本田技研工業の育成・研修制度は?
本田技研工業は、日本を代表する自動車製造やモビリティサービスの企業で、1948年の設立以来、3,000万人以上の全世界の顧客に製品やサービスを提供し、生活や仕事を支えてきました。エンジン技術に強みを持ち、幅広い製品ラインである自動車、バイク、航空機などを開発・製造している同社は、近年では環境技術や電動モビリティ分野でも先進的な取り組みを進め、業界をリードしています。
同社は多角的な事業展開や最先端の研究開発を推進するために人材育成にも力を入れており、多彩な研修や育成プログラムを提供しています。同社へのご転職をお考えの方にとっては、研修環境や育成プログラムはどんなものを提供しているのか知りたい方も多いのではないでしょうか。
本記事では、本田技研工業の採用コンサルティングも手掛ける弊社sincereedが、本田技研工業が提供する育成・研修制度を具体的にご紹介していきます。
能力開発への考え方
本田技研工業の育成・研修制度を考察するにあたって、会社が社員の能力開発をどう考えているか知ることは重要なポイントとなります。そのため、まずは同社の能力開発への考え方を見ていきましょう。
同社では、「一人ひとりが自らの責任と挑戦によって成長していく」という能力開発の考え方を持っています。言い換えると、社員が責任を持つ業務、その中での挑戦を通じて成長していくことを大事にしています。
同社の能力開発の基本はOJT(オンザジョブトレーニング)が中心となり、実際の業務を通じて社員のスキル向上を支えていきます。OJTとは、職場の上司や先輩が実際の仕事を通じて部下や後輩を指導し、社員に業務に必要な知識・技術などを身に付けていく教育方法です。同社では、このOJTプログラムは部門ごとに設計されており、同プログラムを通じて業務知識や専門性を習得する点が特徴です。
また同社では、意志を持ってチャレンジし続ける人に対して会社のニーズや個人の意欲・能力に応じて個人の成長機会を用意することが必要だと考えています。そのため、成長機会を補完するための育成・研修制度を整備しています。同社が社員に一方的に特定の育成・研修プログラムの受講を命じるのではなく、社員が自ら主体的に選択していける制度にしている点がユニークなポイントです。
上述のように、同社では業務に必要なスキルをOJTを通じて取得できるように支援する一方で、業務の枠を超えた能力開発ができるよう、育成・研修制度を充実させています。能力開発の方法が実際の業務やOJTのみである場合、習得できる考え方やスキルが組織ごと、担当業務ごとに偏ってしまう悩みはよく聞く話です。同社ではその点を補完する形で、育成・研修制度を設けているため、担当業務を超えてご自身のスキルを伸ばしていける点が魅力かもしれません。
スキルの捉え方
本田技研工業では、急激に変化するビジネス環境の中で、社内外で通用するプロフェッショナルを育成するために、職種を問わず共通して求められる能力を役割・等級ごとに言語化して整理しています。
Hondaフィロソフィーをベースに置き、社員の「個のキャリア実現」と「仕事の成果創出」を実現するために、ビジネスパーソンとして求められる「共通能力」 を設定しています。そのうえで、共通能力ごとの伸長・研鑽のポイントを記したガイドブックを社員に配布し周知しています。その「共通能力」は、OJTにおける上司との目標設定やe-Learningコンテンツなどを活用した自己学習の指針にも活用されている点が特徴です。
このように、同社ではビジネスパーソンとして求められる「共通能力」が可視化され、習得に向けた情報が展開されているため、一人ひとりの社員にとって目標設定がしやすく、自発的な能力開発や上司からのスキル取得の支援が受けやすい環境といえるでしょう。本仕組みをうまく活用することで、急激に変化するビジネス環境でも活躍できる汎用性の高いスキルを習得できると考えられます。
各研修制度
前章までは本田技研工業の能力開発への考え方やスキルの捉え方を見てきました。本章では、具体的な研修・サポート制度を紹介していきます。
■オンライン研修
ロジカルシンキング、デザイン思考、プロジェクトマネジメントなど、共通能力を強化するための様々なオンライン研修を受講できます。自分らしいキャリアを実現していくために役立つ考え方を、講義とワークから学べる年代別のキャリア研修も用意されています。自ら必要だと考える研修を選択し、上司の承認を得たうえで申し込むことで業務扱いとして受講できます。
■Eラーニング
オンライン動画学習サービスをいつでもどこでも好きなだけ受講できます。スマホやPCなどの個人端末を利用して、業務外の時間に視聴することが可能です。
以下の3つのサービスを自由に利用できます。
-マーケティング・会計・英語などビジネススキル全般を学べるサービス(450コース以上)
-統計・数学・コンピュータサイエンスなど専門分野の入門知識を学べるサービス(60コース以上)
-ソフトウェアを中心にスキルを学べるサービス(1,800以上の講座)
■自己学習にかかる費用の補助
社外での自己学習については、カフェテリアプランでサポートしています。様々なサービスの利用や割引に使えるポイントが毎年付与されるため、そのポイントを通信講座・セミナー、資格取得、書籍の購入などに充てることで自己学習にかかる金銭的な負担を少なくできます。
同社の研修の特徴として、前章で説明した「共通能力」を体系的に習得できる点や、社員の「自主性」を通じて能力開発できる点が印象的ではないでしょうか。例えば、プロジェクトマネジメントスキルはOJTだと所属部署の方法に偏ったスキルになりやすい一方で、プロジェクトマネジメント等に関するオンライン研修を受講することで、体系的で汎用性のあるスキルを習得できると考えられます。
また、業務外でのEラーニングの視聴を認めている点や自己学習の費用補助から見える特徴は、社員の能力開発を社員一人ひとりの「自主性」に委ねているという点です。制度の柔軟性や経済的な補助があるため、自己研鑽に取り組むハードルを軽減しているといえます。ご自身の成長を最大限加速されるためには、キャリア目標から開発したい能力を考え、必要な研修を選定し自律して取り組んでいくことが大事になるでしょう。
各育成制度
前章の研修制度はご自身の業務環境を変えずに自主的に取り組んでいける点が特徴でした。本章では、同社の会社・事業リソースを最大限に活用し、ご自身が所属する環境を変えて能力開発ができる育成制度を見ていきましょう。
■社内チャレンジ公募
社内で公募されているポジションに対して、社員が自ら手を挙げ、現在の業務とは異なる領域にチャレンジできる仕組みです。Hondaでは、本人の意志にもとづいてキャリアの可能性を拡げることを重視しています。
■海外トレーニー制度
若手の社員を対象にした、グローバルな業務へのチャレンジを支援する仕組みです。本人の希望と適性および所属部門の人材育成施策に応じて、半年から2年間ほど海外の拠点に出張もしくは駐在して働くチャンスが得られます。海外トレーニー制度の利用者も含め、多くの社員が国外へ飛び立っています。
■新価値探索プログラム -MINERVA-
MINERVA(ミネルヴァ)は、感性開発・新価値探索のプログラムです。参加を希望して選考を通過した社員は、約4ヶ月半の活動の中で、社外に用意された多様なフィールドでの活動や参加者同士・社外のパートナーとのワイガヤ(※意見をぶつけ合う場)を通じて、将来にわたってHondaが世に提供していくべき価値に関わるテーマについて探索していきます。
■IGNITION
従業員の独創的な技術・アイデア・デザインを形にする新事業創出プログラムです。審査を通過すれば、Hondaおよび外部投資家から出資と事業立ち上げの支援を受けて起業することも、社内事業として立ち上げることもできます。2021年にはIGNITION発のベンチャー企業第1号として「株式会社Ashirase(あしらせ)」が設立されました。
同社は幅広い事業展開やグローバルな事業体制構築をしているため、同社に勤務し続けながら新しい職種や海外勤務に挑戦することが可能です。単一事業や国内事業のみの他の企業では、職種転換や海外駐在は所属企業を変えないと難しい一方で、同社では「社内チャレンジ公募」や「海外トレーニー制度」を活用することで、職種転換や海外駐在を実現することが可能です。
また同社は、収益性の高い既存事業を持ちながらも新規事業の立ち上げ〜グロースにも力を入れています。そのため「IGNITION」のような新事業創出プログラムを活用し、新規事業の立ち上げに挑戦することが可能です。また「社内チャレンジ公募」を通じて、新規事業に取り組む部門へ異動するチャンスもあるでしょう。同社の既存事業での1→10、10→100の経験を積むだけでなく、新規事業での0→1の案件にも取り組むことで、新しいスキルを習得することもできるかもしれません。
総じて本田技研工業は社員の成長のために、魅力的な育成・研修制度を提供しているといえるでしょう。一方で、ご自身のスキルや能力を伸ばしていけるかは、ご自身の「自主性」や「努力」次第と考えられます。同社に入社される際は本制度を有効に活用いただくことで、市場価値の高い人材を目指されることをおすすめします。
本田技研工業への転職で押さえておくべき会社情報
最後に、本田技研工業への転職で押さえておくべき会社情報として、会社概要を紹介します。企業研究に役立ちますので、ご参考になれると幸いです。
会社概要
会社名 | 本田技研工業株式会社 |
代表者 | 取締役代表執行役社長 三部敏宏 |
創立 | 1948年(昭和23年)9月 |
本社所在地 | 東京都港区南青山2-1-1 |
社員数 | 連結 194,993 名 単独 32,443 名 |
主な関係会社 | Hondaグループ会社 国内外360社の関係会社
-連結子会社 289社 -持分法適用会社 71社 |
Hondaフィロソフィー
Hondaフィロソフィーは、「人間尊重」「三つの喜び」から成る“基本理念”と、“社是”“運営方針”で構成されています。Hondaフィロソフィーは、Hondaグループで働く社員一人ひとりの価値観として共有されているだけでなく、行動や判断の基準となっており、まさに企業活動の基礎を成すものといえます。Honda は「夢」を原動力とし、この価値観をベースにすべての企業活動を通じて、世界中のお客様や社会と喜びと感動を分かちあうことで、「存在を期待される企業」をめざして、チャレンジを続けていきます。
人間尊重
自立
自立とは、既成概念にとらわれず自由に発想し、自らの信念にもとづき主体性を持って行動し、その結果について責任を持つことです。
平等
平等とは、お互いに個人の違いを認めあい尊重することです。また、意欲のある人には個人の属性(国籍、性別、学歴など)にかかわりなく、等しく機会が与えられることでもあります。
信頼
信頼とは、一人ひとりがお互いを認めあい、足らざるところを補いあい、誠意を尽くして自らの役割を果たすことから生まれます。Hondaは、ともに働く一人ひとりが常にお互いを信頼しあえる関係でありたいと考えます。
三つの喜び
買う喜び
Hondaの商品やサービスを通じて、お客様の満足にとどまらない、共鳴や感動を覚えていただくことです。
売る喜び
価値ある商品と心のこもった応対・サービスで得られたお客様との信頼関係により、販売やサービスに携わる人が、誇りと喜びを持つことができるということです。
創る喜び
お客様や販売店様に喜んでいただくために、その期待を上回る価値の高い商品やサービスをつくり出すことです。
社是
わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、
質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす。
運営方針
常に夢と若さを保つこと。
理論とアイディアと時間を尊重すること。
仕事を愛しコミュニケーションを大切にすること。
調和のとれた仕事の流れをつくり上げること。
不断の研究と努力を忘れないこと。
本田技研工業への転職をお考えの方へ
本田技研工業への転職は難易度が非常に高く、十分な面接対策なしでは内定獲得が難しいと言えます。
弊社sincereedだからこそわかる選考対策、さらには入社後の早期活躍方法についても多くのアドバイス、サポートが可能となっております。
本田技研工業への転職にご興味のある方は、まずは一度ご相談いただけますと幸いです。
本田技研工業 転職関連情報