丸紅への転職、気になる評判・口コミは?
丸紅株式会社は、1858年に創業された大手総合商社の一つであり、食料・エネルギー・インフラ・ICT・化学品・金属など幅広い事業分野で活動しています。国内外に130拠点に拠点を持ち、多岐にわたるビジネスを展開しており、日本国内外で重要な役割を果たしています。昨今では、ESGやSDG関連の環境事業にも積極的に取り組んでいる点が特徴です。
同社はグローバルな事業展開や待遇面が目立つ一方で、企業文化やキャリア形成、働き方にはあまり注目されていません。同社のような総合商社は体育会系でハードワークな固定観念も先行しやすい一方で、昨今女性活躍や働き方改革に取り組んでおり、今までとは違った側面も出てきているようです。
本記事では、丸紅の採用コンサルティングも手掛ける弊社sincereedが他サイトで寄せられた実際の口コミをもとに、丸紅の実態を解説していきます。転職活動で押さえておきたいポイントもあわせてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
丸紅の口コミ・評判は?
丸紅の口コミについて、以下の項目に沿ってご紹介していきます。
・企業文化
・入社後のギャップ
・働きがい、成長機会
・女性の働きやすさ
・ワークライフバランス
・丸紅の強み、弱み
企業文化
まずは丸紅の企業文化に関する口コミを見ていきましょう。
“上下関係なく、議論を尽くす文化がある。上下の礼儀に厳しい面はあるが、業務においてはほぼ関係なく、実力主義的な面が年々強まっている。 自己管理・自主性が大きく求められ、評価の大きな要素でもある。”
(ライフスタイル/在籍15-20年/新卒入社/男性/2022年回答)
“良くも悪くも、その分野の第一人者たる特定の個人のリーダーシップで事業をけん引する場合も多く、このあたりの身軽さが他の財閥系商社と異なるのではないかと想像する。”
(営業/在籍5-10年/中途入社/男性/2024年回答)
“事業部毎の縦割りが強いが、例えば食品の貿易・海外電力事業・国内IT企業への投資などビジネス環境が各々で著しく異なることを考えると当然だと思う。事業部内では出向や部署異動が定期的にあるうえ数年で部門も再編されるため所属は非常に流動的になる。”
(営業/在籍3-5年/新卒入社/男性/2020年回答)
丸紅は2013年に同グループの目指す企業風土を個人の行動に落とし込んだ5つの「丸紅スピリット」を定めています。その一つが「自由闊達に議論を尽くせ」であり、口コミからも「丸紅スピリット」が形骸化せずに社員が実践している様子が伺えます。また「挑戦者たれ」という指針も掲げており、社員が強いリーダーシップを発揮し、変化が大きい時代や事業を牽引しているようです。
総合商社では、最初に入社した事業部で長年勤務し続ける「背番号制」が多い一方で、同社の場合は、出向や部門再編から人材が流動的である点が特徴かもしれません。企業風土は所属する事業部によって大きく異なるため、選考を通じてご自身の考え方にマッチするかを見極めていくことが重要です。
入社後のギャップ
次に、丸紅の入社後ギャップに関する口コミを見ていきましょう。
“ほとんどの事業部が海外に関わる仕事をしているため、海外をやりたくて入社したのは正解だったと思っている。ただ、海外事業比率が極めて低い部署や、国内事業onlyの部署ももちろんあるので、留意する必要あり。”
(営業/在籍10-15年/新卒入社/男性/2024年回答)
“海外で勤務できるチャンスも非常に多い。年に一度自身のキャリアについての希望を会社側に伝えることができ、ある程度考慮してもらえるため、実力さえあれば自身の思い描くキャリアを歩むことも可能。この点では非常に融通の効く会社だと思う。”
(営業、海外駐在/在籍3~5年/中途入社/男性/2022年回答)
“巨大組織で仕事はかなり細分化されているため、入社してみるとできる業務は意外と限られている。また、社内意思決定プロセスは事前の根回しから始まり、かなりの時間を要するため、素早い意思決定を好む機動力のある方はその点を留意しておくべき。”
(管理部門/在籍10-15年/中途入社/男性/2022年回答)
入社後ギャップについては、海外駐在を中心にキャリア形成や仕事の裁量・意思決定のスピードに関する意見が多く見受けられました。同社は海外支店等 54カ所、海外現地法人は29社保有しています。そのため、入社時に海外駐在を希望し実現できている事例もあれば、期待通りになっていない事例もあるようです。志望するポジションにおいて、希望するキャリア形成のチャンスがあるか入社前にしっかり確認していくことが、入社後のミスマッチ防止に繋がるでしょう。
また、同社では大型の事業投資やトレーディングの案件を手掛けることも多い点が特徴です。その裏返しとして、複数のステークホルダーが連携して業務に取り組むため裁量が少ないと感じることや、意思決定のスピードが遅いと感じるという意見もありました。丸紅だからこそ推進できる大型案件が多数ありつつも、その意思決定には多くの関係者との協力と慎重な検討が必要であることを認識することが重要でしょう。
働きがい・成長機会
次に、丸紅の働きがい・成長機会に関する口コミを見ていきましょう。
“他の業態では組織毎の分業制で行うところ、商社の営業はリスクマネジメント・ファイナンス・会計・法務などすべてを高いレベルで理解したうえで、CSのサポートを受けながらも、営業が主体となってストラクチャリングや交渉への責任を負って進めていきます。数年間の実務経験を経ればかなりのレベルの成長を得られると思います。”
(営業/在籍20年以上/新卒入社/男性/2024年回答)
“やはり総合商社だけあり、海外との接点多い。語学等での苦労もあるが、成長機会はあると思う。 比較的仕事も任せてもらえるので、自分で判断する機会も多い。自分で考えないと仕事が進まないので、自己成長できない人には苦しい環境かも。”
(営業/在籍3年未満/中途入社/男性/2021年回答)
“若手にチャンスが多いので成長の機会は多い。一方で属人的なスキル・経験の機会が多いため、他社への転職などを踏まえた一般的なキャリア開発という意味では改善の余地がある。同社内での機会という観点では、駐在やトレーニー制度も充実しているため、キャリアの充実度合いは高いと思う。”
(営業/在籍3-5年/中途入社/男性/2024年回答)
丸紅の主な事業は、原材料の取引や事業への投資で、大規模な契約が多く含まれます。プロジェクトを進めるには幅広い知識と各領域のスペシャリストを動かしていく必要があるため、業務を通じて幅広い知識を習得可能です。他の業界と比べて分業が少なく、経営や投資に関する専門的なスキルを高いレベルで習得できる環境が整っています。
また、豊富なキャリア開発の機会やチャレンジングな仕事が働きがいになっていることも多いようです。同社は大企業でありながらも勤続年数に関わらず仕事を任せる文化を持っており、早い段階から事業の意思決定に携わることで、短期間で個人のスキルを伸ばしていけると考えられます。一方で、総合商社特有の商習慣も一定あり、培った知見の汎用性については客観的に捉えることも大事になるでしょう。
女性の働きやすさ
次に、丸紅の女性の働きやすさに関する口コミを見ていきましょう。
“女性採用を積極的に行なっており、男性と変わらず仕事ができる環境が整っているため働きやすい環境と言える。妊娠が分かってからは、約20日ほどの有給とは別で使える休暇も備わっている。 ”
(食品、一般職/在籍5-10年/中途入社/女性/2022年回答)
” (部署や上司にもよるとは思うが)総合職の女性も、やる気があれば男性と変わりなく業務を担当させてもらえ、海外駐在等も平等にチャンスが与えられていると思う。子持ちの総合職女性で時短勤務者も多く、比較的理解は得やすいと思う。一般職女性も、バリバリ仕事したければ総合職並みの業務を割り当てられることもあるし、あまり仕事をしたくなければそれほど業務も振られないと思うので、自分のペースで長く、且つ高い給与を貰いながら働けると思う。”
(事業企画/在籍10-15年/新卒入社/女性/2021年回答)
同社のホームページや口コミからは、女性の積極的な採用や職場環境の改善に力を入れていることが伺えました。妊娠に伴う休暇制度は、ライフステージの変化に柔軟に対応できる仕組みに取り組んでおり、性別に関わらずキャリアを築きやすい環境の整備として評価できるでしょう。
また、女性社員のキャリアビジョンやライフスタイルに応じて幅広い活躍の機会が設けられているようです。同社は2022年に「女性活躍推進2.0」という指針を策定し、女性活躍を全社的に応援しています。2006年は1.2%だった女性管理職の比率は、2023年に9.0%まで向上し、女性の海外駐在員も46名在籍しています。若手女性総合職向け「キャリアセッション」を設けており、今後も社員のやる気次第で、活躍の幅はより広がっていくでしょう。
ワークライフバランス
次に、丸紅のワークライフバランスに関する口コミを見ていきましょう。
“結論、基本的には良い。20時前には退勤する人が多く、残業時間は体感的には月30時間弱くらいが全体の平均のように感じる。また労働時間以外の面でもフレックス制度の導入や、在宅勤務の多用など、プライベートを尊重した働き方を個々人が選択しやすい環境は整っている。ただし部署により大きく異なることは留意が必要。ワークライフバランスが悪い部署では、毎日0時まで仕事をすることも稀ではなく、土日に仕事をせざるを得ないこともあったりする。”
(営業/在籍3年未満/新卒入社/男性/2022年回答)
“部署によるギャップが非常に激しいと感じる。某営業本部にいた際は、海外出張が多く日本の祝日に休めないことはごくごく当たり前に発生していた。一方で、別の営業部に異動したところ、管理職層から休日は絶対に働かないという強い意志が感じられた。各営業部の雰囲気やワークライフバランスは、その営業部の取引先業界のワークライフバランスに引きずられて様々。なお、管理部門は共通して比較的ワークライフバランスが取りやすい印象。”
(営業/在籍10-15年/新卒入社/女性/2024年回答)
同社はテレワーク制度「どこでもワーク」や「フレックスタイム制度」を導入し、社員・組織双方の持続的成長とパフォーマンス最大化を目指しています。職場によって制度の運用状況にばらつきはある一方で、働きやすい環境が整備されているといえます。
一方で、働きやすさは所属する部署や業務内容によって大きく変わってくるようです。海外案件はやりがいが大きい反面、時差や海外出張に伴うハードワークになる傾向があります。共働き世帯が増える中で、複数のライフステージを想定した人事制度については伸びしろがある部分といえるでしょう。
丸紅の強み
次に、丸紅の強みに関する口コミを見ていきましょう。
“大手財閥商社に比べ石油ガス権益は少なく、脱炭素事業に向けてより動きやすいこと、一方でEVなどに欠かせない銅鉱山や、鉄鋼生産用の鉄鉱石や原料炭などの優良資源権益は保有しており資源分野でも存在感があること、電力の小売り・卸売り事業などインフラ分野で新しいビジネスモデルを展開していること、一例です。”
(営業/在籍20年以上/新卒入社/男性/2024年回答)
“会社名で取れる仕事も多いと思う。気合いのある営業社員が多いので、古典的商社取引ではすごく強みであると思う。”
(営業/在籍10-15年/中途入社/男性/2022年)
丸紅の強みは、脱炭素社会を想定した事業ポートフォリオと今までの実績で積み上げてきた知名度という意見が多くありました。社会からの環境問題への意識が高まるにつれ、EUのような経済共同体や政府からの新しいルールが策定されています。その中で、同社は環境に配慮した社会を想定した資源の権益を保有している点や、電力小売・卸売等の事業ビジネスモデルを展開し、強いポジションに位置しているといえるでしょう。
また、今まで積み上げてきた実績から新しい取り組みにも社内外のステークホルダーから賛同が受けやすく、新規事業をスタートしやすいという特徴があります。その新規事業を支える優秀な人材が同社には在籍しており、今後の新規事業を牽引するといえるでしょう。
丸紅の弱み
“ 変革や挑戦意欲にかける点が弱み。強みとは裏腹に管理部門が強すぎて攻めの経営が出来ていない。スピード感が無い。”
(営業本部/在籍20年/新卒入社/男性/2019年)
“近年は事業投資・事業管理が業務の大半を占めるようになり、営業本部も管理業務が多く、お客さんやビジネスの現場からほど遠くなっている。徐々にお客さんの顔も分からなくなり、業界トレンドの肌感覚も失われつつある。”
(事業企画/在籍5-10年/新卒入社/男性/2020年)
丸紅の弱みとして、意思決定スピードに対する意見が見受けられました。その背景には、手掛ける案件規模が大きく慎重な意思決定が求められる点や管理部門がリスク管理の役割を果たしている点が伺えます。一方で、次世代のマーケットで優勢な事業ポジションを取りにいくためには、攻めの事業投資とリスク管理のバランスが重要になるでしょう。
また、同社の事業投資・事業管理の割合が増える中で、社員が現場勘に弱くなっているという声もありました。数値管理などの定量的な分析が重要である一方で、顧客ニーズの把握には顧客とのコミュニケーションを通した定性の一次情報取得も大切です。次世代の成長産業や事業スキームを取り入れるには、顧客の声にもしっかりと耳を傾け続けることで、より収益性の高い事業投資を実現できるかもしれません。
丸紅への転職で押さえておくべき会社情報
最後に、丸紅への転職で押さえておくべき会社情報として、会社概要を紹介します。企業研究に役立ちますので、ご参考になれると幸いです。
会社概要
会社名 | 丸紅株式会社 |
代表者 | 柿木 真澄 |
創立 | 創業:1858年5月 設立:1949年12月1日 |
本社所在地 | 東京都千代田区大手町一丁目4番2号 |
資本金 | 263,599百万円 |
従業員数 | 4,337名(丸紅グループの従業員数 50,200名) |
主な関係会社 | 子会社 326社、関連会社 164社 |
経営理念
丸紅は、社是「正・新・和」の精神に則り、公正明朗な企業活動を通じ、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献する、誇りある企業グループを目指します。
丸紅スピリット
丸紅はグループの目指す企業風土を個人の行動に落とし込んだ「丸紅スピリット」を2013年に定め、実践しています。
「志」大きな志で未来を築け Possess the willpower to shape the future
「挑」挑戦者たれ Relish a great challenge
「論」自由闊達に議論を尽くせ Value a full, free and vigorous debate
「強」困難を強かに突破せよ Fight through hardships
「正」常に迷わず正義を貫け Maintain a formidable sense of fairness
丸紅の企業理念は、社是である「正・新・和」の精神に基づいています。この理念には、「正義を貫くこと」「革新を追求すること」「調和を図ること」の意味が込められています。これにより、公正で透明な企業活動を行い、経済と社会の発展、地球環境の保全に貢献することを目指しています。
さらに、丸紅は「丸紅スピリット」という行動指針も掲げ、社員一人ひとりに対して、挑戦心を持ち、困難に立ち向かい、自由闊達な議論を行うことを求めています。このスピリットは、「志」「挑」「論」「強」「正」の5つの要素で構成されており、個人の成長と組織の発展を促すための行動規範として機能しています。
このように、丸紅はただ利益を追求するだけでなく、持続可能な社会の実現を目指し、変化する市場環境に適応しながら、新たな価値を生み出すことを使命としています。公式サイトでは、これらの理念に基づいた「Global crossvalue platform」を目指す姿勢も強調されています。
丸紅への転職をお考えの方へ
丸紅への転職は難易度が非常に高く、十分な面接対策なしでは内定獲得が難しいと言えます。
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丸紅への転職にご興味のある方は、まずは一度ご相談いただければ幸いです。