
トヨタ自動車の会社概要は?世界トップレベル企業の経営理念を深堀り
グローバル市場で圧倒的なシェアを誇るトヨタ自動車。SDGsの達成に向け、次世代モビリティ社会の実現を目指す同社は、多くの転職希望者から注目を集めています。
一方で、世界的なブランド力と専門性の高さから、実際に内定を勝ち取ることは容易ではありません。トヨタ自動車への転職を成功させるには、企業研究の深堀りが必要不可欠です。
ここでは、トヨタ自動車の会社概要や経営理念を解説します。ぜひ最後までご覧ください。
※本記事は2024年12月に掲載されました。
※記事中の情報は掲載時点でのWeb情報の公開情報を元に弊社が編集・掲載したものであり、企業の公式見解ではありません。
※組織の詳細や制度等は大きく変更になる可能性があります。ご転職を検討の際は、公式HP等で最新の情報をご確認ください。
トヨタ自動車の会社概要
まず、トヨタ自動車の会社概要を紹介します。
会社概要
会社名 | トヨタ自動車株式会社
(TOYOTA MOTOR CORPORATION) |
代表取締役社長 | 佐藤 恒治 |
設立 | 1937年(昭和12年)8月28日 |
資本金(2024年3月末現在) | 6,354億円 |
主な事業内容 | 自動車の生産・販売 |
従業員数(2024年3月末現在) | 70,224人(連結 380,793人) |
トヨタ自動車は愛知県豊田市に本社を置き、世界中で自動車の製造・販売を行っています。トヨタ生産方式と呼ばれる独自の生産システムを確立し、高い品質と効率性を両立させた自動車づくりが特徴です。
環境問題への取り組みにも積極的に注力しており、ハイブリッドカーや電気自動車などの開発・普及を進めています。近年では、自動運転やコネクテッドカーなど、次世代のモビリティ社会の実現に向けた技術開発にも力を入れています。
世界中に生産拠点や販売網を展開し、グローバルな事業展開を行っていることも特徴の一つです。単なる自動車メーカーにとどまらず、人々の生活を豊かにする様々な製品やサービスを提供する企業として、今後も世界をリードしていくことが期待されています。
トヨタ自動車の経営理念
トヨタ自動車は創業以来、人々の生活を豊かにする「クルマづくり」を通じて、社会への貢献を目指してきました。その原動力として、トヨタの揺るがない経営理念が挙げられます。
トヨタ自動車の基本理念
- 内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民をめざす
- 各国、各地域の文化、慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する
- クリーンで安全な商品の提供を使命とし、あらゆる企業活動を通じて、住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む
- 様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、世界中のお客様のご要望にお応えする魅力あふれる商品・サービスを提供する
- 労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力とチームワークの強みを最大限に高める企業風土をつくる
- グローバルで革新的な経営により、社会との調和ある成長をめざす
- 開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、長期安定的な成長と共存共栄を実現する
トヨタ自動車の経営理念は、単なる企業のスローガンではなく、同社の行動原理そのものです。以下からは、トヨタ行動指針について解説します。
トヨタ行動指針
「トヨタ行動指針」は、トヨタの社員が日々の仕事や社会生活において、どのような行動をすべきかを示すための指針です。後述のトヨタフィロソフィーに基づき、社員一人ひとりが「幸せを量産」するという使命を果たし、モビリティを通じて社会に貢献していくための具体的な行動規範が定められています。
トヨタフィロソフィー
モビリティカンパニーの変革を進めるために、トヨタは2020年、歩んできた道を改めて振り返り、未来への道標となる「トヨタフィロソフィー」を提示しました。
・VALUE
「トヨタウェイ」
ソフト・ハード・パートナーの3つの強みを融合し、唯一無二の価値を生み出す
・MISSION
「わたしたちは、幸せを量産する」
技術でたぐりよせた未来の便利と幸福を、手の届くかたちであらゆる人に還元する
・VISION
「可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える」
人、企業、自治体、コミュニティができることをふやし、人類と地球の持続可能な共生を実現する
トヨタグローバルビジョン
トヨタ自動車は、前述の経営理念をもとに「トヨタグローバルビジョン」を掲げています。
笑顔のために。期待を超えて。
単に人を運ぶだけでなく、人々の心を動かし、生活を豊かにするような、安全・安心なモビリティの提供を目指しているトヨタ自動車。一人ひとりが高い品質の製品を作り込み、常に新しい技術に挑戦し、地球環境への負荷を低減するための取り組みを続けています。
お客様の期待を常に超える製品やサービスを生み出し、社会全体をより良い方向へ導くために、トヨタでは以下の12項目を目標として掲げています。
・未来のモビリティ社会をリードする
トヨタでは絶えず新しい技術・手法を追求し、自らを革新し続けます。わずかなチャンスをつかみ、未来を切り拓いていきます。
・未来のモビリティ社会
今までなかった交通手段や移動手段を開発し、よりよい生活のための新しいテクノロジーを追求します。
・世界中の人々の暮らしを、社会を豊かにしていく
モノづくりの精神を大切にしながら、雇用を生み出し、人を育てながら社会に貢献していきます。
・人々を安全・安心に運び、心までも動かす
安全はトヨタの最優先事項です。ここでの安全とは、お客様の安全と従業員の安全の両方を指します。
・一人ひとりが高い品質を造りこむ
信頼性や耐久性を通じ、常にお客様満足の向上を目指します。
・常に時代の一歩先のイノベーションを追い求める
トヨタの目指すゴールは「もっといいクルマ」をお客様に提供することです。そのためには常に自らを革新し続け、新技術を生み出し、時代の先頭に立ち続けなくてはなりません。
・地球環境に寄り添う意識を持ち続ける
トヨタでは全ての活動において、地球環境への配慮を忘れません。そのために、環境に配慮したシステムやソリューションの研究・普及に努めます。
・期待を常に超えていく
お客様のニーズを先取りし、実現することでお客様の期待を超えていきます。
・お客様、そして地域の笑顔のために
「笑顔」こそ、お客様の満足の証です。全ての企業活動に、感謝の気持ちと姿勢を持って取り組みます。
・常に自らを改革しながら、高い目標を実現していく
常に高い目標を掲げ、ベストを目指し、限界に挑戦する姿勢を持ち続けていきます。
・トヨタを支えてくださる皆様の声に真摯に耳を傾ける
従業員・ビジネスパートナーのスキルや多様性こそが、トヨタの原動力です。その力が問題を解決し、新しいアイデアを生み出していきます。
・「今よりもっとよい方法がある」その改善の精神とともに
カイゼンの精神として、より高い目標を達成し、日々の活動すべてにおいて、常によりよい方法を追求することに挑戦します。
トヨタ生産方式
トヨタ生産方式は、トヨタが開発した、モノを作る上での効率を極限まで高めるための考え方です。無駄な作業を一切せず、必要なものだけを必要な時に作ることでコストを下げ、品質を高め、お客様に喜んでもらうことを目指しています。
トヨタ生産方式の2本柱
トヨタ生産方式は、「自働化」と「ジャスト・インタイム」という2つの基本的な考え方によって支えられています。
「自働化」は、機械に異常が発生した場合、自動的に停止し、不良品を未然に防ぐことで、製品の品質を確保する仕組みです。一方、「ジャスト・インタイム」は、必要なものを必要な時に必要なだけ生産する仕組みで、在庫を減らし、生産の効率化を図ります。
これら2つの柱によって、お客様からの注文に迅速に対応し、多品種少量生産にも対応できる柔軟な生産システムを実現しています。
ニンベンのついた自働化
トヨタ生産方式における「自働化」は、単なる機械の自動化ではなく、「人間の知恵」を組み込んだ、より高度な概念です。
機械が自ら異常を検知し、自動的に停止することで、不良品の発生を防ぎつつ品質も確保します。同時に、作業者が自らラインを停止できる仕組みも備え、異常の原因を早期に特定し、再発防止につなげます。工程の最初から品質を確保し、省力化も実現可能です。
この「自働化」を実現するには、まず人間が手作業で作業を徹底的に見直し、改善することが重要です。その後に、ムダな動きを省き、誰でも正確に作業できる環境を構築すれば、その作業を機械に置き換えられます。
つまり、機械に仕事をさせる前に人間がその仕事の本質を深く理解し、改善することが「自働化」の出発点なのです。このような「作業改善」を通して、トヨタではモノづくりの原理原則を学び、実際の現場に活かしています。人間の知恵と工夫がなければ、真の改善は生まれないと考えています。