デンソーの会社概要は?
自動車部品メーカーとして世界トップクラスのシェアを誇るデンソー。設立以来、トヨタ自動車の主要部品サプライヤーとして成長し続け、現在では多岐にわたる分野で革新的な製品を提供しています。
一方で、大企業の安定性や知名度に惹かれる転職希望者は多く、転職を成功させるには企業研究の深堀りが不可欠です。今回はデンソーへの転職をお考えの方に、同社の会社概要や事業内容などを紹介していきます。転職活動時の企業研究にお役立ていただけると幸いです。
デンソーの会社概要
ここでは、デンソーの会社概要や基本理念、行動指針などを紹介します。
会社概要
社名 | 株式会社デンソー |
設立 | 1949年12月16日 |
本社所在地 | 〒448-8661 愛知県刈谷市昭和町1-1 |
資本金 | 1,875億円 |
売上収益 | 7兆1,447億円(連結、2023年4月1日~2024年3月31日) |
営業利益 | 3,806億円(連結、2023年4月1日~2024年3月31日) |
当期利益 | 3,128億円(親会社の所有者に帰属、連結、2023年4月1日~2024年3月31日) |
従業員数 | 連結 162,029人
単独 43,980人 |
連結子会社数 | 193社(日本 57、北米 23、欧州 36、アジア 72、その他 5) |
持分法適用
関連会社数 |
70社(日本 22、北米 8、欧州 7、アジア 29、その他 4) |
デンソーの売上は2023年度の連結決算で7兆円に到達。地域別に見ると、日本を含むアジア地域が大半の売上を上げています。北米市場も1兆7,000億円以上と、全体の約24%の売上を占めており、グローバルに事業を展開しているのが伺えます。
企業理念
会社の使命
世界と未来をみつめ、新しい価値の創造を通じて人々の幸福に貢献する
経営の方針
1.魅力ある製品で お客様に満足を提供する
2.変化を先取りし 世界の市場で発展する
3.自然を大切にし 社会と共生する
4.個性を尊重し 活力ある企業をつくる
社員の行動
1.大きく発想し 着実に実行する
2.互いに協力し 明日に挑戦する
3.自己を磨き 信頼に応える
行動指針(デンソースピリット)
「先進、信頼、そして総智・総力の精神」
1949年の設立から培ってきた信念や価値観を明文化し、全社員と共有したものです。社会貢献への原動力となる行動指針です。
先進
・先取:変化を先取りしたい
・創造:新しい価値を生み出したい
・挑戦:難しい壁を乗り越えたい
信頼
・品質第一:お客様に最高の品質を届けたい
・現地現物:事実を正しく把握したい
・カイゼン:現状より少しでも上を目指したい
総智・総力
・コミュニケーション:互いに深く理解し合いたい
・チームワーク:チームのために全力をつくしたい
・人材育成:自ら成長したい、そして後進に伝承したい
長期経営方針
デンソーは「地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい。」というスローガンのもと、持続可能で安心・安全なモビリティ社会の実現を目指している企業です。具体的には、以下の3つのキーワードに沿って明確な方針を提示しています。
環境:未来のために、もっと豊かな環境を。
CO2排出量削減や電動化などを通じて、地球が抱えている環境問題の解決に貢献する。
安心:どこまでも安全に、いつまでも心地よく、すべての人へ。
交通事故のない安全な社会の実現に向けて、先進安全技術の開発や普及に取り組む。
共感:モビリティ社会に新たな価値を。人に笑顔を。
社会から共感が得られる新たな価値を提供し、笑顔溢れる社会の実現を目指す。
これらの目標達成に向け、デンソーは行動指針として「3つの姿勢」「想い」を明記しています。
3つの姿勢
- 幅広いパートナーとともに、豊かな社会づくりに取り組みます。
・豊かなモビリティ社会づくり
・志をともにする仲間づくり
・新たな事業領域への挑戦
- すべての人に、価値を届けます。
・地球保全の自発的追求
・すべての人の移動の拡大
・スマート機能の標準装備
- 価値創造で、信頼に応えます。
・潜在ニーズにこたえる価値創造力
・総合的な技術力
・圧倒的なモノづくり力
想い:実現する情熱と本気の実行力
中期経営方針
長期方針で掲げた目標達成に向けて、デンソーでは2025年までの具体的な道筋を設定。その大前提として、下記の「グローバル経営の5本柱」を提示しています。
・持続経営の実現
・高い志と正しい仕事
・事業ポートフォリオ変革
・カーボンニュートラルの実現
・新価値創出
これらの柱を通じて、デンソーは社員一人ひとりが自立・自律して行動できる組織を目指し、変化に強く活力あふれる組織づくりを推進。財務面でも具体的な目標を設定し、持続可能な企業になるための取り組みに注力しています。
2025年の財務上のマイルストーン
・ROE:10%超
・営業利益率:10%
・売上収益:6.7兆円
また、中期方針では項目ごとに目標設定し、2025年までの達成を目指しています。
項目 | 2025年までの目標 |
世界に先駆けて
「環境ニュートラルな製造業」となり、 持続可能な社会づくりに貢献する |
クレジット込みの
カーボンニュートラル |
安心な「空気質」の実現 | AQI※ 50未満 |
社会課題を解決するソリューションを
提供し、新たな価値を創出 |
モビリティ/インダストリー/ソサイエティ領域での事業拡大・社会課題解決 |
※Air Quality Index:健康被害抑制に向けて、6つの大気汚染物質に対し設定した水準
沿革
1949年
トヨタ自動車の電装部品工場から分離独立・設立。当初の社名は「日本電装株式会社」
自動車部品メーカーとしてスタート
1950年代
ドイツのロバートボッシュ社と技術提携
各地に整備工場を設置し、同時期に技能養成所・噴射ポンプ準備室を開設
1956年には社是を制定、創業精神を未来へ繋ぐ礎を築く
1960年代
品質管理の最高権威「デミング賞」を受賞
池田・広島工場の操業開始、本社以外で初の生産拠点
米国に海外初の営業所・出張所を開設
自動車の電子制御化を見越し、IC研究所を設立
1970年代
海外で初の販売・生産会社を設立
技能五輪国際大会で初の金メダルを獲得
大河内記念生産賞の受賞
1980〜90年代
額田テストコース・基礎研究所を設立
デンソー基本理念の制定、QRコードの発表
社名を「株式会社デンソー」に変更
2000年代
行動指針「デンソースピリット」を策定
初の海外研修センターを開設
環境問題へのアクションプラン「デンソーエコビジョン2025」を策定
ブランドスローガン「Crafting the Core」を策定
デンソーグループ長期方針2030を策定
デンソーの関連会社
デンソーはグローバルに事業を展開する中で、250社以上の関連会社を有しています。その中でも特に重要な役割を担っているのが、下記の関連会社です。
デンソーテン:カーナビ・オーディオなどの開発・製造・販売
デンソーテクノ:自動車部品、ソフトウェアの設計・開発
他にも、世界各地の拠点で下記の関連会社が挙げられます。
日本
・豊生ブレーキ工業株式会社
・株式会社九州テン
・株式会社NTTデータMSE
・東芝情報システム株式会社
北アメリカ
・Certhon Canada LTD.
・ADVICS MANUFACTURING Georgia, L.L.C.
・ADVICS Manufacturing Mexico, S. de R.L.de C.V.
南アメリカ
・ADVICS AUTOMOTIVE LATIN AMERICA LTDA.
ヨーロッパ
・ADVICS MANUFACTURING CZECH S.R.O.
・ADVICS EUROPE GMBH
・PiNTeam Holding GmbH
アジア・オセアニア
・愛徳克斯(広州)汽車零部件有限公司
・台湾愛徳克斯汽車零件股有限公司
・PT. ADVICS INDONESIA
アフリカ
・ADVICS SOUTH AFRICA (PTY) LTD.
・Smiths Manufacturing (Pty) Limited
デンソーの事業内容
デンソーの事業内容は、大きく「車載事業」「非車載事業」に分かれます。
車載事業
デンソーの車載事業では、自動車の電動化・自動運転など時代の変化に対応しながら、幅広い製品を開発・製造しています。
エレクトリフィケーションシステム(電動化システム)
ハイブリッド車や電気自動車の駆動システム、バッテリーマネジメントシステムなど、電動化を支える基幹部品を提供。電動パワーステアリングや制御ブレーキシステムなど、自動車の安全性と快適性を向上させる製品も開発しています。
パワートレインシステム
ガソリン・ディーゼルエンジン向けのシステムに加え、燃料電池システムの開発にも積極的に取り組んでいます。自動車の燃費向上や環境負荷低減に大きく貢献している分野です。
サーマルシステム
自動車・バス用エアコンシステムを開発・製造。ラジエーターやコンデンサーなど、熱マネジメントシステムを構成する冷却用製品も開発・製造しており、自動車の快適性と効率向上に貢献しています。
モビリティエレクトロニクス
自動運転技術やコネクテッド技術など、未来のモビリティ社会に貢献する技術を開発。自動車の安全性向上や快適な移動体験の実現に貢献しています。
先進デバイス
車載用半導体やセンサーなど、自動車の電子化を支える基盤技術の開発に取り組んでいます。自動車の進化を加速させる重要な役割を担っている分野です。
非車載事業
デンソーは自動車部品メーカーとしてのイメージが強いですが、実は非車載事業も積極的に展開しています。その中でも特に注力しているのが以下の分野です。
インダストリアルソリューション
工場の自動化を促進する産業用ロボットや、社会インフラを支える入退室管理システム、顔認証システムなどを提供。製造業やサービス業など、人材不足が懸念される業界での効率化・安全性向上に寄与しています。
フードバリューチェーン
園芸向けのハウス資材や栽培コンサルティング、車載用・モバイル冷凍機などを提供。農業の効率化や食品の安全・安心に貢献しています。
デンソーの強み・特徴
デンソーの強みは、「ヒトづくり」「研究開発」「モノづくり」の3つの要素が相互に連携し、強化し合っている点にあります。
ヒトづくり
創業以来培ってきた人材育成のノウハウを活かし、社員一人ひとりの能力を最大限に引き出す取り組みを推進。多様な人材の活躍を促進するグローバル共通人事制度や、高度な技能者の育成などの施策を通じて、社員の成長をサポートしています。
研究開発
世界最先端の技術を追求し、競争力のある製品の創出に注力しているデンソー。世界各地にテクニカルセンターを設置し、グローバルな開発体制を構築することで、地域ごとのニーズに応じた製品開発を実現しています。
モノづくり
内製技術にこだわった世界トップクラスの生産技術により、高品質な製品を効率的に生産しています。
デンソーの募集要項
最後に、デンソーの中途採用における募集要項を紹介します。
給与
月給 | 25万4,000円以上(経験・年齢考慮) |
初任給実績 | 大卒・高専卒(専攻科)/25万4,000円
修士了/27万6,000円 博士卒/31万0,000円 |
年収例 | 29歳(大卒7年目)/640万円
32歳(大卒10年目)/740万円 35歳(大卒13年目)/850万円 40歳(大卒18年目)/1250万円(管理職) |
諸手当 | 家族手当、時間外勤務手当、通勤手当など(会社規定あり) |
賞与 | 年2回 |
昇給 | 年1回 |
勤務条件・福利厚生
契約期間 | 期間の定めなし(業務内容により変動) |
試用期間 | 3ヶ月(勤務・賃金制度に変更なし) |
勤務地 | 国内・海外各拠点
(本社・製作所:屋内全面禁煙、その他:屋内喫煙可能場所あり) |
勤務時間 | フレックスタイム制(標準労働時間8時間)
コアタイム:10:10~14:25(東京エリア、製作所は時間帯が異なる) ※管理職は労働基準法第41条2号適用 |
休日休暇 | 週休2日制(土日)、GW・夏季・年末年始各10日程、年間休日約120日、
年次有給休暇、特別休暇など |
社会保険 | 雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金 |
福利厚生 | 選択型福利厚生制度、住宅資金貸付、財形貯蓄、持ち株制度、保養所、
研修センター、各種文化・体育施設など |
デンソーへの転職をお考えの方へ
デンソーへの転職は難易度が非常に高く、十分な面接対策なしでは内定獲得が難しいと言えます。
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