日本経済新聞社のDX事例は?
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監修者 sincereed株式会社 藤沼 渉
新卒で教育業界を経験した後、2007年から大手人材総合会社マイナビに入社。人材派遣の営業マネージャーを経て、Web・IT・クリエイティブ領域の人材紹介キャリアアドバイザー/マネージメントを担当。
人材業界で多くの方々のキャリアを向き合い15年以上の転職支援実績を持つ。
日本経済新聞社への転職をお考えの方にとって、日本経済新聞社が力を入れているDX領域は非常に気になるポイントではないでしょうか。日本経済新聞社はIT黎明期からDXに取り組んでおり、新聞業界でいち早く紙面の電子化に取り組んだことでも知られています。
なぜ日本経済新聞社がDXに力を入れているのか、そしてどんな事に取り組み、どんな人材を求めているのか。日本経済新聞社への転職支援に強いエージェントとして数多くの支援をしてきた弊社の転職ノウハウや、日本経済新聞社へ転職するための重要なポイントも合わせてご紹介していきます。
日本経済新聞社のDXの歴史
日本経済新聞社は、「コンテンツをユーザーに送り届ける」という使命を果たすために、新技術への投資を積極的に行なってきました。
1960年代には、紙面のファクシミリ送信、相場表の細かい数字の鋳造技術の開発、パンチカードによるコンピューターの利用などの技術革新に次々と取り組み、新聞協会賞の技術部門賞を何度も受賞しています。
なかでも、現在の日経の基礎を作る技術の伝統は、新聞制作へのコンピューターの導入です。1967年には社長室直轄の「電子計算機部」を新設。事務処理、新聞制作、新聞編集での経済データ利用、などの分野でコンピューター活用の可能性を探り始めています。
データバンク事業
その中で最初に実を結んだのは「データバンク事業」でした。新聞紙面で報じるために収集した企業の株価や決算数字を蓄積する仕組みを整備するところから始まり、上場企業の有価証券報告書からもデータを取り込み、コンピューターで財務分析を行えるようにしました。
また、記事データ検索のためのシソーラス開発やデータ交換網の整備なども行い、1970年に「NEEDS(Nikkei Economic Electronic Data Service)」というサービスを立ち上げ、金融機関などに導入され、日経の重要な事業の一つとなりました。
市況情報センターの設立
73年には4大証券会社などと合弁で市況情報センター(現・QUICK)を設立しました。卓上の小型テレビ端末で、証券取引所の立会い場と同様のリアルタイム株価が入手できる「クイック・ビデオ−1」は証券投資の世界に革命を起こしました。
1975年には現在の日経平均株価の前身である日経ダウ平均の算出も始めています。
これら一連のデータ事業は、新聞、雑誌といった記事コンテンツと異なる新分野であり、新聞社としては未知の領域への船出でした。
コンピュータを利用した新聞製作システム「ANNECS」の開発
一方、1972年には、コンピューターを利用した新聞製作システム「ANNECS」(Automated Nikkei Newspaper Editing & Composing System)も完成させました。
それまで、人間が手作業で鉛の活字を選んで紙面を組み上げる従来の制作プロセスを、コンピューターのデジタルデータで置き換えることは、当時まだ世界のどの新聞社も取り組んでいませんでした。
開発パートナーとなった米国の開発会社首脳が「我が社が手がけた米航空宇宙局のアポロ計画にも匹敵する難事業」と語るほど開発は困難を極めましたが、完成した新システムは新聞製作のコスト低減・迅速化に大きく貢献しました。
「日経電子版」のリリース
2010年に創刊した日本経済新聞電子版は、日経にとって大きなチャレンジでした。日本で初めてとなる有料課金のWEBメディア事業は、単純に紙の新聞をネットに置き換えたということ以上に、新聞制作・報道のあり方を根底から変える出来事となりました。
源流となった「NIKKEI NET」
1996年にスタートした「NIKKEI NET」が日経電子版の源流です。日々のニュースや日経の活動を広く紹介し、注目コラムやイベントの記録を発信しました。2007年後半には月間2億PVを超え、注目されました。
しかし、NIKKEI NETは無料媒体であることから、記事数や本文の文字数に制限があり、デジタルで報道の役割を果たすという使命から見れば限界が見えていました。一方、紙の新聞の成長が鈍化し、デジタルでの情報取得が増える中、コンテンツ全てをデジタルで届けることは急速に中心的な経営課題になっていったのです。
電子新聞編集本部が発足
こうした中、本格的な有料媒体の創刊に向けて、2009年4月、東京・編集局に電子新聞編集本部が発足しました。
「コンテンツは無料」というインターネットの”常識”を覆すには、お金を払っても読みたい記事と便利なサービスを作る必要がありました。NIKKEI NETの経験を活かし、読みやすく使いやすい画面レイアウト、記事の受信・編集・配信・公開をスムーズに行うシステム、紙面イメージ をそのままデジタルで再現する「紙面ビューアー」機能などの開発を進めました。
日経電子版は、日本経済新聞のニュースを伝える媒体であると同時に、ネットの特性を活かし、日経BPやテレビ東京、QUICKといったグループ会社から写真や映像、データといった様々なコンテンツを結集して読者に届ける役割も担っていました。特にQUICKが提供する株価、為替などの金融データ、各種統計・経済指標の配信は、創刊当初の電子版を支えるキラーコンテンツとなっていきます。
「日本経済新聞電子版」が創刊
2010年3月23日午前2時、日本経済新聞電子版が創刊。最初のトップニュースは「ビル・ゲイツ氏、東芝と次世代原発」の特報でした。記事は同日付の朝刊1面トップを飾りましたが、電子版ではそのニュースの背景やゲイツ氏の動向など紙面に載り切らなかった情報を詳しく伝え、紙面と電子版の連携によるこれまでにない重層的な報道を実践しました。
その後も電子版はデジタル時代の報道を実践する様々なチャレンジの舞台になります。24時間のニュース更新、リアルタイムの選挙報道、重要記者会見のライブ中継、データをグラフや視覚表現でわかりやすく見せるデータビジュアライズコンテンツーー。中でも最大の変化は、読者の閲覧動向を編集局がデータで直接把握できるようになったことした。読者の行動や興味関心のありかを見ながら、最適なコンテンツ配信を工夫する、新たな新聞報道の時代が始まったのです。
販売の面でも、読者がウェブサイトから直接購読申し込みをする電子版は、それまでの新聞販売店を通じた顧客との関係を、新聞社本社が直接顧客と接する形へと変え、いちだんと顧客志向を強めるきっかけになりました。
日本経済新聞社の現在のDXに関する取り組み
日本経済新聞社はDXによって、ビジネスモデルの変革を進めています。本格的に着手した2020年以降、デジタル技術を幅広く活用し、経営効率やサービスの品質を高めてきました。柱となるのは顧客サービス、営業力、業務という3領域のDXです。
①顧客サービス
日本経済新聞社では、日経電子版を軸にデジタル媒体を拡充し、専門性やわかりやすさなど多様な読者ニーズに対応したコンテンツを発信しています。
・経済を中心に影響力あるデジタルコンテンツを提供し、グローバルメディアとしての地位を確立
・ デジタル技術を活用して企業の戦略立案に関与し、「バリュー」の発信やブランド向上を効果的に実現
・多様なデータのプラットフォーム構築と高度な分析を軸に、顧客の課題解決に資するソリューションを創出
・日経IDの活用によって顧客を深く・広く・長く理解し、ビジネスパーソンや企業の成長を効果的に支援
※日経ID:日本経済新聞社が提供している「日経電子版」など、日経グループがネット上で展開する様々なサービスを利用する際に必要となるID
②営業力
顧客ごとに最適なソリューションを提案するなど、営業力を強化するためにもDXを取り入れてています。
・SFAシステムを導入し、各部局の営業活動に関する情報を収集・分析。ノウハウとして蓄積・共有することで、 顧客マネジメントを一元化
・データを基にKPIを設定し、経験に頼る管理から定量的な根拠の持った営業マネジメントに転換
③業務領域
業務領域では、「生産性向上」と「働き方の見直し」という2つの側面からDXに取り組んでいます。
◾️生産性向上
→経営情報の一元管理と見える化による意思決定品質・スピードの向上
・新しい管理会計システムの導入
・顧客・仕入先情報の全社一元化 等
◾️働き方の見直し
→デジタル技術を生かした業務や人材活用の最適化・効率化
・社員情報の一元管理プラットフォーム「Workday」などを活用してジョブ型制度を24年に全面導入し、 考課や人事異動を最適化
・RPAや経費精算システムの電子化などデジタル技術の活用による業務の標準化・効率化
・デジタル技術を持つ人材の採用拡大
DX推進に向けた人材、仕組み、外部協業
日本経済新聞社では、デジタル技術に精通した人材を積極採用するとともに、育成プログラムを拡充するなど、人材力を強化してDX戦略を加速しています。それに加え、社内で迅速にサービス開発を進めるためのプロセス・仕組みの強化や、外部協業も推進しています。
<デジタル人材の確保>
・エンジニア職のキャリア採用を積極化
・デジタル人材の新卒採用の活性化
① エンジニア職向けインターンシップ
②データ技術を駆使して記事を執筆するデータジャーナリスト職を設け、仕事体験の場を提供
・デジタル人材専用のサイトを開設し、技術ブログでエンジニアの活動を発信
<デジタル人材育成>
・データ活用リーダーのスキル要件を明確化し、その養成に向けた人材育成プログラムをリニューアル
・デジタル人材育成プログラムを順次拡充、リスキリングメニューも複数用意
・オンライン研修サービス「Udemy」を活用し、個々の社員が必要なスキルを取得
<サービス開発のためのプロセス・仕組み>
・エンジニアを積極的に採用し、主力プロダクトは内製開発
・電子版読者のアクセスデータをリアルタイムに収集・蓄積するシステムも自社で開発
・新しいアイデアを基に施策を試し、検証・修正するプロセスを導入
<外部との協業>
・ 野村総合研究所とESGデータサービスを共同開発
日本経済新聞社へ転職するために押さえておきたい重要なポイント
これから日本経済新聞社への転職をお考えの方に、まず押さえておくべき転職ポイントをまとめてご紹介していきます。
日本経済新聞社 基本情報:会社概要
社名 | 株式会社 日本経済新聞社 |
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代表者 | 代表取締役社長 長谷部 剛 |
資本金 | 25億円 |
創刊 | 1876年(明治9年)12月2日 |
社員数 | 3,042人(2022年12月末) |
日本経済新聞社の社是
中正公平、
わが国民生活の基礎たる経済の
平和的民主的発展を期す
日経グループのバリュー・パーパス
・バリュー:独立、クオリティー、先進性、多様性
・パーパス:考え、伝える。より自由で豊かな世界のために。
日本経済新聞社とFTの共同ミッション
質の高い報道とサービスで
読者・顧客の判断を助け
世界で最も公正で信頼されるメディアになる
日本経済新聞社が求める人物像
日本経済新聞社は職種別の採用行っており、複数部門でエンジニア職を募集しています。
それぞれの部門によって、求めるスキルが異なりますので、希望の求人に合わせて確認が必要です。
日本経済新聞社へのご転職をお考えの方へ
日本経済新聞社への転職は難易度は非常に高く、十分な面接対策なしでは内定獲得は難しいと言えます。
弊社sincereedだからこそわかる選考対策、さらには入社後の早期活躍方法についても多くのアドバイス、サポートが可能となっております。
日本経済新聞社への転職にご興味のある方は、まずは一度ご相談いただければ幸いです。
日本経済新聞社 転職関連情報