

リクルート マーケティングポジションへの転職

監修者
sincereed株式会社南雲 亮
株式会社リクルートキャリア(現リクルート)にてキャリアアドバイザー、マーケティング企画、事業企画/プロダクト/DX推進マネジャーを経験。
その後、新規事業開発に携わり、HRテクノロジーSaaS「リクナビHRTech」の新規事業開発/エージェントサービス企画部長を歴任。
中途採用の最終面接官としても数百名の候補者とも面接した経験を持つ。
今回はリクルートのマーケティングポジションへの転職について、面接対策や求められる人材像、具体的なポジションなどを元リクルート社員が徹底解説いたします。また直近での弊社転職支援事例もご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
※本記事は2023年6月に掲載されました。
※記事中の情報は掲載時点でのWeb情報の公開情報を元に弊社が編集・掲載したものであり、企業の公式見解ではありません。
※組織の詳細や制度等は大きく変更になる可能性があります。ご転職を検討の際は、公式HP等で最新の情報をご確認ください。
マーケティングポジションにおけるリクルートが求める人材
リクルートのマーケティングポジションはサービスの拡大に大きく関わるため、各事業の未来を担う非常に重要なポジションです。インターネット業界は日々めまぐるしく変化しており、求められるサービスを時代に合わせて進化させていくためには、マーケティング戦略立案に基づいた効果的な施策実行が欠かせません。
リクルートのマーケティング組織では、300を超えるサービスと国内最大規模の予算、そしてこれまで蓄積してきた膨大なデータをもとに、リクルートにしかできない新たなマーケティング手法を生み出していこうとしています。採用する手法は事業により異なりますが、事業の数が豊富なので、世の中にあるすべてのWebマーケティング施策をカバーしているといっても過言ではありません。業界最先端のチャレンジをすることが可能です。
リクルートマーケティング組織の人材育成について
配属先となる「マーケティング室」は、グループ各社の売上・規模・成長フェーズも様々な300を超えるサービスの集客を担当するマーケティングの専門組織です。「価値の源泉は人である」というリクルートの考えのもと、人材育成については下記のような方針を敷いています。
①多様なキャリア選択
リクルートでは人材、不動産、美容、旅行、自動車、結婚、教育など様々な事業領域を扱っています。その中でAD(広告)、SEO、CRM、マスプロモーションなど様々なマーケティング施策担当として携われるため、カスタマーやクライアント、プロダクトの成長フェーズなど多種多様なバリエーションがある環境でマーケターとして経験を積むことができます。
実際のキャリアパスとしては「特定の職種を磨き込むスペシャリスト」、「特定の領域でフルファネルの力を磨くゼネラリスト」、「別職種へのステップアップ」といった大きく3つの道を歩むことができます。自身の志向性やキャリアの実現に向けて、自由にキャリアプランをデザインしていくことが可能です。
②裁量や責任のある環境
他の事業会社と比較すると、リクルートのマーケティング組織は裁量権や決定権を現場に委ねることが多い環境です。売上が数百億円を超える一般的な事業会社の組織階層は「CMOやCEO→マネージャー→各職種のリーダー→メンバー」というイメージですが、リクルートでは「マネージャー/リーダー→メンバー」という階層になっているので、管理職でない立場の社員にも大きな決定権を与えられる機会があります。
中には、配属されて1年経たずして億単位の案件を担うメンバーレベルの社員もいます。リクルートという大企業の中で、ベンチャー企業のようなスピード感ある意思決定ができる環境が、社員の成長を促しています。
リクルートのカルチャーを知る「個の尊重」
転職成功のためには求められる人材ポイントからわかるようにリクルートのカルチャーを理解する必要があるでしょう。すべてはこのカルチャーから成り立っているため、リクルート自体を知ることが一番の転職の近道と言えるかもしれません。
どんなに面接対策をしても、この部分の理解不足から
・リクルートが求めるポイントを押さえた回答が面接でできなかった
・一夜漬けな回答で突発的な質問に答えられなかった
・面接官から模範解答のようでオリジナリティに欠ける印象になってしまった
などの理由から不採用になってしまったケースもあります。
個の尊重
この一言が、先ほどご紹介した「圧倒的な当事者意識」やリクルートが求める人材像の根底にあるものです。この「個」というものをいかに重要視しているかはリクルート内での制度や人材育成から見ることができます。
Will Can Must
一人ひとりの個性を生かし、やりたい事を目標に結びつける「Will-Can-Mustシート」を用いて、半期に一度運用しています。本人が実現したいこと(Will)、活かしたい強みや克服したい課題(Can)、業務目標や能力開発につながるミッション(Must)の項目からなる目標管理です。それぞれの項目について、本人と直属の上長が対話をしながらすり合わせを行い、最終的には本人が主体的・自律的に取り組めるように設定します。
人材開発委員会
直属の上長だけでなく、他の組織長を交え、組織を挙げてひとりひとりの育成方針を検討する場です。個人の能力開発課題について中長期的な視点も交えて議論し、組織横断で任用や最適配置、ミッション設定を検討します。
1on1
直属の上司(リーダーまたはマネジャー)と定期的に時間を設け、目の前の業務はもちろん、ざっくばらんに1対1で会話できる場です。他愛のない話をすることもありますが、将来のキャリア像やチャレンジしてみたいこと、など自身のキャリア形成を考える場でもあります。
ヨミ会
個人およびチームの目標に対する進捗率の共有と、抱えている課題・打ち手に関するフラットな意見交換の場です。
表彰
半期やクォーターなどの節目に、所属組織単位で成績優秀者を選出。特に優れた人はMVPとして表彰されます。
TOPGUN
顧客接点を通じた課題解決から、新たなソリューションやプロダクト開発の兆しを対象に、全社から選び抜かれた最新のナレッジを共有する場です。
リクルートマーケティングポジションでの面接ポイントとその対策
マーケティングポジションは経験者を募集しているため、まずはこれまでの経験や実績を棚卸したうえで、しっかりとアピールすることが重要です。ただ、それに加えてリクルートの面接では企画・営業・エンジニアに限らず主体性を重視しており、徹底的に「リクルートに合う人」かを見られます。面接官が見ているポイントは下記の5つです。マーケティング職でも必ず押さえておきましょう。
・一貫したキャリアに関する価値観を語れること
・構造的・論理的思考能力
・素直さ
・当事者意識
・行動力
この5つのポイントはリクルートのカルチャーが大きく反映されており「リクルート=圧倒的な当事者意識」を表すように自律した個人を尊重し、成長を支援するカルチャーが根付いている特徴的なポイントになります。
自らがビジネスを作っていくという気概と責任感、組織の中でどんな役割であっても一つの歯車ではなく、自分はどうしたいのか、何を実現したいのかという部分が重要になります。
一貫したキャリアに関する価値観を語れること
リクルートのカルチャーで最も特徴的なのは、「ボトムアップ型」の組織であるということです。会社のいいなりではなく、個人として仕事で何を実現したいと考えているのか?そのためになぜリクルートである必要があるのか、ということを問うています。またリクルートの人事評価制度は、Will・Can・Mustというフレームワークで運用されています。Will=仕事を通じて実現したいこと、ありたい姿、Can=持ち味・スキル・経験・武器・強み、Must=現部署でのミッションという考え方です。面接官は面接でもこのフレームワークに則ってあなたのキャリア観・転職軸を深堀りします。そのため、面接に向けては自身のキャリアに関する価値観・転職軸を整理しましょう。
構造的・論理的思考能力
これは一番重要なポイントになります。構造的思考・論理的思考能力は面接を通して常に見られており、転職理由から志望動機、これまでの実績・エピソード、さらには逆質問など、背景や課題を筋道立てて整理され、一貫した内容になっているのか確認しています。もちろん話も長くならず簡潔に納得性があり、わかりやすい内容でなくてはいけません。
対策としては事前にしっかりとこれまでの経歴も含め棚卸ししておく必要があるでしょう。なぜ転職するのか、なぜリクルートなのか、リクルートで活躍するために自身のどんな経験が役立つのか、さらにどんな実績・エピソードがあれば、これらの内容に納得感を持たせることができるのか、事前に自ら「なぜ?なぜ?」と深堀しながら考えて用意していくといいでしょう。
論理的思考能力は、もともとはコンサルタントのフレームワークとして知れ渡っていますが、構造化しながら順序立てて筋の通った内容にしていくことが求められています。
素直さ
人物面の定性的な印象となりますが、素直に指摘や状況を受け止められる人材か、謙虚さを持ち合わせているかを確認しています。
中途採用の場合、入社後に年下の上司、年上の部下がいることも多いです。リクルートに限らず、こうした環境下の中でこれまでの経歴・実績のプライドからうまく意見を取り入れられないと、どの企業でも活躍していくことは難しいでしょう。指摘やアドバイスを真摯に受け止め、自身の成長、所属組織やチームの成長に繋げていくことを意識できる人をリクルートでは求めています。
対策としては、面接の回答内容で「環境や他社批判、現職批判となるような発言」は、当事者意識の観点でお見送りとなってしまう可能性がありますので避けた方がいいでしょう。ネガティブな転職理由は、できるだけポジティブな言い回しに変換することを心掛けましょう。またこれまでの業務内容から「素直さ」をアピールできるエピソードがあると良いかもしれません。
当事者意識
当事者意識はリクルートのカルチャーにフィットした人物かを確認するポイントです。自らがビジネスを作っていくという気概と責任感、組織の中でどんな役割であっても一つの歯車ではなく、自分はどうしたいのか、何を実現したいのかという部分が重要になってきます。
面接では、「一段上の視座で物事を見ているか(経営陣やマネジメント、事業、社会の視点)、事業において関わることを多面的に自分ごとと捉え、能動的に活動・発信しているか」という観点で見られています。
対策としては、これまでのご経験・実績エピソードの中で、「当事者意識を発揮して物事に取り組んできた」という点をを盛り込みながら話を進めるといいでしょう。
行動力
当事者意識と関係してきますが、自身が考えたことを机上の空論で終わらせず、その仮説を確かめるための行動ができるかどうかがポイントです。面接では、これまでの経験の中で愚直に行動した経験や、現場を見に行き泥臭く実績を求められる人材かを確認しています。 対策としては、自ら情報を取りにいったエピソードや、現場の方々に納得・信頼を得るために自ら巻き込んで業務を進めていった、などの主体的に行動を具体的に伝えるといいでしょう。
社員の声
■自分次第で様々な経験ができる
入社して最初の4年間は、仕事の幅を広げたいと思い色々なことにチャレンジしました。今の仕事に物足りなさを感じたら自然と焦りを感じて、すぐに新たなことに取り組みたいと手を挙げてきました。そして会社としてもそれに応えてくれたので、SEO、SEM、CRMなど、色々な分野を経験できましたし、たくさんの部署の経験も積むことができました。自分がしっかりとWILLを持っている限り機会をどんどん与えてくれる会社だと思います。
■幅広いマーケティングを行うことができる環境
リクルートでは、マーケティング組織だけに閉じることなく、他部署と協働したマーケティング施策なども行うことができるので、手元にある解決策だけに囚われず広い視野をもったマーケティングを実現できる基盤があると感じました。また、認知~アクションに至るまでのマーケティングを経験したり、学ぶ機会もあふれています。
■早いうちから裁量の大きな仕事を経験できる
マーケターとして入社し、入社4年目でCRMの開発ディレクターを担当しました。最初の頃は開発の知識も無く、プロダクトや顧客管理システムについても詳しくなかったため、非常に苦労しました。ゼロから勉強し直し、上長からも支援していただいたおかげで、大きな障害を出すことなく1年間のプロジェクトを無事に遂行することができました。この経験を通して開発としてプロジェクトに関わる責任の重さを実感でき、プロジェクトマネジメントスキルも向上しました。リクルートでは挑戦の絶えない日々を過ごしています。
リクルートへのご転職をお考えの方へ
リクルートが求める人材像では「当事者意識」「行動力」「成長意欲」を重要視しており、選考時だけでなくこれらを体現する企業風土となっています。
sincereedではリクルート出身者、最終面接官をはじめ、DX領域における転職支援経験や業務経験者を有するエージェントです。リクルート出身だからこそわかる選考対策、さらには入社後の早期活躍方法についても多くのアドバイス、サポートが可能となっております。
リクルートでのキャリア、リクルートへの転職にご興味のある方はまずは一度ご相談いただければ幸いです。