三菱UFJ銀行へ転職できる？年収・難易度・倍率・中途採用のリアルを徹底解説

三菱UFJ銀行の中途採用はどんな人が受かる？

かつては「新卒至上主義」のイメージが強かった銀行業界ですが、三菱UFJ銀行ではその潮目が大きく変わっています。

 

公式データによると、キャリア採用比率は2019年度の9.6%から、2023年度には48.8%へと急増しています(*1)。

 

ほぼ半数が中途入行者となっており、即戦力人材にとって門戸は大きく開かれています。

現在募集の多い職種

現在、三菱UFJ銀行では「プロフェッショナル職」として、多岐にわたる領域で募集を行っています(*2)。

 

公式の求人情報をもとに、特に採用ニーズの高い職種を紹介します。

＜法人営業（RM：リレーションシップ・マネージャー）＞
上場企業から中堅・中小企業まで、顧客の経営課題を解決する中核職種です。

単なる融資に留まらず、事業戦略、M&A、資本政策、DX支援、ビジネスマッチングなど、MUFGグループの総合力を活かしたソリューション提案が求められます。

顧客の経営層と深く対話し、長期的なエンゲージメントを構築する力が重視されます。

 

【必須スキル・経験】
・コーポレートファイナンス業務に関する知識・経験
・銀行・信金・証券・ノンバンク等での企業に対する営業実務経験

 

【転職者の傾向】
地銀・信金などの金融機関出身者だけでなく、商社やメーカーの営業職など異業種からの転職者も増加中。

 

【アピールすべき経験】
顧客の潜在的な課題を発見し、自社リソースを活用して解決に導いた具体的なエピソードや実績。

 

 

＜リテール・デジタル（モニタリング・企画）＞
リテール部門では、営業職だけでなく、健全な業務運営を支える企画職の募集も活発です。

具体的には、顧客本位の業務運営や金融犯罪対策に関するモニタリング態勢の構築・高度化を担うポジションがあります。データ分析に基づいたリスクシナリオの策定や施策立案など、論理的思考とリスク管理能力が求められます。

 

【必須スキル・経験】
・金融機関における個人向け運用性商品に係る業務経験
・リスク管理やコンプライアンスに関する基礎知識、論理的思考力

・データ分析力（Excel、SQL等）

 

【転職者の傾向】
コンサルティングファーム、監査法人、他金融機関の企画・コンプライアンス部門出身者が多い。

 

【アピールすべき経験】
データを用いた業務改善の実績、複雑な法規制やルールの運用体制を構築・改善した経験。

 

 

＜コーポレート・企画（リスク管理・内部監査）＞

銀行経営の健全性と透明性を支える重要な専門職です。

 

リスクガバナンスの構築やリスクアペタイトのモニタリングを行う「リスクマネージャー」や、内部監査計画の策定・モニタリングを行う「部門検査室企画業務」などがあります。

 

組織全体の課題を俯瞰し、論理的に解決策を提示できる高い専門性が求められます。

 

【必須スキル・経験】
・金融機関での個人向け運用性商品に係る業務経験
・金融機関でのリスク管理・ガバナンス領域でのキャリア

 

【転職者の傾向】
監査法人、金融機関のリスク管理部門、グローバル企業の内部監査部門出身者など。

 

【アピールすべき経験】
組織全体のリスクを俯瞰し、論理的に課題を特定・解決策を提示した経験、ガバナンス体制の構築・強化に携わった経験。

 

 

＜IT・デジタル・システム（IT戦略）＞
銀行の変革を支える技術職です。

 

例えば、市場事業本部などの特定部門において、ビジネス戦略と整合したIT戦略の策定やシステム投資計画の立案、プロジェクトの管理を行う「IT戦略担当」などが募集されています。

 

開発実務だけでなく、ビジネスサイドとエンジニアの橋渡し役としてプロジェクトを推進するPM/PMOの経験者が歓迎されます。

 

【必要スキル・経験】
・システム開発プロジェクトにおける企画・要件定義の経験1年以上
・多様な関係者との議論・調整を主導した経験
・コミュニケーション能力・交渉力

 

【転職者の傾向】
SIer、ITコンサルティングファーム、事業会社のIT部門出身者が中心。

 

【アピールすべき経験】
大規模プロジェクトのリード経験、ビジネスサイドとエンジニアの橋渡し役としてプロジェクトを推進した経験。

三菱UFJ銀行が求める人物像の特徴

三菱UFJ銀行では、「高い人間力とスキル・専門性を有するプロフェッショナルとして、変化を先取りし、変革に挑戦すること」を求めています(*3)。

 

具体的には、以下の3つの要素を兼ね備えた人材が評価されます。

 

＜論理的思考力・金融リテラシー・顧客志向＞
複雑な課題を整理して解決策を導き出す論理的思考力は必須です。

また、プロフェッショナルとして顧客に最適なソリューションを提供するための金融リテラシーと、常に顧客視点で考える顧客志向も求められます。

 

＜専門性とバランス感覚＞
特定の領域における高い専門性を持つことは前提ですが、それだけでは不十分です。

巨大な組織の中で多様なステークホルダーと協働し、プロジェクトを円滑に進めるためのバランス感覚やチームワークも、メガバンクである三菱UFJ銀行では重要視されます。

 

＜安定志向+変革志向＞
金融機関としての社会的責任を果たすための堅実な安定志向（リスク管理意識や倫理観）は不可欠です。

しかし、同時に激変する金融環境の中で、自ら変化を先取りし、新しい価値創造に挑む変革志向も強く求められています。

 

この「守り」と「攻め」の両面を持てることが、転職成功の鍵となります。

 

(*1)参照元：キャリア採用 募集内容｜三菱UFJ銀行（2025年12月時点）
(*2)参照元：募集職種検索｜採用情報｜三菱UFJ銀行（2025年12月時点）
(*3)参照元：人材育成｜三菱UFJ銀行（2025年12月時点）

三菱UFJ銀行へ転職したら年収はどれくらい？【年代・職種別に解説】

三菱UFJ銀行の年収水準は、国内全産業の中でもトップクラスです。

 

社員・元社員による企業の口コミサイト「OpenWork」および最新の有価証券報告書によると、同行の平均年収は下記の通りです。

 

OpenWork（2025年11月時点）(*4)
回答者の平均年収：789万円
平均年齢：33歳
回答者数：正社員1,661人

 

有価証券報告書（2025年3月期）(*5)
平均年間給与：856万円
平均年齢：40歳
従業員数：31,427人

年代別の年収レンジ（20代・30代・40代）

OpenWorkの口コミ(*4)によると、三菱UFJ銀行の年齢別の推定年収は以下の通りです。

 

順調に昇格すれば、30代で年収1,000万円の大台が見えてきます。

年齢	推定年収	推定レンジ
25歳	458万円	302〜695万円
30歳	663万円	437〜1,005万円
35歳	825万円	544〜1,251万円
40歳	973万円	641〜1,475万円
50歳	1,295万円	854〜1,964万円

 

 

20代の若手期間は基本給が抑えめですが、残業代によって同年代と比較しても高い水準を維持します。

 

大きな分岐点となるのは30歳前後です。「調査役」などの役職に就くことで年収が大きく跳ね上がり、30代半ばには多くの社員が年収800〜1,000万円クラスに到達します。

 

40代以降で課長級以上の管理職になれば、年収1,200万円超も珍しくありません。

 

50代ではポストによって個人差が開くものの、依然として国内トップクラスの高水準を維持する傾向にあります。

職種別の年収（法人営業／資産運用／事務／IT・DXなど）

職種によっても年収レンジや昇給スピードは異なります。OpenWorkの口コミ(*4)によると、職種別の平均年収は下表の通りです。

 

職種	平均年収	年収幅（レンジ）
管理	1,222万円	600〜2,000万円
企画	1,086万円	430〜2,100万円
本部	1,019万円	400〜1,800万円
法人	995万円	450〜2,000万円
総合職	858万円	300〜2,000万円
営業	776万円	280〜2,200万円
システム	770万円	320〜1,300万円
事務	511万円	250〜1,500万円

 

最も平均年収が高いのは「管理職」で1,222万円、次いで「企画職」が1,086万円となっており、本部の中枢機能やマネジメント層の待遇が非常に手厚いです。

 

一方、最も募集が多い「営業職」は平均776万円ですが、年収幅が280万円〜2,200万円と非常に広く、成果や担当顧客（法人など）によって大きく差がつく実力主義の側面が見て取れます。

 

「システム（IT・DX）」は平均770万円ですが、近年の採用強化により、専門性の高い人材はより高い水準で迎えられるケースもあります。

 

 

(*4)参照元：三菱UFJ銀行の「年収・給与制度」OpenWork（2025年12月時点）
(*5)参照元：有価証券報告書｜三菱UFJ銀行（2025年3月期）

三菱UFJ銀行の転職難易度・倍率・通過率は？【競争が激しい理由】

三菱UFJ銀行への転職難易度は、金融業界の中でも「最高難度」と言えます。

 

ここでは、同行の転職難易度が高い理由を解説します。

中途採用の倍率が高くなる理由

三菱UFJ銀行の中途採用の倍率が高くなる理由は、主に以下の3つです。

• 圧倒的なブランド力
• プロフェッショナル職としての採用
• 専門性の高度化

 

 

＜圧倒的なブランド力＞
東洋経済の「入社が難しい有名企業ランキング2024」(*6)によると、三菱UFJ銀行は全421社中37位（入社難易度61.4）にランクインしており、3大メガバンクの中ではトップです。（三井住友銀行51位、みずほFG121位）

 

新卒・中途問わず、安定と成長を求めるハイクラス層からの応募が殺到するため、実質的な倍率は数十倍〜百倍に達することもあります。

 

 

＜プロフェッショナル職としての採用＞
三菱UFJ銀行の中途採用は基本的に「プロフェッショナル職」としての採用であり、銀行業務未経験者であっても、他業界で培った「高い専門性（IT、コンサル、M&Aなど）」という名の即戦力スキルが必須です。(*7)

 

そのため、スキルを持たない完全未経験者にとっては、依然として狭き門と言えます。

 

 

＜専門性の高度化による競争激化＞
フィンテック企業の台頭やデジタル化の進展により、金融業界の求人ニーズは多様化しています。

 

特にデータ分析やITスキルを持つ人材は引く手あまたですが、三菱UFJ銀行はその中でも最高水準のスキルを求めるため、競争はさらに激化しています。(*8)

三菱UFJ銀行の面接の通過率（イメージ）

大手金融機関の中途採用における一般的な通過率（イメージ）は、以下の通りです。

 

書類選考：通過率 30〜40%
学歴、職務経歴、保有資格（証券アナリスト、簿記、TOEIC等）で厳しくスクリーニングされます。

人気職種では応募が殺到するため、書類での足切りラインが高くなる傾向があります。

未経験者やスキルがマッチしない応募者は、この段階で厳しく選別され、不合格となるケースが大半です。

 

一次〜二次面接：通過率 20〜30%
現場マネジャークラスによるスキル・経験の確認が行われます。

 

最終面接：通過率 50%前後
人事・役員による適性・志望度・カルチャーマッチの確認が行われます。

特に面接では、単なる業務遂行能力だけでなく、企業カルチャーに合致する人物かどうかが深く問われます。

具体的には、複雑な金融商品を扱うために不可欠な、物事を論理的に考え分かりやすく伝える「ロジカルさ」や、金融機関の根幹である信用を担う人材としての高い倫理観と「誠実性」が重視されます。

また、即戦力として具体的な成果を上げられるプロフェッショナルであるかという「専門性」も厳しく評価されるポイントです。

 

 

(*6)参照元：就職四季報プラスワン｜東洋経済オンライン（2025年2月15日掲載）
(*7)参照元：キャリア採用 募集内容｜三菱UFJ銀行（2025年12月時点）
(*8)参照元：金融業界への転職ガイド｜未経験から年収アップまで、転職成功のコツと求人情報を徹底解説 | 大手企業に強いハイクラス転職エージェント【シンシアード】

三菱UFJ銀行の働き方・福利厚生・制度は？【働きやすさを解説】

「銀行は激務」というイメージを持たれがちですが、三菱UFJ銀行では「スマートワーク@MUFG」を掲げ、働き方改革が大きく進んでいます。(*9)

ワークライフバランスの特徴

OpenWorkのデータによると、三菱UFJ銀行の法令順守意識スコアは4.9と極めて高く、サービス残業などは許されない厳格な労務管理が徹底されています。(*10)

 

残業時間：月平均28.4時間
全業界平均と比較しても標準的であり、過度な長時間労働は抑制されています。

 

有給休暇消化率：75.4%
非常に高い水準。スポット休暇や連続休暇など、計画的な休暇取得が推奨されています。

また、柔軟な働き方として以下の勤務制度が整っています。

 

セレクト時差勤務制度
最大1.5時間前後、就業時間を調整可能。

 

在宅勤務・サテライトオフィス
場所にとらわれない働き方が定着しています。

 

「マイ・スタイル」カード
その日の退行時刻や勤務形態を周囲に宣言し、メリハリのある働き方を促進しています。

福利厚生（住宅・手当・休暇）

三菱UFJ銀行は金融業界のリーディングカンパニーとして、トップクラスの福利厚生制度を整備しています。

男性の育児休業
「Ten Plus Ten」（10日間の有給休暇+10日間の育児休業＝計20日）の取得を推奨。2020年度末までに短期育休の取得率は100%を達成しています。

 

不妊治療休暇
1時間単位での取得が可能な休暇制度を新設。

 

企業主導型保育園
都内に2園を開園し、早期復職を支援しています。

 

介護支援
セミナー開催や相談窓口の設置など、仕事と介護の両立をサポート。

 

 

(*9)参照元：柔軟な働き方｜三菱UFJ銀行（2025年12月時点）
(*10)参照元：三菱UFJ銀行「社員クチコミ」OpenWork（2025年12月時点）

FAQ｜三菱UFJ銀行への転職でよくある質問

Q1：三菱UFJ銀行に転職したら年収はどのくらいですか？

30歳前後で600万〜800万円、順調に昇格すれば30代半ば〜40歳で1,000万円に到達するケースが多いです。前職の年収や経験・スキルを考慮して決定されます。

Q2：三菱UFJ銀行の転職は難しいですか？

三菱UFJ銀行への転職は難しいです。人気企業であり、求められるスキルレベルも高いため、十分な対策が必要です。ただし、採用数は増加傾向にあるため、しっかり対策すればチャンスは広がっています。

Q3：三菱UFJ銀行の転職面接の通過率は？

公表はされていませんが、書類選考から内定までのトータル通過率は数％程度と想定されます。特に書類選考での足切りが多い傾向にあります。

Q4：三菱UFJ銀行の中途採用の倍率は？

職種によりますが、数十倍〜数百倍になることもあります。特に企画職や都心部の人気エリアの求人は高倍率になります。

Q5：三菱UFJ銀行へ転職するために必要なスキルは？

職種ごとの専門スキル（営業力、ITスキル、金融知識など）に加え、「論理的思考力」「誠実さ」「顧客志向」「変革への意欲」といったコンピテンシーが重視されます。

三菱UFJ銀行へ転職を成功させるためのポイント

金融業界の転職市場は活況であり、求人倍率も上昇傾向にありますが、三菱UFJ銀行への転職を成功させるには、単なる「経験」以上の戦略的なアピールが必要です。

職種別の転職成功のコツ

求められるスキルセットは職種により異なりますが、共通して「高度な専門性」と「成果の再現性」が問われます。

 

＜法人営業（コンサルティング型営業へのシフト）＞
従来の「商品を売る」スタイルから、顧客の潜在ニーズを把握し、長期的な関係を構築するコンサルティング型営業への移行が進んでいます。

単なる融資実績だけでなく、M&Aや事業承継など、顧客の経営課題を深く理解し、解決に導いたプロセスと数字での成果（提案力・課題解決力）をアピールすることが重要です。

 

 

＜企画職（論理と専門性の融合）＞
経営企画やリスク管理などの企画職では、複雑な課題を整理し、経営層に対して論理的に説明できる能力が求められます。

プロジェクトをリードした経験や、全社視点での改善実績に加え、特定の領域（法務、財務、リスク等）における深い専門知識をセットでアピールしましょう。

 

 

＜IT/DX職（技術力×ビジネス視点）＞

金融業界全体でデジタル化が加速しており、ITスキルやデータ分析力を持つ人材は引く手あまたです。しかし三菱UFJ銀行では、単に技術があるだけでなく、その技術を使って「銀行業務をどう変革できるか」というビジネス視点が求められます。

PM/PMOとしての大規模プロジェクト経験や、セキュリティ、クラウドなどの特定技術における高い専門性が評価されます。

面接で重視されるポイント

面接では、スキルマッチ以上に「人物面」と「志望度の高さ」が深掘りされます。

 

＜「なぜMUFGなのか」の解像度を高める＞
「なぜ銀行か」「なぜメガバンクか」だけでなく、「なぜMUFGでなければならないのか」を、自身のキャリアビジョンとMUFGの事業戦略（パーパス「世界が進むチカラになる。」など）を絡めて論理的に説明する必要があります。

 

＜専門性と安定志向のバランス＞
スペシャリストとしての鋭い視点を持ちつつ、巨大組織の一員として周囲と協調できるバランス感覚も見られています。変革を推進する気概と、金融機関としての規律・誠実さを兼ね備えていることをアピールしましょう。

まとめ｜三菱UFJ銀行の転職は準備次第で成功率が大きく変わる

三菱UFJ銀行は、中途採用比率を約5割まで引き上げ、多様な人材を求めています。

 

年収や福利厚生は国内最高水準であり、キャリアの箔をつける意味でも非常に魅力的な転職先です。

 

しかし、その分人気も高く選考は狭き門です。「何となく受けてみる」では通過できません。

 

自身の経験の棚卸しに加え、銀行が求める人物像に合わせたアピールポイントの整理、非公開求人を含めた情報収集も重要です。

 

sincereedのようなハイクラス転職エージェントを活用すれば、過去の通過者の事例に基づいた面接対策や、一般には出ていないポジションの紹介が受けられることもあります。

 

プロのサポートを借りて、万全の状態で選考に臨みましょう。

 

 

転職のプロが解説する、三菱UFJ銀行の中途採用ビデオも以下からご覧ください。