シマノの仕事内容は?
シマノ株式会社は、自転車部品や釣具の分野で世界トップクラスのシェアを誇るグローバル企業です。特に自転車コンポーネントや釣具では、その高い技術力と品質がユーザーから評価され、「こころ躍る製品」を提供することを理念としており、日本国内だけでなく、海外市場での売上も多く、グローバルに活躍したいという方にとっても魅力的な企業となっています。
そんなシマノではどのようなポジションの募集があり、どのような経験が積めるのでしょうか。現在(2024年11月)は、幅広いポジションで中途採用枠を設けているので、それぞれのポジションの主な役割などをご紹介します。転職活動の参考にしてみてください。
事業部の紹介
シマノ株式会社はバイシクルコンポーネンツ事業部、釣具事業部、ボート用品事業部の3つの事業を展開しています。現在募集があるのは、バイシクルコンポーネンツ事業部・釣具事業部の2つです。
バイシクルコンポーネンツ事業部
世界のトップレーサーが使用する競技用自転車から生活に密着した自転車に至るまで、世界中のさまざまな自転車に高品質で高性能なパーツを供給しています。レースの世界においてのシマノのフラッグシップモデル「DURA-ACE」には、シマノの最先端の技術を導入しています。その可能性を高める一つの方向として開発した電子デバイスとの融合、Di2(Digital Integrated Intelligence)テクノロジーは、変速の確実性とスピードを格段に向上させました。
さらに、生活に密着した通学用・買い物用等の自転車をより快適にするためのラインナップも充実させています。変速システムの内装化によるローメンテナンスの実現や、車輪に内蔵した発電機により、ライト点灯時においても軽いペダリングを可能にしました。
釣具事業部
日々研究を重ね、釣具の基本性能の向上、 そして新機能の開発を行っています。しかし、釣具を単に釣果を上げるための道具としてではなく、 釣りを楽しむための道具として捉え、性能を高めることを重視しています。 目にしたときのイメージ、手にしたときのフィーリング、使ったときの心地よさなど、 こころが躍る道具でなければならないという信念のもとに釣具開発に取り組んでいます。
ボート用品事業
これまで培ってきた技術を活かすため、新たにボート競技用製品を開発しています。着脱が容易なビンディングシステムを採用したシューズ、そしてそのシューズを固定するフットストレッチャー。 この2アイテムからなるSRD(シマノ・ロウイング・ダイナミクス)フットストレッチャー・システムは、選手一人ひとりが自分のシューズを所有する“オウンシューズコンセプト”を実現し、より快適で、 よりスタイリッシュなボート競技を提案しています。
ポジションの紹介
各事業部には、企画・デザイン・開発設計・研究・製造・生産技術・品質管理・営業などのポジションがあります。また、その働く社員を支える管理部門があり、その中に、経理・総務・人事・広報・システムのポジションも存在します。それぞれの仕事内容を見てみましょう。
企画
自転車部品の企画では、市場の情報を得るために自転車の完成車メーカー様や販売店様、インポーター様たちとコミュニケーションを行い、市場の動向を把握します。国内外の展示会でのユーザー様からの声や実際に製品が使われるレースなどでの活きた情報収集は不可欠です。また、普段から自分たちで自転車を楽しむことで新しい気付きを発見し、それらの情報を社内にフィードバックをして製品化に繋げることもあります。
釣具の企画では、ユーザー様が抱く夢を叶え、そして釣りの喜びを高める企画作りに全力を尽くします。釣りには国・地域によって多種多様な釣り方があります。釣る魚によっても釣りの楽しみ方は様々です。マーケットや製品が使われる現場など様々な情報を分析し、製品のコンセプト・価格・仕様・ネーミング・戦略を企画書に盛り込みます。この企画書を基にデザイン、開発、製造、品質管理、販売促進、営業のすべての部門が連携を取り、共通の「世界観」を持ちながらものづくりを行っています。
デザイン
企画部門が作成した企画書(製品のコンセプト)を元にお客様が製品を使う場面を想像し、アイデアをスケッチとしてアウトプットします。そこから、模型の作成やサンプル評価を繰り返してコンセプトモデルを決定します。
コンセプトモデルの決定後は、開発や製造などものづくりに関連する部門との具体化に向けた取り組みです。特に製品の表面処理など外観に関わる製造部門と緊密なコミュニケーションを取り、デザイナーの想いを製品に盛り込みます。
新しいデザイン提案のために国内外のショーに赴きトレンドを掴むことで製品のデザインにつながることがあります。製品の企画が始まる前からデザインを提案し、「待ち」のデザインから「攻め」のデザインを行っていきます。デザインを通してお客様に自転車や釣りの楽しさや感動を提供できるよう、新しい造形やイメージを創造し、未来に向けたコンセプトモデルの提案を行っています。
開発設計
企画書とコンセプトモデルを元にCAD設計から試作品の作成、評価テスト、量産化までの一連の業務に取り組みます。
性能や耐久性の向上を目指し、機構アイデアから各パーツの形状、重量などの仮説を立て、地道にデータ測定と検証を繰り返しながら製品開発を進めていきます。自転車部品では担当製品だけでなく、関連する製品との繋がりをふまえたトータルコンポーネンツとして設計する必要があるので、他の開発者と連携して開発を進めなければなりません。
試作品の評価テストでは、国内外で活躍するプロレーサーや釣りインストラクターからのフィードバックなど現場での感性を大切にしています。また、自ら現場に出向いて実走・実釣を行うことで開発者自身の感性も磨いています。
研究
技術の融合により新しい技術を生み出す研究、その技術を使った製品の提案、さらに量産化の立上げまでトータルに製品化に携わります。
現在の要素を技術的・科学的に細かく分析し、様々な角度から新しい技術や素材の可能性を探ります。単に新しい可能性を見出すだけでなく、その新しい可能性から技術や素材の基礎研究を行い、独自の新しい技術としての基礎を確立したあと、それを使った試作品を提案します。
こうして提案された試作品を製品として量産化させるまで様々な技術的問題を先頭に立って解決していきます。従来の技術や考え方だけにとらわれず、独自の技術を数多く生み出し、お客様の想像を超える「こころ躍る製品」を作り、製品価値の向上に努めています。
製造
製品の量産を担い、効率的な素材調達や製造方法、製品の強度や美しさを追求し、企画・デザイン・開発設計・研究・生産技術・品質管理が生み出した新しい価値を製品という形にして市場に送り出します。
製造工程の源流となるのは、製品の主な素材である金属(アルミ・鉄・チタン)をプレス機にかける「成形」です。「成形」された金属材から不要な部分を除去し、最終的な製品の形に近づける「切削」では、前工程だけでは完成できない形状や寸法までをより高い精度で仕上げることができます。この切削の品質が製品全体の仕上がりに大きく影響を及ぼすため、最適な加工方法、切削機械、刃物の選択が重要です。
製品の形状加工が完成した後、加熱・冷却により素材の性質を変化させる「熱処理」が施されます。熱処理後に表面処理を行います。アルミ製品には陽極酸化(アルマイト)処理を施し、製品を腐食や錆から守ると同時に、より美しく、魅力的で艶やかな外観に仕上げます。
各工程での高度な技術がシマノの製造力を支えています。図面通り製品を製造するだけでなく製造工程の改善を継続して行い、デザイン・開発・研究・生産技術・品質管理といった技術部門へフィードバックすることでより製造力を高めています。
生産技術
開発された新製品や既存製品のモデルチェンジなどの量産に向け、開発・製造担当者からの要望や意見を調整して生産設備を作り上げます。コストを上げずに価値を高められるよう効率的な成型方法と工程設計、そしてこれらを踏まえた工場の生産設備導入や自働化の推進に取り組んでいます。
また、デザイン部門や開発部門で考えられた価値を高めるために品質の向上、製造コストの削減、効率化など、QCD(品質、コスト、納期)の改善を行っていきます。
この他にも世界に広がる製造拠点から技術情報を集約して分析を行い、新たな価値創造にチャレンジしています。海外工場からの新規設備導入でサポート要請があった場合は、海外のチームシマノメンバーとコミュニケーションを取り、必要に応じて海外工場で業務を行うなど本社のある日本にとどまらない活動をしています。
品質管理
製品の開発段階から関わり、お客様に満足していただける品質・機能であるか、品質基準に準じて設計されているか、設計の検証、実走、試験機によるテストなど様々な評価を行い、製品の量産化を承認します。
製品の使われ方を調査してシマノの品質基準へ落とし込んでいくこともあります。開発や製造担当者へ早い時点で品質改善の提案を行うことで、より高性能な製品をよりコストを抑えて製造することを実現しています。
また、製品としての性能を満たしているか設計図と製品の形状を調査し、そのデータを統計的に解析して生産現場の状態も同時に調査していきます。日々の解析データを開発・製造担当者にフィードバックすることによってシマノ品質の維持、向上に取り組んでいます。世界中のチームシマノメンバーとコミュニケーションを取って世界共通のシマノ品質を保っています。
営業
自転車部品の営業では、販売会社(販社)のサポートや取りまとめが主な役割で、日本を含めた全世界の販社とコミュニケーションを取りながら、それぞれの国や店舗に合った売り方や製品ラインナップの選定、国によっては自転車市場の掘り起こしといった活動に取り組んでいます。自転車の完成車メーカー様に対して製品を紹介し、お客様の希望した通りに製品が届くよう受注・出荷、入金管理の手配を行います。
釣具の営業では、全国にある営業所から販売店様を訪問し、リールやロッドなどの釣具やウェアやクーラーボックスといった釣りに関するアパレル・アクセサリーのご案内や受注、アフターサービスなどを行います。販売店様への展示セット、売り場コーディネートの提案を通してシマノ製品のニーズを広め、販売店様の売り上げへ貢献します。
経理
シマノの経営成績や財務状況に関する数値を集計し、シマノ経営陣、金融庁や証券取引所といった機関、そして株主の皆様をはじめとする社外へ向けて情報を開示することが主な仕事です。
日々の支払の手続きから世界中の連結子会社の決算管理、それらをグループとしてまとめる連結決算管理までを行います。シマノのビジネスは世界中で展開されており、文化や習慣、言語の異なるチームシマノメンバーと仕事をすることが多く、常にグローバルな視点を持つことが必要とされます。数字を中心とした情報を扱う仕事ですが、最後は人と人とのつながりです。多くの人と接点を持ち、相手の顔を思い浮かべながら、最適な形で必要とされる情報を提供できるよう努めています。
総務
営業部にお客様がいるように管理部門のお客様はシマノで働く「チームシマノメンバー」です。総務部では、チームシマノメンバーが気持ち良く安心して働ける環境づくりを行っています。担当する業務は多岐に渡り、国内外の出張手配や創業記念式典などの取りまとめ、固定資産や社屋の管理、そして国内の法務業務や会社の維持業務(コンプライアンス、株式管理、保険)、株主総会の運営などを行っています。
また、安全に仕事ができるよう「労働安全衛生方針」に基づき怪我や災害を未然に防ぐ防災訓練、省エネなど環境負荷を低減する取り組みも実施しています。その中で地域の環境を守る活動の一つとして大阪府のせんなん里海公園にて、ゴミの調査も兼ねたクリーンアップ活動を行い、地球環境の保全・改善に貢献できるよう努めています。
人事
人事部では「ひと」に関するサポートを通じてチームシマノメンバーが活き活きと仕事に打ち込むことができるように努めています。新入社員研修、キャリア採用者研修、役職に応じた階層別研修などの育成プログラムの企画・運営や独身寮・社宅をはじめとする福利厚生、勤怠・給与管理など充実したシマノライフを送れるように環境を整えています。
「価値を創造できるひとづくり」を目指し、製品が販売される現場や使われる現場を自らの目で確認し、異文化体験をキャリア形成に役立てる海外研修を2001年から続けています。
広報
社内外のコミュニケーションの窓口となる広報部では、社外に向けての情報発信はもちろん、世界中のチームシマノメンバーに向けた社内報やイントラネットを運営するなど社内コミュニケーションの充実にも取り組んでいます。特に、チームシマノメンバーに向けて会社の基本方針や経営層の考えを伝え、しっかりと浸透させることを大切にしています。
社内のスポーツサイクル初心者を対象にした「パンク修理講習会」や初心者を対象とした釣りイベントを開催して自転車や釣りの楽しさを体感できる機会を設け、自社製品が提供できる世界を知る活動も行っています。
システム
シマノのビジネスは世界中に展開されており、情報システムは業務効率を上げるためには必要不可欠な要素です。情報システム部門では、メールをはじめとするコミュニケーションツールや生産、販売、会計業務など20種類以上の基幹システムをチームシマノメンバーに提供して日々の業務をサポートしています。チームシマノメンバーが効率よく安心して活動できるよう、これらの企画や設計、導入、保守・運用まで幅広い業務を行っています。
その中で、情報の流出や改ざんなど会社に不利益を招く要素を未然に防ぐセキュリティ対策の他、内部統制の一つであるIT統制を行うことで企業経営の健全性を高めています。
シマノへの転職をお考えの方へ
シマノへの転職は難易度は非常に高く、十分な面接対策なしでは内定獲得は難しいと言えます。
弊社sincereedだからこそわかる選考対策、さらには入社後の早期活躍方法についても多くのアドバイス、サポートが可能となっております。
シマノへの転職にご興味のある方は、まずは一度ご相談いただければ幸いです。