

ホンダへの転職で年収は上がる?本田技研工業の給与事情と成功のコツを解説
本田技研工業(Honda)は、日本を代表するグローバル企業として自動車や二輪車の製造・販売を行っており、エンジニアリングや製造業に関心のある人にとって魅力的な転職先の一つです。業界内での高い技術力と革新的な取り組みにより、将来性のあるプロジェクトに携わる機会が多いことも魅力です。
一方で大企業だからこその安定した経営や知名度から、就職・転職において人気も高く、中途採用における各求人の採用枠も少ないです。そのため少ない採用枠に多くの人が応募してくるため、その難易度は高いと言えるでしょう。
このような背景から、ホンダの年収について気になる方も多いのではないでしょうか。本記事では、ホンダの平均年収やモデル年収、それに対する実際の社員の口コミもご紹介いたします。転職活動における年収アップのポイントなどにも触れておりますので、ぜひ転職時の情報収集の一環として、参考にしていただけたら幸いです。
※本記事は25年7月に掲載されました。
※記事中の情報は掲載時点でのWeb情報の公開情報を元に弊社が編集・掲載したものであり、企業の公式見解ではありません。
※組織の詳細や制度等は大きく変更になる可能性があります。ご転職を検討の際は、公式HP等で最新の情報をご確認ください。
ホンダに転職すると年収はどう変わる?
ホンダの給与水準は、製造業の中では比較的高めとされています。製造業全体での、大企業の平均年収が550〜650万円が多い傾向であるのに対し、ホンダの平均年収は約800~900万円前後。これは、トヨタや日産、デンソー、パナソニックなどの大手製造業と比較しても中〜上位レベルです。
またオープンワークによると、ホンダへの転職において、年収アップを実現した人は多いようです。「給与面や福利厚生に関して、前職よりも良かったため入社を決めた」「転職して年収は2倍以上になった」という声が一定数見受けられました。中には人事担当者の事例として、前年収約400万円程度から、ホンダに転職して1230万円と約3倍の年収アップを叶えた事例もありました。
一方でトヨタや外資系の自動車メーカーと比較すると、ホンダの平均年収は「そこまで高くない」と感じる方もいるようです。また転職時の年収は、活かせる経験や年齢等様々な要因が絡むため一概には言えないものの、未経験業界や職種への転職の場合には年収が下がることも珍しくありません。
ホンダへの転職においては、年収アップの声が多いものの、トヨタや外資大手メーカーからの転職だったり、未経験職種への転職だったりする場合には、ダウンする可能性もあることは視野に入れておくと良いでしょう。
ホンダの平均年収と賞与の実態
ホンダの有価証券報告書ベースの平均年収実績は、895万円(2025年3月期)です。直近の平均年収は下記の通り推移しています。
2025年3月期 | 895万円 |
2024年3月期 | 831万円 |
2023年3月期 | 822万円 |
2022年3月期 | 778万円 |
近年ホンダではベースアップが進んでおり、ベースアップと定期昇給を含む賃上げ額は、2023年月額19000円、2024年月額21500円、2025年月額15000円となっています。平均年収が大きく上昇しているのは、このベースアップも影響しているのではないかと考えられます。
口コミサイトベースの年収データ
オープンワークによると、年齢別の年収推移は以下の通りです。
年齢 | 推定年収 | 推定範囲 |
25歳 | 488万円 | 395万円~603万円 |
30歳 | 614万円 | 497万円~759万円 |
35歳 | 767万円 | 621万円~948万円 |
40歳 | 904万円 | 731万円~1117万円 |
45歳 | 986万円 | 798万円~1219万円 |
50歳 | 1013万円 | 820万円~1253万円 |
55歳 | 1031万円 | 834万円~1274万円 |
30歳の段階で600万円を超え、その後40歳で900万円、50歳で1000万円を超えていることが分かります。
年収の内訳
平均的な年収の内訳としては、基本給59%、残業代11%、賞与26%、その他4%となっています。賞与が全体の26%を占めていることから、賞与比率が高いことが見て取れます。
ホンダの賞与は夏と冬の年2回、6月と12月に支給されます。ボーナスの支給額は、会社の業績や組合との交渉によって変動しますが、一般的に年間で月給の5〜6ヶ月分程度が支給されることが多いようです。
その他各種手当として、通勤手当、リモートワーク手当のほか、対象の社員に対しては独身寮、住宅手当・家賃補助、食事補助、育児手当、介護手当といった制度も用意されています。
職種別|ホンダの年収モデルケース
職種別・年齢別の平均年収や、実際の中途入社者の年収内訳など具体的な内容をご紹介します。
事務系(人事・経理・企画など)の年収モデル
オープンワークによると、ホンダの事務系職種(正社員)の平均年収は下記の通りです。
- 管理:703万円(400万円~1500万円)
- 企画:843万円(480万円~1500万円)
- 事務:651万円(300万円~1460万円)
職種別平均年収では、企画職が全職種において1位となっております。
各職種ごとに、年齢別の年収推移を見てみましょう。
■管理
年齢 | 推定年収 | 推定範囲 |
25歳 | 470万円 | 380万円~581万円 |
30歳 | 619万円 | 500万円~765万円 |
35歳 | 797万円 | 645万円~986万円 |
40歳 | 899万円 | 727万円~1112万円 |
45歳 | 903万円 | 730万円~1116万円 |
■企画
年齢 | 推定年収 | 推定範囲 |
30歳 | 641万円 | 514万円~799万円 |
35歳 | 794万円 | 636万円~990万円 |
40歳 | 960万円 | 769万円~1197万円 |
45歳 | 1087万円 | 871万円~1355万円 |
50歳 | 1137万円 | 912万円~1418万円 |
■事務
年齢 | 推定年収 | 推定範囲 |
25歳 | 456万円 | 368万円~565万円 |
30歳 | 568万円 | 459万円~704万円 |
35歳 | 694万円 | 560万円~860万円 |
40歳 | 872万円 | 704万円~1080万円 |
企画職においては、40歳時点で1000万円近い年収になっていることが分かります。
その他管理系や事務職においても、日本全体の平均年収530万円(令和5年民間給与実態統計調査/正社員)と比較すると、十分に高い年収であると言えるでしょう。
技術系職種(研究・開発・生産技術)の年収傾向
オープンワークによると、ホンダの技術系職種(正社員)の平均年収は下記の通りです。
- 研究開発:786万円(400万円~1800万円)
- 開発:738万円(400万円~1400万円)
- 技術:699万円(370万円~1520万円)
ホンダにおける職種別平均年収の1位は上記の企画職ですが、2位が研究開発、3位が開発となっており、技術系職種は社内でも比較的高めの傾向がありそうです。
年齢別の年収推移は下記の通りです。
■研究開発
年齢 | 推定年収 | 推定範囲 |
25歳 | 547万円 | 442万円~676万円 |
30歳 | 602万円 | 487万円~745万円 |
35歳 | 767万円 | 620万円~949万円 |
40歳 | 948万円 | 766万円~1174万円 |
45歳 | 1057万円 | 854万円~1038万円 |
50歳 | 1090万円 | 881万円~1349万円 |
■開発
年齢 | 推定年収 | 推定範囲 |
30歳 | 614万円 | 519万円~728万円 |
35歳 | 788万円 | 665万円~933万円 |
40歳 | 959万円 | 810万円~1135万円 |
45歳 | 1038万円 | 876万円~1229万円 |
50歳 | 1029万円 | 869万円~1219万円 |
■技術
年齢 | 推定年収 | 推定範囲 |
25歳 | 497万円 | 402万円~615万円 |
30歳 | 599万円 | 485万円~741万円 |
35歳 | 726万円 | 587万円~898万円 |
40歳 | 846万円 | 684万円~1047万円 |
45歳 | 937万円 | 757万円~1159万円 |
実際に中途入社した社員の事例は?
実際の中途入社者の年収実態を、エンジニア職を例にとって見てみましょう。
■開発職(在籍3~5年)
年収690万円(基本給35万円/残業代10万円/賞与150万円)
■スタッフエンジニア(リーダー)(在籍3年未満)
710万円(基本給32万円/残業代6万円/賞与250万円)
■開発職(在籍6~10年)
900万円(基本給56万円/残業代0円/賞与225万円)
ホンダは自社HPでも、キャリア採用入社者の年収例を下記の通り公表しています。
【キャリア採用入社者の年収例】
・メンバークラス 約660万円(月給約30万円)
・チームリーダークラス 約820万円(月給約37万円)
・係長クラス 約960万円(月給約44万円)
・管理職
例1:約1,290万円(課長相当ポジション)
例2:約1,870万円+株式報酬制度(部長相当ポジション)
※管理職以外:時間外勤務手当(30h/月)・賞与含む
※管理職:賞与含む
ベースの定期昇給などもあるようですが、チームリーダーや係長などのマネジメントクラスに昇格することが、年収アップの大きな要素と言えそうです。
年収に関するホンダ転職者の口コミ・評判
転職口コミサイトでは、ホンダの年収に対してどのような声が多いでしょうか。今回は「オープンワーク」「会社の評判」の2つのサイトから声をまとめてみました。
「満足」の意見が多数
年収に対しては、全体的に「満足」の声が多く見受けられました。「他の企業より手当も厚く、給与も高めだと思う」「給与水準としては平均より高い。特にボーナスは自動車産業の中では高水準」など、年収額だけでなく手当も含めた満足の意見が多く見られます。
また、「昇給に関しては定期昇給で上がっていく形だが、最近は昨今の事情も鑑みてベアの恩恵が非常に大きい」というように、ベアアップに対する評価の声もありました。
ネガティブな口コミ
満足の声が多い中でも、一定数「思ったよりも上がらなかった」という声も見られます。
「同業他社に比べると高くないが、働きがいでカバーできる」というように、他自動車メーカーと比較するとそこまで高くないと感じる社員もいるようです。また年収におけるボーナスの比率が高いことから、「基本給が高くない」という意見もありました。その他、「年功序列」という意見もあり、入社後に年収を上げることに関しては難しさを感じる社員もいるようです。年功序列については、最新の口コミの中には「成果主義に変えていこうという動きもある」「昔は年齢さえ重ねれば管理職手前まで行けたが、最近はそうではなくなっている」といった声も見られました。
ポジティブな口コミ
ポジティブな声の中には、「評価制度・昇給の仕組みが明確で安心」という意見もありました。「透明性があり、分かりやすい」「成果に応じた評価制度だと思う」「年2回の評価があり、評価が高ければ昇進スピードも速い」といった声が見られました。
ホンダでは明確な等級制度を設けており、評価要素や昇格の仕組みを公開し、定められた手順で評価を進めることで、評価の透明性や客観性を高める工夫をしています。「安定した制度で安心して働きたい人」にはとても向いている環境ではないでしょうか。
ホンダの求人傾向と年収交渉のポイント
ホンダの中途採用における平均年収は、職種や年齢によって幅がありますが、全体では800万円前後が一つの目安とされています。技術系職種(研究・開発・生産技術)では600万〜1,200万円、事務系(人事・経理・企画など)では450万〜900万円が一般的なレンジです。とくに主任や管理職クラスの求人では、賞与を含めて1,000万円以上となるケースも多くあります。
高年収が狙えるからこそ、できる限り好待遇で転職したいと考える方も多いのではないでしょうか。そこで、少しでも年収アップの転職を実現させるための戦略についてお伝えします。
年収交渉のタイミングや戦略は?
ホンダのような大企業に転職する際、年収交渉のタイミングはとても重要です。多くの場合、最終面接の直前か、内定提示の直後が交渉のチャンスとなります。初期段階で希望年収を伝えすぎると、交渉の余地が狭まるため注意が必要です。
交渉の際には、「前職年収の◯%アップ希望」などの明確な数字を伝えるだけでなく、「企業からの期待値に見合った待遇をお願いしたい」「◯◯万円提示いただければ、内定を即決できる」といった柔軟かつ説得力のある表現が成功のカギとなります。
エージェントを活用した年収アップの実例
転職エージェントを利用して年収を大幅にアップした事例も多くあります。弊社sincereedでも年収アップの転職を多数支援しており、100万円以上の増加も珍しくありません。
エージェントは非公開求人の紹介だけでなく、年齢や職歴に応じた年収交渉の代行も行っているため、特に大手企業への転職では非常に心強い味方になります。自分で交渉するのはハードルが高いと感じる方は、ぜひエージェントをうまく活用しましょう。
転職で年収を最大化するために知っておくべきこと
20代であれば「将来性」や「成長ポテンシャル」が評価されやすく、幅広い職種でのポテンシャル採用が期待できます。一方、30代以上は即戦力としての「専門スキル」や「マネジメント経験」が重視される傾向があります。
たとえば、生産技術・品質管理・研究開発といった職種では、製造業での具体的な成果があると有利。開発職・生産職では、「〇〇台の不良率を〇%改善」「工程時間を△分短縮」など、数字で語れる成果が好印象です。また、年齢が上がるほど「希望年収の根拠」も求められるため、自分の実績とスキルを客観的に整理することが重要です。
本田技研工業で評価されやすいスキルとは
ポテンシャル採用、即戦力採用それぞれで見ていきましょう。
・20代のポテンシャル層で評価されやすいスキル・素質
ホンダでは若手に対して「将来の成長性」や「柔軟な思考力」が重視されます。特定の実績よりも、以下のような素質・姿勢が高く評価されます。
主体性 | 与えられるのを待つのではなく、自ら課題を見つけて動ける姿勢 |
学習意欲 | 新技術・業界知識を積極的に学ぶ姿勢(例:電動化、AI、DX) |
協調性 | 他部署や他社と連携するチームワークや対人スキル |
語学力 | 英語による業務対応力(TOEIC600点以上が望ましい場合も) |
論理的思考 | 複雑な課題を分解し、筋道立てて考えられる力 |
・30代以上の即戦力採用で評価されやすいスキル・素質
30代以上になると、ホンダは即戦力としてのスキル・経験を重視します。特に「実務で何を成し遂げたか」が問われます。
専門性 | 設計・開発・生産技術・品質管理などの技術力と実績
(特に自動車や機械・電気分野) |
マネジメント経験 | チームリーダーやプロジェクトマネージャーとしての実績 |
技術トレンド対応力 | EV、FCV、ADAS(先進運転支援システム)、自動運転分野への理解と応用力 |
グローバル対応 | 海外との業務経験、現地駐在経験、クロスカルチャー対応力 |
論理的な提案力 | 技術を経営にどう結びつけたか、定量的な成果を語れる力 |
ホンダでは、「自由な風土」「挑戦を奨励する文化」が根付いています。そのため、「言われたことをやる」だけでなく、「自分から提案し、周囲を巻き込む力」が、どの年代でも強く評価されます。
年収アップを実現するためには、「自分をどう売るか」だけでなく、「ホンダがどんな人を求めているか」を正確に把握することが不可欠です。年齢やスキルに合った戦略を立て、しっかりと準備して臨みましょう。
まとめ|ホンダ転職で年収アップを目指すなら
上記の通りホンダの年収レンジは平均よりも高く、特に経験を活かす転職の場合には、年収アップは十分に狙える環境と言えます。一方で転職においては年収だけではなく、働き方や福利厚生も含めて総合的に判断することも大切です。自分のキャリアや生活の中で譲れないものが何なのか優先順位を考え、年収だけにとらわれず広い視野で考えるようにしましょう。
年収アップのためには情報収集と交渉準備が鍵
年収アップには情報収集と交渉準備が大きな鍵と言えます。
・業界、職種ごとの年収相場
・企業ごとの給与テーブルや評価制度
・自分と似た経験、スキルを持つ人の年収例
・その企業の賞与、給与実績や口コミ情報
といった様々な情報をもとに、自分の市場価値を客観的に把握することで、適正な年収を要求しやすくなります。
そして得た情報をもとに、正しく伝えるための交渉準備も重要です。
≪交渉のポイント≫
・「自分は何ができるか」を明確に言語化
→ 経験・スキル・成果を具体的に示す
・希望年収の理由をロジカルに説明する
→ 相場データと照らし合わせて「納得感」が大事
・別のオファーや選択肢がある場合は交渉材料に
→ 競合他社の提示条件があると強く出られることも
このように情報を整理し、実績をもとに伝えることで説得力も増します。
一方で、年収交渉は面と向かっては言いにくく、抵抗感を感じる方も多いのではないでしょうか。そんな時は、信頼できる転職エージェントの活用も効果的です。市場価値の客観的なアドバイスがもらえるだけでなく、「他社のオファーと比較したい」といった、駆け引きが必要な場面で心強い味方になります。
情報収集・求人選定・面接対策・年収交渉と、転職活動の全てを自分一人で進めるのはとても難しいことです。だからこそ、プロの手を借りてうまく転職活動を進めることがおすすめです。