
東芝の企業概要|注目の事業領域と働きやすさをチェック!
東芝は非上場化で注目を集めて久しい企業です。人によっては、非上場化は一見不安やネガティブな感情を強く感じるかもしれません。
しかし、実は働く側にとっては「株主に左右されず、自由度が高い経営ができるようになった」という大きなメリットが存在するのです。
実際、『東芝再興計画-社会に求められる東芝のリスタート』では、「「本来東芝があるべき姿」に⽴ち戻り、世の中の変化や社会課題に技術の⼒で応え、多くの企業が直⾯する社会課題に対して、GX(Green Transformation)やDX(Digital Transformation)で社会に貢献していく会社を⽬指す」と発表されていますし、後述の口コミからも変化している様子が分かります。
GXやDX推進に興味のある方や、新たな経営戦略に関心を持つ方にはぜひ一度注目してほしい企業です。
しかし、東芝が実際にどのような事業を展開し、どのような働き方を提供しているのか、外部からは分かりにくい部分も多いでしょう。情報収集に苦労している方も少なくありません。
今回は、東芝の会社概要や企業文化、事業内容について詳しく解説していきます。東芝への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
会社概要
会社名 | 株式会社東芝(TOSHIBA CORPORATION) |
設立 | 1875年 |
本社所在地 | 東京都港区芝浦1丁目1番1号 |
資本金 | 2,014億4,900万円(2025年2月時点) |
従業員数(連結) | 105,331名(2025年2月時点) |
代表者 | 島田 太郎(代表執行役社長) |
公式サイト | https://www.global.toshiba/ |
東芝(Toshiba Corporation)は、日本を代表する総合電機メーカーの一つであり、エネルギー、社会インフラ、デジタルソリューションなど、多岐にわたる事業を展開しています。創業以来、技術革新を通じて世界中の産業や社会の発展に貢献してきました。
事業内容
東芝は大きく分けて7つの主要事業を展開しています。
エネルギーシステムソリューション
従来のメイン発電であった原子力・火力などの大型発電設備はもちろん、水力・地熱・太陽光・風力などの再生可能エネルギー発電システムなど、持続可能なエネルギー供給のための技術開発と製品提供を行っています。また、エネルギー開発そのものだけでなく、作った電気を家庭や産業向け施設などに届ける送配電システムや、分散型エネルギー資源を有効活用するVPP、再エネ由来の水素エネルギーシステムなど、エネルギー産業に関わる幅広い事業を展開しています。
インフラシステムソリューション
鉄道、上下水道、道路、放送、ビル・施設管理など、公共性の高い社会インフラを支えるソリューションを提供。近年では、IoTやAIを取り入れた社会インフラシステムを構築しています。主な連携子会社は東芝インフラシステムズ株式会社です。
デジタルソリューション
IoTや人工知能(AI)などのデジタル技術を活用した事業をグローバルに展開しています。製造・小売り・金融・メディアなどの業種にフォーカスしたソリューションの提供や、人材管理などの業務にフォーカスしたソリューション、セキュリティ・ブロックチェーンの開発なども行っています。これらの開発では、東芝グループの幅広い事業領域で生まれるさまざまなデータの力を最大限に活用することで、価値あるサービスを次々に生み出しています。
電池事業
電動車向けリチウムイオン電池や産業用電池を開発・製造し、エネルギー効率の向上と持続可能な社会の実現に貢献しています。
デバイス&ストレージソリューション
半導体、HDD、SSDなどのデバイス製品を提供し、データの蓄積・活用を支援。高付加価値な製品の供給を通じて、デジタル社会の進展やGX(グリーントランスフォーメーション)社会への貢献を目指しています。
リテール&プリンティングソリューション
POSシステム、決済端末、プリンター複合機など、リテール業界向けのデジタルソリューションを展開し、店舗の効率化と顧客体験向上を支援しています。
ビルソリューション
エレベーターやエスカレーターの開発・製造・保守や照明事業を展開し、快適で安全なビル環境を実現しています。また、省エネ技術を活用したビル管理ソリューションも展開しています。
経営理念
東芝は「人と、地球の、明日のために。」を企業理念に掲げ、1875年の創業から受け継がれるベンチャースピリットを忘れず持続可能な社会の実現を目指しています。
東芝グループ理念
人と、地球と、明日のために。東芝グループは、人間尊重を基本として、豊かな価値を創造し、世界の人々の生活文化に貢献する企業集団をめざします。
私たちの存在意義
世界をよりよい場所にしたい。それが私たちの変わらない想いです。
安全で、よりクリーンな世界を。持続可能で、よりダイナミックな社会を。快適で、よりワクワクする生活を。
誰も知らない未来の姿。その可能性を発見し、結果を描き、たどり着くための解を導き出す。昨日まで想像もできなかった未来を現実のものにする。
私たち東芝グループは、培ってきた発想力と技術力を集結し、あらゆる今と、その先にあるすべての未来に立ち向かい、自分自身を、そしてお客様をも奮い立たせます。
新しい未来を始動させる。それが私たちの存在意義です。
私たちの価値観
- 誠実であり続ける
日々の活動において、人や地球に対する責任を自覚し、つねに誠実な心で行動する。 - 変革への情熱を抱く
世界をよりよく変えていく熱い情熱を持ち、そのために必要な変化を自ら起こす。 - 未来を思い描く
社会に与える価値や意義を考え、次の、さらにその先の世代のことまで見据える。 - ともに生み出す
互いに協力し合い、信頼されるパートナーとしてともに成長し、新しい未来を創る。
企業文化
東芝では特に研修制度や人材開発に力を入れており、「社員一人ひとりが活きる時に会社も活きる」との考えのもと、社員の育成を支援し、すべての社員に能力伸長と自己実現の機会を提供しています。
研修制度
OJTを基本としながらも、それを補完する各種教育プログラムが年間100講座以上存在します。海外派遣研修もあるという充実ぶりです。研修内容は新人のみならず経営幹部の教育にいたるまで網羅しており、個々のニーズとキャリア特性に対応できるプログラムがあるといえるでしょう。スキルアップするには申し分ない環境です。
人材開発
各部門が優秀な人材を広くグループ内に募集し、募集対象業務に強い意欲を持つ人材からの応募を募る「キャリアチャレンジ制度」があります。
キャリアチャレンジは、社員一人ひとりの主体的なキャリア形成を支援するとともに、能力と意欲ある人材が必要なポジションで活躍することで組織を活性化させることを目的とした制度です。
応募者は自らの意思で応募することができ、募集部門による選考に合格した場合は募集部門へ異動し新たなチャレンジをすることができます。実際にこのキャリアチャレンジでこれまで多くの異動が実現しています。
口コミ
では実際の口コミはどうなのでしょうか?弊社調べの口コミをまとめました。ただし、大企業ということもあるのか「事業所や部門によって文化や職場環境は異なるため、一概に語ることは難しい」という声も多く、あくまで参考までにご覧ください。
ポジティブ
- 昭和的な体質が残るが変わりつつある。中堅社員に大きな決済権が与えられるようになった(2025年1月、インフラ開発)
- 真面目、誠実な人柄の人が多い。インフラ製品を作る事業部は特性上『石橋を叩いて渡る』という言葉が似合う。一方、コーポレートスタッフ部門や新規事業開発に関わる部門では柔軟でアグレッシブな一面もある(2025年1月、スタッフ部門)
- 技術力は高いと思う。社員も概ね能力が高く、真面目で誠実な人が多い(2024年12月、研究開発職)
- ヒトにやさしい企業であり、従業員もヒトにやさしい傾向がある(2024年10月、営業)
ネガティブ
- 経営陣が変わって目指す姿やゴールが変わってきているはずだが、まだ変わっていないところも。良い意味でも悪い意味でも古い企業体質が残る(2025年1月、バックオフィス)
- 従業員が多いので、どうしても経営陣との距離を感じてしまう。部門の数もとにかく多いので、全体像を把握するのが難しい(2024年12月、研究開発職)
- 法令遵守の意識が高い。インフラ関係など重厚長大な製品が多い影響なのか、会社組織内での情報共有や意思決定は遅い気がする(2024年12月、研究開発職)
口コミを見ると、「真面目で誠実」「人を大切にする会社」という声が多く、人間関係で困っているという声はほとんど見られませんでした。一方で、「変わってきているがまだ古い体質も残る」など、歴史ある文化の良い部分も残しながら変革している最中であることも事実のようです。
一緒に働く人や人間関係を重視する方、「勢い < 堅実」の方が性に合っている方、これから変わっていく会社に自分も貢献していきたいという方には要チェックな企業と言えるでしょう。
福利厚生
東芝では、従業員が働きやすい環境を整えるため、以下のような福利厚生を提供しています。
ワークもライフも充実できる社員にやさしい制度
フレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入し、業務効率の向上とゆとりある生活の実現を推進しています。また、毎週水曜日は「定時退社」を実施しています。
休暇制度
一般的な完全週休2日制(土・日・祝日)や繰越可能な年次有給休暇(年間24日)の他に、時間単位年休、勤続5年ごとに支給されるステップアップ休暇、介護・看護休暇など、多彩な休暇制度があります。
子育て支援
女性の産前産後休業、育児休職、育児短時間勤務はもちろん、男性の子育てに関する休暇取得も増えてきました。また、次世代育成手当(18歳まで支給)など、育児支援制度も充実しています。
キャリアリターン制度
配偶者転勤の同伴や、介護、出産、育児などの理由で仕事と家庭の両立が困難な場合に、一度退職しても職場復帰できる仕組みです。
住宅支援制度
住宅維持管理費用および家賃の一部を補助する制度はもちろん、勤務地に応じて、地域ごとに寮・社宅が完備されています。
カフェテリアプラン(選択型福祉制度)
会社が年度初めに従業員へポイントを付与し、従業員はそのポイントを使って、あらかじめ用意されたさまざまな福利厚生のメニューの中から自分の好みに合った必要なサービスを利用することができる制度です。従業員の多様なニーズに応えます。
健康管理
各種健康診断の実施や社会保険の完備(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)など、社員の健康維持を支援しています。