SCSKの特徴・強みは?
SCSKは、住友商事グループに所属する総合IT企業として、単なるシステムインテグレーションやクラウドサービスにとどまらず、顧客企業の変革を支援するパートナーとして差別化を図っています。製造業、流通業、金融業、通信業など、多様な業界に対し、8,000社を超える顧客基盤と豊富な業務知識を活かし、他のSIerと一線を画すソリューションが強みです。
SCSKは、成長著しいIT業界の中でも大型・プライム案件を牽引できる強みを持っています。また、住友商事グループの中核企業という安定性や働きやすい職場環境から転職市場で人気が高まっています。
本記事では、SCSKへの採用コンサルティングも手掛ける弊社sincereedが、SCSKの特徴・強みを解説していきます。
業界・事業領域
■業界について
SCSKが所属する業界における同社の特徴・強みについて解説していきます。同社は、SIer(システムインテグレーター)業界に所属する企業です。SIerは主にシステムインテグレーション、クラウドサービス、ITインフラ構築、デジタルトランスフォーメーション(DX)支援を中心に広範なITソリューションを提供しています。
SIer業界は、エンドユーザー、元請、二次請、三次請といった構造を持つ業界です。SCSKの特徴・強みを考察するにあたり、業界構造の理解が大事になるため、各レイヤーの企業のシステム開発やITサービスの提供における役割分担について説明します。
<エンドユーザー>
エンドユーザーは、実際にシステムやITサービスを利用する企業や組織のことです。例えば、製造業、金融業、流通業などの企業がエンドユーザーとなります。エンドユーザーは、システムインテグレーターに対してシステム開発や運用の依頼をします。
<元請け(一次請け)企業>
元請け(一次請け)企業は、エンドユーザーから直接契約(プライム案件)を受け、システム開発やITサービスの提供を実行する主要な企業です。元請け企業は全体のプロジェクトの責任を負い、設計や開発、納品までの全体的な進行を担当します。また、元請けは必要に応じて、二次請けや三次請けの企業に業務を委託することがあります。
<二次請け企業>
二次請け企業は、元請け企業から契約を受けて、部分的なシステム開発や運用作業を担当します。元請け企業から業務を委託され、特定の技術分野(例えば、ソフトウェア開発、ネットワーク構築、データベース設計など)に特化したサービスを提供します。
<二次請け企業>
三次請け企業は二次請けから業務を委託される形で、システム開発やITサービスの一部を担当します。三次請け企業は通常、作業の進行を直接エンドユーザーや元請け企業とやり取りせず、二次請け企業を通じて指示を受けます。
SCSKは、製造業、流通業、金融業、通信業などの主要業界のエンドユーザーとの直接契約(プライム案件)が多く、大規模案件やシステム開発の上流工程に携われることが特徴です。そのため、企業のDX変革を始めとしたIT戦略立案から顧客の課題解決に取り組むことが可能です。裏を返すと、顧客の課題や取り組みたいことが不明瞭であることもあるため、抽象度の高い内容を技術要件に落とし込んでいくようなスキルが求められるといえます。
■業界内におけるSCSKの強み
競合他社には、NTTデータや富士通、日立製作所、アクセンチュアなどがあり、これらの企業も同様にシステムインテグレーションやクラウドサービスを提供しています。数十億規模のプロジェクトを取り扱い、国際的なプロジェクトも多数手掛けているため、高度な技術力と膨大なリソースを持っています。
SCSKは住友商事グループに所属している点で、他のIT企業とは異なる強みを持っています。グループ内での豊富な業務知識を活用した、より具体的で実践的なソリューション提供が可能で、また、顧客との長期的な信頼関係を基盤にしたサービス展開が特徴です。特に、製造業や流通業向けの業務改善や、金融業界における高度なシステム開発において強みを発揮しており、DX支援においても独自のアプローチで競合他社と差別化しています。
■業界のトレンドとSCSKの強み
テクノロジーの進化に伴い、企業のデジタル化をサポートする需要が急増しており、特にクラウドコンピューティングやビッグデータ解析、AI活用が重要なトレンドとなっています。また、ITセキュリティやデータガバナンスへの関心が高まり、これらのニーズに対応する企業の競争力が求められています。
SCSKの特徴として、先進AI技術を活用し、顧客の業務・業種課題解決に向けてのベストプラクティスの提供を展開しています。2025年3月期のIR資料によると、中堅企業データドリブン経営支援サービス(ProActive)では、外部システムとシームレスに連携するデータ活用を充実させることで、AI駆動型の一歩先を行く意思決定を支援しています。同社の強みとして、各業界の課題を深く理解しているため、AIという最新技術をITサービスに適切に組み込むことができるといえるでしょう。
業務内容
業務内容の観点でSCSKの特徴・強みについて解説していきます。代表的なポジションであるシステムエンジニア、営業職、スタッフ職(管理部門)の業務内容について取り上げます。
■金融業界向けシステムエンジニア、アプリケーションスペシャリスト
<業務内容>
金融機関向けの幅広い開発・保守プロジェクトに、ご応募者様の経歴やスキルを考慮の上、選考・配属ポジションを決定させていただきます。以下のような担当プロジェクトがあります。
・基幹系(ホスト)システムの保守・改修、クラウドマイグレーション
・オープン系システム、Webシステムの新規開発・保守
・モバイル・スマホアプリ開発
・グローバル対応、海外連携システムの新規開発・保守
・マネーロンダリング対策、顧客管理、コールセンターシステム、RPA等のソリューション導入
同社は金融業界に強いため、金融業界の最新のトレンドに対応したシステム開発に携わることで、専門的な知識と技術を深めることが可能です。グローバル対応システムの開発・保守、マネーロンダリング対策やRPA導入など、多岐にわたるプロジェクトに携わるチャンスがあることは魅力といえるでしょう。他の業界向けのシステムエンジニアでも同様に、先進性の高い案件や幅広いソリューション開発に挑戦する機会が多いと考えられます。
■【SASE製品のソリューション営業】次世代を担う製品の営業職
<業務内容>
SASE(Secure Access Service Edge)に関する引き合いが増加する中で、SASEソリューション「Catoクラウド」を中心としたサービス拡販に向け、プロモ―ション・リード獲得施策(セミナー、広告、ホワイトペーパー/事例制作等)の立案から、実際の営業活動までを担当
・Catoクラウドを軸に新規顧客の開拓・拡大
・ベンダー、パートナーとのアライアンス推進によるビジネス拡大
・マネジメントサービスを中心としたアカウント事業の拡大
・新たな商材、ソリューションの立上げ
同社では、SAPのような代表的なパッケージシステムから自社プロダクトまで広く扱っています。そのため、自社プロダクトに捉われず顧客のニーズに合わせたサービスを提案する活動から、自社プロダクトの販売を通じて事業をグロースさせていく業務の両方を担当するチャンスがあります。取り上げたポジション以外にも数多くのポジションを募集しており、選考を通じてご自身の指向性や得意分野が活かせる営業ポジションを見つけていくことが大事になるでしょう。
■海外グループ会社の経営支援スタッフ(グローバルビジネス推進)
<業務内容>
現在6か国9拠点でグローバルビジネスを展開しています。現在、強みとする日系企業向けの開発・運用保守業務を軸に更なるグローバルビジネス拡大を目指し戦略の見直しを実施しています。海外グループ会社経営に関連する以下を中心とした業務を遂行しています。
・子会社管理規定に基づいたガバナンス管理
・中期計画などの事業戦略、事業計画の策定/推進サポート
・予算策定、進捗、見込み管理
・新規事業、投資の検討、実行
・コーポレート各組織との情報連携および各種施策/手続きの遂行
・その他グローバルプロジェクトの推進
同社の特徴には、同社の住友商事グループとの連携を通じて、ITの観点から日系企業の海外ビジネスを支援しているという点があります。本ポジションでは、その最前線で日系企業を支援する海外拠点のビジネスを伸ばすための経営管理・支援の役割が期待されています。そのため、海外拠点メンバーを始めとした数多くの関係者を取りまとめてプロジェクトを推進する機会もあるでしょう。将来的には海外駐在や、海外グループ会社の経営メンバーの一員として携わる可能性も魅力といえるかもしれません。
人材開発・育成
人材開発・育成の観点でSCSKの特徴・強みを考察するために、同社の人事制度をみていきましょう。
■MBO(Management By Objectives)による評価制度
同社の人事評価は「貢献度」、「行動」、「役割」および「専門性」の4つの観点で行っています。特に、「貢献度評価」は「期待役割定義書」に基づき仕事や成果に対する役割・責任の大きさを踏まえて設定された目標の達成度を組織への貢献度の観点から評価します。
■CDP(Career Development Plan)制度
社員一人ひとりが、中長期的な将来のキャリアビジョンを描き、ありたい姿を明示することで、個人のキャリア形成意識を高めます。
■SCSK i-University
全社員に「継続的な学びと成長の機会」を提供する人材育成体系です。5つのカテゴリーで、全200種類以上の研修プログラムを提供しています。個人ではなかなか受講のハードルが高い研修メニューでも、会社のバックアップにより積極的に学ぶことができます。
同社では、「人を大切にする」という約束を掲げ、CDP制度(個人視点)とMBO(組織視点)を両輪としたマネジメントサイクルにより、社員が持続的に成長し、事業に貢献し続ける仕組みをつくっています。個人の成長を促し、事業に貢献するための仕組みの一例がSCSK i-Universityのような研修プログラムです。成長を促すインセンティブ設計とMBOによる評価制度がうまく連動しているからこそ、同社の社員は高いモチベーション維持や長期就業につながっているといえるでしょう。
SCSKへの転職で押さえておくべき会社情報
最後に、SCSKへの転職で押さえておくべき会社情報として、会社概要を紹介します。企業研究に役立ちますので、ご参考になれると幸いです。
会社概要
会社名 | SCSK株式会社 |
代表者 | 取締役会長 山埜 英樹、代表取締役 執行役員 社長 當麻 隆昭 |
創立 | 1969(昭和44)年10月25日 |
本社所在地 | 東京都江東区豊洲3-2-20 豊洲フロント |
資本金 | 21,420百万円 |
従業員数 | 16,296名(2024年3月31日現在 連結) |
経営理念
SCSK株式会社の経営理念は「夢ある未来を、共に創る」です。この理念のもと、同社は以下の3つの約束を掲げています。
人を大切にします。
社員一人ひとりの成長と幸福を重視し、働きやすい環境づくりに努めています。また、顧客やパートナーとの信頼関係を築き、共に成長することを目指しています。
確かな技術に基づく、最高のサービスを提供します。
高度な技術力と豊富な経験を活かし、顧客の多様なニーズに応える高品質なサービスを提供しています。これにより、顧客のビジネス成功に貢献しています。
世界と未来を見つめ、成長し続けます。
グローバルな視点で市場の変化や技術革新に対応し、常に新しい価値を創造することで、持続的な成長を追求しています。
これらの約束を実践することで、SCSKは顧客や社会と共に「夢ある未来」を築くことを目指しています。
SCSKへの転職をお考えの方へ
SCSKへの転職は難易度が非常に高く、十分な面接対策なしでは内定獲得が難しいと言えます。
弊社sincereedだからこそわかる選考対策、さらには入社後の早期活躍方法についても多くのアドバイス、サポートが可能となっております。
SCSKへの転職にご興味のある方は、まずは一度ご相談いただければ幸いです。