
IHIの会社情報
IHIは長い歴史を持つ日本を代表する大手企業であり、エンジニアリングや製造技術の分野で高い評価を得ています。航空エンジンやLNGプラント、橋梁建設などの最先端プロジェクトに携われるため、技術者にとってはやりがいのある環境です。また、国内外の大規模案件に携わる機会が多いため、グローバルに活躍したい方にとっても魅力的な企業といえます。
ここでは、同社への転職をお考えの方に、IHIの全体像をご紹介していきます。企業理解の一つとして参考にしていただければ幸いです。
株式会社IHIへの転職で押さえておくべき会社情報
株式会社IHIへの転職において、まずは押さえておくべき会社情報として、会社概要と企業理念を紹介します。
会社概要
会社名 | 株式会社IHI / IHI Corporation |
代表者 | 代表取締役社長 井手 博 |
事業内容 | 「資源・エネルギー・環境」「社会基盤・海洋」「産業システム・汎用機械」「航空・宇宙・防衛」の4つの事業を展開 |
本社所在地 | 〒135-8710
東京都江東区豊洲三丁目1-1 豊洲IHIビル |
拠点 | 国内29拠点、海外事業開発拠点23拠点 |
従業員数 | 28,237名(2024年3月末) |
売上高 | 13,225億円(2024年3月期) |
出典:https://www.ihi.co.jp/company/outline/(2025/01時点)
グループビジョン
1. IHIグループの目指す姿
21世紀の環境、エネルギー、産業・社会基盤における諸問題を、ものづくり技術を中核とするエンジニアリング力によって解決し、地球と人類に豊かさと安全・安心を提供するグローバルな企業グループとなる。
2. IHIグループの事業領域
- 資源・エネルギー・環境
- 社会基盤
- 産業システム・汎用機械
- 航空・宇宙・防衛
3. 各事業領域の目指す姿
資源・エネルギー・環境
資源・エネルギー動向をふまえたエネルギー関連分野等の開発・製造・貯蔵・輸送システム、環境負荷低減・省エネに貢献するための化石燃料および新エネルギーの燃焼・利用システムならびに原子力発電のためのキーハードを、独自技術に基づいて提供する。
主要製品:発電用ボイラ、原子力機器、貯蔵プラント(LNG/LPG)、天然ガスプロセス設備、ガスタービン発電設備、ガスエンジンなど
社会基盤
国家・国土・社会の発展、海洋開発への貢献、安全・安心の実現のため、設計からアフターサービスに至る全ての機能または主要部分に強みを有する製品・システムを提供する。
主要製品:橋梁、水門、交通システム、シールド掘進機、コンクリート建材など
産業システム・汎用機械
お客さまの生産プロセスの全体、または中核部分を担う産業システムを提供する。特に生産プロセスのモデルが未だ確立していない産業分野、生産プロセスの不断の改善が必要とされる産業分野を目指す。
主要製品:物流システム、運搬機械、パーキングシステム、製鉄機械、産業機械、車両過給機、圧縮機、舶用過給機、熱・表面処理、農業機械など
航空・宇宙・防衛
ものづくり技術の高度化をはかり、航空エンジン事業において主導的地位を確保するとともに、宇宙開発事業においては推進系技術を中核として産業化を確立する。
主要製品:ジェットエンジン、ロケットシステム、防衛機器など
4. 社員にとってのIHIグループ
IHIグループは、ものづくり技術を中核とするエンジニアリング力で社会に貢献するというビジョンを共有する集団である。
IHIグループの社員は、事業を超えて情熱・知識・スキルを共有する。
5. 社員が目指す姿
IHIグループの社員は、お客様の価値創造のため、「グローバル」「ものづくり技術・エンジニアリング力」「世界に通用する業務品質」の視点で卓越した能力を持つプロフェッショナルとなる。
出典:https://www.ihi.co.jp/company/philosophy/(2025/01時点)
株式会社IHIの事業内容
株式会社IHIは、170年以上の歴史を持ち、造船技術を基盤に多角的な事業を展開してきた総合エンジニアリング企業です。現在では「資源・エネルギー・環境」「社会基盤」「産業システム・汎用機械」「航空・宇宙・防衛」の4つの分野を軸に、多岐にわたる製品・サービスを提供しています。以下、それぞれの分野について詳しくご紹介します。
資源・エネルギー・環境
IHIは地球環境保護を重視し、脱CO₂や循環型社会の実現に貢献しています。
主な取り組みは以下のとおりです:
- カーボンソリューション
高効率ボイラやCO₂回収技術を通じて低炭素化を推進。アンモニア燃焼技術の社会実装にも取り組んでいます。 - ガスタービン・エンジン
高効率・高信頼性の発電設備を国内外に提供し、低排出型エンジンで環境負荷を軽減。 - 原子力分野
原子力発電設備の耐震対策や廃炉プロジェクトにも積極的に参加。
具体例として、福島県相馬市での「そうまIHIグリーンエネルギーセンター」は、500世帯分の電力を地域内で供給し、エネルギーの地産地消を実現しています。
社会基盤
IHIは社会インフラの長寿命化と安全性向上に寄与する技術を提供しています。
主要な取り組みは以下の通りです:
- 橋梁・水門
明石海峡大橋やトルコのオスマン・ガーズィー橋など、国内外で実績を重ねています。 - シールド掘進機
世界最大級のトンネル掘削機を開発し、効率的なトンネル建設をサポート。 - 交通システム
地域交通を支える軽快ディーゼル動車や超低床式路面電車を提供。
これらの事業は、安全で快適な社会の実現に貢献しています。
産業システム・汎用機械
IHIの技術は産業インフラの発展を支えています。
注目すべき取り組みは以下のとおりです:
- 物流システム
AIを活用した省人化システムを開発し、効率的な荷下ろし作業を実現。 - パーキング
日本初のタワーパーキングを開発し、全国170以上のサービス拠点で保守・点検を実施。 - 過給機
自動車用過給機を1億台以上生産し、グローバル市場で高いシェアを誇ります。
航空・宇宙・防衛
IHIは最先端の技術で空と宇宙、防衛分野を支えています。
- 航空エンジン
日本のジェットエンジン生産の約7割を担い、民間・防衛両分野で活躍。 - ロケットシステム
ロケットエンジンの心臓部であるターボポンプの開発や、宇宙ステーションの建設に参画。 - 航空管制
震災時の緊急対応システムで安全な空の交通をサポート。
IHIはこれら4分野を通じて、技術革新を追求しながら社会課題の解決に取り組んでいます。環境配慮型技術やグローバル展開を進める同社は、キャリア転職者にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。
出典:https://www.ihi.co.jp/company/business/(2025/01時点)
株式会社IHIの技術開発
IHIは、江戸時代から培ってきた技術を礎に、社会に新しい選択肢を提供するための技術開発に取り組んでいます。今日の複雑化する社会課題に対応するため、未来を見据えた技術革新を進め、多様なパートナーと協力しながら新たな価値を創出しています。
社会に必要とされる技術の提供
社会環境の変化や環境問題への対応が求められる中、IHIは以下のような取り組みを通じて、継続的に価値を提供しています:
- 柔軟な技術開発 社会環境の変化や法制度の改正に対応し、お客様のユースケースに基づく技術を迅速に社会実装。これにより、新たなニーズやデータを活用した事業展開を目指しています。
- カーボンニュートラル社会の実現 排ガスや大気中のCO2を回収し、水素と反応させて合成メタン(e-methane)を製造するメタネーション技術や、SAF(Sustainable Aviation Fuel)の合成技術を開発。 また、CO2を排出しないアンモニアを燃料とする発電技術も進めています。
基盤技術の進化
IHIは、これまでの技術を高度化すると同時に、以下の革新的な技術開発に注力しています。
- 電動化関連技術
- 大出力モータなどの回転機械技術
- 冷却性能評価などのシミュレーション技術
- 新素材・先進生産技術
- CMCやFRPなどの複合材料
- 3Dプリンターを活用した積層造形技術
- 検査や溶接技術
- エネルギー関連技術
- バイオマスやアンモニアを活用した燃焼技術
- 表面処理技術
- 触媒応用技術
デジタル技術を活用した開発プロセスの高度化
IHIは、開発スピードを加速させるため、デジタル技術を積極的に導入しています。
- モデルベース開発の活用 技術開発初期段階で多様なシミュレーションを実施し、ボトルネックを解消。
- 試作の効率化 実証試験の多くをシミュレーションに代替し、スケールアップを効率的に進行。開発期間の短縮と技術の早期実用化を実現。
パートナーとの共創
IHIは、国内外の企業や大学、研究機関と連携し、新しい価値を創出しています。
- 共創の場(例)
- IHI-ISCE2 Sustainable Innovation Centre(シンガポール)
- IHI×東北大学アンモニアバリューチェーン共創研究所
- グローバル技術拠点
- 各地で先進技術を探索し、共創活動を推進。
オープンイノベーションの推進
IHIは、オープンイノベーションの取り組みとして以下の施設を設立しています。
- IHIつなぐラボ 技術や製品展示を通じてお客様と課題を共有し、共創パートナーづくりを推進。
- Ignition Base(i-Base) 試作やプロジェクトブースを活用し、デザイン思考を取り入れながら新しいアイデアを早期事業化。
IHIの技術開発は、社会課題に応じた柔軟なアプローチと共創を基盤としています。これにより、持続可能な社会に向けた技術革新を推進し、未来の可能性を切り拓くことを目指しています。
出典:https://www.ihi.co.jp/technology/technology_policy/(2025/01時点)
株式会社IHIへの転職をお考えの方へ
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