
SEの平均年収はいくら?年齢別・経験年数・スキル別に徹底解説【2025年最新】
システムエンジニア(SE)は、IT業界の中でも常に高い需要がある職種のひとつです。社会のデジタル化が進む中で、企業の基幹システムやWebサービス、クラウド基盤などを支えるSEの役割はますます重要になっています。その一方で、「SEの平均年収はどれくらいなのか?」「年齢や経験によってどのくらい差が出るのか?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、厚生労働省の統計データや企業の公開情報、求人・口コミサイトの数値をもとに、SEの平均年収を年齢別・経験年数別・スキル別に徹底解説します。
これからSEを目指す方、すでにSEとして働いている方、キャリアアップや転職を考えている方にとって、将来設計の参考になる内容です。
SE(システムエンジニア)の平均年収はどれくらい?【2025年最新データ】
厚生労働省が実施した「IT・デジタル人材の労働市場に関する調査」(2024年3月公表)によると、ITスキルレベルが高くなるほど年収水準も高くなる傾向 が確認されています。特にSEを含む「設計・構築」や「企画立案・プロジェクト管理」の領域では、年収に明確な差が見られます
平均年収の目安(職種・スキル別)
ここでのスキルレベルは次のような内容です。
スキルレベル3 | 高度IT人材の入口レベル。
指示を受けなくても、自分の専門領域の業務を独力で遂行できる。
プロフェッショナルになるために必要な応用的知識・技能を確立しつつある段階。 |
スキルレベル4 | より高度な専門性を持ち、業務課題の発見・解決を主導できる。
プロジェクト全体をリードすることが可能。 |
スキルレベル5 | 社内外で技術・ビジネスを牽引するリーダー層。
新しいテクノロジーやサービスを創出する立場。 |
- 設計・構築系(SEを含む)
- スキルレベル3:中央値 約550万円
- スキルレベル4:中央値 約635万円
- スキルレベル5以上:中央値 約700万円
- 企画立案・プロジェクト管理(プロジェクトマネージャ等)
- スキルレベル3:中央値 約800万円
- スキルレベル4:中央値 約900万円
- 運用・保守系
- スキルレベル3:中央値 約550万円
- スキルレベル5以上:中央値 約850万円
このように、同じSE職種でも担当領域やスキルの高さによって 年収レンジは500万円台〜700万円台以上 まで幅広く分布しています
プログラマーやITコンサルタントとの比較
- プログラマー(ソフトウェア開発スペシャリストの一部):中央値 約500万〜600万円台。
- ITコンサルタント(企画・プロジェクト管理系):中央値 800万円以上。
SEはプログラマーよりも高く、ITコンサルタントよりは低めという 中間的なポジション に位置すると言えるでしょう。
過去からの推移と最新傾向
同調査では、年齢よりもスキルや役職が収入に直結する ことが示されています。特に「プロジェクトマネージャ」や「高度ITスキル保持者」は、レベルが1段階上がるごとに大幅な年収上昇が見られ、近年はクラウド・AI・データ分野の需要増を背景に、全体として賃金相場が上昇傾向にあると報告されています。
参照:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査」における個人アンケート調査について:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001244078.pdf(2024年3月)
SEの年齢別・経験年数別の年収水準
システムエンジニア(SE)の年収は、年齢や経験年数とともに上昇していくのが一般的ではあるものの、他職種と比べて「スキルレベル」や「役職」の違いが賃金に直結する 傾向が強く示されています。
年齢別の傾向
- 20代(新卒〜入社3年目)
初任給は月給20〜23万円前後が目安で、年収にすると 300万〜350万円台。スキルレベル1〜2に該当するケースが多い。 - 30代前半(経験3〜10年目)
プロジェクトの一部を任され、スキルレベル3に到達する人が増える時期。中央値で 500万〜600万円台 に上昇。 - 40代
主任・課長クラスに昇格する人が多く、スキルレベル4以上に到達。650万〜800万円前後 がボリュームゾーン。 - 50代以降
部長クラス以上では 900万〜1,000万円超 となるケースもある。役職やマネジメント経験が収入を大きく左右する。
経験年数別のモデル
- 新卒〜3年目:300万〜400万円前後
- 10年目(リーダー層):500万〜650万円前後
- 20年目(課長クラス):700万〜850万円前後
- 部長クラス以上:900万〜1,200万円台
管理職と一般社員の差
厚労省調査によると、同じスキルレベルでも役職によって大きな差が見られます。
区分 | 一般社員 | 主任・係長クラス | 課長クラス | 部長以上 |
設計・構築(SE職) | 中央値 500万円 | 650万円 | 670万円 | 800万円 |
企画・プロジェクト管理 | 中央値 600万円 | 800万円 | 820万円 | 1,000万円 |
運用・保守 | 中央値 500万円 | 685万円 | 800万円 | 800万円 |
このように、「年齢=年収」ではなく、経験年数に応じたスキル獲得や昇格がカギ」 であることが分かります。
SEの月給・賞与・残業代の内訳
システムエンジニア(SE)の年収を構成する要素は、大きく 月給(基本給)・賞与(ボーナス)・残業代や各種手当 に分かれます。ここでは、代表的な水準を見ていきます。
基本給(月給)の目安と昇給の仕組み
- 新卒SEの月給は 20万〜23万円前後 が相場。
- 経験を積むごとに、30代前半で 25万〜35万円前後 に上昇。
- 昇給は年1回が多く、昇格(主任・課長)とともに大きく上がるケースが一般的。
賞与(ボーナス)の平均支給額と支給時期
- 賞与は 夏・冬の年2回支給 が一般的。
- 平均的な支給額は、年間で 基本給の3〜4か月分程度。
例)月給30万円のSEなら、年間賞与は 90万〜120万円前後 が目安。 - 大手企業や外資系では、業績連動型で 年間200万円以上 のボーナスが支給される事例もあり。
残業代や各種手当の支給実態
- IT業界はプロジェクトの繁忙期に残業が発生しやすく、残業代は年収に占める割合が大きい傾向。
- 月20時間程度の残業をした場合、年間40万〜60万円前後 の残業代が加算されるケースが多い。
- また、資格手当(基本情報、応用情報、AWS認定など)、家族手当、住宅手当なども年収に影響。
例:30歳SEの年収シミュレーション
- 基本給(月給):30万円 × 12か月 = 360万円
- 賞与:年間 100万円
- 残業代・手当:年間 50万円
- 合計:年収約510万円
参照:doda システムエンジニア求人一覧:https://doda.jp/DodaFront/View/JobSearchList.action?ss=1&op=17&pic=1&ds=0&oc=0311M,0313M,0314M,0315M,0317M,0318M,0319M,0320M,0321M,0322M,0323M,0324M&so=50&tp=1(2025年9月)
SEの年収に関する口コミ・評判まとめ
統計データだけでは見えにくいのが、現場のエンジニアが感じる「リアルな年収感覚」です。実際の口コミや評判からは、「給与水準は高めだが、残業や働き方によって満足度に差が出る」 という傾向が見えてきます。
現役エンジニアの声に見るリアルな実態
- 「同年代の平均より高い水準だと思うが、案件によっては残業代込みでやっと満足できる」
- 「外資系や大手SIerに転職して年収が大幅に上がった。600万→800万にアップした」
- 「中小企業勤務では年収400万台が多く、スキルを磨いて転職しないと伸びにくい」
「給料が高い」と感じる人 vs 「残業が多い」と不満を持つ人
- 高いと感じる人:クラウドやAIなど成長分野を担当、大手企業勤務、上流工程を担当しているケースが多い。
- 不満を持つ人:下流工程中心、SES(常駐型契約)での勤務、残業や休日出勤が多い環境。
フリーランスSEとの収入比較
- フリーランスSEは月単価 60万〜100万円超 の案件も多く、年収換算すると 700万〜1,200万円台 に達するケースが珍しくありません。
- ただし、案件確保・社会保険・福利厚生の面では不安定さがあるため、リスクとリターンのバランスを考える必要があります。
参照:openwork グーグル合同株式会社:https://www.openwork.jp/company_answer.php?m_id=a0910000000G7Hz&q_no=2&category=86b6d993&sort_key=1&sort_val=-1#report_list_top(2025年9月)
参照:openwork Indeed Japan株式会社:https://www.openwork.jp/company_answer.php?m_id=a0C1000000rX99E&q_no=2(2025年9月)
参照:openwork BREXA Technology :https://www.openwork.jp/company_answer.php?m_id=a0C30000003LmGF&q_no=2(2025年9月)
参照:openwork ボールド株式会社:https://www.openwork.jp/company_answer.php?m_id=a0C1000000sizhY&q_no=2(2025年9月)
SEの求人情報と転職エージェント活用法
システムエンジニア(SE)は、IT人材不足が続く中で求人需要が非常に高く、転職市場でも安定して多くの募集があります。ただし、求人内容や待遇は企業規模・業界・担当領域によって大きく異なる ため、情報収集と戦略的なエージェント活用が欠かせません。
中途採用SE求人の特徴(募集職種・待遇)
- 大手SIer・ITベンダー
基幹システム開発や大規模プロジェクトを担当。年収レンジは 500万〜800万円台 が中心。 - 事業会社の社内SE
安定志向が強く、年収も 400万〜600万円台 が多い。ただし残業は比較的少なく、ワークライフバランスが取りやすい傾向。 - 外資系IT企業
成果主義が色濃く、プロジェクトマネジメント経験者は 年収1,000万円超 も狙える。
年収交渉を成功させるポイント
- スキル(クラウド・AI・セキュリティなど需要分野)を明確にアピールする
- 保有資格(AWS認定、応用情報、PMPなど)を交渉材料にする
- 口コミサイトや公開データを参考に、相場を把握したうえで希望年収を提示する
非公開求人の活用と無料会員登録のメリット
転職エージェントを利用すると、一般公開されない「非公開求人」にアクセス可能です。
- 大手SIerや外資系企業の高年収案件は非公開で扱われることが多い
- 年収レンジが高いポジションは、直接応募ではなくエージェント経由で紹介されるケースが目立つ
おすすめ転職サイト・エージェント紹介
- リクルートエージェント
求人数最大規模。幅広い業界カバー。 - doda
IT・メーカー系に強く、求人データも豊富。 - マイナビIT AGENT
SE・プログラマーの求人に特化。20〜30代向けに強み。 - レバテックキャリア
エンジニア専門。スキル別に求人提案が受けられる。 - sincereed
様々な業界の非公開求人を数多く保有。大手エージェントでは見つからない求人を紹介。
まとめ|SEの年収を理解してキャリア戦略を立てよう
システムエンジニア(SE)の年収は、年齢や経験年数だけでなく、スキルレベル・担当領域・役職 によって大きく変動します。厚労省の調査でも示されているように、スキルレベルが1段階上がるごとに年収中央値が50万〜100万円近く上昇するなど、キャリア形成が直接収入に結びつく構造となっています。
本記事で解説したポイントを整理すると、次の3点が重要です。
- SEの平均年収は500万〜600万円台で、日本の平均より高め。
- 年齢よりもスキル・役職が収入に直結するため、資格取得や上流工程へのステップアップが鍵。
- 転職エージェントを活用することで非公開求人や高年収案件にアクセスできるため、キャリアアップの近道となる。
今後もクラウド・AI・セキュリティなど需要の高い分野でSEの価値は上昇していくと予測されています。自分のキャリアプランを明確にし、学び直しや資格取得を積極的に進めることで、より高い報酬と安定したキャリアを実現できるでしょう。