トヨタ自動車の働き方は?ワークライフバランスが実現できる各種制度を紹介
トヨタ自動車はグローバルに活躍する、日本を代表する自動車メーカーです。環境問題への意識の高まりや、新しいモビリティサービスへの期待が高まる中、トヨタは数々の先端技術を開発し、未来のモビリティ社会を牽引しています。
また同社では、社員の能力が最大限に発揮できるよう、さまざまな働き方改革を推進。多様なライフスタイルにあわせた各種制度が整っており、社員が長く働き続けられる環境づくりに注力しています。
今回は、弊社sincereedの転職ノウハウの一部から、トヨタ自動車の働き方について解説します。転職活動で把握しておくべき会社情報も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
トヨタ自動車の働き方改革・事例
トヨタ自動車では働き改革を推し進め、社員が働きやすい環境を整えています。以下では、厚生労働省のHPで取り上げられている7つの事例を紹介します。
在宅勤務制度の新設
トヨタ自動車では、社員の働き方改革の一環として「Free Time and Location(FTL)」制度を導入。社員のライフスタイルにあわせた、より柔軟な働き方を推進しています。
この制度では、原則として自宅を勤務場所とし、社員は自分の裁量で仕事が進められます。ただし、勤務開始時と終了時には必ず上司にメールで報告し、その日の業務内容を専用のスケジュール管理ツールに入力することが求められます。
対象となるのは、裁量労働制やフレックスタイム制を適用している事務職や技術職の社員です。深夜勤務については、自宅勤務と出社を合わせて月10時間以内を目安としており、昼休憩は会社にいる時と同じ時間帯で取得します。また週に1回、2時間は必ず会社に出社し、チームメンバーとのコミュニケーションを図る時間とされています。
年次有給休暇取得促進の取組
トヨタ自動車の有給休暇取得日数の年間平均は、現業部門で22日、管理部門で19.5日と、業界の中でも高い水準に維持しています。
特に「3Days Vacation」と呼ばれる制度では、社員が年に一度は3連休を取得することを推奨。単に休暇を取得するだけでなく、まとまった時間でリフレッシュしたり、家族との時間を過ごしたりと、より充実した休暇を過ごせるよう配慮しています。
また同社では、有給休暇の時効を3年とし、最大60日まで保有できる制度も設けています。長期の病気や家族の介護など、突発的な事態が発生した場合でも、安心して休暇を取得できるのが特徴です。
仕事と育児の両立支援に向けた柔軟な勤務時間制度
交替制勤務を行う部署では、常1直勤務制度を導入。小学校4年生までの子どもを育てている社員が対象で、毎日6時半から15時の固定した勤務時間帯で働けます。仕事と育児を両立させたい社員でも、所属部署を異動することなく、安定した勤務時間での勤務が可能です。
勤務時間短縮制度も用意されており、子どもが2歳までの場合は1日4時間、小学校4年生までだと1日6〜7時間の勤務形態が選べます。これらの制度により、社員は育児の状況に合わせて、働き方が柔軟に選択できるようになっています。
女性の活躍推進
トヨタ自動車は、女性社員の定着と活躍を促進するため、2002年から段階的な取り組みを進めてきました。
女性の定着・活躍のための制度整備
「夫婦双方の働き方変革」を目標に、在宅勤務の拡大などを通じて、夫婦が協力して仕事と育児を両立できるような環境づくりを推進しています。
定着を進めるための制度拡充
育児環境の整備として、本社地区に2箇所、三好地区に1箇所の託児所を設置。早朝5時半から深夜2時半まで開所することで、交替勤務の社員も安心して子どもを預けられます。
育児者保護から意欲喚起、早期復帰
職場風土の改革にも力を入れており、管理職向けの研修で女性活躍に関するケーススタディを取り上げるなど、意識改革を促進。600名の管理職が「イクボス宣言」を行い、育児・介護と仕事を両立する社員が活躍できる職場づくりを目指しています。
心身の健康維持
トヨタ自動車では、社員の心身の状態に配慮した取り組みも行っています。
T-CARS(TOYOTA-Communication and Refreshment Support)
入社10年目までの若手社員を対象に、心理学専門のスタッフが心の健康に関する相談やサポートを行うプログラムです。管理職向けの心理学的研修も実施しており、部下とのコミュニケーションの改善や、職場全体の雰囲気向上を目指しています。
ココレコ。~KOKORO Record~
X(旧Twitter)のような手軽なつぶやき形式で、社員同士が気軽にコミュニケーションを取れるツールです。上司と部下間のコミュニケーション活性化を図り、社員一人ひとりの意見やアイデアを引き出すことを目的としています。
障害者雇用機会の拡充
トヨタ自動車は障がいを持つ社員の活躍を推進するため、特例子会社の「トヨタループス」を設立し、積極的に雇用を進めています。
トヨタループスでは、重度の身体障害者や精神障害者など、さまざまな障がいを持つ方が働く環境を整備。主な業務は、社内印刷や社内郵便物の受発信などですが、社員一人ひとりの能力や特性に合わせて、仕事が割り当てられています。
障がいを持つ社員が安心して働けるよう、社会福祉士や精神保健福祉士などの支援員を配置し、職場環境の整備にも力を入れています。
人材確保制度の充実
期間従業員の正社員登用制度では、1年以上勤務した期間従業員が希望し、職場から推薦された場合に、正社員登用の試験を受ける機会が与えられます。社員のモチベーション向上、企業への貢献度向上などが目的です。
また、トヨタ自動車はダイバーシティの推進にも力を入れており、以下の制度を導入しています。
トヨタ女性技術者育成基金(通称:リケジョ基金)
理系に進学する女子学生を支援し、卒業後に製造業で活躍する女性エンジニアの育成を目的としている基金です。高校への出前講座や、女子大学生への奨学金支給など、さまざまな取り組みを行っています。
プロキャリア・カムバック制度
育児や介護などで一時的に退職した社員が、再び職場に戻れるようにするための制度です。男女問わず、一定の経験を持つ社員が対象となっており、原則として復帰先は退職前の部署となります。
トヨタ自動車の職場環境
前述の働き方改革に加え、トヨタ自動車では社員が快適に仕事に取り組めるよう、快適な社内施設が整えられています。
フロア・打ち合わせスペース
職場によってはフリーアドレスが進み、その日の業務内容に応じて座席を柔軟に変えられます。メンバーが集まって打ち合わせができるよう、ディスプレイが常設されているオープンスペースも配置しています。
社員食堂
社員食堂では、栄養バランスが考慮された食事を提供しています。各事業所毎に食堂が設けられており、手ごろな価格な上にメニューも豊富です。
カフェ・売店
軽食・飲み物・お菓子など、豊富に取り揃えており、仕事の息抜きに立ち寄る社員が多いです。
だんらんスペース
休憩スペースも充実しており、リフレッシュできる環境が用意されています。カフェやマッサージスペース、談話室なども用意しており、社員が気軽に利用できます。
トヨタ自動車の働き方に関する口コミ
ここからは、トヨタ自動車での働き方に関する口コミを紹介します。
“フレックス勤務可能なため、業務をうまく調整すれば残業調整で金曜日に昼から帰宅し、しっかり休むこともできる。”
“生産技術などは、長期休暇中に工場等の設備改修・新規導入があると振替出勤で対応が必要だが、オフシーズンに休んで安く旅行に行くことができる。”
(生産技術/製造、技術職、主任/在籍10~15年/新卒入社/男性)
“主任以下の労働組合によって守られている層以下であれば、良くも悪くも強制的に時間という縛りによって守られるので、そういう意味ではワークライフバランスは非常にいい環境で働けると思う。”
(生産管理部、事技職、主任/在籍10~15年/新卒入社/男性)
“残業は年間に360時間以内には収まると思います。”
“サービス残業などもありません。基本的には土日休みです。年休も取りやすいです。(年休が40日くらいあれば必ずそれは取らせれます。)”
(製品企画、経営企画/在籍10~15年/新卒入社/男性)
上記の口コミにもあるように、トヨタ自動車では有給休暇の取得促進やフレックスタイム制の導入など、ワークライフバランスの実現に向けた取り組みが積極的に行われています。
生産技術職の社員の口コミでは、フレックスタイム制を活用して残業時間を調整し、メリハリのある働き方を実現させています。長期休暇中に発生する振替出勤についても、オフシーズンに休暇を取得することで、プライベートの時間も確保できているようです。
別の口コミでも、主任以下の社員は労働組合によって労働時間が守られているため、ワークライフバランスを実現できる環境だといえます。製品企画の社員の口コミでは、残業時間が少なく、年休も取得しやすいという点が特徴的です。
これらの口コミから、トヨタ自動車では、社員の働きやすい環境づくりに力を入れており、ワークライフバランスの実現に向けた取り組みが着実に進んでいることが伺えます。
トヨタ自動車の会社情報
最後に、トヨタ自動車の会社情報を紹介します。企業研究の際にぜひお役立てください。
会社概要
会社名 | トヨタ自動車株式会社
(TOYOTA MOTOR CORPORATION) |
代表取締役社長 | 佐藤 恒治 |
設立 | 1937年(昭和12年)8月28日 |
資本金(2024年3月末現在) | 6,354億円 |
主な事業内容 | 自動車の生産・販売 |
従業員数(2024年3月末現在) | 70,224人(連結 380,793人) |
豊田綱領
一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし
一、研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし
一、華美を戒め、質実剛健たるべし
一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし
一、神仏を尊崇し、報恩感謝の生活を為すべし
「豊田綱領」とは、豊田佐吉の考え方を、豊田利三郎・豊田喜一郎が中心となって整理し、成文化したものです。佐吉の5回目の命日にあたる1935年(昭和10年)10月30日に発表されました。トヨタグループ各社に受け継がれ、全従業員の行動指針としての役割を果たしています。
トヨタ自動車への転職をお考えの方へ
トヨタ自動車への転職は難易度が非常に高く、十分な面接対策なしでは内定獲得が難しいと言えます。
弊社sincereedだからこそわかる選考対策、さらには入社後の早期活躍方法についても多くのアドバイス、サポートが可能となっております。
トヨタ自動車への転職にご興味のある方は、まずは一度ご相談いただければ幸いです。