を見極めることが重要です。大企業では特定分野のプロフェッショナルとして成長しやすく、中小企業やベンチャーでは幅広い経験や裁量を得られることが多いです。資格手当や残業代の支給状況も給与に影響しますので、募集要項や面接でしっかり確認しましょう。さらに転職エージェントの活用や面接対策を徹底することで、より多くのチャンスを掴むことが可能です。将来的には経営企画やCFOを目指したり、外資系企業で国際的なキャリアを積むこと、税理士や公認会計士として独立開業する道もあります。

 

経理職への転職は、専門性の高さと安定した需要から非常に魅力的な選択肢です。しかし、その分準備と戦略が成功のカギを握ります。未経験者でも資格取得や積極的な学習姿勢を持てば、チャンスは十分に広がります。また、自身のキャリアプランを明確にし、求人の見極めや転職エージェントの活用などを工夫することで、より良い環境での就業が実現できるでしょう。ぜひ今回のポイントを参考に、しっかり準備を整えて経理職への転職を成功させてください。

担当コンサルタント:南雲 亮

南雲 亮

2008年株式会社リクルートキャリア(現リクルート)に入社。
キャリアアドバイザー、マーケティング企画・DX推進マネジャー、HR領域のSaaS新規事業開発・サービス企画部長を歴任。
2021年にsincereedを創業。

関連記事

随時開催 まずはキャリア相談会から 簡単1分 無料転職相談を申し込む

リクルートへの転職 元リク面接官が明かす対策方法

リクルートへの転職 元リク面接官が明かす対策方法

中途採用のすべてを元社員がご紹介「リクルートに合格する人材、しない人材」とは?

転職FAQ

転職FAQ

皆様からよく頂く弊社Sincereedのこと、転職のことなどをまとめてみました。