
三菱地所の適性検査とは?TG-WEBの内容や位置付けを解説
三菱地所の選考フローでは、適性検査が実施されています。その中で使われているのが「TG-WEB」と呼ばれるWebテストです。しかし、この適性検査だけで合否が決まるわけではありません。ここでは、三菱地所における適性検査の位置づけや、そもそも「TG-WEB」とは何かについて解説します。
※本記事は2025年5月に掲載されました。
※記事中の情報は掲載時点でのWeb情報の公開情報を元に弊社が編集・掲載したものであり、企業の公式見解ではありません。
※組織の詳細や制度等は大きく変更になる可能性があります。ご転職を検討の際は、公式HP等で最新の情報をご確認ください。
三菱地所の選考フロー
三菱地所の選考フローは以下のようになっています。
書類選考
三菱地所の書類選考の通過率は、他企業と比べると比較的低いです。いわゆる学歴フィルターや職歴(前職・現職企業)によって書類不合格となる可能性はほとんどありませんが、経験スキルと応募ポジションがマッチしているのか、入社後活躍してくれる人材なのかを書類段階から厳しく見られています。そのため、ただ自身のこれまでの経験が羅列している書類ではなく、自分自身の強みや三菱地所で活かせるスキル、経験も記載しておくと良いでしょう。
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面接(1次面接~2次面接)
1~2次面接は現場マネージャーや、採用ポジションによっては人事担当者が行います。面接では「三菱地所に合う人」かを見られます。面接官が見ているポイントは以下の5つです。これは全職種で共通していますので、必ず押さえておきましょう。
・『志』があるかどうか
・『現場力・仕事力』があるかどうか
・『誠実・公正』であるかどうか
・『組織』で戦える人であるかどうか
・『変革』を起こす人であるかどうか
この5つのポイントは三菱地所のカルチャーが大きく反映されております。
特に『変革』を起こす人であるかどうかは重視されており、前例や慣例にとらわれず失敗を恐れずにチャレンジ精神を持って行動されてきたかどうかを確認されます。
適正検査(Webテスト)
三菱地所では適正検査にTG-WEB形式を利用しています(Webテストの種類はSPI・Web-GAB・玉手箱など数種類ある)。
ヒューマネージという人事コンサルティング会社が、企業向けに販売しているもので、SPIや玉手箱と同様に「知的能力」と「性格適性」を測定します。自宅のPCで受けるタイプのWebテストです。
難易度が比較的高く、高校や大学で習うのとは違う、なじみのない問題も出題されるため、「初めて見たときは戸惑った」という感想が多く聞かれます。しかし、一度解き方を知っておけばその心配はありません。あらかじめ対策しておくことが重要です。
最終面接
最後は部長クラスや役員クラスとの面接です。質問内容や判断のポイントについては1次、2次面接と同様ですが、例えば職務経歴書やこれまでの面接と内容が一貫していない、その場しのぎの答えが出てしまった、前回の面接より深堀された質問にうまく答えられなかった、など最終面接で不合格となってしまうケースも多くあります。また、複数人(3人以上)の方が参加される傾向にありますので緊張しないように答えることができるかも鍵となってきます。
三菱地所の適性検査の位置づけ
三菱地所の選考過程では、応募者の資質やポテンシャルを多角的に評価する一環として、適性検査が実施されます。この検査は、単に点数を競うためのものではなく、論理的思考力や性格特性、そしてチームで働くうえでの適応性などを確認するための手段として活用されています。
論理的思考力に関する設問では、課題解決に向けて筋道立てて考える力や、複雑な情報を整理する力が問われます。一方、性格特性の分析を通じては、周囲との協調性や主体性、ストレス耐性といった、職場での行動傾向が可視化されます。三菱地所では、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍しているからこそ、こうした側面も重視しています。
ただし、適性検査の結果はあくまで「参考材料の一つ」にすぎません。三菱地所の選考では、人物本位の評価が重視されており、面接や職務経歴書を通じた総合的な判断が行われます。面接では、応募者の価値観や志向、過去の経験から何を学び、どう活かしてきたかを深く掘り下げられます。
そのため、適性検査に向けた準備も大切ですが、それ以上に、自分自身の考えや経験を言葉にして伝える準備が求められます。三菱地所が目指す未来に共感し、自らの個性や想いを丁寧に表現することが、選考を突破する鍵となるでしょう。
TG-WEBとはどんな適性検査か?
TG-WEB(Talent Generator WEB)は、ヒューマネージ社が提供するWeb形式の適性検査です。主に新卒採用や中途採用の初期選考で使用されており、応募者の基礎能力(主に論理・数理系の問題)と性格特性を測定するためのツールとして、多くの大手企業で導入されています。
TG-WEBの最大の特徴は、その難易度の高さと形式の多様さにあります。特に「言語」「計数」などの能力検査は、SPIや玉手箱と比較しても難問が多く、時間配分の工夫や事前対策が不可欠です。例えば、言語分野では長文読解や語句の意味を問う問題、計数分野では図形や表を用いた論理的思考を必要とする問題が出題されます。これらは、単なる知識ではなく問題解決能力や思考の柔軟性を見るためのものです。
一方、性格検査では、応募者の価値観、行動傾向、ストレス耐性、チームワークのスタイルなどを測定します。これは、企業の文化や職種とのマッチ度を確認するために活用されます。性格検査に「正解」はありませんが、一貫性のない回答をしてしまうと信頼性が低いと判断されることもあるため、自分の本音に基づいた回答が求められます。
TG-WEBは自宅受験が可能なため、受検環境が応募者に委ねられますが、最近では不正防止のためにカメラ監視や本人確認システムを導入する企業も増えています。
このように、TG-WEBは応募者の地頭力や性格的適性を多面的に測定する検査であり、企業にとっては「面接前の重要なスクリーニング手段」となっています。受検者にとっては、事前の準備と自己理解が合格のカギとなるでしょう。
TG-WEBの対策方法は?
TG-WEBは、言語・計数・性格診断の3分野で構成されています。特に論理的思考力やデータ処理能力、対人特性のバランスなどが重視されるため、難易度は高めであり、しっかりとした事前対策が合否を分ける重要なポイントとなります。
言語分野の対策
TG-WEBの言語分野では、主に以下のような問題が出題されます。
- 長文読解(数百字のビジネス文書など)
- 文章整序(文の順序を並べ替えて論理的に正しい文章を構成する)
- 語句の意味理解や同義語・反意語の判別
これらの問題は、一見すると国語の読解問題に近いですが、実際には論理的な読解力とビジネス文書への対応力が問われています。特に長文読解では、文中の因果関係や前提、意見と事実の違いを把握する力が必要です。選択肢には似た表現の選択肢が並んでいることが多く、「言い換え」や「すり替え」に気づく論理力が重要になります。
【対策法】
- 新聞(特に社説や経済記事)やビジネス書を日常的に読むことで、文章構造への感度を高める
- 市販のTG-WEB専用問題集やWeb模試を使って、出題形式に慣れる
- 制限時間内に正確に解けるよう、タイマーを使って演習する
また、文章整序問題などは慣れの要素が大きいため、解答パターンをストックしておくことも効果的です。
計数分野の対策
計数分野では、次のようなテーマが頻出です。
- 表・グラフの読み取り
- 四則演算・割合・損益計算
- 場合の数・確率
- 集合・論理推論
TG-WEBの計数問題は、単なる計算問題ではなく、与えられた情報から必要なデータを抽出し、論理的に処理する力が求められます。表やグラフの中には不要な情報が紛れていることもあり、**「何を問われているのかを読み解く力」**が問われるのが特徴です。
さらに、時間制限が比較的厳しいため、計算スピードと正確性の両立が重要となります。
【対策法】
- 中学〜高校レベルの数学(割合・確率・グラフ問題)を復習する
- TG-WEB専用の計数問題集で繰り返し練習し、形式に慣れる
- 特に「場合の数」や「集合問題」は苦手な人が多いため、YouTubeなどの解説動画を活用して理解を深めるのも有効
- 問題文の読み方・必要な数値の見極め方をトレーニングして、読解・計算の工程を最小化する
また、使用できる電卓の種類が制限されている場合があるため、四則演算を素早く処理する暗算力の強化もおすすめです。
TG-WEBは慣れと準備で大きくパフォーマンスが変わる検査です。言語・計数問題は、「問題の型」を理解しているかどうかでスピードと正答率に差が出ます。市販の対策本やオンライン模試を活用し、計画的に準備を進めていきましょう。
TG-WEB性格検査の注意点
TG-WEBの性格検査(パーソナリティ検査)では、単なる性格の良し悪しを見るわけではなく、企業のカルチャーや職種に合った人物かどうかを判断するための材料として活用されています。したがって、以下の点に注意して受検することが重要です。
1. 嘘をつかないこと(素直に答える)
性格検査には「正解」はありません。企業が知りたいのは“あなたらしさ”です。無理に理想の人物像を演じようとすると、回答に一貫性がなくなり「信頼性が低い」と判断されてしまう可能性があります。嘘や作為的な回答は逆効果です。
2. 一貫性を保つ(矛盾に注意)
性格検査では、似たような質問が表現を変えて繰り返し出題されます。たとえば「私はチームで働くのが好きだ」と「単独で仕事を進める方が快適だ」といった対になる質問が出ることも。その場の気分で答えると矛盾が生じ、整合性のない回答と判断されるリスクがあります。
3. 極端な回答を避ける
「まったくそう思わない」「いつもそう思う」など、極端な選択肢ばかり選ぶとバランスに欠けた人物と見なされる可能性があります。もちろん、自分の価値観が明確な場合は選んで問題ありませんが、無意識に偏っていないか意識しましょう。
4. 企業ごとの価値観を意識する(多少のチューニングはOK)
三菱地所のような大手不動産ディベロッパーでは、「協調性」「責任感」「持続力」などが重視される傾向があります。自分らしさをベースにしつつ、その企業に求められる人物像を意識して答えることは戦略的にも有効です。
5. 短時間で焦らず丁寧に
性格検査はスピードを競うものではありません。焦って直感的に答えすぎると、自己認識とずれた回答になってしまいます。設問ごとに落ち着いて、自分に正直に答えることが大切です。
TG-WEB性格検査は「落とすためのテスト」ではなく、「企業と応募者の相性を確認するためのもの」です。誠実で一貫性のある回答を意識することが、良い評価やマッチングにつながります。
三菱地所が求める人材像
三菱地所が重視する人材の特徴は、企業のホームページやインタビュー等をもとに次のようにまとめられます。
①『志』ある人
三菱地所は、その組織に志を持つ人材を重要視しています。志を持つことは、業務への情熱と使命感を表し、仕事に対するコミットメントを意味します。志を持つ人材は、会社の目標を共有し、積極的に取り組むことができるため、組織にとって貴重な存在です。
三菱地所は、志を持つ人材を支援するための研修プログラムを提供しています。この研修は、個人の志や目標を明確化し、それらに向かって効果的に行動する方法を教育します。コーチングセッション、自己啓発の促進、および目標設定の練習などが含まれ、個人の成長と組織への貢献を促進します。
②『現場力・仕事力』のある人
三菱地所は、自身の担当領域や不動産全般の「プロ」として知識・スキルを研鑽し、業務を推進できる力を持つ人を育てる研修プログラムを提供しており、組織内での成功に重要な役割を果たすことができる人材を育成しています。この要素に焦点を当てた研修では、以下のような内容が含まれています。
プロジェクト管理: プロジェクト管理の基本から上級までのスキルを習得するためのトレーニングが提供されます。プロジェクトの計画、実行、監視、および終了に関する知識が強化されます。
専門知識の習得: 三菱地所の業界やビジネスに関する専門知識を習得する機会が提供されます。これにより、従業員は業務においてより専門的なアプローチを取ることができます。具体的には、宅地建物取引士の資格や、マンション管理士・ビル経営管理士・不動産鑑定士など、さまざまな資格を取得する際にサポートを受けることが可能です。
③『誠実・公正』である人
誠実さと公正さは、三菱地所が求める人財像の重要な要素です。組織内で誠実であり、公正な態度を示すことは、信頼性を高め、協力関係を築く上で不可欠です。三菱地所グループでは、コンプライアンスを法令の遵守だけではなく、「社内ルールや企業倫理の遵守」と定義しています。グループ合同新入社員研修時や、特定の等級への昇格時、キャリア入社時におけるコンプライアンス研修の実施など研修にも力を入れています。社員一人ひとりがコンプライアンス・リスク管理の意識を持ち、三菱地所グループの一員として誠実な行動ができるよう、人事評価において、コンプライアンス及びリスク管理に関する評価軸を盛り込んでいます。
④『組織』で戦える人
組織内で協力し、他のメンバーと調和して働くことは、組織全体の成功に不可欠です。三菱地所ではその中でも組織としての競争力を高めるために、人財育成やマネジメントを行う力のある人を育成するために研修プログラムを提供しています。その一例として、組織内コミュニケーションの質・量を高めるために1on1ミーティングを実施しています。仕事の悩みも相談を相談し、社員一人ひとりが抱え込まずにプライベートも大切にできる環境を作っています。また、マネジメント力強化のために新任マネージャーへの研修を行ったり、その後のフォローアップも手厚く行っています。
⑤『変革』を起こす人
三菱地所では、5つの要素のうち特に「変革」を起こす人に関する取り組みに注力しています。変革やイノベーションを促進することができる人材を評価し、育成するための研修プログラムを提供しています。
副業制度や「変革」をテーマとした階層別研修の実施もしていますが、特に注力を注いでいるのが新事業提案制度「MEIC」と「10%ルール」の導入が挙げられます。
・新事業提案制度「MEIC」について
2009年にスタートした新事業提案制度により、広く社員から事業提案やアイデアを募集してきました。ジムの都度利用サービス「GYYM」や中古オフィス家具の再販事業「エコファニ」など、三菱地所グループの収益多角化や本業強化につながる新しい取り組みが実現しています。2021年からは、急速に変化する事業環境を踏まえ、本制度を更に推進するべく、対象をグループ会社にまで拡大し、「MEIC(=Mitsubishi Estate group Innovation Challenge)」という新しい制度をスタートさせました。今後も、イノベーションの促進を目指し、社員の挑戦を後押しする仕組みの強化を図っていきます。
・10%ルール
業務時間の10%以上をビジネスモデル革新、またはそれにつながる業務効率化・ 風土改革のための時間に充てることを必須化する制度を導入しており、その内容を評価の対象としています。効率化施策から社外とのネットワーク形成、新事業提案制度への応募準備など、自由に選択し、幅広いテーマに取り組んでいます。結果、7割近い社員がビジネスモデル革新に取り組んでおり、今後は更にその割合を高めていくことを目標としています。
出典:https://mec.disclosure.site/j/sustainability/activities/social/open-innovation/(2025年5月時点)
もちろん適性検査の結果も選考において重要な要素の一つですが、それ以上に重視されるのが、この求められる人物像とマッチしているかどうかです。
三菱地所が求める人材像は、単なるスキルや知識だけでなく、「どういう姿勢で仕事に取り組むか」「組織や社会にどう貢献できるか」といった人間性や志向性に重きを置いています。
適性検査はあくまでその判断材料の一部として活用されており、面接や経験、志向とあわせて総合的に評価されることを抑えておきましょう。
三菱地所へのご転職をお考えの方へ
今回ご紹介した内容は、2025年5月時点での情報です。企業の選考フローや使用される適性検査の種類は変更されることもあるため、最新の情報については就職エージェントなどに相談するのがおすすめです。
弊社sincereedだからこそわかる選考対策、さらには入社後の早期活躍方法についても多くのアドバイス、サポートが可能となっております。
三菱地所への転職にご興味のある方はまずは一度ご相談いただければ幸いです。