リクルートの営業はきつい?その仕事内容は?
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監修者
sincereed株式会社南雲 亮
株式会社リクルートキャリア(現リクルート)にてキャリアアドバイザー、マーケティング企画、事業企画/プロダクト/DX推進マネジャーを経験。
その後、新規事業開発に携わり、HRテクノロジーSaaS「リクナビHRTech」の新規事業開発/エージェントサービス企画部長を歴任。
中途採用の最終面接官としても数百名の候補者とも面接した経験を持つ。
リクルートは新卒・中途双方で高い人気を誇る大企業ですが、リクルートの営業ポジションにご転職をお考えの方の中には、リクルートの営業は「飛び込み営業させられる」「上司から怒られて詰められる」「ノルマ達成が厳しい」「夜遅くまで残業が続く」…などの印象があり、”リクルートの営業=きつい”と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、リクルートの営業は本当にきついのか、仕事内容や、組織の特徴、持っておくべきマインドなどからリクルートの営業ポジションについてご紹介していきます。
リクルート営業職の種類
リクルートは様々な事業を展開しておりますが、どの事業部に配属されるかによって営業の内容は変わります。営業の種類は、大きく2つに分けられます。
販促支援系
・SUUMO
・ゼクシィ
・じゃらん
・ホットペッパー
・ホットペッパービューティー
これらの事業部に配属になった場合は販促支援営業を担当します。
主なクライアントはSUUMOなら不動産仲介や売買会社、ゼクシィならブライダル企業、じゃらんならホテルや旅館、ホットペッパーなら飲食店、ホットペッパービューティーなら美容院やサロンです。
各クライアントに対して集客支援の提案を行い、受注後は広告のターゲットや内容を一緒に考えて広告原案を企画。実際に広告を作成するのは制作会社ですが、納期管理などのディレクションも行います。広告掲載後は集客状況を確認し、適宜修正などを行いながら、集客を最大化していく仕事です。営業職としての目標は広告の受注数や受注後の集客状況、継続利用状況といった点になることが多いです。
採用支援系
・新卒採用サービス(リクナビ)
・中途採用サービス(リクナビNEXT、とらばーゆ、リクルートダイレクトスカウト)
・HRエージェント(リクルートエージェント、就職shop)
・アルバイト・パート(タウンワーク、フロムエー)
採用支援営業の中でもいくつか種類があり、広告営業、人材紹介営業、キャリアアドババイザーの3つが主な職種です。
広告営業はリクナビやタウンワークなどの求人媒体を企業の採用担当や経営者に対して提案し、掲載する広告の企画や制作会社のディレクション、広告掲載後のフォローを行います。広告を受注する段階で金額が発生するので、広告の効果を適切に提案する必要があるほか新規開拓のハードルは人材紹介営業と比較すると高いと言えます。広告の受注数、広告の集客状況、継続利用状況などが目標に設定されることが多いです。
次に人材紹介営業ですが、こちらも企業の採用担当や経営者に対しての営業です。例えばリクルートエージェントの場合には、企業が求める人材要件に合わせてリクルートエージェント用の求人票を作成し、自社のデータベースの中から適切な人材を紹介。選考フォローを行いながら、採用成功までを支援する仕事です。こちらは成果報酬型のため、採用成功に至って初めて自分の売り上げに繋がります。そのため営業の目標は売り上げ金額がメインですが、新規開拓数の場合もあります。
最後にキャリアアドババイザーは、HRエージェント(リクルートエージェント、就職shop)領域の営業職です。キャリアアドババイザーの顧客は、企業ではなく個人顧客が対象です。リクルートエージェントや就職 shopのサービスに登録した顧客と面談を行い、希望する転職先やキャリアプランを聞きながら求人を紹介したり、キャリアについてアドバイスをしたりします。紹介した求人に応募があった際は面接対策や選考のフォローを行いながら、就職先決定までを支援していきます。自分が紹介した求人に就職が決まったら自分の営業成績になる仕組みなので、営業目標は決定した人数になります。
リクルート営業職の代表的なマインド
圧倒的当事者意識
「あなたはどうしたい?」リクルート内でよく聞かれる言葉です。時価総額上位にある企業であるにもかかわらず、社風はベンチャー企業であり、多くの起業家を生み出す企業でもあるリクルートの秘密のひとつに「圧倒的当事者意識」があります。これは物事を自分事として捉える意識のことです。常に目の前のことを自分事として捉え、「自分はどうしたいのか」という考えが求められます。
リクルートの採用サイトでも個人に求めるものとして「自律」を掲げており、「誰かに言われたからではなく、それを受け止めながらも自分自身がどうしていきたいか、自己選択できる力を求めます」と明記されています。そのため社内でも先輩に何か相談した時に「あなたははどうしたい?」と言われることが多く、常に主体性が問われます。
やり抜く・考え抜くスタイル
これは言い換えると”結果にコミットする”ということです。成果主義のため目標を達成することが常に求められるほか、困難なことに対しても諦めずに最後まで挑戦し続ける姿勢が求められます。たとえ目標を達成できなかったとしても、最後まで諦めずに挑戦し続ける姿勢は社内でも評価に繋がっています。
例えばリクルートでは3ヶ月ごとのクオーター目標が設定されますが、残り1ヶ月の時点でクオーター目標の達成が厳しい状況だったとしても、そこから巻き返して達成するにはどうしたら良いか、新たな戦略を考えて実践することが求められます。
もし達成できなかったとしても、諦めることなく自分で戦略を考えて実施する姿勢はプロセス面での評価に繋がっています。このように、どんな時も諦めずにやり抜き、考え抜くことはリクルートの営業マンに求められるマインドです。
成長意欲
リクルートの社員は成長意欲が高いことが特徴です。リクルートの面接では、会社のいいなりではなく、個人として仕事で何を実現したいと考えているのか?そのためになぜリクルートである必要があるのか?ということを入社時点で重視しており、そこに確固たる意志がある人、リクルートに入ってさらに成長したい人が入社しています。
またリクルートが掲げるスタンスの中の1つに「広く・深く学び続ける姿勢」というものがあります。言い換えれば”成長意欲”のことであり、業務外の時間を使って新たな知識を身に着けている社員が多くおります。例えばキャリアアドバイザーの社員がコーチングの勉強をしたり国家資格キャリアコンサルタントの資格取得に向けた勉強をしたりするほか、営業職の社員がプログラミングの勉強をするなど、自分の担当業務に関する分野以外の勉強をしている営業社員も多いです。
会社としても社員の成長を最大化するための様々な仕組みを全社で実施しており、業務外の研修や勉強会も定期的に開催されています。成長意欲は、リクルートの営業マンにとって欠かせないマインドと言えるでしょう。
リクルートの営業組織の特徴
リクルートの営業組織は、体育会系の気風です。営業目標を達成した時は全力で喜びます。コロナ以前の全社員がオフィスに出社していた頃は、新卒・中途問わず新入社員が初めて目標を達成した際、先輩社員がフロア全体に響き渡る声で「○○さん、初達成しました!」と叫び、それを聞いた社員は拍手をして初達成した新入社員を称え、ハイタッチして回るという文化もありました。それほど目標達成に対して熱く、結果を出した場合は全力で喜ぶ社風です。
また社員同士の仲の良さも特徴です。コロナ前は仕事後に飲みに行くことは日常茶飯事で、休日も一緒に過ごすほどの距離の近さでした。現在はリモートワークが主流ですが、月に数回の出社日に合わせて飲みにいく社員も多いようです。
リクルートの目標達成における考え方は?
ノルマではなく目標
リクルートでは、ノルマという言葉は使っていません。「目標」という言葉を使っています。ノルマと聞くと会社から課せられたもの、というイメージになってしまいますが、リクルートでは会社から課せられるというよりも、自分自身で目標を設定する仕組みになっています。
目標設定で用いられているのが「Will-Can-Mustシート」。本人が実現したいこと(Will)、活かしたい強みや克服したい課題(Can)、業務目標や能力開発につながるミッション(Must)の項目からなる目標管理シートです。それぞれの項目について本人と上司が対話しながらすり合わせを行い、最終的には本人が主体的・自律的に取り組めるように設定します。そのためたとえ達成しなくとも上司から厳しい叱責はなく、なぜ出来なかったのか、どうすればよかったのか、自分自身での気付きや行動を促されます。仕事をやらされている、というわけではなく自分で仕事を作っていくという文化だからです。もちろん目標達成が出来れば給与もアップし、昇格もしていきます。
またインセンティブも支給される仕組みになっており、目標を達成した時だけでなく達成率が高かったり、MVPなどの表彰を受けたりした際はより高いインセンティブがもらえます。
リクルート営業職に求められる能力とは?
もちろんコミュニケーション能力や、やり抜く力、課題解決能力などは必要になってきますが、営業職だからではなく、どのポジションでもこれら能力を求められます。体系的な営業ノウハウは入社後に、受け継がれてきた営業スタイルを学んでいきますが、そもそもの「リクルートが求める人材像」が転職の際にはもっとも重要になってきます。
一貫したキャリアに関する価値観を語れること
リクルートのカルチャーで最も特徴的なのは、「ボトムアップ型」の組織であるということです。会社のいいなりではなく、個人として仕事で何を実現したいと考えているのか?そのためになぜリクルートである必要があるのか、ということを問うています。
またリクルートの人事評価制度は、Will・Can・Mustというフレームワークで運用されています。Will=仕事を通じて実現したいこと、ありたい姿、Can=持ち味・スキル・経験・武器・強み、Must=現部署でのミッションという考え方です。面接官は面接でもこのフレームワークに則ってあなたのキャリア観・転職軸を深堀りします。そのため、面接に向けては自身のキャリアに関する価値観・転職軸を整理しましょう。
構造的・論理的思考能力
これは一番重要なポイントになります。構造的思考・論理的思考能力は面接を通して常に見られており、転職理由から志望動機、これまでの実績・エピソード、さらには逆質問など、背景や課題を筋道立てて整理され、一貫した内容になっているのか確認しています。もちろん話も長くならず簡潔に納得性があり、わかりやすい内容でなくてはいけません。
対策としては事前にしっかりとこれまでの経歴も含め棚卸ししておく必要があるでしょう。なぜ転職するのか、なぜリクルートなのか、リクルートで活躍するために自身のどんな経験が役立つのか、さらにどんな実績・エピソードがあれば、これらの内容に納得感を持たせることができるのか、事前に自ら「なぜ?なぜ?」と深堀しながら考えて用意していくといいでしょう。
論理的思考能力は、もともとはコンサルタントのフレームワークとして知れ渡っていますが、構造化しながら順序立てて筋の通った内容にしていくことが求められています。
素直さ
人物面の定性的な印象となりますが、素直に指摘や状況を受け止められる人材か、謙虚さを持ち合わせているかを確認しています。
中途採用の場合、入社後に年下の上司、年上の部下がいることも多いです。リクルートに限らず、こうした環境下の中でこれまでの経歴・実績のプライドからうまく意見を取り入れられないと、どの企業でも活躍していくことは難しいでしょう。指摘やアドバイスを真摯に受け止め、自身の成長、所属組織やチームの成長に繋げていくことを意識できる人をリクルートでは求めています。
対策としては、面接の回答内容で「環境や他社批判、現職批判となるような発言」は、当事者意識の観点でお見送りとなってしまう可能性がありますので避けた方がいいでしょう。ネガティブな転職理由は、できるだけポジティブな言い回しに変換することを心掛けましょう。またこれまでの業務内容から「素直さ」をアピールできるエピソードがあると良いかもしれません。
当事者意識
当事者意識はリクルートのカルチャーにフィットした人物かを確認するポイントです。自らがビジネスを作っていくという気概と責任感、組織の中でどんな役割であっても一つの歯車ではなく、自分はどうしたいのか、何を実現したいのかという部分が重要になってきます。
面接では、「一段上の視座で物事を見ているか(経営陣やマネジメント、事業、社会の視点)、事業において関わることを多面的に自分ごとと捉え、能動的に活動・発信しているか」という観点で見られています。
対策としては、これまでのご経験・実績エピソードの中で、「当事者意識を発揮して物事に取り組んできた」という点をを盛り込みながら話を進めるといいでしょう。
行動力
当事者意識と関係してきますが、自身が考えたことを机上の空論で終わらせず、その仮説を確かめるための行動ができるかどうかがポイントです。面接では、これまでの経験の中で愚直に行動した経験や、現場を見に行き泥臭く実績を求められる人材かを確認しています。
対策としては、自ら情報を取りにいったエピソードや、現場の方々に納得・信頼を得るために自ら巻き込んで業務を進めていった、などの主体的に行動を具体的に伝えるといいでしょう。
リクルート営業職の口コミ
“目標を達成すればどんどん昇給でき年収もアップしていけます。ただ、目標を達成したい気持ちが強くなっていくにつれ、業務時間も長くなっていき辛くなることも多いです。現在は、長く働くよりも生産性高く働くことを会社として重視する傾向にあるため、長時間労働は減ってきている傾向にあると思います。”
(34歳 女性 入社7年目)
“年間休日が145日あるためプライベートも充実できています。私の部署は子育てママが多いので、女性にとっても働きやすいと思います。業務量は多いため業務時間中は必死に働く必要がありますが、その分ほぼ定時で帰宅できています。”
(33歳 女性 入社5年目)
“リクルートという看板がある分、クライアントからの期待が高いため、それに応えなければならないというプレッシャーが辛いこともあります。入社して間もない頃はアポイントを想定したロープレを何度も行い、早期の1人立ちを求められました。大変でしたが、営業スキルは身に着いたと思います。”
(29歳 男性 入社3年目)
“基本的に数字を追う仕事なので、目標の未達が続くと非常に辛いです。周りの達成している社員を羨ましく思い、辞めたいと思ったこともたくさんありました。ただ、先輩がどうすれば達成できるのかを一緒に考えてくれたり、たくさんのアドバイスをくれたりしたことで、徐々に目標達成できるようになりました。辛いことも多いですが、一緒に働く人に恵まれています。”
(27歳 男性 入社2年目)
“男女関係なく昇給、昇格できる環境だと思います。部の成績トップが女性社員ということも多いですし、女性の営業マネージャー、営業部長も多数在籍しています。男女比も半々くらいの部署が多いので、和気あいあいとした雰囲気で働けています。”
(30歳 女性 入社5年目)
リクルート営業ポジションの転職事例・体験談
◆新卒2年目、製薬メーカー広報からリクルート営業ポジションへ転職
学習院大学を卒業後、2021年に大手製薬メーカーに入社。入社2年目になり、今以上にやりがいや目標をもって、自発的に楽しく働ける環境が他にあるのではと考え始めていました。また、「採用のミスマッチを減らし、楽しく働ける人を増やしたい」という想いがあったため、それを実現できる仕事がしたいと思ったのが転職理由です。シンシアード社経由でリクルート社に入社が決定しました。面接していただいた方に惹かれる面がとても多かったです。
◆社会人2年目での転職活動、大手メディア企業からリクルート営業ポジションへ転職
大学卒業後、大手メディア企業に入社。業務自体に楽しさは感じていたものの、本来就職活動時には営業志望で現職に入社しました。部署異動が叶わず、営業職でのポジションを探すため、2年目の5月から転職活動を開始しました。アピールする内容に悩みましたが、学生時代の討論大会の経験や、趣味の筋トレの中で目標設定をしながら達成した話などを、職務経歴書・面接でもアピールすることで営業としての素養が認められ、シンシアード社経由でリクルートへの入社が決定しました。
リクルートからの転職で後悔しないためのポイント
これからリクルートへの転職をお考えの方に、まず押さえておくべき転職ポイントをまとめてご紹介していきます。
社名 | 株式会社リクルート |
創業 | 1960年3月31日 |
2012年 10月1日 株式会社リクルートホールディングス設立時の分社化により設立 | |
2018年 4月1日 株式会社リクルートに商号変更 | |
2021年 株式会社リクルートと事業会社7社が統合。新生株式会社リクルートに。 | |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-9-2グラントウキョウサウスタワー |
URL | https://www.recruit.co.jp |
代表 | 北村吉弘 |
従業員数 | 17,327人(2022年4月1日現在 / アルバイト・パート含む) |
資本金 | 3億5千万円 |
マッチング&ソリューション事業の売上収益 | 6,586億円(2021年4月1日~2022年3月31日) |
(※2022年12月現在)
基本理念
私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、 一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。
ビジョン [ 目指す世界観 ]
Follow Your Heart 一人ひとりが、自分に素直に、自分で決める、自分らしい人生。本当に大切なことに夢中になれるとき、人や組織は、より良い未来を生み出せると信じています。
ミッション [ 果たす役割 ]
まだ、ここにない、出会い。 より速く、シンプルに、もっと近くに。 私たちは、個人と企業をつなぎ、より多くの選択肢を提供することで、「まだ、ここにない、出会い。」を実現してきました。
いつでもどこでも情報を得られるようになった今だからこそ、より最適な選択肢を提案することで、「まだ、ここにない、出会い。」を、桁違いに速く、驚くほどシンプルに、もっと身近にしていきたいと考えています。
バリューズ [ 大切にする価値観 ]
新しい価値の創造
世界中があっと驚く未来のあたりまえを創りたい。遊び心を忘れずに、常識を疑うことから始めればいい。良質な失敗から学び、 徹底的にこだわり、変わり続けることを楽しもう。
個の尊重
すべては好奇心から始まる。一人ひとりの好奇心が、抑えられない情熱を生み、その違いが価値を創る。すべての偉業は、個人の突拍子もないアイディアと、データや事実が結び付いたときに始まるのだ。私たちは、情熱に投資する。
社会への貢献
私たちは、すべての企業活動を通じて、持続可能で豊かな社会に貢献する。 一人ひとりが当事者として、社会の不に向き合い、より良い未来に向けて行動しよう。
リクルートでは創業以来、“価値の源泉は人”という考えが浸透しており、一人ひとりの持っている力をいかんなく発揮してもらうため、その時代に合った様々な制度や働き方を定めてきていますが、根本となる理念からもそのことが分かるかと思います。
またリクルート=当事者意識、という代名詞もこのリクルートの理念から感じ取れると思います。中途入社(新卒でも)では、この当事者意識というポイントが面接のカギとなる重要なファクターとなっています。面接対策においてポイントだけを理解して対策するのではなく、なぜこの会社はこのポイントを重要視するのか、そのベースとなることの理解から始めると自身でもうまく腹落ちしながら進められることができるでしょう。
リクルートの社風の特徴
以下のポイントから「リクルートらしさ」を表す社風の特徴を見ていきましょう。
・社員同士の相互理解
・リクルート内の口癖
・圧倒的当事者意識
・個の尊重
・若手でも大きな裁量権
・自由でフラットな環境
・表彰制度・評価制度
社員の相互理解
入社から1年後に、Career Development Program(CDP)という自己認識を高めあう研修があります。どんな人生を過ごしてきたか、自分の強みや弱みなどをみんなで共有しあい、自己理解、相互理解を深めます。研修には多くの時間を使うため、相互理解だけでなく、互いが尊重しあえる組織体制を築いています。また、実際の業務において、相手の課題点や仕事の中で感じた点を指摘しあったり、改善点を伝えたりする時間もあります。苦しい時間に思えますが、ポジティブな姿勢で取り組むものであり、言いたいことが言い合えるオープンな環境を作ることができると言えるでしょう。
リクルートはこうしたお互いが切磋琢磨しあう環境にあるため、企業文化や色濃く、組織が強くなっているのだと思います。
リクルート内の口癖
元リクルートの方々が卒業後もこの言葉を使っているのをよく見ます。もはやリクルートの企業文化ともいえる口癖を並べてみます。
(1)お前はどうしたいの?
(2)じゃあやってみれば?
(3)圧倒的当事者意識
(4)仕事の報酬は仕事
(5)お前のWILLは?
(6)何目的?
(7)無言の奴は会議に出る意味はない
(8)相手の心に火をつけろ
(9)昨日を超える
(10)自ら機会を創り出し機会によって自らを変えよ
人によって多少表現は変わるものの、これらの意識が社内全員で共通しており、これがリクルートという企業文化を作り上げています。
圧倒的当事者意識
リクルートを体現する言葉の一つです。時価総額上位にある企業であるにもかかわらず、社風はベンチャー企業であり、多くの起業家を生み出す企業でもあるリクルートの秘密のひとつに「圧倒的当事者意識」があります。
他人ではなく自分がやる、自分がバリューを出すことで事業を推進させる、自分の手で事業を大きくしていく、こうした考えが根付いているのがリクルートです。
この「圧倒的当事者意識」は面接においてもチェックされる重要なポイントであり、過去の体験から深堀質問をしながら見極められるので、自身のエピソードを話せるようにしておいたほうがいいでしょう。
個の尊重
リクルートでは創業以来、“価値の源泉は人”という考えが浸透しており、一人ひとりの持っている力を遺憾なく発揮してもらうため、その時代に合った様々な制度や働き方を定めてきています。リクルートの経営理念でもある「バリューズ [ 大切にする価値観 ]」でも、この個の尊重に触れており、
”すべては好奇心から始まる。一人ひとりの好奇心が、抑えられない情熱を生み、その違いが価値を創る。すべての偉業は、個人の突拍子もないアイディアと、データや事実が結び付いたときに始まるのだ。私たちは、情熱に投資する。”
と書かれています。
若手でも大きな裁量権
リクルートでは年功序列という概念はなく、新卒入社2、3年目でも大きな仕事を任されます。そのため年齢や在籍年数などで評価はされず、ミッショングレード制という実績・成果による評価制度を導入しています。例えばリクルートの主要事業のPMとして予算管理やベンダーマネジメント、スケジュール管理を行う事業企画や、サービス戦略策定を行うプロダクトマネージャーなどのポジションを入社3年目で担当するなど、年齢に関係なく大きな仕事、レベルの高いミッションを任されます。
自由でフラットな環境
仕事の進め方について決められたものはなく、利益・成果にコミットしているので、その自由度が高いことが特徴です。実際の例として「ハローワーク経由の決定シェアが高い企業に対して、ハローワーク向けの求人票をブラッシュアップの提案をする」ということを提言したところ、会社の短期的な利益には必ずしも繋がりにくい提案であるにも関わらず、上司からは「良い行動だね」と褒められた、といったケースもあるようです。
また、社内においては多種多様なバックグラウンドを持つ中途社員が多いため、前職の業種などに偏りがない環境です。管理職や上司の方々も友達のように付き合ってくれるので、ランチでも飲みに行くのも自然に誘える社風となっています。キャリアで悩んだ時などは部門上司はもちろん、他部門の管理職の方ともよく飲みに行って相談していることも多いです。
表彰制度・評価制度
リクルートでは、多くの部署でアワードと呼ばれる表彰の仕組みが整えられています。これらは、一般的に見られる社長賞のような会社としての賞ではなく、各従業員が審査するという特殊な構造となっています。参加者は原則として全社員であり、管理職が多く票数を持つ場合もありますが、基本的には多数決で選出し、審査を通じて全員がフィードバックをもらえ、参加者も満足度の高いものとなっています。部署によっては週・月・クオーター・半年・年間と、頻繁に表彰しているところもあり、社員のやる気、モチベーションにも繋がるリクルート独自の社風となっています。
またWill-Can-Mustシートやミッショングレード制といった評価制度もリクルートの企業文化を作っているかと思います。
リクルートの選考ステップ・回数
リクルートの中途採用における選考フローは基本的には以下のようになっています。
・書類選考
・SPI
・面接(2~3回)
※一部、企画職や特殊なポジションについては面接回数が増えるケースもあります。
面接では、応募職種に関わる部門の現場マネージャーや部長、役員が面接官として登場してきます。また人事が1次面接を担当する場合もあります(職種によって変わってきます)。
現在はWeb面接のケースが多いです。
書類選考
リクルートの書類選考の通過率は、他企業と比べると比較的高めです。いわゆる学歴フィルターや職歴(前職・現職企業名)によって書類不合格となる可能性は低いですが、何も変わり映えのない、自身のやってきたことが羅列している書類ではなく、自分自身の強みやリクルートで活かせるスキルや経験を記載しておくといいでしょう。
専門職であればどんな業務内容を経験してきたのか、営業であれば実績はどの程度上げてきたのかを記載するようにしましょう。転職エージェントに相談し、客観的な意見も交えてブラッシュアップしながら進めると良いかと思います。
また年齢についてですが、やはり年齢が上がれば上がるほど即戦力としての期待度も上がるため、通過率は厳しくなる傾向にあります。新しいことに果敢に挑戦できる柔軟性があるのか、これまでの経験がマッチしているのか、厳しく書類段階でも見られるため、リクルートと自身のこれまでのキャリアのマッチングが重要になります。
SPI(筆記試験)
リクルートでは筆記試験にSPIを利用しています(筆記テストの種類はSPI・Web-GAB・玉手箱など数種類ある)。SPIはリクルート社のグループ企業であるリクルートマネジメントソリューションズ社が開発した適性検査で、性格検査と能力検査に分かれています。
性格適性検査は、職種や企業風土等に合うか否かを測定しているため、それぞれに応じた好ましい回答があります。あまり作為的に答えてしまうと、面接との統一性が欠けたり、入社してからのギャップに悩んでしまうこともありますので正直に答えましょう。
能力検査はIRT(Item Response Theory:項目反応理論)方式が採用されており、問題数・難易度が受検者によって変わります。 正解すればするほど難しい問題が出題され、不正解だと簡単な問題が出てくる、より受検者の能力を正確に測定するシステムです。
学校などのテストとは違い高得点を出すことが目的ではなく選考を通過するため、ですので正解率7割を目指して対策すると良いかと思います。まずは対策本などから「対策しやすい分野」を優先的に対策し解くスピードを上げ、「対策しにくい分野」に時間を残して丁寧に解いていき、最終的に総合点を上げることがポイントでしょう。
面接(1次面接)
1次面接では現場マネージャーや採用ポジションによっては人事担当者が行います。
面接では徹底的に「リクルートに合う人」かを見られます。面接官が見ているポイントは以下5つです。これは全職種で共通していますのでエンジニアであれ営業であれ、企画職でも必ず押さえておきましょう。
・一貫したキャリアに関する価値観を語れること
・構造的・論理的思考能力
・素直さ
・当事者意識
・行動力
この5つのポイントはリクルートのカルチャーが大きく反映されており「リクルート=圧倒的な当事者意識」を表すように自律した個人を尊重し、成長を支援するカルチャーが根付いている特徴的なポイントになります。
自らがビジネスを作っていくという気概と責任感、組織の中でどんな役割であっても一つの歯車ではなく、自分はどうしたいのか、何を実現したいのかという部分が重要になります。
最終面接
最後は部長クラスや役員クラスとの面接になります。
質問内容や見ているポイントについては1次面接と同じですが、例えば書類や1次面接と内容が一貫していない、その場しのぎの答えが出てしまった、1次面接より深堀された質問にうまく答えられなかった、など最終面接で不採用となってしまうケースも多いです。
やはりすべての面接を通した対策が重要になってきますので、リクルート転職に精通したエージェントに相談しながら選考を進めると良いかと思います。
採用ポジション
リクルートの職種は大きくコーポレート職、ビジネス職、テクノロジー職の3種類に分かれています。営業職においては雇用形態が下記のように総合正社員、地域限定社員(SE)、カウンター職、そして3年雇用の契約社員と分かれています。地域限定社員やカウンター職、契約社員については、特定の地域・領域・職種での募集となっています。
例えば営業ポジションに応募したいとき、総合正社員なのか地域限定社員なのか契約社員なのか、自分自身のこれからの働き方や、キャリア志向に応じて選ぶ必要があります。
雇用待遇:正社員・契約社員
リクルートでは以下のような雇用待遇に分けることができます。
・正社員(総合・地域限定・カウンター職)
・契約社員
正社員
総合正社員では、ほぼすべての職種が該当しています。経営企画、営業、エンジニア、経営管理などで勤務地は東京となります。
地域限定(SE)社員の場合には、11に分かれた全国ブロックの中から選ぶことができ、原則そのブロックを跨いだ転勤はありませんが、ブロック内での転勤はあります。そして職種については営業職がメインとなっており、リクルートの各事業における営業企画、ソリューション営業、クライアントサポート、そしてリクルーティングアドバイザーなどがあります。
カウンター職は、各エリアに実店舗としてあるSUUMOでの住宅アドバイザーになります。
契約社員
営業職となり、ホットペッパービューティーやグルメの新規開拓営業が主な仕事内容になります。営業未経験からチャレンジしたい、リクルートで成長し自分のやりたいことに繋げたい、などの理由から選ぶ方も多く、3年契約が終わった後に地域限定社員への社員登用を選択する方も多いです。
リクルートへのご転職をお考えの方へ
リクルートへの転職は難易度は非常に高く、十分な面接対策なしでは内定獲得は難しいと言えます。
sincereedはリクルート出身者、最終面接官をはじめ、DX領域における転職支援経験や業務経験者を有するエージェントです。リクルート出身だからこそわかる選考対策、さらには入社後の早期活躍方法についても多くのアドバイス、サポートが可能となっております。
リクルートでのキャリア、リクルートへの転職にご興味のある方はまずは一度ご相談いただければ幸いです。
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