
島津製作所の気になる働き方や制度は?
島津製作所は、分析計測機器、医用機器、航空・産業機器を手がける日本の大手精密機器メーカーです。1875年に創業し、「科学技術で社会に貢献する」という理念のもと、最先端の技術開発を続けています。特に、質量分析装置やX線診断装置などの分野で世界的に高い評価を受けており、医療、環境、エネルギー、食品安全など多岐にわたる分野で活躍しています。
島津製作所では、仕事の質的な向上を目指すとともに、社員のワークライフバランスに配慮し、自主性に沿った柔軟な働き方を推進しています。また、社員一人ひとりの自律的なキャリア成長を支援する機会・制度を提供しています。
本記事では、島津製作所の働き方に焦点を当て、その魅力と課題を多角的に探ります。企業理解の一つとして参考にしていただければ幸いです。
※記事の内容には弊社の見解を含みます。
島津製作所の働き方改革
島津製作所は、急速に進化するAI、IoT、ロボティクスなどの最先端技術の波に対応し、「新たな価値を生み出す力」を高める必要性を認識しています。この目標を達成するため、同社は「個人のスキルアップ」と「組織の生産性向上」を両輪とした「働き方改革」を全社的に推進しています。
個人のスキルアップ
グローバルな視点で多様な能力を発揮できる人材の育成・確保を目指し、社員一人ひとりのスキルアップを支援する仕組みを強化しています。具体的には、eラーニングの導入や「スキルアップ・デー」の設定など、自己啓発の機会を提供しています。
組織の生産性向上
既存の制度や業務プロセスの見直しに加え、AI、IoT、ロボティクスなどの最新技術を積極的に取り入れた業務変革に取り組んでいます。これにより、業務効率の向上と新たな価値創出を目指しています。
これらの「働き方改革」を通じて、島津製作所は「新たな価値を生み出す」という目標に向かい、社員一人ひとりが生き生きと働ける環境を整え、「個人」と「組織」が調和し一体となって活躍できる職場への進化を目指しています。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/diversity/workstyle/(2025年2月時点)
島津製作所の柔軟な働き方の推進
島津製作所では、社員の自主性に沿った柔軟な働き方を推進するため、以下の制度を導入しています。
フレックスタイム制度
技術部門を皮切りに、2017年9月には海外営業関連部門、2018年9月には一般管理部門、2020年10月には国内営業部門へと適用範囲を拡大しました。
リフレッシュデー
2017年1月から、週に1度のノー残業デーを週3日(月・水・金)に拡大し、各曜日に「スキルアップ・デー」「ヘルスケア・デー」「コミュニケーション・デー」といったテーマを設定しています。
1時間単位の有給休暇制度
2017年12月に導入し、社員が柔軟に休暇を取得できるようにしています。
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テレワーク勤務制度
育児・介護を行う社員向けの在宅勤務制度を整備し、全社員に適用範囲を拡大して本格導入しました。この取り組みが評価され、2020年度には総務省の「テレワーク先駆者百選」に選定されています。
これらの施策を通じて、島津製作所は社員が生き生きと働ける環境を整え、個人と組織が一体となって新たな価値を創出する職場づくりを目指しています。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/sustainability/social/hr/work_style.html(2025年2月時点)
島津製作所の育児・介護両立支援
島津製作所は、社員が育児や介護と仕事を両立できるよう、さまざまな支援制度を導入しています。これらの取り組みは、社員一人ひとりが安心して働ける環境を整えることを目的としています。
育児支援制度
育児休業制度
法定の育児休業期間に加え、独自の延長制度を設け、子供が保育園に入所できるまで柔軟に休業を取得できるよう配慮しています。
短時間勤務制度
育児中の社員が勤務時間を短縮できる制度を導入し、子供の成長段階に応じて柔軟な働き方を選択できるようにしています。法定では小学校の始期までのところ、小学校3年修了まで利用可能としています。
介護支援制度
介護休職制度
家族の介護が必要な場合、一定期間の休業を取得できる制度を設け、社員が介護と仕事を両立できるよう支援しています。法定では93日のところ、1年間取得可能です。
短時間勤務制度
介護中の社員が勤務時間を短縮できるようにし、介護と仕事のバランスを取りやすくしています。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/sustainability/social/hr/work_style.html(2025年2月時点)
島津製作所の休日・休暇
島津製作所は、社員のワークライフバランスを重視し、充実した休日・休暇制度を整えています。同社の年間休日は126日(2023年度実績)で、以下のような休暇制度が設けられています。
完全週休2日制
毎週土曜日と日曜日が休みとなります。
祝日
国民の祝日が休暇日として設定されています。
ゴールデンウィーク(GW)
春季の連休期間中にまとまった休暇が取得できます。
夏季休暇
夏季に一定期間の休暇が設けられています。
年末年始休暇
年末から新年にかけての休暇が設定されています。
年次有給休暇
初年度は18日、2年目以降は21日が付与されます。
リフレッシュ休暇
心身のリフレッシュを目的とした特別休暇が用意されています。
特別有給休暇
慶弔時など、特別な事情に応じて取得できる有給休暇です。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/aboutus/recruit/career/condition.html(2025年2月時点)
島津製作所の仕事の効率化
島津製作所は、業務効率化と生産性向上を目指し、全社的にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入を推進しています。各部門の担当者向けに社内講習会を開催し、PCによる定型事務作業の自動化を進めています。その結果、2019年3月末時点で300以上のRPAが導入され、年間約56,000時間相当の業務を自動化しています。
さらに、社内のパソコン相談窓口業務にはAIを活用したデジタルアシスタントを導入し、社員からの質問への回答精度を向上させています。この取り組みは、他の業務における問い合わせ対応への展開も進められています。
また、検索時間の短縮やデータ共有を目的とした書類のペーパーレス化、業務効率化のためのオフィスレイアウトの改善など、多角的な施策にも取り組んでいます。
関連会社であるSPT社では、従来、熟練作業者が経験に基づいて生産計画を立案し、生産予定台数を手入力していました。しかし、IoTを活用した生産計画の自動作成や、RPAによるデータ入力の導入により、担当者の作業時間を削減し、業務効率の改善に成功しています。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/sustainability/social/hr/work_style.html(2025年2月時点)
島津製作所の多様なキャリアをサポートする制度
島津製作所は、社員一人ひとりの多様なキャリア形成を支援するため、さまざまな制度を整えています。これらの取り組みは、社員のスキルアップやキャリアパスの多様化を促進し、個人と組織の成長を両立させることを目的としています。
多様なキャリアパス
島津製作所では、毎年実施する自己申告制度を通じて、従業員の要望を異動や勤務地に反映する仕組みを設けているほか、一般職から総合職への転換制度や配偶者転勤による退職をなくすための休職制度を導入しています。また、非正規社員から正規社員、派遣社員から直接雇用の転換も実施しています。
キャリア形成を考える取り組み
社員の多様なキャリア形成を支援するために、公募型の海外現場研修、大学・大学院への進学や留学の支援、自己啓発のプログラムを設けています。
副業・兼業を可能とする制度
社外経験による従業員のスキルアップ促進や新たなネットワーク獲得によるイノベーションの創造、および多様な働き方による社内活性化を目的として、副業・兼業を可能とする制度を制定しています。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/diversity/workstyle/(2025年2月時点)
島津製作所へ転職するために抑えておきたい基本ポイント
島津製作所への転職をお考えの方へ、抑えておきたいポイントをまとめてご紹介します。
会社概要
商号 | 島津製作所株式会社
(SHIMADZU CORPORATION) |
本社所在地 | 〒604-8511
京都市中京区西ノ京桑原町1番地 |
代表者 | 山本 靖則 |
創業 | 明治8(1875)年3月 |
設立 | 大正6(1917)年9月 |
資本金 | 26,648百万円 |
グループ従業員 | 14,219名(2024年3月31日現在) |
出典:https://www.shimadzu.co.jp/aboutus/company/profile.html(2025年2月時点)
事業内容
島津製作所は、1875年の創業以来、精密機器メーカーとして成長を続けており、現在では 分析計測機器、医用機器、産業機器、航空機器の4つの主要事業を展開しています。それぞれの事業は、科学技術を活かした最先端のソリューションを提供し、医療・環境・産業分野の発展に貢献しています。
分析計測機器
見えないものを見る、測れないものを測り、暮らしの安心・安全や、産業の発展に貢献する。島津製作所の主力事業であり、化学、製薬、食品、環境、エネルギーなどの幅広い分野で活用されています。
医用機器
画像処理技術を活かした医用機器により、早期発見・早期治療に貢献する。病院・医療機関向けの診断機器を開発し、低侵襲医療や診断精度向上に貢献しています。
産業機器
お客さまの“実現不可能”を”可能”に変え、産業の発展を実現する。精密機器の技術を応用し、自動車・電子機器向けの製品を開発しています。
航空機器
さまざまな航空機器の提供により搭乗者の「安全、快適、負荷軽減」を実現する。航空機の油圧機器や制御装置を開発し、国内外の航空機メーカーに供給しています。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/aboutus/recruit/graduate/company.html(2025年2月時点)
島津製作所の企業理念、行動方針
島津製作所の企業理念は、単に事業活動の指針としてだけでなく、企業の存在意義を明確に示すものとして機能しています。選考においても、候補者がマッチするかを図る指標となるため、しっかり抑えておきましょう。
社是
科学技術で社会に貢献する
経営理念
「人と地球の健康」への願いを実現する
行動原則と行動基準
1.”人と地球の健康”への貢献
(1)人の健康への貢献
私たちは、創業時より受け継ぐ従業員の健康増進への思いと共に最先端の科学技術とサービスの提供を通じて、従業員と社会全体の健康づくりと事業の発展を推進します。
(2)地球環境の保全
私たちは、環境問題への取り組みが自らの企業の存在に関わる重要な課題であることを認識し、地球環境の保全と人類の健康に貢献するため、自主的、積極的に行動します。
2.人権の尊重
私たちは、個人の人権を尊重し、人種・性別・言語・国籍・宗教・身体的ハンディキャップ・信条その他の理由により差別することはしません。また、全ての従業員の人権を尊重し、多様性(ダイバーシティ)を認め合い、従業員一人ひとりが創造性と個性を発揮し、生き生きと自己実現を図るとともに、会社にとっても高い貢献をし続けることができる職場環境の維持に努めます。
3.産業と社会への貢献
私たちは、長期的かつグローバルな視野に立ち、独創的な技術の開発により社会が真に求める製品・サービスを、優れた品質と適正な価格で適時に世界中へと提供し、事業を通じて社会に貢献します。また、社会との協調・融和に努め、社会的責任を遂行します。
4.企業統治
(1)公正・透明な行動
私たちは、世界各国に展開する事業活動や個人の生活において、法令およびその他の社会規範を遵守し、公明かつ公正に行動します。
(2)ステークホルダーとの関係維持・構築
私たちは、顧客・株主・取引先・従業員・地域社会などのステークホルダー(利害関係者)との信頼関係を維持・構築します。そのために相互に有益な情報を適宜・適切にわかりやすく開示し、円滑な双方向のコミュニケーションに役立てます。社外から得られた意見や期待などは、速やかに検討し、適宜事業活動に反映させます。
出典:https://www.shimadzu.co.jp/aboutus/company/actpln.html(2025年2月時点)