三井住友銀行の育成・研修制度やキャリアパスは?
2024/02/05

三井住友銀行の育成・研修制度やキャリアパスは?

監修者 南 征志

監修者

sincereed株式会社 南 征志

新卒で地方銀行にて営業職を経験した後、2018年から株式会社リクルートキャリア(現リクルート)に入社。大手企業や地方エリアの法人営業、またキャリアアドバイザー業務に従事。
キャリアアドバイザーとして数千人の転職支援に従事した経験を持つ。

三井住友銀行への転職を検討している方の中には、入社後にどのような研修や育成制度があるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。特に三井住友銀行はここ数年で中途採用が急増していることから、中途入社者向けの研修はあるのか、実際に活用されているのかどうか、という点は気になるポイントだと思います。ただ研修や育成制度についてはなかなかまとめて一覧で掲載されていないので、情報収集が大変な面もあります。そこでこちらの記事では、三井住友銀行の研修・育成制度について一覧にしてまとめています。

加えて、三井住友銀行のキャリアパスの特徴や、三井住友銀行の中途入社者が研修や育成制度についてどう感じているのか、リアルな声も掲載しています。三井住友銀行への転職をお考えの方は、企業研究の一環としてぜひ参考にしてみてください。


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三井住友銀行の人材育成に対する考え方

まずは、三井住友銀行が人材育成に対してどのように考えているのか?どのような背景をもとに研修・育成制度を整えているのか?について理解していきましょう。

長きにわたり「人の三井」「事業は人なり」と形容される、人を重視してきた三井と住友の事業精神と文化。この文化を継承し、多様な従業員が集い、育ち、活躍する場であり続けるため、SMBCグループは2023年に「SMBCグループ人財ポリシー」を掲げました。これは「従業員に求めるもの」と「従業員に提供する価値」を明文化したものです。

 

<SMBCグループ人財ポリシー>

 

【SMBCグループの社員に求めるもの】

①プロフェッショナル

・Integrityを持ち、自身の責任を全うすること

・高い志と情熱を持ち、自身を高め続けること

・スピード感をもって高い付加価値を提供すること

 

②チームワーク

・自身と異なる価値観を認め、相手を尊重すること

・共通の目標の達成に向かってチームに貢献すること

・多様な人と共創し、チームとして力を発揮すること

 

③挑戦

・現状に甘んじず、課題意識と改善意欲を持つこと

・変化にいち早く適応し、新しいことをやり遂げること

・困難であっても臆せずに取り組み続けること

 

【SMBCグループが社員に提供する価値】

①自分らしさの実現

・多様な価値観に合わせたキャリアと働き方の選択肢

・挑戦を公正に後押しする組織風土

・本人と家族の心身の健康と幸せの尊重

 

②お客さま・社会への貢献

・お客さま・社会への価値提供に携わる機会

・価値提供にその能力を思う存分発揮できる環境

・貢献が十分に報われる処遇・報酬

 

③キャリア形成と自身の成長

・世界で活躍できる力を付けられる環境

・自律的なキャリア形成に向けた支援

・公正な評価と成長に繋がるフィードバック

 

ここで注目したいのは、【SMBCグループの社員に求めるもの】として掲げている①プロフェッショナル「高い志と情熱を持ち、自身を高め続けること」、そして【SMBCグループが社員に提供する価値】として掲げている①自分らしさの実現「多様な価値観に合わせたキャリアと働き方の選択肢」、③キャリア形成と自身の成長「世界で活躍できる力を付けられる環境」「自律的なキャリア形成に向けた支援」です。これらを読み解くと、自分自身でキャリアを選べる選択肢があり、自分を高め続けようとする従業員に対してはキャリア形成や成長の支援をしてくれる環境である、というメッセージが伝わってくるかと思います。

ひと昔は「銀行員のキャリアは会社に左右されるもの」というイメージでしたが、既にその考え方は終結し、「自分自身でキャリアを決めていく」という考え方にシフトしていることが分かりますね。

このように三井住友銀行は、自分自身でキャリアを決めたり選んだりできるような研修制度・育成制度が整っている環境です。下記にて詳しくご紹介していきます。

 

自律的なキャリア形成を支援する研修制度や人材育成

三井住友銀行は2021年、厚生労働省によるグッドキャリア企業アワードにおいて「イノベーション賞」を受賞しました。これは労働者の自律的なキャリア形成支援について他の模範となる取り組みとして認められた企業に贈られるものです。このようにキャリア支援制度が充実しているのはもちろん、異業種から転職した社員が安心して働けるような研修制度も用意しています。具体的なキャリア支援制度や育成制度についてご紹介します。

 

キャリア入行者研修

さまざまなバックグラウンドを持つキャリア入行者向けに実施する研修です。銀行業務全般における基本的な知識習得や、SMBC・SMFGの組織把握を目的とします。異業種から入行される方も銀行業務全般の知識習得を行うことにより、ご自身のミッションに対する理解がいっそう深まります。また、SMBC・SMFGの組織を把握することで、部門を超えた連携をスムーズに実施いただくことが可能となります。新しいシナジーを生み出す原動力となることを期待しています。

 

グローバル人材の育成

・グローバル・バンカー研修

総合職・海外現地スタッフ合同で、共通言語を英語とした研修(期間:5日間※事前準備期間5ヶ月)

 

・海外拠点トレーニー

海外拠点での勤務を経験できる制度(期間:2年間)

 

・海外大学院

留学(MBA、LL.M.など)(期間:2年間)

 

・語学支援

特定の語学コンテンツの受講料を支援(期間:3~6ヶ月間)

 

・SMBC Group eCampus

TOEIC対策講座・中国語対策講座など(期間:随時)

 

各種公募・派遣制度

・ジョブエントリー

シンジケーション業務、ストラクチャードファイナンス業務、ディーラーなど、希望する職務(ジョブ)へエントリーできる制度(年2回)

 

・ポストエントリー

支店長、お客さま相談課長、法人営業部各グループ長など、希望するポストへエントリーできる制度

 

・研修エントリー

自身のキャリア形成に必要と思われる研修プログラムへエントリーできる制度

 

SMBCジョブフォーラム

他部署の仕事を知ることができる行内イベントです。

「ジョブエントリー」で募集している100近くの部署が公募に関心のある社員に向けて仕事内容を紹介・アピールするもので、東京・大阪で毎年開催。これは、SMBCの社員が、さまざまなセクションの職務内容をより具体的に理解し、公募への関心を高めてもらうと同時に、公募を通じて、キャリア形成を主体的に考える機会とすることを目的としたもので、若手を中心に多くの社員が参加しています。

 

SMBC Group eCampus

自宅のパソコンからwebを通じて自己啓発ができるよう、社員を対象としたラーニングポータルサイトを開設。語学力向上ツール、ビジネスシーンにおいて活用できるコンテンツだけでなく、自身の業務や習得したいスキルに合わせて選択できる募集型の研修も数多く実施されています。その他育児を支援する情報サイトを掲載するなど、豊富なラインナップになっています。

2020年の新型コロナウイルスが拡大し集合研修の開催が困難になった際は、eCampusを用いた研修を強化したことで、研修受講者は従来より大幅に増加しています。

 

資格取得支援制度

自己研磨に熱心に取り組んだ社員が最終的に資格取得に至った際、報奨金を支払い、その勉強に掛かった資金負担を一部軽減させる制度。意欲的に自己研鑽に励む社員をサポートする制度です。

 

キャリアシート

行内イントラネットを利用して、年に一度キャリアシートを登録します。自分の適性や能力・経験を踏まえて将来のキャリア展望を考える上で、本システムを利用してキャリアシートを作成し、上司・部店長との面談を実施します。社員が自身のキャリアについて積極的に考え、発信していく機会となっています。また、このキャリアシートの評価も賞与の金額を左右するものになっています。

 

キャリアコンサルティング制度

1対1の面談方式(60分)で、原則オンラインにて実施しています。平日、土日問わずワークスタイルに合わせて利用が可能です。キャリアコンサルタントの国家資格を持った担当者による面談で、階層研修の個別フォローアップとしても実施しています。

 

女性活躍を支援する研修制度

三井住友銀行において、女性従業員の比率は約半数を占めています。三井住友銀行は女性がその能力を思う存分発揮できる職場環境を整備することが、様々な多様性をもつ人材の活躍の「試金石」であると考えており、仕事と育児の両立支援のみならず管理職登用を含めた更なる活躍に向けて、女性のキャリア支援に取り組んでいます。

 

ウィメンズリーダープログラムNext

次世代幹部候補として、経営者目線のマインドセット、視座を高めるとともに、組織の重要な意思決定に参画するための思考力を養うことを目的としたリーダーシップ研修。経営トップも参加し、受講者のプレゼンテーションに対してフィードバックを行うなど、経営層からの期待を女性従業員に直接伝えることで士気を高める場になっています。

 

外部研修への派遣

若手のキャリアアップ支援や、幹部候補として経営目線を養うことを目的とした研修など、それぞれのステージに応じた外部研修への派遣を行っています。

 

育児とキャリアの両立に向けた研修・セミナー

年間2,000名を超える育児休業取得者がスムーズに職場復帰し、育児と両立しながらキャリアアップも実現できるように、「産休取得予定の従業員」「育児休業中の従業員」「育休復帰後の従業員」向け研修・セミナーのほか、男女問わず、育児中の従業員が配偶者と参加できる「育児両立支援ワークショップ」を開催。

また「管理職」に対しても、育児中の部下マネジメントに関する研修を展開したり、産育休前後の従業員と上司や人事部との面談も実施しています。

 

育休取得前研修

スムーズな職場復帰に向けて育休中の過ごし方を考えたり、保活の重要性を学ぶ内容

 

育休中プログラム

職場復帰の準備と働き方を考える内容

 

育休職場復帰者向け研修

育休復帰後の課題と克服方法、その後の数年先までのキャリアを考える内容

 

育児両立支援ワークショップ

プレママ・プレパパのうちから、どちらかに偏ることなく夫婦ワンチームとなって育児を行う方法を考え、職場復帰の準備や仕事と育児の両立生活のノウハウ等を学ぶ内容

 

三井住友銀行の研修制度、中途入社者はどう感じている?

三井住友銀行は研修や育成制度が豊富に用意されている環境であることが分かりました。ただ、中途入社者は研修や育成制度についてどう感じているのか、という点は気になるポイントだと思います。そこで、実際に中途入社した方の声をご紹介します。

 

銀行全般に対してですが、新卒で入社して年功序列型でキャリアを積んでいくイメージがあり、外部からの人材を受け入れないイメージがありました。私のように他業界にいた人間が活躍できるのだろうかと、不安もありましたね。ただ、入行してみると、一口に銀行といってもその業務は多岐にわたり、それぞれに専門性を持った人材が活躍していることを実感しました。また「銀行員のキャリアの正解は一つではない」というのも大きな気づきでした。

入行後は、基礎研修として財務分析や為替業務など必要なスキルをしっかりと教えてもらえたので、配属先の法人営業部で打ちひしがれることはなかったです。企業の返済能力を審査するいわゆる「与信スキル」など、銀行員に不可欠な要素に関しては、体系的な研修が用意されています。まさに階段を一段ずつ上がっていくようなイメージでスキルアップができるので、サポート体制が充実しているという印象がありました。

(2016年中途入社/男性)

 

また人事部採用グループ長である菅家氏も、中途入社者の方が活躍しやすい環境かどうか、という問いに対して下記のように答えています。

 

キャリア採用者への入社後のフォローにも力を入れています。入社直後の研修だけでなく、eラーニングで各自が専門スキルを磨くことができます。加えて、入社半年以内を目途に人事部でもフォローアップ面談を実施し、さまざまな疑問や悩みをヒアリングし、相談できる場を提供しております。キャリア採用者は、新卒採用者と違っていわゆる同期がいないため、横のつながりを築きにくいという傾向があります。そこで、同時期に入社したメンバーを集めて年1回以上の座談会を開催し、ネットワークを作る機会を設けています。

 

以上の通り、三井住友銀行では中途入社者に対しても入社後の研修やフォロー体制がしっかりしていることが分かります。ただ、菅家氏の「eラーニングで各自が専門スキルを磨くことができます」という言葉からも読み取れる通り、会社からのフォローだけでなく自身でキャッチアップしていく姿勢も非常に重要です。冒頭の”人財ポリシー”にもありますが、三井住友銀行は自らを高めていこうとする従業員に対しては、しっかりとキャリア形成や成長のサポートを提供してくれる環境です。自ら学ぶ姿勢、挑戦する姿勢がある方にとっては、非常に良い環境ではないでしょうか。

 

三井住友銀行のキャリアパス

ここまで三井住友銀行の研修制度や育成制度について見てきましたが、自分自身でキャリアを選択していくためには、研修や育成制度だけでなくキャリアパスの制度面も重要になってきます。ここでは三井住友銀行のキャリアパスの特徴についてご紹介していきます。

 

若手でも管理職を目指しやすい

三井住友銀行は、2020年の人事制度改定において階層の統合を行い、若手社員の管理職抜擢がしやすくなるようにしました。以前は階層が6つに分かれていて、課長やグループ長といった管理職になるには新卒時の(1番下の)階層から2段階アップする必要があり、最短でも30歳前半以降の登用が目安になっていました。人事制度改定後は6つに分かれていた階層を3つに減らし、一番下の階層で入社したとしても1段階アップすれば管理職のグレードに該当する仕組みになりました。最短で30歳前後を目途に管理職登用が可能になっています。管理職に登用される年齢の目安は一定あるものの、管理職登用の年齢早期化や、実力で評価される仕組みに変わりつつあることが分かります。

 

ジェネラリストもスペシャリストも目指せる

特定の分野で専門的にキャリアを歩んでいきたいと考える社員の挑戦に応え、かつ適切に処遇することができるよう、エキスパート制度を導入しました。高い専門性を有し、その専門性を当該分野の業務で発揮する人材を「エキスパート」として認定。認定分野に限定したキャリアパスを約束し、異動や転勤はありません。専門性を生かせる部署でずっと働くことができます。また、専門性のレベルに応じた一定の手当が支給されます。これまでもエキスパート社員の処遇制度はありましたが、一定以上の年次を対象としたものでした。本制度が導入されたことで、若手や中堅のうちから適切に処遇することが可能となっています。

具体的な専門分野は、法務、会計、信用リスク計量、プロジェクトファイナンス、M&Aファイナンス、システム開発、データマネジメントなど30領域にわたります。

 

中途入社者でも実力に応じて正当に評価される

メガバンクと聞くと、どうしても新卒至上主義のイメージが強い方も多いのではないでしょうか。しかしここ数年で中途採用人数をかなり増加させている三井住友銀行は、新卒中途問わず、実力に応じて正当に評価される環境になっています。

 

三井住友銀行の一員となって強く感じるのは、大変フェアなカルチャーだということ。キャリア入行でも成果を上げれば正当に評価され、私も入行一年半ほどで支店のファイナンシャルアドバイザーから、更に資産規模の大きなお客様を担当するウェルスマネジメントバンカーに昇格しました。

(中途入社/男性/ウェルスマネジメントバンカー)

 

私自身は中途入社なので、どんなことがやりたいかを選考の段階でお伝えしたうえで、特定の部署に配属になっています。ただ、ずっとそのままその部署に居続けなければいけないという決まりはなくて、定期的な人事部との面談や上司の方との面談で、自分がどういうキャリアを築いていきたいかを話したり、次のキャリアはこうしたいとか、そういったことは相談できる環境です。時間の経過とともにやりたいことも変わっていくと思いますので。中途で専門性を買われて入社していたとしても、長い目で見れば、銀行の中で色々なキャリアを歩んでいくということはできるので、その点については安心しています。

(中途入社/女性/企業戦略営業部)

 

上記の通り、中途入社者でも成果を上げることで早期に昇格できたり、定期的な人事部や

上司との面談で自分のやりたいことを伝え、様々なキャリアに挑戦できることが分かります。中途入社者にとっても安心の環境ですね。

 

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三井住友銀行への転職は難易度は非常に高く、十分な面接対策なしでは内定獲得は難しいと言えます。

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