
村田製作所の中途採用・転職難易度、採用倍率は?
村田製作所は、セラミックスを基盤とした高度な技術でエレクトロニクス社会の発展に貢献するグローバルな総合電子部品メーカーです。コンデンサや抵抗器などの受動部品だけでなく、通信モジュール事業、電源関連部品、センサなど、多角的なビジネスを展開し、長年にわたり安定した経営を続けています。
そんな村田製作所は転職市場でも非常に人気が高く、「憧れの企業」として多くの求職者が応募するため転職難易度は高めです。特に、募集枠が少ないうえに、即戦力として活躍できる専門スキルを求められるため、しっかりとした対策が必要になります。
※本記事は2025年4月に掲載されました。
※記事中の情報は掲載時点でのWeb情報の公開情報を元に弊社が編集・掲載したものであり、企業の公式見解ではありません。
※組織の詳細や制度等は大きく変更になる可能性があります。ご転職を検討の際は、公式HP等で最新の情報をご確認ください。
そもそもなぜ村田製作所の中途採用倍率は高いのか?
倍率が高い理由としては、
(1)応募数が多い
(2)高い「専門性」が求められる
(3)面接の通過率が低い
の3点が挙げられます。
(1)応募数が多い
村田製作所は、グローバルな総合電子部品メーカーです。電子部品業界での認知度が高く、圧倒的なブランド力と高い技術力から多くの人が「村田製作所で働きたい!」と憧れを持っています。また村田製作所は長年にわたって安定した経営を続けており、コンデンサや抵抗器、光学応用製品など収益源も多岐にわたります。そのため、「安定した企業で働きたい」と考える転職希望者や、電子部品開発、生産技術など、電子部品業界に興味のある人にとっても、魅力的な選択肢になります。
参照:HOME | 村田製作所
(2)高い「専門性」が求められる
村田製作所は、単なる「電子部品メーカーの企業」ではなく、高度な製造技術を活かしたビジネスを展開する企業です。そのため、研究開発や生産技術、品質管理において「高度な専門知識や経験」が求められます。
また、事業の大部分は「電子部品の開発・製造・販売」です。村田製作所が自社で商品を製造・販売するだけでなく、IoT(Internet of Things)関連技術を活用した商品・サービスを展開しているため、ポジションによっては関連分野の業務経験者を即戦力として求めているため、未経験者が入り込むのは難しいでしょう。
一方で職種としては営業やマーケティング、商品企画などのポジションもあるため、電子部品業界経験はなくとも、職種としての経験者はチャンスが多く、業界チェンジで転職したい方にとっては逆にその専門性を活かした転職が可能でしょう。
参照:
IoTとムラタのセンサ | センサ | 村田製作所
ムラタの職種 | 村田製作所 採用情報
(3)面接の通過率が低い
上記2点の通り、人気企業であり、採用ポジションでの求めるスキルから、おのずと面接通過率も低くなっています。村田製作所で実現したいことはもちろん、挑戦を恐れずに新たな成長領域に取り組む姿勢や、積極的に新しい知識を吸収し自らの力で行動できる主体性についても書類選考、面接でも評価されるため、同社の具体的なニーズと自分の経験をマッチさせることが重要です。また面接でのこれらのアピールはもちろん論理的思考能力やコミュニケーション能力もポイントとなってきます。
さらになぜ村田製作所なのか、ポジションによっては同業他社の可能性もあるため、なぜ村田製作所でなければいけないのかを論理的に述べることがポイントとなっており、その通過率は低くなっています。
どのような対策が必要か?
村田製作所への転職では面接対策が重要なポイントとなります。書類においても実際に不採用になっているケースもあるため、ここでは書類、面接と合わせて、どのような対策が必要なのかご紹介していきます。
書類対策
一般的な書き方で問題ありませんが、応募ポジションと親和性のある経験、スキルをアピールしましょう。専門職であればどんな業務内容を経験してきたのか、企画系であれば実績を記載するようにしましょう。転職エージェントに相談し、客観的な意見も交えてブラッシュアップしながら進めると良いかと思います。応募書類の重要なポイントは人事担当者に「会ってみたい」と思ってもらうことです。どんなに人物面がよくてもこの書類選考で落ちてしまっては面接で何も伝えられません。
例えば、担当したプロジェクトの概要、目的、規模、期間、チーム構成などや、自分の役割や責任、具体的な成果や達成した目標、プロジェクトで使用した技術やスキル、ツールなども記載すると良いでしょう。また自分の強みや特長を具体的にアピールすることも必要です。
面接対策
村田製作所の面接では、技術力や専門知識はもちろんのこと、「自社の製品や技術にどれだけ理解があるか」「会社の理念に共感しているか」といったポイントも重視されます。書類選考の倍率が高いため、面接に進めた時点である程度のスキルは認められていますが、最終的に「即戦力になれるかどうか」「社風に合うか」が合否を分ける決め手になります。
企業研究を徹底し、スローガンを理解する
村田製作所は「Innovator in Electronics」 というスローガンを掲げており、独創的な技術とソリューションを通じて、より便利で快適な社会の発展に貢献することを目指しています。
そのため、面接では 「なぜ村田製作所で働きたいのか?」 を深く聞かれることが多いです。「待遇が良いから」「安定しているから」ではなく、なぜ数ある企業の中で村田製作所を選んだのか、しっかりと企業理念や村田製作所の歴史・事業内容と紐づけて話す必要があります。
これまでの経験が村田製作所でどう活かせるかを明確にする
採用では「即戦力」が重視されるため、「あなたのスキルが村田製作所でどう活かせるのか?」 を説明できるように準備しましょう。
・職種ごとに求められるスキルを把握する(商品開発・製造・マーケティングなど)
・過去の実績を具体的な数字や成果を交えて説明する
・村田製作所の事業にどのように貢献できるかを明確にする
といった内容を話せるように予め用意しておきましょう。
村田製作所のブランド価値を尊重すること
村田製作所は「独創的な技術とソリューションで、社会の発展に貢献するグローバルな電子部品メーカー」です。そのため、たとえビジネス視点があっても技術への探求心や向上心がない人、協調性やチームワークを重視できない人は採用されにくいです。
面接を突破するには、村田製作所のターゲット層やブランドストーリーへの理解、独創的な技術、 自分の考える「村田製作所らしさ」を言語化できるようにすることが大切です。また「独創的な技術」だけでなく、村田製作所のブランド価値や哲学に言及できると好印象かと思います。
さらに、面接の最後に必ず「何か質問がありますか?」と聞かれることが多いので、企業のビジョンや具体的なプロジェクトに関する質問をいくつか準備しておきましょう。これにより、企業に対する関心と理解度をアピールできます。
ただあまりにも応募ポジションとかけ離れた質問は逆効果になります。例えば経営メンバーでない方へ、「今の企業の経営課題と、これからの戦略について伺いたいです」といってもちょっと違いますよね?いわゆるネットから取ってきた質問ではなく、自分自身が面接準備などで疑問に思ったことなど「自分目線」での質問を用意するようにしましょう。
求める人材像
村田製作所の中途採用では、電子部品に精通した人材が求められるのはもちろんのこと、同社の価値観や事業戦略に合った人物であることも重視されます。
採用ページからですが求める人材像を引用します。
村田製作所が求める人物像
村田製作所では、以下の5要素を持っている人物が求められています。
- 高い目標にチャレンジする
- 自ら考え、自ら行動する
- チームワークを大切にした仕事の仕方をする
- こだわりを持って、やり遂げる
- スピードを大切にする
“ムラタには、まじめで論理的な思考をする人を好む傾向がありますが、キャリア採用の人材に特に期待するのは、これまでの経験を通じ、イニシアティブをとって新しいことにチャレンジし、ムラタの中に新風を吹き込んでいただきたいとの思いもあります。
ムラタが、キャリア採用者も新卒採用者も分け隔てなく実力で評価するということは、これまでに何人もの転職組が、役員として重責を担ってきたことからも明らかです。教育の機会も均等で、今後は一層人材育成を強化していく計画ですから、自らを成長させたい人には最適な環境が用意されているといえます。
転職には勇気が必要です。それでも、現状からの逃避ではなく、リスクを厭わずチャレンジしようという気持ちからの転職であれば、きっと好結果が得られます。とりわけ、事業拡大のダイナミズムを実感しつつ、自らを成長させていきたいと考える方は、ぜひ、選択肢の中にムラタを加え、あなたの新たな職場としての価値と可能性を吟味してみて下さい。”
【トップメッセージ】
“「独自の製品を供給して文化の発展に貢献する」
これは私たちムラタの従業員が毎日のように唱和し、創業当時からずっと大切にしてきている言葉です。私たちムラタは、これまで以上にこの言葉を肝に銘じて、日々の事業運営に取り組んでいかなければなりません。このように感じている背景には、昨今の社会のさまざまな変化にあります。
持続可能な社会の実現のためには、企業が社会から信頼され、環境や健康、人権といったさまざまな社会課題の解決に貢献していくことが必要です。事業を通じて課題解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献することは、私たちの使命です。”
中途求人から紐解く村田製作所の求める人材像
村田製作所の採用情報や求人傾向を分析すると、「こんな人が求められる」という共通点が見えてきます。
変化への対応力と新しい価値創造への意欲がある人
新規技術や製品開発、DX推進など、変化を恐れず新しいことに挑戦する意欲のある人材が求められています。また、データサイエンティスト、デジタル技術を活用したビジネス推進といった職種からは、既存の枠にとらわれず新しい技術や視点を取り入れ、ビジネスに変革をもたらす人材が期待されています。
グローバルな視点を持っている人
安全保障輸出管理や国際標準化活動など、グローバルな事業展開を意識した職種が見られます。グローバルな視点を持ち、異文化を理解し、国際的なチームで活躍できる人材が期待されます。
コミュニケーション能力と協調性が高い人
エンジニアや商品技術など、顧客や社内外の関係者と連携して業務を進める職種では、高いコミュニケーション能力が不可欠です。
村田製作所の選考フローは?
応募から入社までのスケジュールは次のとおりです。書類到着から内定通知までの期間は、おおよそ1〜2ヶ月です。
- 書類選考
- 適性検査
- 一次面接
- 二次面接(最終)
- 内定通知/条件提示
- 入社
参照:キャリア採用 総合職 募集要項 | 村田製作所 採用情報
村田製作所 会社概要
商号 | 株式会社村田製作所 |
商号 (英訳名) | Murata Manufacturing Co., Ltd. |
設立 | 1950年12月23日 (創業1944年10月) |
代表者 | 代表取締役社長 中島 規巨 |
本社所在地 | 〒617-8555
京都府長岡京市東神足 (ひがしこうたり) 1丁目10番1号 |
売上高 | 連結/1,640,158百万円 (2024年3月期)
個別/1,069,763百万円 (2024年3月期) |
従業員数 | 連結/73,165名 (2024年3月31日現在)
個別/10,401名 (2024年3月31日現在) |
資本金 | 694億44百万円 (2024年3月31日現在) |
株式 | 発行済株式総数/2,027,442千株 (2024年3月31日現在)
株主数/136,242名 (2024年3月31日現在) |
企業理念
“技術を練磨し
科学的管理を実践し
独自の製品を供給して
文化の発展に貢献し
信用の蓄積につとめ
会社の発展と
協力者の共栄をはかり
これをよろこび
感謝する人びとと
ともに運営する”
村田製作所の事業内容
ファンクショナルセラミックスをベースとした電子デバイスの研究開発・生産・販売
コンデンサ
主な製品:積層セラミックコンデンサ(MLCC)
インダクタ・EMIフィルタ
主な製品:インダクタ(コイル)
高周波・通信
主な製品:表面波フィルタ(SAWフィルタ)、高周波モジュール、樹脂多層基板(メトロサーク™)、コネクティビティモジュール
エナジー・パワー
主な製品:リチウムイオン二次電池
機能デバイス
主な製品:センサ