
島津製作所の強み・特徴は?
島津製作所は、分析計測機器、医用機器、航空・産業機器を手がける日本の大手精密機器メーカーです。1875年に創業し、「科学技術で社会に貢献する」という理念のもと、最先端の技術開発を続けています。特に、質量分析装置やX線診断装置などの分野で世界的に高い評価を受けており、医療、環境、エネルギー、食品安全など多岐にわたる分野で活躍しています。
世界にも進出し、転職市場でも非常に人気の高い企業である島津製作所には、どんな特徴や強みがあるのでしょうか。本記事では、様々な角度から島津製作所の特徴や強みを考えていきます。企業研究の1つとして参考にしていただけたら幸いです。
島津製作所の強み・特徴
島津製作所は1875年の創業以来、島津製作所は顧客や社会のニーズに真摯に対応する企業風土のもと、多様な技術・製品・サービスを創造してきており、分析計測機器、医療機器、航空機器など幅広い分野で高度な技術力を持っています。特徴・強みを1つずつ見ていきましょう。
高いイノベーション力
島津製作所では、グローバルで複雑化する社会課題の解決に取り組むため、これまで培ってきた技術力とオープンイノベーションにより得られる新たな知見との融合を推進しています。具体的には、以下の4つのプロセスでイノベーションを推進しています。
・基盤技術研究
革新的な次世代の製品を生み出すコア要素技術の研究開発を行っていきます。
・インキュベーション事業性の実証
新たな技術・製品・サービスの事業化や新たな事業体制の構築に取り組んでいきます。
・製品開発
要素技術を製品化し社会課題を解決するソリューションを開発・提供していきます。
・応用技術・アプリ開発
顧客に新たなソリューションを提供する先進的な応用技術の開発を行っていきます。
・社外共創
ビジネスパートナーとの対話を通じて、取り組むべき社会課題を明らかにし、ソリューション開発へつなげていきます。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/research_and_development/innovation.html(2025年2月時点)
先進的で独自性の高い技術
島津製作所は世界的に高いシェアを誇り、長年培ってきた精密機械技術と最先端のデジタル技術を組み合わせた製品開発が強みです。研究開発費に215億円(対売上高比率 4.2%)を投資しています。
島津製作所が世界に誇るコア要素技術には、以下のようなものがあります。
・先端分析
イオン( MS )・X線・光・量子などの分野で顧客課題や社会課題の解決に貢献します。また、先端分析装置からの多種多様な情報を同時計測し高度に解析する “Whole Analysis” 技術を目指します。
・革新バイオ
技術革新が著しいバイオ領域で高度な技術の獲得・開発を行って、顧客課題や社会課題の解決に繋げていきます。革新バイオ技術によって予防医療や早期診断、再生医療、バイオ生産などの領域で新しい顧客価値を生み出すことを目指します。
・脳五感
脳五感計測技術として、低拘束での脳機能計測や五感刺激と連携させたバイオフィードバックによる介入技術、またヒトのパフォーマンスを向上させる技術や心理面の増進をサポートする技術などの脳と五感の複合計測の技術開発を行います。
・AI
AIを活用した信号処理・画像処理の研究開発を通して、高度な製品・サービス・新事業を創出し、顧客課題や社会課題に対するソリューションを提供します。また、AI技術とロボティクス技術の融合により、分析・計測・診断・検査の自動化・自律化を進めていきます。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/research_and_development/core_technology/index.html
https://www.shimadzu.co.jp/ir/individual/outline/index.html
(2025年2月時点)
コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)
コーポレートベンチャーキャピタルは、オープンイノベーションの一つとして革新的な技術や事業アイデアを持つスタートアップと連携することを目的に設立された組織です。
島津製作所と親和性の高い技術を持つスタートアップに出資して事業を支援するとともに、島津製作所の製品・サービスの成長や新規事業の創出にもつなげる取り組みを推進します。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/research_and_development/cvc/index.html(2025年2月時点)
知的財産マネジメント
事業に貢献する知的財産の獲得や有効活用、他社の知的財産権の尊重など基本的な取組みに加え、知財情報の事業戦略への活用や技術ブランドの発信など知的財産の戦略的活動を通じて、事業競争力を強化しています。特許保有件数7,964件(うち国内4,457件、海外3,507件)を誇ります。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/ir/individual/outline/index.html
https://www.shimadzu.co.jp/research_and_development/intellectual_property.html
(2025年2月時点)
グローバルな展開
島津製作所は、1963年に米国ニューヨークに戦後初の海外駐在員事務所を開設して以来、積極的なグローバル展開を進めてきました。
その後、欧州やアジアなど世界各地に拠点を設立し、現在では100を超える海外拠点を持ち、約6,000人の従業員が開発、調達、製造、販売、サービスなど多岐にわたる業務を担当しています。
現在は25カ国に拠点を設け、地域毎に異なるニーズに応えています。2021年度の海外売上比率は53%にもなります。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/visionary/history/1963.html?utm_source=chatgpt.com
https://www.shimadzu.co.jp/ir/individual/outline/
https://www.shimadzu.co.jp/sites/shimadzu.co.jp/files/ir/pdf/presentation_20230406.pdf(2025年2月時点)
人財育成と組織風土の強化
島津製作所が人は会社にとって最大の財産であり、島津グループの競争力の源泉は人財の力にあると考え、人材育成に力を入れているのも特徴・強みの1つです。
求める人財を、高潔な倫理観を持ち、多様な視点や専門性を活かし、果敢に挑戦し、やり遂げ、自ら成長する人財と定義し、その育成に取り組んでいます。さらに事業戦略の実現、経営基盤強化のため、経営幹部候補育成や高度専門人財育成、ビジネスリーダー育成を推進し、学びと経験を実践する場として『島津アカデミー』を開講しています。
また、多様な人財が、健康で働きがいを感じ、夢と成長の実現に向けた新たな挑戦ができる職場を「Well-Beingな職場」と定義し、多様性を活かす組織風土、挑戦マインドを育む人事制度、健康で安全な職場、コンプライアンス徹底のための施策を推進しています。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/sustainability/social/hr.html?utm_source=chatgpt.com(2025年2月時点)
島津製作所へ転職するために抑えておきたい基本ポイント
島津製作所への転職をお考えの方へ、抑えておきたいポイントをまとめてご紹介します。
会社概要
商号 | 島津製作所株式会社
(SHIMADZU CORPORATION) |
本社所在地 | 〒604-8511
京都市中京区西ノ京桑原町1番地 |
代表者 | 山本 靖則 |
創業 | 明治8(1875)年3月 |
設立 | 大正6(1917)年9月 |
資本金 | 26,648百万円 |
グループ従業員 | 14,219名(2024年3月31日現在) |
出典:https://www.shimadzu.co.jp/aboutus/company/profile.html(2025年2月時点)
事業内容
島津製作所は、1875年の創業以来、精密機器メーカーとして成長を続けており、現在では 分析計測機器、医用機器、産業機器、航空機器の4つの主要事業を展開しています。それぞれの事業は、科学技術を活かした最先端のソリューションを提供し、医療・環境・産業分野の発展に貢献しています。
分析計測機器
見えないものを見る、測れないものを測り、暮らしの安心・安全や、産業の発展に貢献する。島津製作所の主力事業であり、化学、製薬、食品、環境、エネルギーなどの幅広い分野で活用されています。
医用機器
画像処理技術を活かした医用機器により、早期発見・早期治療に貢献する。病院・医療機関向けの診断機器を開発し、低侵襲医療や診断精度向上に貢献しています。
産業機器
お客さまの“実現不可能”を”可能”に変え、産業の発展を実現する。精密機器の技術を応用し、自動車・電子機器向けの製品を開発しています。
航空機器
さまざまな航空機器の提供により搭乗者の「安全、快適、負荷軽減」を実現する。航空機の油圧機器や制御装置を開発し、国内外の航空機メーカーに供給しています。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/aboutus/recruit/graduate/company.html(2025年2月時点)
島津製作所の企業理念、行動方針
島津製作所の企業理念は、単に事業活動の指針としてだけでなく、企業の存在意義を明確に示すものとして機能しています。選考においても、候補者がマッチするかを図る指標となるため、しっかり抑えておきましょう。
社是
科学技術で社会に貢献する
経営理念
「人と地球の健康」への願いを実現する
行動原則と行動基準
1.”人と地球の健康”への貢献
(1)人の健康への貢献
私たちは、創業時より受け継ぐ従業員の健康増進への思いと共に最先端の科学技術とサービスの提供を通じて、従業員と社会全体の健康づくりと事業の発展を推進します。
(2)地球環境の保全
私たちは、環境問題への取り組みが自らの企業の存在に関わる重要な課題であることを認識し、地球環境の保全と人類の健康に貢献するため、自主的、積極的に行動します。
2.人権の尊重
私たちは、個人の人権を尊重し、人種・性別・言語・国籍・宗教・身体的ハンディキャップ・信条その他の理由により差別することはしません。また、全ての従業員の人権を尊重し、多様性(ダイバーシティ)を認め合い、従業員一人ひとりが創造性と個性を発揮し、生き生きと自己実現を図るとともに、会社にとっても高い貢献をし続けることができる職場環境の維持に努めます。
3.産業と社会への貢献
私たちは、長期的かつグローバルな視野に立ち、独創的な技術の開発により社会が真に求める製品・サービスを、優れた品質と適正な価格で適時に世界中へと提供し、事業を通じて社会に貢献します。また、社会との協調・融和に努め、社会的責任を遂行します。
4.企業統治
(1)公正・透明な行動
私たちは、世界各国に展開する事業活動や個人の生活において、法令およびその他の社会規範を遵守し、公明かつ公正に行動します。
(2)ステークホルダーとの関係維持・構築
私たちは、顧客・株主・取引先・従業員・地域社会などのステークホルダー(利害関係者)との信頼関係を維持・構築します。そのために相互に有益な情報を適宜・適切にわかりやすく開示し、円滑な双方向のコミュニケーションに役立てます。社外から得られた意見や期待などは、速やかに検討し、適宜事業活動に反映させます。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/aboutus/company/actpln.html(2025年2月時点)