世界で活躍する総合商社豊田通商グローバル部品ロジスティクス本部の魅力に迫る
各企業の事業変革に関する取り組みについて深堀りしていく本連載。
今回は豊田通商株式会社グローバル部品 ロジスティクス本部グループリーダー榎本様にキャリア採用の現状とこれからについて、谷本様、加山様に豊田通商での経験や働く魅力についてお話を伺いました。
榎本 康一 様
グローバル部品・ロジスティクス本部 グローバル部品・ロジスティクス企画部
戦略推進グループ グループリーダー
2008年に物流事業部事業統括Gに中途入社。トヨタ自動車株式会社物流企画部への出向を経て、TTK Logistics(Thailand)、TTK Asia Transport(Thaiand)、TK Logistica do Brasil Ltda.での海外赴任を経験し、2023年より現職。
谷本 亮介 様
グローバル部品・ロジスティクス本部 モジュール事業部 主任
2016年に新卒入社し、パーツアッセンブリー事業部 パーツアッセンブリー第二Gに配属。中央精機株式会社への出向、トヨタツウショウ カナダ ケンブリッジ、株式会社協豊製作所への出向を経て、モジュール事業部 事業企画Gへ。2023年より現職。
加山 綾乃 様
グローバル部品・ロジスティクス本部 グローバル部品事業統括部 BPR推進グループ
2018年に新卒入社し、グローバル部品第二部輸入推進Gに配属。2020年からPT.TOYOTA TSUSHO INDONESIAにて海外赴任を経験。2023年より現職。
グローバル部品・ロジスティクス本部について
ーはじめに、グローバル部品・ロジスティクス本部がどのような部門なのか、事業内容や豊田通商様全体における立ち位置等をお聞かせください。
榎本様:グローバル部品・ロジスティクス本部(以下、グロロジ本部)は世界38か国167拠点を構え、モビリティ部品を中心にグローバルに広がるサプライチェーンを構築しています。現在は3つのSBU(ストラテジックビジネスユニット)、13の事業部で構成されており、Vision2030として掲げる『「つくる」「はこぶ」「つなぐ」を変えて未来社会への責任を果たす』の実現に向けた仲間づくりを行っています。
当社にはグロロジ本部を含め7つの本部がありますが、当本部は他本部とは異なり商材が限定されておらず、サプライチェーンにおける困りごとや課題解決を主として出発した本部であり、グローバル規模の「調達物流機能」「物流加工機能」「モノづくり機能」「新規事業開拓機能」といった、特定の商材、商品ではなく、「複合機能」を提供しています。
これまでモビリティ分野で培ってきた事業やそのノウハウを横展開するのが特徴です。例えば航空部品サプライチェーンや空港運営など、モビリティ分野以外への調達物流機能の展開や、物流加工機能を活かしたバッテリーパックの組み付け等、別商材の組み付けに応用してソリューション提供を行う等、戦略的に取り組んでいます。
商材が限定されない分、戦略の立て方や実現したい未来社会への目線合わせなどが非常に大事になりますが、当社の持つ強みを活かしながら自由な発想でチャレンジできる環境でもあります。
※豊田通商株式会社>事業紹介>グローバル部品・ロジスティクス より抜粋
ー皆様が現在どのような業務をされているのか具体的に教えてください。
谷本様:私はモジュール事業部事業企画グループにて、新規事業開発を行っています。具体的には、電動キックボードにおけるリチウムイオン電池のバッテリーパックの組み付けと販売を行っています。電動キックボードを含む次世代モビリティを普及させるためには「充電インフラ」がキーであるとし、現在パートナーと提携しモビリティ向けのワイヤレス充電の実証実験を行っています。
モジュール事業部はモビリティ部品の組み付けを主として展開する部署ですが、モビリティのEVシフトの流れもあり、「バッテリーパック」の組み付けという新たなテーマで事業開発を行っています。まずは電動キックボードというマイクロモビリティから、非接触充電の実証等含め、最終的に当社が強みを持つモビリティ領域全体への拡大へとつなげていく方針です。
東京都内では地下鉄・私鉄・JR含めて鉄道網が張り巡らされていますが、手軽に目的地に辿り着けるメリットのある電動キックボードの拡大は、新たな移動手段の提供として取り組む意義があり、なおかつ拡大において「充電」に課題感があるとするのであれば、私たちのパートナーとの実証実験がユーザーにとって良いソリューション提供になるのではと思っていますし、何より社会に対して貢献できるのはないかと感じます。
榎本様:冒頭で「仲間づくり」と申し上げましたが、今回キャリア採用で入社される方々はもちろん、事業を推進する上では先進的な技術や特定分野で強みを持ったパートナーとの提携も必要不可欠です。
ー加山様のご担当業務についても、ぜひお聞かせください。
加山様:私はグローバル部品事業統括部BPR推進グループに所属しています。当部はグローバル部品SBUに属しており、「VtoV(Vendor to Vendor)」という、モビリティ部品を小ロット多頻度で国内外のお客様にお届けすることがグローバル部品SBUの主な事業です。
この事業では過去の経験を踏襲した属人的かつ各地で多種多様に最適化された業務スタイルが多く存在します。そのため私の所属するグループでは、世界27か国で行われているトレーディングの受発注管理、在庫管理の機能をグローバルで一つのシステムにまとめ、各国で乱立し複雑化していた情報を一元管理し、可視化するプロジェクトを進めています。
世界各地域で独自に発展したシステムを統合し、標準化された情報を利活用することにより、さらに付加価値の高いサービスをお客様に提供することを目指しています。
また、昨今ではコロナウイルスや国際紛争などの影響によるグローバルに広がるサプライチェーンのBCPに対する危機感が高まっています。将来的にはこのシステムを使い世界中の情報が標準化されることで、有事の際にもお客様がすぐにオンラインでアクセスし状況が把握できるようになることも目指しています。さらに、私たちの「つくる」「はこぶ」「つなぐ」の機能に対するBCP管理が強化できるというところもメリットだと考えています。
現状の課題として、これまで既存のビジネスに集中することで成長してきたこともあり、組織のスキルにバラツキがあることが挙げられます。システム導入にあたって、ITスキルと業務設計スキル両方を持つ人財の活躍機会が多くあるため、ぜひそういったご経験を持つ方と一緒に働きたいですね。
豊田通商で描けるキャリア
ー直近のキャリア採用のご状況やご活躍人財について、お聞かせください。
谷本様:最近はグロロジ本部にキャリア採用による入社者が増えています。私のグループでも製造業で企画業務や営業経験を持つ方が東京オフィスに1名入ってきたばかりで、私は愛知県で勤務しており拠点は異なりますが、一緒に電池の勉強会を開くなどしながらお互いの経験や知見を共有し、業務のキャッチアップをしています。
榎本様:最近は金融業界など当社の既存ビジネスとは異なる分野からのご入社も増えており、モビリティ関連業界や商社業界ご出身の方に限らず、活躍できるフィールドが多くあります。
ビジョン・戦略立案、事業開発はもちろん、社内での0→1の経験をお持ちの方、事業体管理や経営支援・事業再生等を通じてヒト・モノ・カネ・情報など経営資源の管理経験を持つ方であれば、多数の事業でご活躍いただけると思います。
また、グロロジ本部では人物面やマインドセットを重視していますので、ご意欲や熱意のある方とはぜひ一度お話しさせていただきたいですね。
ー入社後のキャリアパスについては、どのような選択肢があるのでしょうか。
榎本様:私はキャリア採用で入社後まずはトヨタ自動車に出向し、その後タイ駐在、ブラジル駐在を経て現在の企画部戦略推進グループのリーダーというキャリアを歩んでいます。本部内でもきちんとローテーションがあり、様々な経験を積めることはまず魅力としてお伝えしたいです。
また、グロロジ本部は事業体の数が多く、世界38カ国167拠点がありますので、海外駐在を望む方にとっては非常にチャンスの多い環境だと思います。私はブラジルにある事業体で経営を任される機会もありました。多様なキャリアの選択肢がありますので、ご本人の望むキャリアを実現している社員も多いです。
私が入社した理由でもある「海外勤務」そして「事業体経営」という2軸は実現することができました。もう1つの軸である「事業開発」をこれから実現していきたいと思います。
谷本様:私の場合は目標とする先輩方が近くにいたため、理想のキャリアパスが描きやすかったです。榎本のような駐在先での経験はとても理想的だと思います。
榎本様:当社であれば、事業、国、チームメンバーによって複数のキャリアプランを描けます。自分にフィットするキャリアを「現地・現物」で体験しながら考えられるというのは大きな魅力ではないでしょうか。
とはいえ、私たちのような経験のある人財だけがグロロジ本部のロールモデルかというとそれだけではないようにも思います。新しい発想を持った若いメンバーを私たちが参考にしないといけない、という時代になっていると感じていますので、タテ・ヨコ・ナナメの関係で様々なロールモデルが存在して良いと思っています。
豊田通商で働く魅力とは
ー皆様がご入社されて感じた魅力やギャップがあればお聞かせください。
榎本様:私は通信業界を経て当社へ入社し、ロジスティクス関連業務はもちろん、トヨタ用語や文化も全く分からないゼロからのスタートでしたので、最初は苦労しました。
そのような状況でも、海外の現場に行かせてもらい「現地・現物」を見て勉強させてもらえたのは非常に良い経験でした。自身が携わる仕事を直接目で見て体感できるような経験は、自分の仕事のスキルや質を上げることができたきっかけとなりました。
谷本様:私は社内連携が活発に行われている印象を持ちました。事業開発を行っていると人脈づくりも重要になりますが、役員の方が気さくに情報を教えてくださったり、他部署の方をつなげてくださったりと、とても良い雰囲気だと感じています。年次や新卒・中途に関係なくフラットに仲間づくりができる機会を与えていただけるので、部外でも相談させていただく相手が増えました。
榎本様:今期は「やってみよう!グロロジ ~Cross the Border~」とスローガンを掲げており、SBU・部署の垣根だけでなく、国・地域をまたいで力を結集させ、協力しながらチャレンジをしていこうと推進しています。本部CEOの江山が率先垂範し、新たなチャレンジを奨励する風土が浸透していますので、何か新しい物事を推進する際には役員も含め本部全体で支援するような組織風土や体制が整っています。
ー入社されて大変だったことをどう乗り越えたのか、周囲のサポートはどのようなものだったのか、等のエピソードがあればお聞かせください。
加山様:私は昨年までインドネシアに駐在していました。インドネシアで製造し他国へ輸出している部品の需要が世界中で大きく伸長し、かつコロナウイルスによる物流の混乱が重なったことで生産と供給が追いつかない状況が続いてしまったことがありました。
私たちは「お客様の生産ラインを絶対に止めない」という強い使命を持って臨んでいますが、やはり国が違うと迅速な意思疎通や正確な情報伝達に、当時は非常に苦労しました。そのような状況下でも、各国の駐在員や現地スタッフが時差もある中、昼夜問わずミーティングへの参加や、お客様からの情報取得に尽力する等、一致団結し困難な状況を乗り越えることができました。
自分一人ではできないことが多い仕事なので、周囲と支え合っていくことの重要性を強く感じました。
同時に、利用するシステムが各国で違うことで状況把握が困難であったり、業務が複雑化したりという実体験もあり、現在私たちが行う物流DXの推進は喫緊の課題であり、非常に重要なミッションだと感じた一件でもありました。
谷本様:私の場合は、もともと持っていた商社のイメージで入社をしたため、榎本のように「海外で働きたい」、「投融資、事業買収やその後の事業運営に携わりたい」という想いがありました。
最初に配属されたのが現在のモジュール事業部だったのですが、最初の3年間、そして海外で1年間、モビリティ部品の組み付けの事業体に出向して、人手不足の際には製造ラインに入ってタイヤを組み付けたりすることもありました。
もちろんそういった業務はごく稀で、組付設備の改修や老朽化資産の更新など投融資のプロジェクトマネジメント業務が中心ではありましたが、当初は思っていたイメージとのギャップを感じていました。
とはいえ、「働く人」というのが私の就職活動の軸でもあったので、仲間意識の高さや、同じ価値観を共有しながらも新しい手法や変化を取り入れていく前向きなスタンスを持ち合わせているグロロジ本部の人や風土は非常に魅力的でしたので、前向きに捉えていました。
また、先輩方も同じような現場での業務を経験されていた話を知っていましたし、現在は自分が経験したかった事業企画・開発といった業務を任せていただけているので、大きな挫折を感じることなく経験を積めています。
ー皆様が今後のキャリアの中で挑戦してみたいことはございますか。
榎本様:私は現在企画部の業務で事業方針や本部の意向を浸透させるような役割を担うようになりました。「一人の100歩よりも100人の一歩」という言葉がありますが、トップの意思や現場の最前線で頑張っている若手の想いを一つにして、本部全体で一体感を持ち、大きなことを成し遂げたいと考えています。
優秀な社員が多いからこそ、その掛け算ができるような道筋を作り、組織の活性化にさらに磨きをかけていきたいと思っています。
加山様:就職活動の際はメーカーなども検討していましたが、商材が決まっている業界というよりは、熱意があれば何でもできる可能性がある商社を選びました。人が資産と言われる業界で、今後もビジネスパーソンとしてさらに成長していきたいと考えています。現状任せていただいている業務にやりがいを感じていますので、自分のさらなる可能性を探っていきたいと思っています。
谷本様:私は0を1にする事業企画を任せていただいている経験を活かし、今後は自分で作った事業を海外駐在しながらマネージングすることが目標です。今はそのための種まきをするタイミングだと思っていますが、なるべく早いタイミングで事業立上げを実現したいです。就職活動の際にも「30歳程度で海外駐在して社長を任せてもらう」と明言していましたので、現在はそれに向かって頑張っているところです。
ー最後に、豊田通商様への応募を検討されている候補者に向けてメッセージをお願いいたします。
榎本様:冒頭でも申し上げた通り、Vision2030の実現に向けてグローバルに事業を推進するためには、多種多様な経験・スキルをお持ちの方が必要です。
キャリア採用においては、グロロジ本部が大切にするDNAを継承しながら、未来目線で変革を起こしていただける新たな人財を求めています。
私たちの目指す「未来社会」とのギャップは各部署様々ではありますが、そのギャップを埋めるためには既存の発想にはないものに投資をしていかなくてはいけません。私たちが点と点でしか見えていない部分を線で繋いでいただけるような新しい目を持つ方を受け入れ、新たな投資として積み上げていく必要があります。これは私たち本部の課題でもありますし、キャリア採用において期待したいポイントでもあります。
また、世界中で活躍する多様なメンバーとの接点も多いため、多様性を尊重し、組織内外で前向きな関係構築、円滑なコミュニケーションが取れる方、そして困難な状況においても高い志を持ち、自己研鑽し続けられる胆力をお持ちの方に、ご活躍いただきたいと考えています。将来的にグローバルで活躍いただくことに対して、強い関心と好奇心をお持ちの方はぜひお話できれば幸いです。