
講談社の中途採用・転職難易度、採用倍率は?
講談社は、「週刊少年マガジン」「モーニング」「FRIDAY」など、数々の人気雑誌・書籍を刊行し、国内外で高い評価を受ける総合出版社です。出版事業にとどまらず、映像・アニメ化、ライツビジネス、デジタルコンテンツ展開、イベント企画など、多角的なビジネスを展開し、長年にわたり業界を牽引しています。
そんな講談社は、転職市場においても非常に人気が高く、「憧れの企業」として多くの求職者が応募するため、転職難易度は高めです。特に、専門性の高いスキルや経験が求められる職種が多く、即戦力としての活躍が期待されるため、入念な準備と対策が必要となります。
※本記事は2025年4月に掲載されました。
※記事中の情報は掲載時点でのWeb情報の公開情報を元に弊社が編集・掲載したものであり、企業の公式見解ではありません。
※組織の詳細や制度等は大きく変更になる可能性があります。ご転職を検討の際は、公式HP等で最新の情報をご確認ください。
そもそもなぜ講談社の中途採用倍率はなぜ高いのか?
倍率が高い理由としては、
(1)応募数が多い
(2)高い「専門性」が求められる
(3)面接の通過率が低い
の3点が挙げられます。
(1)応募数が多い
講談社は、「週刊少年マガジン」「モーニング」「ブルーバックス」など、幅広いジャンルの書籍や雑誌を展開し、多くの読者に親しまれている総合出版社です。国内外での高いブランド力を誇り、「講談社で働きたい!」と憧れる人も多く、出版業界の中でも特に人気のある企業の一つです。
また、講談社は長年にわたり安定した経営を続けており、書籍や雑誌の出版事業にとどまらず、映像・アニメ化、ライセンスビジネス、デジタルメディア展開など、多角的な収益基盤を持っています。そのため、「安定した企業で働きたい」と考える転職希望者はもちろん、編集者やマーケター、ライツビジネス担当など、コンテンツビジネスやエンタメ業界に関心のある人にとっても、魅力的な選択肢となる企業です。
(2)高い「専門性」が求められる
講談社は、単なる「出版企業」ではなく、コンテンツを核とした多角的なビジネスを展開する企業です。書籍・雑誌の出版にとどまらず、映像・アニメ化、ライツビジネス、デジタルメディア、イベント事業など、多様な分野でコンテンツの価値を最大化する戦略を推進しています。そのため、編集やマーケティング、ライセンスビジネスにおいては「作品の世界観を守りながら収益を生み出すスキル」が求められます。
講談社の強みの一つであるライツビジネスは、他企業との提携を通じてIP(知的財産)を活用し、映像化やアニメ化、グッズ・ゲーム展開、海外展開など、多岐にわたるビジネスモデルを展開しています。そのため、ライセンス営業やIPビジネスの経験者は即戦力として重視される傾向がありますが、出版営業、マーケティング、法務、海外ビジネスなどの経験を活かして挑戦できる可能性もあります。またエンジニア、社内システム、経営管理といった職種もあり、出版・エンタメ業界の経験がなくても、専門スキルを活かして転職できるチャンスがあります。特定の職種においては異業界からの転職者も歓迎されるため、業界チェンジを目指す方にとっても、自身の専門性を活かしたキャリアを築くことが可能でしょう。
(3)面接の通過率が低い
上記2点の通り、人気企業であり、採用ポジションでの求めるスキルから、おのずと面接通過率も低くなっています。講談社で実現したいことはもちろん、挑戦を恐れずに新たな成長領域に取り組む姿勢や、積極的に新しい知識を吸収し自らの力で行動できる主体性についても書類選考、面接でも評価されるため、同社の具体的なニーズと自分の経験をマッチさせることが重要です。また面接でのこれらのアピールはもちろん論理的思考能力やコミュニケーション能力もポイントとなってきます。
さらになぜ講談社なのか、ポジションによっては同業他社の可能性もあるため、なぜ講談社でなければいけないのかを論理的に述べることがポイントとなっており、その通過率は低くなっています。
どのような対策が必要か?
講談社への転職では面接対策が重要なポイントとなります。書類においても実際に不採用になっているケースもあるため、ここでは書類、面接と合わせて、どのような対策が必要なのかご紹介していきます。
書類対策
一般的な書き方で問題ありませんが、応募ポジションと親和性のある経験、スキルをアピールしましょう。専門職であればどんな業務内容を経験してきたのか、企画系であれば実績を記載するようにしましょう。転職エージェントに相談し、客観的な意見も交えてブラッシュアップしながら進めると良いかと思います。応募書類の重要なポイントは人事担当者に「会ってみたい」と思ってもらうことです。どんなに人物面がよくてもこの書類選考で落ちてしまっては面接で何も伝えられません。
例えば、担当したプロジェクトの概要、目的、規模、期間、チーム構成などや、自分の役割や責任、具体的な成果や達成した目標、プロジェクトで使用した技術やスキル、ツールなども記載すると良いでしょう。また自分の強みや特長を具体的にアピールすることも必要です。
面接対策
講談社の面接では、技術力や専門知識はもちろんのこと、「自社のコンテンツや事業にどれだけ理解があるか」「講談社の理念や姿勢に共感しているか」といった点も重視されます。書類選考の倍率が高いため、面接に進んだ時点で一定のスキルや適性は評価されていると考えられますが、最終的には「即戦力として活躍できるか」「社風やカルチャーにフィットするか」が合否を分けるポイントとなります。
企業研究を徹底し、「講談社」を深く理解する
講談社は「おもしろくて、ためになる」を理念に掲げ、出版を中心に、アニメ化・映像化・ライツビジネス・海外展開など幅広い形でコンテンツを発信している企業です。ただ本をつくるだけではなく、作品を起点にさまざまなメディア・プロジェクトへと広げていく点が大きな特徴です。
そのため面接では、「なぜ講談社で働きたいのか?」という問いを通じて、志望動機の本気度が問われることが多くなります。単に「出版が好きだから」ではなく、「講談社の理念や作品、取り組みにどのような共感や興味を持っているのか」、具体的なコンテンツやプロジェクトと紐づけて語れるように準備しておきましょう。
これまでの経験が講談社でどう活かせるかを明確にする
講談社の採用では、「今いるチームに加わってすぐに力を発揮できるか」が重視されます。そのため、「自分のスキル・経験がどのように講談社の事業やチームに貢献できるか」を、具体的に語れるように準備しましょう。
・応募職種(編集・マーケティング・ライツビジネス・システムなど)ごとに求められるスキルを整理する
・過去の成果や実績を、数値や具体的なエピソードと共に説明できるようにする
・講談社の事業・作品・取り組みに、自分がどう関われそうかを明確に伝える
このように、入社後の貢献イメージをリアルに描けることが、信頼につながります。
コンテンツやブランドの世界観を尊重する姿勢を見せる
講談社の扱うコンテンツには、長く読者に愛されてきた作品や、世界観の強いIPが多く存在します。そのため、ビジネス的視点だけではなく、「作品や作家へのリスペクト」「講談社が大切にしてきた編集哲学」などへの理解があるかどうかも問われます。
単に「売れればいい」「話題になればいい」という考えではなく、「講談社らしさとは何か」「自分はその世界観や価値観をどう捉えているか」を、言葉にして伝えられるようにしましょう。
面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれることが多いですが、ここは企業理解や意欲をアピールできるチャンスです。事業内容やチームの取り組みに関する具体的な質問を用意しておくと良いでしょう。
ただし、応募ポジションとあまりにかけ離れた質問や、ネットに載っているような表面的なものは避けるべきです。たとえば経営幹部でない相手に「今後の経営戦略を教えてください」といった質問は場違いに映ることがあります。
「選考を通じて気になったこと」「講談社での働き方やチーム文化で気になる点」など、自分自身が感じた疑問や興味をベースに、「自分目線の質問」を準備しておきましょう。
求める人材像
講談社の中途採用では、即戦力となる技術力・専門知識を持つ人材 が求められるのはもちろんのこと、同社の価値観や事業戦略に合った人物であることも重視されます。
講談社は公式採用サイトにおいて、求める人物像を以下のように表現しています。
講談社は多種多様な「とんがり人間」を求めています。
この表現から、講談社は個性や独自性を持ち、尖った才能や強みを持つ人材を求めていることが伺えます。
トップメッセージ
私たち講談社は、1909年の創業から一貫して、おもしろくて、ためになる「出版物」を世の中に送り届けてまいりました。2021年には、講談社のブランドを世界で確立させるために、「おもしろくて、ためになる」という企業理念を英語で表現した新たなパーパス“Inspire Impossible Stories”を発表しました。
出版の「版」は、書物を作ることや印刷するための板を指す言葉ですが、私はそこに「データ」も含まれると考えています。そして、「出版」を意味する英語「publishing」には、「公にする」という意味もあります。
つまり、出版社の仕事は「データを公にすること」と言えるのです。紙の形にくわえて、電子書籍やアニメーション、ゲーム、動画、映画、キャラクター……あらゆるコンテンツが私たち講談社の「出版物」なのです。
今後もエンターテインメント業界において、新しいテクノロジーが次々と生み出されることは明白です。それらを柔軟に取り入れて、クリエイターが生み出すストーリーの価値を最大化させることが、私たち講談社の使命だと考えています。
例えば、2023年5月には、コミックアプリ「K MANGA」を米国でローンチさせました。「テクノロジー」と「グローバル」をキーワードに挑戦を続ける会社、それが私たち講談社です。
新しい才能をいち早く発掘し、最先端のテクノロジーと共に世界に送り届けるためには、あなたが培ってきた経験やスキルが必要です。ぜひ、講談社のキャリア採用にご応募ください。
出典:https://career.recruit.kodansha.co.jp/message/(2025年4月時点)
中途求人から紐解く講談社の求める人材像
講談社の採用情報や求人傾向を分析すると、以下のような共通点が見えてきます。
個性的で尖った発想を持ち、新しいことに挑戦できる人
講談社は、多種多様な「とんがり人間」を求めています。既存の枠にとらわれず、新しいアイデアを積極的に提案し、挑戦できる人材が歓迎されます。
柔軟な思考で変化を楽しめる人
出版業界はデジタル化やグローバル化など、急速な変化が進行しています。講談社では、これらの変化に柔軟に対応し、新しいことにチャレンジする意欲の高い方を求めています。
社内外とのコミュニケーションが得意な人
編集、営業、デジタル部門など、多岐にわたる部門や外部企業との連携が必要となるため、円滑なコミュニケーション能力が求められます。人と話すのが好きで、調整力がある方が活躍しやすい環境です。
トレンドをキャッチし、企画・提案ができる人
講談社では、「おもしろくて、ためになる」という理念のもと、常に新しいコンテンツを提供しています。そのため、世の中の流行を見極め、新しいアイデアを提案できる能力が重要視されます。
講談社 会社概要
社名 | 株式会社講談社 |
代表者 | 野間省伸(のまよしのぶ) |
従業員数 | 953人(2024年4月現在) |
創業 | 1909年(明治42年)11月 |
資本金 | 3億円 |
売上高 | 1720億円(2023年度) |
事業所 | 〒112-8001 東京都文京区音羽2-12-21 |
出典:https://career.recruit.kodansha.co.jp/company/(2025年4月時点)
Purpose/理念
「おもしろくて、ためになる」を世界へ
Inspire Impossible Stories
Inspire
私たちは、あらゆる物語の作り手、受け手の感情を呼び起こします。それは私たち自身の刺激ともなります。私たちはいつでも、新しさと創造性を、はっきりと目に見える形で示します。
Impossible
物語には、新たな現実を見せる力があります。私たちはいつでも、語られたことのない物語を追い求めます。「ありえない」と思われた物語は、語られることで、初めて現実のものになるのです。
Stories
私たちの本質は、物語の語り手です。それがどんな物語であっても、それを作り、伝えることで受け手の心を動かすことが、私たちの仕事であるからです。
出典:https://www.kodansha.com/jp/aboutus/#purpose(2025年4月時点)
講談社の事業内容
講談社は出版事業にとどまらず、映像・アニメ化、ライツビジネス、デジタルコンテンツ展開、イベント企画など、多角的なビジネスを展開しています。
MANGA/コミック
いまや“MANGA”は国際語であり、世界中で愛される日本発の文化です。私たちは戦前からこの分野に力を注いできました。『巨人の星』『AKIRA』『寄生獣』『美少女戦士セーラームーン』『FAIRY TAIL』『進撃の巨人』『ブルーピリオド』『ブルーロック』など多彩なジャンルの名作を世に送り出しています。コロナ禍を経て海外の売上も急成長し、自社プラットフォーム()での電子配信も行っています。
BOOKS/書籍
私たちは、小説やエッセイ、ノンフィクションから教養書、実用書、児童書、美術書に至るまで、さまざまなジャンルのものを出版しています。芥川賞・直木賞など主要文学賞を受賞した作品も多く、時代を超えて愛されるベストセラーが続々と生まれています。『窓ぎわのトットちゃん』は全世界累計発行部数が2500万部超。近年はアジアの女性作家の注目が高まっており、海外での翻訳出版も盛んです。
MAGAZINES/WEB MEDIA/雑誌/Webメディア
講談社の歴史は雑誌の刊行からスタートしました。今でも、文芸誌、総合誌、女性誌、趣味・実用誌、幼児誌など、時代を映し、世相を表す雑誌を刊行しています。紙の雑誌が少なくなっていく一方、「現代ビジネス」「mi-mollet」「クーリエ・ジャポン」といったWebメディアを展開し、より多彩なラインナップに。紙、Web、SNS、イベントなどハイブリッドな情報発信・コミュニケーションによって、読者のニーズにお応えしています。
ANIME/LIVE-ACTION/STAGES/アニメ/実写/舞台
講談社から出版されているコミックや小説を原作としたアニメや実写、舞台の作品は数知れず。国内製作のテレビアニメのうち約10%が講談社原作の作品であり、その多くは自らプロデュースしたもの。これらのアニメは世界各国にも同時に配信され、熱狂的なファンを獲得しています。また、テレビドラマや劇場映画は国内だけでなく、ハリウッド映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』や韓国ドラマ『寄生獣』のような海外での映像化事例も増えています。
MD/GAMES/グッズ/ゲーム
映像化された作品などの世界観を活かしたグッズの制作や広告宣伝利用も活発です。フィギュアやキーホルダーなど、おなじみのアイテムに加え、ファッションブランドとタイアップした洋服や、化粧品ブランドとコラボしたコスメなども加わり、商品化(MD)は幅広い展開になっています。また、ゲームはライセンスによるものだけでなく、自社プロデュースによるインディーゲームの出版も行っています。