

エムスリーへのエンジニア転職は?選考・文化・環境を徹底解説
医療×ITという成長著しい領域において、圧倒的なスピードで進化を遂げているのがエムスリー株式会社です。医療業界に存在する数多くの非効率を、テクノロジーの力によって解消し、医療の質と効率の向上に寄与することを目指して、同社では日々多種多様なプロダクトの企画・開発・運用が行われています。エムスリーのミッションは、「テクノロジーで医療を変える」というシンプルかつ力強いものであり、その実現に向けてエンジニアたちは日々、挑戦と改善を重ねています。
本記事では、そんなエムスリーへの転職を検討しているエンジニアの方に向けて、求められる人物像をはじめ、組織としてのカルチャーや働く環境、さらに実際の選考フローについても詳しくご紹介していきます。エムスリーで働くことにどのような魅力があるのか、どんなスキルやマインドが求められるのかといった観点から、転職を検討する上で押さえておきたいポイントを丁寧に解説します。
※本記事は2025年6月に掲載されました。
※記事中の情報は掲載時点でのWeb情報の公開情報を元に弊社が編集・掲載したものであり、企業の公式見解ではありません。
※組織の詳細や制度等は大きく変更になる可能性があります。ご転職を検討の際は、公式HP等で最新の情報をご確認ください。
プロダクトユニットごとの求める人材像
エムスリーのエンジニアリング組織は、複数のプロダクトユニットに分かれており、それぞれのユニットごとに異なる技術スタックや事業ミッションを持っています。プロダクトの性質やフェーズに応じて、求めるエンジニア像も異なる点が特徴です。
デジカルチーム
- 業務内容
- クラウド電子カルテ「エムスリーデジカル」の開発
- クラウド電子カルテNo.1として現在3,000を超える医療機関に使われており、数年内に数万のレベルにまで伸ばしていく計画です。この規模でしか扱えない以下のようなチャレンジがあります
- 医師の診療をより楽にするための新機能の開発
- 利用施設の増加、診療報酬請求期間の負荷ピーク等に耐えるインフラの安定運用と継続改善
- カスタマーサポートとの協力、他社からのデータ移行支援など、顧客不安を最小化するためのエンジニアリング
- 歓迎スキル
- Ruby on Railsでの大規模アプリケーション開発経験
- React / TypeScript を用いたフロントエンド開発経験
- AWS・GCP等クラウドを用いたWebサービスの開発経験
- Infrastructure as a Code を用いたインフラ管理の経験
- CI/CDの整備、運用自動化等の経験
- 求める人物像
- サービスの成長に合わせ、新技術や継続的な改善を取り入れることを厭わない方
- データに基づいてより良い機能やサービスのあり方を検討・判断できる方
プロダクト支援チーム
- 業務内容
- 「デジスマ診療」開発
- 医療機関の受付・会計業務をより楽に、患者の診療体験をよりスマートにする、新機能の設計、実装
- プロダクト支援単体の新規プロダクトあるいは、別チーム/会社に落下傘することで立ち上げ期、成長期のプロダクトに参加できます
- 10x, 100xの成長に耐えられるような、アーキテクチャ設計、データ設計
- 機能増に耐えられるマイクロサービスの責務設計
- 多様なユーザー層を持つ患者向けアプリ、WebサイトのUI/UX設計
- 「デジスマ診療」開発
- 歓迎スキル
- Kotlin、Typescript、Dartいずれかでの開発経験
- 高トラフィックあるいは成長期のC向けプロダクトの開発・運用経験
- AWSのマネージドサービスを活用したサーバーレスシステムの設計・開発・運用経験
- マイクロサービスの設計・開発の経験 (責務設計、分散トランザクション、イベント駆動等に興味のある人)
- 求める人物像
- 新しい技術が好きな人、定期的に知識をアップデートしている人
- 特定の技術にこだわらない人、ボールを拾うためにコンフォートゾーンから出られる人
Unit1: MR君
- 業務内容
- Kotlin, Java, Go などを用いた「 MR君」「Web講演会」および関連サービスの開発・運用
- AWS, Terraform 等を用いたサービスの安定稼働を支えるインフラの設計・開発・運用
- 「MR君」「Web講演会」および関連サービスの社内外向けデータ基盤の設計・構築・運用
- 利益の中核を占めるMR君ファミリーの機能開発を通じた大きな事業インパクトの創出
- 中核サービスの継続的な性能改善(システム負荷やビジネス要件の変化にあわせたリアーキテクチャ、クラウド移行、新技術導入等)
- 歓迎スキル
- Webアプリケーションのサーバーサイド開発運用経験 (Python, Java, Kotlin, Scala 等のうちいずれか)
- 要件をヒアリングし、まとめる能力と経験
- データを活用したシステム構築・ビジネス創出経験
- ミッションクリティカルサービスのマイグレーション経験
- 求める人物像
- ビジネス視点と技術視点を持ち合わせ、バランスをとった意思決定ができる方
- 多様なステークホルダーと協調して改革を進められる方 (く・しゃ・み の み)
- 事業や開発を支える基盤づくりに対する意欲
Unit4: m3.com
- 業務内容
- 医療従事者向けのポータルサイト m3.com の開発・運用
- サイトプロモーションのためのデータ利活用環境の整備
- 既存システムのクラウド移行(オンプレ -> ECS Fargate, bash + cron -> Lambda + EventBridge, Oracle -> Aurora など)
- 既存プロダクトのモダナイズを積極的に行っており、最新技術・サービスの選定・導入を主導いただけます
- 新規サービス開発では、企画段階からエンジニアが参画します。PdM/デザイナ/QAと共に、技術・ビジネスの両視点からサービス立ち上げを経験することができます
- 歓迎スキル
- Webサービスの開発経験 Java, Kotlin, Scala, Python, Go, Ruby, JS いずれか
- Webサービスの運用経験
- DevOps環境構築
- IaC(Terraform, Ansible)
- アプリケーションインフラの基礎知識
- ubuntu, docker, apache, nginx
- 求める人物像
- 技術が好きな方、定期的に新規技術に関する知識を取り入れている方
- 特定の領域に拘らず、自主的に落ちているボールを拾える方
- 技術だけでなく、ビジネス視点を持って意思決定ができる方
SREチーム
- 業務内容
- エムスリー全てのサービスが走るオンプレおよびクラウドインフラの開発/運用
- オンプレで走る各サービスのクラウド化支援
- SLI / SLOの設定と運用/改善支援
- DBリファクタリングなどを伴うモノリスアプリケーションのマイクロサービス化/クラウド化支援
- ビジネスチームと共に各サービスのSLI/SLOを設計し、サービスレベルの安定・向上を目指す
- AWS/GCPなどのパブリッククラウド + オンプレのWebインフラの深い知識の習得
- 歓迎スキル
- Webインフラの構築経験
- AWS/GCPの利用経験
- Terraform/Ansibleなどの構成管理ツールの利用経験
- CI/CDや各種定形処理の自動化経験
- Prometheus、Kibanaなどのモニタリング構築/ツール利用経験
- セキュリティの知識
- 求める人物像
- 関係者が多数のチームに渡るため、運用改善のためにチーム内外に働きかけて建設的に物事を進めることができる人
- 技術が好きな人
マルチデバイスチーム
- 業務内容
- 長年運用しているアプリのモダンな設計へのリファクタ
- 新規アプリ開発
- サーバサイド API の Java から Kotlin への書き換え
- アプリ開発およびサーバサイド開発
- 医療従事者向けポータルサイト m3.com スマホアプリ開発(iOS/Android)
- Web 講演会アプリ開発(iOS/Android)
- m3.com CAREER アプリ開発(Flutter)
- 各アプリが叩く API の設計/開発
- Push 配信システムの開発
- 歓迎スキル
- Flutter でのアプリ開発の経験
- フルスクラッチでのアプリ開発の経験
- 長く運用されているアプリのリファクタリング経験
- AWS を用いた Web サービスの開発の経験
- CI/CDの整備や運用の自動化等の経験
- 求める人物像
- スマホアプリやその開発が大好きな人
- 新しい技術が好きな人、定期的に知識をアップデートしている人
- アプリ改善の施策を行うのが好きな人
- 技術者としてのこだわりを持ちつつも、全体のバランスを考え柔軟に動ける人(横断チームのため、チーム内外の エンジニア/PdM/デザイナ/QA とやり取りする機会が多い)
基盤チーム
- 業務内容
- ポイント関連サービス・認証サービスのアーキテクチャ見直し(Oracle 脱却)
- メール配信の可用性向上
- 他チームのクラウド移行支援
- 短期的な売上や利益に左右されない改善活動
- 自チーム内にとどまらない会社大の課題への取り組み
- ミッションクリティカルなサービスの運用
- アプリケーションからインフラまで一気通貫の開発運用
- メガWeb講演会など高負荷時の性能改善・サービス安定化
- レガシーサービスのアーキテクチャ見直し
- 歓迎スキル
- 可用性、性能、セキュリティなど非機能要件への対応経験
- AWS、GCPなどでの開発経験
- レガシーサービスの開発・改善経験
- 求める人物像
- く・しゃ・み(特に社長意識)を持っている方
- 理想と現実の両方を考えて橋渡しできる方
QAチーム
- 業務内容
- 自動テスト拡充
- mabl を用いた各種リグレッションテストの自動テスト構築
- reg-suit を用いた VRT の拡充
- selenium 資産のアップデート、Playwright への置き換え
- テストプロセス改善
- 探索的テストの導入とテストケース管理の両立
- 非効率テストプロセスの明確化と改善
- 各事業チームと協調して以下の活動を実施
- 主にシステムテスト以降のテスト
- 上流工程からのレビューや品質保証活動
- プロダクトライフサイクル全体のテスト・開発プロセス改善
- 自動テスト拡充
- 歓迎スキル
- テストプロセスまたは開発プロセスの改善経験
- リーダー経験 (メンバーのマネジメント、チームの運営など)
- 品質マネジメントシステムの知識
- ユーザビリティに関する知識
- E2Eテスト自動化経験、開発経験
- 求める人物像
- サービス品質を上げるために率先して考え、行動できる方
- プロジェクト全体を俯瞰して見ることが好きな方、状況把握を積極的にできる方
- テスト技術、開発技術が好きな方
参照:https://speakerdeck.com/m3_engineering/introduction-of-m3-engineering-group-2022(2025年6月時点)
HRBP制度による組織づくりと成長支援
エムスリーでは、エンジニアの成長支援と最適な組織づくりを目的として、HRBP(Human Resource Business Partner)制度を導入しています。これは単なる人事機能ではなく、事業部と密に連携してチームと個人の成果を最大化する仕組みです。
採用活動の最適化
HRBPがプロダクトマネージャーやTechリードとともに採用要件を設計。選考基準の明確化やターゲット人材像の擦り合わせを行い、採用の精度を高めています。
配属・アサインメントの最適化
採用後は、個々のスキルやキャリア志向を踏まえてプロダクト配属を決定。エンジニアがモチベーション高く働ける環境を整えることを重視しています。
チャレンジマネジメント
中長期のキャリア支援として、個別のチャレンジ目標を設定し、定期的な振り返りを通じて支援。技術スキルだけでなく、リーダーシップやマネジメント力の成長もサポートしています。
出典:https://www.m3tech.blog/entry/introduction-of-hrbp-2022(2025年6月時点)
福利厚生・働く環境・学習支援制度
勤務体系
- 勤務時間:9:00〜17:45
- フレキシブルな働き方を推奨し、リモートワークとのハイブリッド勤務も可能
休日・休暇制度
- 完全週休2日制(土日祝)
- 年末年始休暇、慶弔休暇、産前産後休暇、育児・介護休業制度
- 有給休暇:初年度17日付与(最大24日)
福利厚生
- 各種社会保険完備:健康保険(関東ITソフトウェア健康保険)、厚生年金保険、雇用保険、労災保険
- 確定拠出年金制度
- 借上社宅制度
- 持株会制度
- 慶弔金・傷病見舞金制度
- 年次健康診断
- 健康保険組合等による各種サービスあり
<特徴的な福利厚生>
- M3 Patient Support Program®(M3PSP®)
エムスリーでは「健康で楽しく働ける社員を1人でも増やしたい」と考えており、32万超の医師ネットワーク(日本の医師の約9割)を活用し、病気になった時に最適な医療へのアクセスを提案するM3 Patient Support Program™ を、社員と家族へ提供しています。 - 「がん防災」プログラム
今や2人に1人がかかる病気であるがんは、災害と同じように「備える」ことが大切だと考えています。エムスリーでは、がんに関する正しい知識の向上と、適切な治療に導くことを目指すプログラムを提供しています。 - 遺族支援金制度
予期せぬ不幸に対するセーフティネットとして、何らかの事情により社員が死亡した場合に遺族の方を保障・支援する制度を導入しています。
学習・キャリア支援
- 社内技術勉強会(Techtalk)や輪読会の開催
- 外部カンファレンスへの参加費支援
- 技術ブログ・YouTubeチャンネルでのナレッジ共有
- 技術顧問やフェローによる技術相談の機会
- 目標面談制度(年2回の目標・評価サイクル)
- キャリアカウンセリング・メンタリングサポート
- 1on1サポート・教育サポート
- 各種勉強会開催、学会参加支援(該当部署別)
- 業務資格取得支援・公的資格関連費用支援
- 社内公募制度
エンジニアとしてスキルを磨き、長期的なキャリアを築くための環境が整備されています。
出典:https://open.talentio.com/r/1/c/m3-inc/pages/57597(2025年6月時点)
エンジニア採用の選考フローは?
エムスリーの選考フローは以下のようになっています。ポジションに応じて面接回数や、オンライン・対面など異なってきます。応募から内定までは、大体1カ月~2カ月程度となっています。
書類選考
各ポジションの採用責任者が履歴書・職務経歴書を基に判断されます。応募ポジションと親和性のある経験、スキルをアピールしましょう。専門職であればどんな業務内容を経験してきたのか、企画系であれば実績を記載するようにしましょう。
面接
面接は2~3回程度を実施予定となっており、募集ポジションの部署の部長・マネージャークラスの方との面接になります。エムスリーが求めている人材像を基に、自身の経験やエムスリーでやりたいこと、なぜエムスリーなのかを論理的に答えていきましょう。
ポジションによっては、論理的なクイズ、ケース面接を課す場合もあるため、どんな対策が必要かは転職エージェントに相談しながら進めると良いでしょう。
最終面接
最終では役員クラスの方との面接で、基本的には他面接と同じ内容になりますが、ここでも書類→面接で答えた内容と齟齬がないよう、ロジカルに答えていきましょう。最終面接前までに適性検査(SPI)の受検があります。
ポジションに応じて最終面接官は変わりますが、応募グループによっては谷村社長が登場する場合もあり、最終面接で不合格となるケースも多々ありますので要注意です。
エムスリーへのご転職をお考えの方へ
エムスリーは「医療を変える」という大きな社会課題に挑む企業であり、その中核を担うのがエンジニアリングです。事業と技術が密接に連携しており、エンジニアがビジネスインパクトを実感しながら成長できる環境が整っています。
自身の技術力を社会に役立てたい方、裁量のある環境でチャレンジしたい方にとって、エムスリーは非常に魅力的な職場です。
また、弊社sincereedだからこそわかる選考対策、さらには入社後の早期活躍方法についても多くのアドバイス、サポートが可能となっております。
エムスリーへの転職にご興味のある方は、まずは一度ご相談いただければ幸いです。