三井住友銀行の人事評価
2023/10/30

三井住友銀行の人事評価

監修者 南 征志

監修者

sincereed株式会社 南 征志

新卒で地方銀行にて営業職を経験した後、2018年から株式会社リクルートキャリア(現リクルート)に入社。大手企業や地方エリアの法人営業、またキャリアアドバイザー業務に従事。
キャリアアドバイザーとして数千人の転職支援に従事した経験を持つ。

三井住友銀行では、2020年に人事制度の抜本的な改定を行いました。一般職を廃止したり、若手社員を抜擢しやすい階層にしたりと、時代の流れや従業員のニーズに合わせた柔軟な変革を行っています。また自律的なキャリア支援制度や育成制度も充実しており、2021年に厚生労働省によるグッドキャリア企業アワードにおいて「イノベーション賞」を受賞しています。

具体的な人事制度改革の内容や評価制度、人材育成制度などについて、具体的にご紹介していきます。


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三井住友銀行の人事制度への考え方

三井住友銀行は2020年1月、「Be a Challenger」をスローガンとして人事制度の抜本的な改定を行いました。このBe a Challengerというスローガンには、「職種、階層、年齢などに関係なく、従業員一人ひとりが新しいチャレンジに果敢に挑んでいく」「そうしたチャレンジを通じ一人ひとりがより活き活きと働き、自らの付加価値を高め、思う存分活躍できる」そんな環境をつくりたいという想いが込められています。そのうえで、「Fair」(公平な人事制度)、「Challenge」(新たな挑戦を促進する人事制度)、「Chance」(能力を最大限発揮する機会がある人事制度)の3つを基本コンセプトとしています。勤勉で意欲的な社員が思う存分にその能力を発揮できる職場をつくることを追及し、挑戦を後押しする風土が特徴の三井住友銀行ですが、具体的な人事制度改定の内容や人事評価制度の内容はどういったものなのか、下記にてご紹介していきます。

 

抜本的な人事制度改定

2020年の人事制度改定に踏み込んだ背景にあるのは、会社を取り巻く環境や従業員の価値観、企業と従業員の関係性などの大きな変化です。例えば近年はIT技術の進化や異業種による金融サービスへの参入が相次ぎ、銀行としてもビジネスモデルの変革を求められるようになりました。また、従業員のライフスタイルや働き方も大きく変化をしていることから、企業と従業員の関係性も「ともに依存する」のではなく、「選び、選ばれる関係」へと変化しています。これは採用力にも関わる部分であり、競争に勝っていくためには一人ひとりの従業員がいきいきと働き、力を最大限発揮できる環境を提供する必要があると考え、人事制度の改定に至りました。

今回の人事制度改定で主なものは、次の4つです。

 

①職種の統合(BC職の廃止)

三井住友銀行には総合職、総合職(リテールコース)、BC職(ビジネスキャリア職)の3つの職種体系がありましたが、今回の人事制度改定でBC職を総合職、総合職(リテールコース)とそれぞれ統合することとなり、BC職が廃止されました。

BC職は定型的な事務業務を行う職種で、もともとは一般職と呼ばれ女性が多く所属していました。かつては結婚や出産を機に寿退社する社員も多くおりましたが、時代の変化とともに産休や育休を経て復帰する社員が増加。BC職は基幹職にあたらないため、長期的なキャリアを見据えた際、他の職種に比べて「キャリアアップの道筋が見えない」という声が多く上がるようになりました。そこでBC職を基幹職にあたる総合職、総合職(リテールコース)に統合し、意欲や実力次第ではフィナンシャルアドバイザーやウエルネスマネジメントバンカー、法人営業などの業務にも挑戦できるようになりました。部長や支店長といった管理職へのキャリアアップも可能になり、キャリアパスが大きく広がりました。

 

②階層の統合

これまで三井住友銀行には6つの階層がありました。管理職に就くには一定の階層に到達していることが求められていたため、若手社員が責任あるポジションへ就くまでに時間がかかることが多くありました。今回の階層の統合では、6つあった階層を3つに統合。これにより、階層要件に縛られず、思い切った若手の抜擢が可能になりました。また、細やかな階層に縛られないため、職務や貢献度に応じたより公平な評価・処遇がしやすくなりました。実際に早い段階で管理職に就く社員も多く、30代前半の課長や30代後半の副支店長なども活躍しています。

 

③生涯キャリアの充実

シニア人材が長く活躍できるよう、定年を60歳から65歳へ延長しました。また評価・処遇体系の見直しを実施。これまでは50代前半で銀行外部に転籍、もしくは55歳で年収が大きく下がる仕組みとなっておりましたが、モチベーションの維持向上や急激な年収減少による生活面への影響緩和を考慮し、年収カーブの見直しを行いました。更にシニア人材のキャリアの選択肢を増やすため、シニア向け公募を拡充し、60歳以上の従業員を対象に副業を容認するデュアルキャリア支援制度等を新設しました。

 

④エキスパート制度の導入

特定の分野で専門的にキャリアを歩んでいきたいと考える社員の挑戦に応え、かつ適切に処遇することができるよう、エキスパート制度を導入しました。高い専門性を有し、その専門性を当該分野の業務で発揮する人材を「エキスパート」として認定。認定分野に限定したキャリアパスを約束し、異動や転勤はありません。専門性を生かせる部署でずっと働くことができます。また、専門性のレベルに応じた一定の手当が支給されます。これまでもエキスパート社員の処遇制度はありましたが、一定以上の年次を対象としたものでした。本制度が導入されたことで、若手や中堅のうちから適切に処遇することが可能となっています。

具体的な専門分野は、法務、会計、信用リスク計量、プロジェクトファイナンス、M&Aファイナンス、システム開発、データマネジメントなど30領域にわたります。

 

この4つの改定の他にも、ライフイベントに合わせた働き方ができるよう、一時的に勤務地を選択できる制度も導入しました。社員の声をもとに制度を見直したり、若手・シニア問わず一人ひとりの働きやすさや人生の選択肢が増えるような内容になっていたりと、従業員がモチベーション高く長期的に働ける環境を意識した制度になっていますね。

 

三井住友銀行の人事評価制度

三井住友銀行の人事評価制度は、主に「貢献評価制度」と「実力評価制度」の2軸で構成されています。

 

貢献評価制度

会社または他の従業員への貢献度合いを評価する制度です。自身が所属する部署・グループに対する貢献だけに留まらず、グループ全体および他の従業員に対する「貢献」全てを評価する内容になっています。評価項目がいくつかあるので、その項目に対して自分の貢献を記載し「貢献評価シート」を作成していきます。例えば「お客様の利便性を高めたサービスを積極的に利用しているか」という評価項目であれば、「今年度から導入された新たな顧客システムの使い方に関して朝礼で勉強会を実施し、支店でのシステム推進に貢献しました」等、自分の貢献をアピールする内容を貢献評価シートに記載します。そのシートの内容をもとに上司や部店長が評価を行い、最終的な評価が賞与に反映されるものになっています。透明性・納得性のある手法でメリハリある処遇を実現しています。

 

実力評価制度

「行動特性(コンピテンシー)」と「行動源泉(エネルギー)」を通して、総合的に評価する制度です。具体的に解説していきます。

まず行動特性とは、次の4つの概念で構成されています。①思考特性(情報収集力・情報分析力・企画力等、成果行動を支える基盤)②対人影響(チームワーク、部下指導力等、成果を実現するために相手に影響を与える特性)③専門性(担当業務を遂行する際に要請される職務スキルや専門知識)④ベース行動(顧客志向・チャレンジ精神、スピード等、職務遂行上基盤となる特性)です。これら4つの発揮能力をレベル判定することで、数字では表せない貢献や実績だったとしても顕在化させ、評価をしていきます。

次に行動源泉とは、その名の通りですが「成果に至る行動を引き起こす源、行動のエネルギー」とされています。これは本人特有のものと位置づけられています。

この行動特性と行動源泉を総合的に評価したものが実力評価になっています。評価については部店長のみではなく、人事部員による面接や研修などを通じて多面的に行っています。

 

 

自律的なキャリア形成を支援する制度や人材育成

三井住友銀行は2021年、厚生労働省によるグッドキャリア企業アワードにおいて「イノベーション賞」を受賞しました。これは労働者の自律的なキャリア形成支援について他の模範となる取り組みとして認められた企業に贈られるものです。このようにキャリア支援制度が充実しているのはもちろん、異業種から転職した社員が安心して働けるような研修制度も用意しています。具体的なキャリア支援制度や育成制度についてご紹介します。

 

キャリア入行者研修

さまざまなバックグラウンドを持つキャリア入行者向けに実施する研修です。銀行業務全般における基本的な知識習得や、SMBC・SMFGの組織把握を目的とします。異業種から入行される方も銀行業務全般の知識習得を行うことにより、ご自身のミッションに対する理解がいっそう深まります。また、SMBC・SMFGの組織を把握することで、部門を超えた連携をスムーズに実施いただくことが可能となります。新しいシナジーを生み出す原動力となることを期待しています。

 

グローバル人材の育成

  • グローバル・バンカー研修

国内勤務の総合職・海外現地スタッフ合同で、共通言語を英語とした研修期間:5日間(事前準備期間5ヶ月)

  • 海外拠点トレーニー

海外拠点での勤務期間:2年間

  • 海外大学院

留学(MBA、LL.M.など)期間:2年間

  • 語学支援

特定の語学コンテンツの受講料を支援期間:3~6ヶ月間

  • SMBC Group eCampus

TOEIC対策講座・中国語対策講座など期間:随時

 

各種公募・派遣制度

  • ジョブエントリー

シンジケーション業務、ストラクチャードファイナンス業務、ディーラーなど、希望する職務(ジョブ)へエントリーできる制度

  • ポストエントリー

支店長、お客さま相談課長、法人営業部各グループ長など、希望するポストへエントリーできる制度

  • 研修エントリー

自身のキャリア形成に必要と思われる研修プログラムへエントリーできる制度

 

SMBCジョブフォーラム

「ジョブエントリー」で募集している100近くの部署が公募に関心のある社員に向けて仕事内容を紹介・アピールする「SMBCジョブフォーラム」を、東京・大阪で毎年開催。これは、SMBCの社員が、さまざまなセクションの職務内容をより具体的に理解し、公募への関心を高めてもらうと同時に、公募を通じて、キャリア形成を主体的に考える機会とすることを目的としたもので、若手を中心に多くの社員が参加しています。

 

SMBC Group eCampus

自宅のパソコンからwebを通じて自己啓発ができるよう、社員を対象としたラーニングポータルサイトを開設。語学力向上ツール、ビジネスシーンにおいて活用できるコンテンツだけでなく、育児を支援する情報サイトなど、豊富なラインナップになっています。

 

資格取得支援制度

自己研鑽に熱心に取り組んだ社員が最終的に資格取得に至った際、報奨金を支払い、その勉強に掛かった資金負担を一部軽減させる制度。意欲的に自己研鑽に励む社員をサポートする制度です。

 

キャリアシート

行内イントラネットを利用して、年に一度キャリアシートを登録します。自分の適性や能力・経験を踏まえて将来のキャリア展望を考える上で、本システムを利用してキャリアシートを作成し、上司・部店長との面談を実施します。社員が自身のキャリアについて積極的に考え、発信していく機会となっています。また、このキャリアシートの評価も賞与の金額を左右するものになっています。

 

キャリアコンサルティング制度

1対1の面談方式(60分)で、原則オンラインにて実施しています。平日、土日問わずワークスタイルに合わせて利用が可能です。キャリアコンサルタントの国家資格を持った担当者による面談で、階層研修の個別フォローアップとしても実施しています。

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