日本IBMの会社概要は?
日本IBMは、世界を代表するIT企業の日本法人として、国内有数の大手企業のDX構想〜改革を牽引しています。そのルーツは1911年に設立されたIBM米国本社にあり、パンチカードシステムからコンピューターの発展をリードしてきた同社の歴史が支えています。現在では170か国以上に事業を展開し、グローバルな視点でシステム開発やコンサルティングから運用保守までを一貫して提供することで、確固たる信頼を築いています。
IBMグループは昨今研究開発やM&Aを積極的に行っており、技術革新を通じて次世代の課題解決など手掛ける技術やサービス領域を拡充しています。グループシナジーを強みとし、日本国内で業界をリードする最先端のシステム開発・DX案件を手掛けています。
会社概要
IBMおよび日本IBMでは、クリエイター・パートナー・お客様とともに多様なテクノロジーと意見を組み合わせ、アイデアを成果に結びつける新たな方法を開発し、未来のビジネスの共創を目指しています。
まずは会社概要を紹介します。
会社名 | 日本IBM株式会社 |
代表者 | 代表取締役社長執行役員 山口 明夫 |
創立 | 1937年(昭和12年)6月17日 |
本社所在地 | 東京都港区虎ノ門二丁目6番1号 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー |
資本金 | 1,053億円 |
従業員数 | 会社規定により非公開 |
売上 | 7,309億円(2023年) |
営業利益 | 577億円(2023年) |
同社は1937年の創立以来、国内におけるIT業界をリードし続けてきた歴史ある企業であり、資本金1,053億円、2023年の売上7,309億円という非常に強い経営基盤を持っています。
米国本社や各地域の拠点で研究開発やM&Aに積極的に取り組んでいるため、豊富なノウハウや先行事例を保有しています。そのため、日本IBMでは先進性の高いコンサルティング・システム開発を提供でき、500億円を超える営業利益は同社の事業の強さ・競争優位性を物語っています。
関連会社
日本IBMは、米IBM本社の100%子会社である有限会社アイ・ビー・エム・エイピー・ホールディングスの100%子会社であり、米IBM社の孫会社にあたります。日本IBMが保有する代表的な子会社について出資比率で分類し紹介します。
■子会社 (出資比率 100%) 5社
IJDS : 日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社
IJS : 日本アイ・ビー・エム・スポーツ株式会社
ISE : 日本アイ・ビー・エムシステムズ・エンジニアリング株式会社
ISOC : 日本アイ・ビー・エム・スタッフ・オペレーションズ株式会社
Skyarch Networks : 株式会社スカイアーチネットワークス
■子会社 (出資比率 50超-99%) 7社
IJDI:I&Jデジタルイノベーション株式会社
KSC : コベルコシステム株式会社
MIDS : MIデジタルサービス株式会社
ReDI : りそなデジタル・アイ株式会社
RBITS : 株式会社地銀 I T ソリューション
RBSS : 地銀ソリューション・サービス株式会社
TLI : 大樹生命アイテクノロジー株式会社
■関連会社 (出資比率 20-50%) 3社
CLIS : 株式会社CLIS
NI+C : 日本情報通信株式会社
RSB : 株式会社菱友システムビジネス
同社のグループ戦略の特徴として、領域・業界に特化した100%出資子会社を設立することで、その領域の専門性と品質の高いサービスを提供しているという特徴があります。例えば、日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社では基幹システムの構築〜保守運用に強みを持ち、日本アイ・ビー・エム・スポーツ株式会社ではスポーツ分野をデジタルの観点から牽引しています。
また、出資比率 50超-99%の子会社は、特定業界・企業とのシナジーを創出し一緒にソリューション開発するために設立されていると考えられます。特に金融業に注力することで、決済方法のDX化のような新規ソリューション開発や業界特有の規制に準拠したシステム改修に取り組める体制を作っているのでしょう。
事業内容
日本IBMの事業は、多角的に事業・サービスを展開しているため、同社のホームページの区分けに基づいて事業内容を紹介します。
■コンサルティング
戦略、顧客体験、テクノロジー、オペレーション(オートメーション、BPO)にまたがる業界の深い専門知識を有し、ハイブリッドクラウドと AIテクノロジーにより、お客様のデジタル変革を加速します。
■ソフトウェア
IBM内製ハイブリッドクラウド・ソフトウェアを中心としたソリューション提供を通じて、お客様にイノベーションを提供します。顧客と緊密に連携し、貴社のあらゆるオペレーションを、オーダーメイドでもっとスマートなビジネスに編み上げます。
■Red Hat
米国本社が2019年に買収したRed Hatが保有するオープンソースソフトウェアやIBM製品とのシステム連携を通じて、お客様の生産性、コスト削減、ビジネス成果の改善を達成します。
■インフラストラクチャー
メインフレーム、サーバー、ストレージをお客様の環境や状況に合わせてモダナイズし、ハイブリッドクラウドやAIとシームレスに統合します。技術進歩やお客様の事業変化に応じた最適なインフラ構築〜運用を担います。
■エコシステム
お客様の成功を実現するために、高い価値を創出する幅広いパートナー(競合他社とも)との協業を進めます。お客様のビジネス課題に一緒に対処し、成長を加速し、企業のAI利用を拡大するエンドツーエンドのソリューションを設計、デプロイ、管理します。
同社では多様な事業戦略を通じて、顧客のビジネス変革と成長を支援しています。まず、コンサルティングサービスでは、業界に特化した専門知識を活かし、ハイブリッドクラウドやAIテクノロジーを駆使して、事業・IT構想レベルからデジタル変革を支援できる点が強みです。同社は構想策定で終わるのではなく、デリバリー・保守運用チームを保有しているため、一気通貫でのサービス提供ができる点が魅力でしょう。
またソフトウェア事業では、IBM独自のハイブリッドクラウドソリューションだけでなく、買収したRed Hatのオープンソース技術を活用できるため、他のIT企業やSIerと比較し、より幅広い選択肢や解決策を提供できる点が強みです。
事業の特徴・強み
日本IBMが日本を代表するお客様のDX案件を牽引し年々存在感を高めている理由には、様々な特徴・強みがあります。ここでは、その特徴・強みをいくつか紹介します。
■一気通貫のサービス提供
日本IBMは、コンサルティング・システム設計・構築・運用保守までを一貫して提供するサービスモデルを展開しています。この一気通貫型のアプローチにより各プロセス間の連携を最適化し、シームレスで効率的なソリューションを顧客に届けています。また業界ごとに特化した専門的な知識を持つチームが、課題解決から長期的な事業成長の支援まで、幅広いニーズに対応できる点が強みです。この包括的なサービス体制は、複雑化する現代のビジネス環境において競争優位を保ち続ける要因になるでしょう。
■グローバルのベストプラクティスの日本市場への応用
日本IBMは、IBM本社が保有する世界170カ国以上の事業展開から得られる知見を活用し、グローバルで成功したベストプラクティスを日本市場に適応しています。具体的には、米国本社が提供する先進的なAI・ハイブリッドクラウド技術やソリューションを日本市場向けにローカライズし、顧客固有のニーズに対応することが可能です。これにより、最先端技術の恩恵を受けつつ、日本独自の市場特性に最適化されたサービス提供につなげることが可能でしょう。
■研究開発とM&Aを活用した持続的な技術革新
IBMグループは、グローバルで研究開発に多大な投資を行い、量子コンピューティングや生成AIといった革新的技術を先導しています。これらの技術は日本IBMにおいても早期に展開され、国内の顧客に対する最先端ソリューション提供を可能にしています。また、戦略的なM&Aを通じて新たな技術や専門知識を取り込み、市場変化への迅速かつ柔軟な対応を可能にしているといえます。顧客の多様な課題解決に寄与すると同時に、将来を見据えた事業の芽を発掘することで、中長期的な事業成長につなげていくと考えられます。
これらの強みを基盤に、日本IBMは今後もお客様の信頼を積み重ね、IT業界を牽引する存在であり続けるでしょう。新規ソリューションを扱う機会や海外の先端の事例を日本企業に適応する機会が豊富に存在しているため、同社の社員にとっても、IT業界のプロフェッショナルとしてさらなる成長が期待できる環境が広がっています。