【インタビュー】DXで金融ビジネスを加速させるデロイト トーマツ コンサルティングのG&Iユニットとは
2023/04/11

【インタビュー】DXで金融ビジネスを加速させるデロイト トーマツ コンサルティングのG&Iユニットとは

各企業のDXの取り組みについて知る本連載。

今回はデロイト トーマツ コンサルティング合同会社(以下DTC) G&I(Growth & Innovation)ユニットでご活躍されている黒木様、胥(ショ)様、清水様の3名に、金融業界へのコンサルティング事例やG&Iユニットの魅力についてお話を伺いました。

 

黒木 恵太 様

FSI Division Growth & Innovation  / Senior Specialist Lead

 

約20年間の外資系SIerでの経験を経て、2019年にDTCに入社。金融業界を中心に、クラウド、レガシーモダナイゼーション、AML、ブロックチェーン、仮想化サービスなど、様々なITテクノロジーやプロダクトを活用したコンサルティングサービスやその後の実装・運用保守を含めたデリバリーを数多く手掛ける。

近年では、金融業界におけるデジタルトランスフォーメーションを実現するためのソリューション提供に注力している。

 

胥 暁君(ショ ギョウクン)様

FSI Division Growth & Innovation Unit  / Senior Consultant

 

2016年に新卒で外資系コンサルティングファームに入社し、保険会社を中心に金融機関向けの業務改善、プロジェクトマネジメントに従事。データ・AI関連のキャリアを目指し、2021年9月にDTCへ転職。現在は保険会社向けのデータ分析、AI利活用推進、AIモデルの開発プロジェクトなどに従事している。

 

清水 伸雄 様

FSI Division, Growth & Innovation Unit  / Consultant

 

約10年以上、日系ITメーカーにて金融機関を中心としたシステム開発や海外発パッケージ活用によるDX推進プロジェクト、海外でのプロジェクト管理支援、Fintechなどの最先端技術調査などを経験。2022年にDTCに転職し、海外発のノーコード/ローコードプラットフォームを活用したDX推進やグローバルプロジェクトのプロジェクト管理支援などに従事している。

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ご経歴・転職の経緯について

ーまず初めに、皆様がDTCにご転職された経緯をそれぞれお伺いできますでしょうか。

 

黒木様:私は外資系のSIerで銀行向けにサービス提供をしていました。大企業ということもあり、プロジェクトは既存サービスの延長線上であるシステム更改などが多くを占め、新規ビジネスに対してのシステム構築を進めるといったプロジェクトがほとんどありませんでした。そのため、よりビジネスからシステムに繋がるところまで一貫して携わりたいと思っていました。私が転職した2019年当時のDTCは、まだDX関連のビジネスを実際にシステムとして構築する、といった実装まで踏み込む支援までには至っておらず、ちょうどこれから推し進めていくというタイミングだったため、参画することにしました。

 

胥様:私は2021年9月に入社し、1年半程が経ちました。以前は約5年間、同じく外資系のコンサルティング会社で働いていました。前職では主に保険会社向けの業務改善やプロジェクトマネジメントが多かったのですが、データ分析関連のプロジェクトに携わりたいという強い想いがありました。当時から社内で何度も希望を伝えていましたが、なかなかその機会に恵まれず、転職活動を始めました。DTCのG&Iユニットは、保険業界の知識も活かせ、かつデータ分析やAIといった私がこれからやりたい分野のプロジェクトにも関われるということで、非常にフィットしていると感じ入社を決めました。

 

清水様:私は昨年の2022年に入社しました。以前までは国内ITメーカーで金融機関様を中心としたシステム開発を行っていました。縁あって海外にも行かせていただいて、海外駐在という形で現地でのプロジェクトマネジメントの他、当時アメリカで最先端技術として流行っていたFintechについて、情報収集や調査を実施し発信するという仕事も行っていました。その後、ノーコード/ローコードのプラットフォームを提供する部署にて、金融機関様を中心に海外発パッケージ導入の経験を積みました。

そのような経験の中で培ったグローバルなスキルとDXのスキルに加えて、汎用的に使える他のスキルを高めたいと思い、頭に浮かんだものがコンサルテーション能力でした。

当時はマネジャーに上がり始める年次ではあったものの、マネジャーになる前に、そういったどこでも活かせるスキルを身に着けておきたいという思いがあったため転職することを決めました。ちょうど、今のG&Iユニットの前身であるDT&I(デジタルトランスフォーメーションアンドイノベーション)という部署の業務内容をお伺いし、非常にフィット感があり、縁あって入社させていただきました。

 

ー皆様金融業界向けのソリューション提供をご経験されていたことが共通していらっしゃるようですが、G&Iユニット内ではどのようなバックグラウンドの方が多いのでしょうか。

 

黒木様:G&IにはD&T(デジタル&テクノロジー)チームとF&P(ファイナンス&パフォーマンス)チームのふたつがあり、私たちはD&Tチームに所属しています。そこには銀行など金融機関でのデジタル系部署の出身者、SIer出身者など多様な人材が所属しています。転職動機としては、海外とのコミュニケーションを取りながら最新テクノロジーを国内に届けたいという方もいれば、テクノロジー部門として社内で新しいテクノロジー活用をしたいがなかなかできず、コンサルタントとしてクライアントに入り込み実現したい、といった方など個々人によっていろいろな動機があります。共通しているのは、テクノロジーを活用して、金融業界のお客様のビジネスを変えていきたいという想いでしょうか。単にテクノロジーに強いだけでなく、金融という枠の中で何かを実現したい、業界を変えていきたい、という方が多いと思います。

 

DTC

 

G&Iユニットならではのソリューション提供

ー改めて、G&Iユニットはどのような組織なのか、ご紹介いただけますでしょうか。

 

黒木様:金融業界の成長を目的に、デジタル活用による変革を推進している組織です。FSIという金融専門部署の中に私たちG&Iがありますが、クラウドやAIなどの様々なテクノロジー専門部署と協業しながら、金融業界に対してデジタルソリューションを提供するプロジェクトを行っています。

 

FSIの中にある銀行・証券ユニット、保険ユニットなど、業界知見の専門性を持ったチームとも協業しており、上流のビジネスコンサルティングサービスだけではなく、それを実際のソリューションとして提供するなど、デジタル活用の実行という部分までしっかりお付き合いしています。End to Endでデジタル支援を伴走することが我々の目的であり、このチームが存在する意義だと思っています。

 

ー直近の具体的なプロジェクト事例や成果をそれぞれ教えてください。

 

清水様:私は保険会社様向けに、海外発パッケージシステムの活用を推進するプロジェクトを担当しています。日本ではまだ事例が少ないものですが、デロイト グローバルで見ると幅広く提供実績があるもので、海外のパッケージベンダーとコミュニケーションを取りながら日本の保険会社に適用していくといった活動をしています。ノーコード/ローコードプラットフォームという、簡単に画面やワークフローを作れるパッケージで、「新しい商品を作りたいが、既存システムが複雑化しているため難しく、時間や費用がかかってしまう」というお客様の課題を素早く解決することができます。パッケージ導入によるそのような課題解決を目指して、現在はPoC活動を中心に行っています。

例えば、生命保険会社は代理店での募集業務において紙での運用がまだ主流で、デジタル化できてない部分が多くあります。代理店向けに、保険会社のシステムとつなぐシステムを短期間で提供することで、紙運用での負荷が高い事務作業の工数が削減できます。現在は、その実現を目指したPoC活動を実施しています。

 

胥様:私は保険業界向けの自然言語処理の利活用プロジェクトを行っています。まず保険の業務全般でどのようなユースケースがあるのかを精査し、その上でクライアントにとって最も優先度が高いものを選定しました。その後、優先すべきユースケースのPoC活動を実施しています。

 

具体的には、顧客向けNPS(ネットプロモータースコア)のサーベイ内に記載されたフリーテキストの内容に対して、自然言語処理を用いて顧客のインサイトを抽出するというものです。サーベイは保険会社の個人のお客様に対して、お客様とのやり取りごとに実施していますが、選択項目とフリーテキストの2種類が存在します。それぞれの内容を比較すると、選択項目から読み取れる課題は、フリーテキストを読むと本当の課題ではない、ということが結果として現れ、非常に面白かったです。

 

例えば、選択項目で「不満足」をつけていたとしても、フリーテキストには営業担当者への褒め言葉などポジティブなコメントが書かれていたりします。フリーテキストから顧客の本音が分かることも多く、選択項目だけを見て判断してしまうと、本当の課題を見誤ってしまう可能性も出てくると感じました。

保険商品はどうしても同質化しやすく、他社と競争するにはサービスで差別化していく必要があります。そのために、NPSサーベイのインサイト抽出は非常に重要であり、サービス改善の大きなヒントになりますね。

 

ー自然言語処理のプロジェクトには専門チームとの協業が必要になるかと思いますが、どのようなチーム構成だったのでしょうか。

 

胥様:今回は、デロイト グループ内のデータ分析専門チームと協業しました。プロジェクトの特徴としては、異なる専門性を持っているメンバーがチームになってプロジェクトをデリバリーした点です。

 

例えば、クライアント先の環境で自然言語処理を行うためのインフラ設計・構築を行うチームもあれば、継続的にクライアント社内でも分析できるよう社員教育をするチームもいました。そのため、今回のサーベイ分析も、教育を受けながら社員の皆さんが自力で行っていました。私たちはユースケースの企画のみを行い、お客様自身でAIモデルを作り上げています。プロジェクト終了後にも、お客様から「無事成功しました」と連絡が来たときは嬉しかったですね。NPSのデータは今後も継続して取得していく必要があるので、私たちがモデルを作って提供するだけでは意味がありません。

 

黒木様:私たちは単にテクノロジーを提供するだけでなく、クライアントのみで自走できるようにケイパビリティ強化・内製化支援も併せてご提案しています。もちろんお客様の状況によって違いはありますが、技術面だけでなく、人材や組織態勢もセットで変革をしていかないと、ビジネスを継続していくことができません。一般的なSIerなどのIT企業と違う点は、システム導入・保守のみを提供するサービスで終わることなく、そういったメッセージをきちんと打ち出しているところですね。

 

これまでは、企業として実現したいことが明確にあり、そのためのシステム導入をすれば終わり、という世界でしたが、それはもう限界だと感じています。自分たちでトライアンドエラーを繰り返しながら、徐々にサービスを作り上げていくようなアプローチが必要だと思います。

 

DTC

 

ー黒木様が携わっているプロジェクトの具体事例についても教えてください。

 

黒木様:入社してから現在も継続して、海外発のクラウドソリューション提供を国内向けに行っています。クラウドでマイクロサービスを使うだけでなく、外部のSaaSと組み合わせながら、新しいサービスを素早く作り上げることができるというソリューションです。

デロイトグローバルでは銀行など金融機関を中心にデリバリーしており、例えばオーストラリアでは、約1年でデジタルバンクを立ち上げた事例もあります。そういったソリューションを日本に持ち込み展開しています。

 

最近では、銀行の法人向けサービスにおいて、デジタル化の促進をするプロジェクトを担当しています。通常業務を単にデジタル化するだけではなく、そのプラットフォームを中心として他サービスと繋ぎ合わせることによって、さらに付加価値の高いサービスを提供することができます。例えば、プラットフォーム上で法人向けのビジネスに直結するような情報提供をしたり、企業と企業を繋ぎ合わせるようなサービスを提供したりすることも可能です。金融業務の改善だけにとどまらないようなプラットフォームをご提案させていただいています。

まだローンチ前にはなりますが、このプラットフォームが立ち上がれば、銀行でそれぞれに開始された法人サービスが、プラットフォーム経由ですべてにアクセスすることが可能です。紙中心のやり取りも全て電子化で対応できることはもちろん、先ほどの非金融サービスとも繋ぎ合わせることができ、顧客との”お金のお付き合い”だけではなく、ビジネス関連の情報提供をすることでアクセスしていただきやすくなっています。

 

DTCは、こういったサービス開発においてはまだ新参者だと思っているので、我々の強みであるコンサルティング力を活かしながら、金融の枠にとらわれない提案を行っています。こんなビジネスをやっていくべきだ、こんなやり方をすべきだ、という提案の一つの解として、今回のようなソリューションの提供を行っているところです。

 

DTC

 

DTCで働く魅力

ー皆様の働くうえでのやりがいについてもお伺いさせてください。

胥様は先ほどのお話からデータ分析に携わるという希望が実際に叶っていらっしゃいますが、他にもご入社後に感じている仕事のやりがいはございますか。

 

胥様:前職では、1人で現場に常駐することがほとんどでした。鍛えられるところもありましたが、マネジャーとのコミュニケーションは週1回程度の報告のみだったため、仕事の進め方などは自分で考えられる範囲でしか行えず、もっと効率の良い方法があるのでは、と思っていました。

DTCでは、マネジャー以下の立場であれば、必ずマネジャーと一緒にプロジェクトに入り、定期的なチェックポイントを設け、振り返りを行っています。自分が考えた上で相談をすれば建設的なアドバイスをいただくこともできますし、以前よりも仕事の進め方が改善されたと感じています。また、どのようなアプローチで進めるのかといったプロジェクト全体の初期計画もマネジャーと練って臨んでいますので、非常に安心感があります。

 

ー希望したプロジェクトアサインの実現だけでなく、チームワークを感じられるということもやりがいになっているのですね。

 

胥様:そうですね。最近は組織内の従業員エクスペリエンス向上・コミュニケーション活性化活動も積極的に行っています。コロナ時期の入社ということもあり、対面で会う機会もほとんどない状態で、プロジェクト以外のメンバーとの交流が少ないと感じていました。どうすれば皆さんとうまく交流ができるかを考え、G&Iのコミュニケーションチームとしてオフィスツアーや懇親会など様々な活動を企画、実行しています。

プロジェクト内メンバーだとどうしても評価などが関係するので、ちょっとした不安を相談できないこともありますが、プロジェクト外で接点を持って話せる相手がいることで安心感が生まれます。コミュニケーションの場を作り、お互いの名前だけではない個人として認識した繋がりを作ることはとても重要だと思っています。

 

黒木様:リモートでの業務も増えているので、胥さんをはじめコミュニケーションチームには孤立しないような工夫をしてもらっています。少なくともこのユニットでは、分からないことを聞いて冷たい扱いをされるようなことはまずないですし、コミュニケーションチームがあることでみんなの意識が高まっていると感じています。プロジェクトもチームとして活動しているので、フォローし合いながらそれぞれの強みを活かすことができると思います。

 

ー清水様はご入社されてから、どのような変化がありましたか。

 

清水様:私は入社当初、新しいプラットフォームの勉強のためアセット開発というものをさせてもらっていたのですが、3〜4ヶ月程、家で1人、黙々と作る日々が続いていたこともあり孤独を感じていました。私自身モノ作りは好きなので開発をする時間は楽しいのですが、シニアマネジャーとマネジャーと私のみのチームであり、作業担当者が他にいないことからチームコミュニケーションが少なく、入社して数ヶ月後に「DTCを感じられていない」ということをマネジャーとパートナーに率直にお伝えしました。やはりチームコミュニケーションを感じるにはプロジェクトに入ることが一番だと思い、希望を出して別のプロジェクトに入らせていただいています。現在は国内銀行グローバル案件で金融規制対応プロジェクトのPMOを担当しています。私の希望していたグローバル案件でもありますし、そこでチームメンバーともほぼ毎日現場で顔を合わせコミュニケーションを取ることができています。

 

また、プロジェクトを通じて感じる変化もあります。前職ではお客様の要望にいかに応えていくかがSIerとしてのPMOでしたが、DTCとしてはそこで止まってはいけない、それは最低限実現した上でどのような課題がありどうしたら解決できるか、という次のアクションのご提案まで行い、新たな価値を与えることがコンサルティングで求められてるものだと強く教わりました。その意識が異なることが、前職との大きな違いです。

 

こういった考え方は社内教育でも教えていただけます。私がDTCを選定した大きな理由は、会社として教育がしっかり実施されている点です。コンサル未経験者向けに約1ヶ月集合研修があり、コンサルとはどういうものなのか、DTCのコンサルはここまで求められる、という良い意味でのプレッシャーも与えてもらいながら、基礎を学ぶことができます。OJTですと、どうしても品質が現場によって変わってしまうことも多いため、会社としてコンサルの基礎を定義してしっかり教えていただけるところはとてもありがたかったですね。

 

DTC

 

DTCで活躍する人材とは

ー最後に、コンサルタントとしてご活躍される方の特徴や求める人材像をぜひ教えてください。

 

黒木様:自分で何か行動しないとプロジェクトが進まないので、自発的な動きは必要だと思います。例えばSIerと比較しても、お客様の要望も抽象度が上がりますし、タスクが決まっていてそれを計画通りに進めて、何か問題が起きたらその対応をして…といった先が見えるような業務ではないですね。ただ、それは意識づけの問題だけだと思うので、思い切って入っていただければ自然と身につきますし、仕事も周りと一緒に進めていくので、徐々にそういったスタンスになっていくのだと思います。

 

胥様:私は、自分の軸を持ち実現したいことを言葉にすることが大事だと思っています。必ず自分の希望が叶うわけではありませんが、きちんと上長に伝えることで、プロジェクトにアサインされる可能性は十分にあります。DTCは対応できるプロジェクトのバリエーションも幅広いため、自分の希望をしっかり伝えて、少しずつでも進むことができれば、何らかの形で実現できると思っています。

 

清水様:風通しが良くフラットな社風なので、迷っているなら迷ってることも伝える、ということが大事だと思います。前向きにしっかり意思表示をすれば、ちゃんと答えてくれるような会社組織だと思うので、そこは最も大事なところだと感じます。パートナーも含めて周囲がそれに対して否定するようなことはないので、どうしたらその目標に対して実現できるかを皆さん真剣に考えてくれる環境です。

 

胥様:私たち3人は社会人経験も長くDTCで実現したいことが明確にある一方で、チーム内の第二新卒層のメンバーは単純に「成長したい」「視野を広げたい」という方も多いです。そういった成長意欲の高い方でも十分に活躍できる可能性はあると思います。

 

黒木様:今のG&Iは、前職と比べてしまうとデリバリー部分、実装力に関してはまだ課題が多くあると感じています。これから組織を本気で立ち上げていきたい、足腰を鍛えて組織としてさらに強くしていきたいと考えているので、そのご意欲がある方や共感いただける方にジョインいただけると非常にありがたいです。一緒に組織を強化できる人材が入ってくだされば、さらに金融業界のビジネスが加速すると確信しています。

 

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